この作品はキャラ設定が崩壊しております。原作重視の方はご注意ください。
時代背景等がめちゃくちゃです。
一刀くん&出演する大佐がた等がチートです。
それでも良い方はどうぞ。
予鈴から数分後の教室には、すでにほとんどの生徒が揃っており一刀と及川の二人も適当に空いている席に着席した
及川「なぁかずピー…一つ聞いてもええか?」
一刀「ん? なんだよ」
鞄の中身を机の中に入れながら一刀は顔を上げて及川の方を見る。質問をした及川は、教室の天井についているスピーカーを指差しながら
及川「あのチャイム――」
『キーンコーンぶるあぁぁぁぁぁっはっはっは!! HRの時間よ~ん♪』
及川「………」
???「このチャイムはあの腐れ変態ムキムキクソ野郎が音声を録音したのを流すか、気分がいい日には生音声でやるらしい……」
絶句をしている及川に一人の青年が声をかける。その青年の姿を見るやいなや、一刀はとても嬉しそうな表情をした
一刀「光(ひかる)!! 光も同じクラスだったのか!!」
そう言って一刀が光の手を少し強引に取り握手を交わす。光もそれを素直に受け止め、はにかんだ笑顔を浮かべる
光「ほんとうは昨日にでも声を掛けようと思ったんだけど、孤児院の手伝いがあったから。そういえば、俺も武術部に入ったからよろしく」
一刀「おう」
及川「えへへへ。光さん、あっしのことも―」
一刀と光が軽い会話をし終わると、今度は及川が光に声をかけようとしたのだが
担任「席つけー。HR始めるぞー」
及川「なんでや!! なんでこのタイミングなんや!!」
担任「訳分からないこと言ってないでさっさと座れ!!」
絶妙なタイミングで入ってきた担任によって、喋るタイミングを完全に失った及川は一言叫ぶと静かに席に着いた
担任「それじゃ、今日は昨日も言ったように委員会を決めるぞ。と言ってもそんなに考える必要はない…俺の経験上どの委員会もそれなりにめんどくさいからな」
担任の発言により多少教室内がざわつくが、担任が黒板に委員会名を書いていくうちにそれも収まっていく
担任「ちなみにこの生徒会と風紀委員の男子は逆指名によって決定しているから、諦めるように。よろしく頼むぞ北郷」
そういって担任は生徒会と風紀委員の下に一刀の名前を書いていく。さすがの一刀もこれには驚き、思わず席から立ち上がってしまう
一刀「んなっ!? ちょっと待ってください!!」
担任「及川。こいつを見てくれ、この逆指名……どう思う?」
及川「すごく……適任です…」
一刀「及川―――――――――――!!!!!!」
及川の鮮やかな裏切りに絶叫をする一刀。しかしその叫びが及川に届くことは
無く
担任「うるさいなー。あんまり文句言うと成績下げるぞ」
一刀「くそう……先生。風紀委員は前の学校でやっていたので、やることはなんとなくわかっているのですが……生徒会って何やるんですか?」
担任のあまりの横暴さに諦めがついたのか、一刀はしぶしぶと自分が任命された生徒会の活動についての質問をする
担任「この生徒会委員ってのは正確には生徒会補助委員って感じだな。行事の際に忙しくなるであろう、生徒会を手伝うのが役目だ。よく言えばボランティア、悪く言えば雑用だ。というか雑用だ」
一刀「ちくしょう……」
席に着いた一刀は机に肘をつき手を組むとそれに頭を乗せ、まるでこの世の終わりを迎えたかのようにうな垂れた.
光「先生。その委員会に人数制限は?」
担任「男女から一名以上。ようは上限はなしってことだな。それにこの委員会に入っても、他の委員会に入れることも特徴だな」
光「なら俺もその委員会入ります」
担任「おお、そうかそうか」
及川「お、ならワイも―」
担任「それじゃあ五分ぐらい考える時間やるから、友達とかと相談して決めるように。ちなみに、さっきの生徒会委員以外は上限二名だ」
そう言って担任は教壇の椅子に腰を降ろすと手元の黒いやつを開いて、出席をとりはじめた。生徒達は席から立ち上がったりして、各自好きなように動いてどの委員会にするかなど話をしていた
一刀「ん? どうした及川。うなだれて」
及川「なんもない。なんもない……」
一刀が何故かうなだれている及川を不思議に思っていると、光が立ち上がって一刀たちに近づいてくる
光「さて、俺は残りの委員会をどうしよう。一刀は風紀委員で、及川はどうするつもりだ?」
及川「せやな~。報道委員かな。放送も新聞も一挙に請け負ってるみたいやし、何かと調べるのに大義名分が出来るやん」
光「なるほど、なるほど。俺としては孤児院のことがあるから、無駄に委員会とかには入りたくないんだけどな」
三人がそんなことを話していると、いつの間に近づいてきたのか担任が会話に参加してきた
担任「生徒会委員に入ってれば他の委員会に無理に入る必要はないぞ? 二人目以降は、他の委員会と掛け持ちしてもらう気だったが」
一刀「じゃあ俺は?」
担任「何事にも例外はある。そうだろう及川」
及川「まったくもってその通りですね」
一刀「右ストレート」
及川「ぺぷし!!」
担任「はっはっは。よし、戻る」
及川の悪乗りに、つっこみとして一刀の右ストレートが及川の顔面にめり込んだのを見届けると、担任は高笑いをしながら教壇に戻っていった
雪蓮「あはは。朝から騒がしいわねー」
冥琳「まったくだな。クラスの注目を集め放題だ」
一連のやり取りを見ていたのか、雪蓮と冥琳の二人が一刀たちに話しかける。雪蓮は目元に浮かんだ涙を片手で拭いながら、まだ笑っており、冥琳は雪蓮に黙ってハンカチを差し出していた
光「あれ? 雪蓮って俺と同じクラスだったのか?」
そんな二人に真っ先に声を掛けたのは光であった
一刀「あれ? 二人は知り合いなのか?」
雪蓮「あぁ。光は姉さんと仲良くてね。ちなみに蓮華も同じクラスってかそこに」
そう行って雪蓮が指差した先では、他の生徒に混じって話をしている蓮華の姿があった
光「そうだったのか。ところで雪蓮はどの委員会に入るつもりなんだ?」
雪蓮「ん~。体育祭実行委員かなー。入っとけばやりたいことやれそうじゃない?」
冥琳「頼むから馬鹿なことはやらないでくれ…」
雪蓮「ぶーぶー。その言い方だとまるで、私がいつも馬鹿みたいなこと発案してるみたいじゃないのよー」
冥琳「自覚してなかったのか?」
冥琳の一言に雪蓮はぶつくさと何かを言っていたが、他の四人はそれを聞こえないふりをして話を戻す
一刀「冥琳はどの委員会に?」
冥琳「去年もやっていたのだが図書委員だな。そうしないと倉庫内にある書物を漁れないんだ」
及川「なるほどなー。で、結局光はどうするんや?」
光「俺は生徒会委員一つでいいかな」
担任「ほい相談終了~。さっさと席にもどって無駄話やめないと、生徒会委員に強制的に入れるぞー」
担任の軽い脅しの入った言葉によって、生徒達は迅速に席に戻ることになる。そして、担任が各委員会の名前を読み上げて手を上げさせる。人数が多い場合はその場でじゃんけんをさせた
多少は不満の声が上がったものの、全員教師という権力の前に屈することとなった
担任「それじゃあ、今日の放課後に各委員会で活動があるから、指定された教室に向かうように。さて、このあとは授業終わりまで自由……と言いたいところだが……今日はHRが一限まるまるだからなー。…あと30分か……席決めでもやるか」
担任の言葉の後の一瞬の静寂。そして……
ざわざわ……ざわざわ……
ざわざわ…… ……ざわざわ…
……ざわざわ… ざわざわ……
担任「明日でもいいんだけどな、どうせ時間が余ってるんだし今決めてしまおう。ということで」
そう言って担任は教壇の下をごそごそと漁ると、白い箱を取り出した
担任「この教室の廊下側の前の席から後ろに1,2,3といって、一番最後まで行ったら先頭に戻る。さぁ、哀川から引くがよい!!」
冥琳「出来れば窓側がいいものだが……」
そう呟きながら箱に手を入れて一枚の紙を掴むと、一思いに引き出した
そこに書かれていた番号は四十二。ちなみにこのクラスの人数は四十二人
担任「いきなり最後尾引きやがった……だと!?」
冥琳「当然の結果だ……」
担任「むむむ……。次、天下」
それから何人か引いて及川の番
及川「俺のこの手が―」
担任「いいからはやくひけー」
及川「はーい」
ネタの出だしを潰された及川は素直に手を箱に入れると、何の叫びもなく引く
37
先頭とはいえ窓側であった
及川「ふふふ。これが勝利する者の引きや」
担任「ちっ。アリーナ席でよいものを。はい、次―」
その後も次々と生徒達がくじを引き、教室内は阿鼻叫喚の地獄絵図になっていく
生徒A「くおおおおお。アリーナ席だああああああ」
生徒B「これから……よろしくな」
『ガッシリ』
左慈「……一番後ろか。存分に寝れそうだな」
于吉「私と寝るのですね。大歓迎です♪」
『ガシッ ブン!!』←左慈が于吉を掴み投げる音
『パリーン』←窓ガラスが割れ于吉空へ
于吉「この愛も受け止めてみせますよーーー!!」
左慈「そのまま死ねーーーーーーー!!!! というかお前は他クラスだろうが!!」
そんな茶番がありつつも、ついに一刀の番がやってきた。途端に教室中が静まり返り、一刀に注目が集まる
というのも、このクラスのほとんどの男子が一刀と同じクラスになった経験があり、一刀の神業を知っているからである。その神業とは
一刀「38番を引きます……」
そう宣言した一刀を見ながら男子生徒が唾を飲む。そう、一刀はこういったくじで宣言した数字などを当てることで有名なのであった
そして女子から注目されてる理由は
女子A「北郷くんってかっこいいよねー」
女子B「うんうん。なんか絡みやすそうだし」
貂蝉「ドゥフフ。食べちゃいたい」
光「っ!! 変態マッチョの気配が……気のせいか」
担任「くっくっく。そう簡単に俺のくじで狙った数字を引けると思うなよ……」
そんな担任の態度も軽く流して静かに箱に手を入れると
一刀「これだーーーーーーーーーー!!!」
そう叫び天高く上げられたくじに書かれていた数字は……
及川「……38……38や!!」
男子A「ブラボー!!」
男子B「エクセレント!!」
男子C「ち○こもげろ!!」
一刀「関係ないこと言ったの誰だ!!」
湧き起こる歓声に混じる罵声につっこみをいれつつも、一刀は番号の書かれたくじを優雅に担任に渡す
担任「くっ、次はこうはいかんぞ」
その後も様々なドラマが繰り広げられながらも、HRは無事に終わり合併後初の授業が行われた
『キーンぶるぁぁぁぁ! ぶる、ぶるああああああああああ!! 一限目 終わりよ~ん』
担任「よし。次からは普通の授業が始まるから教室移動とか忘れるなよな~」
チャイムが鳴ると同時に担任は教壇の椅子から立ち上がると、全生徒に聞こえるように少し大きめの声でそう言うと教室を後にした
光「次の授業は……世界史か。どんな先生が担当なんだろうな」
一刀「及川。何か情報は?」
一刀にそう話を振られた及川は懐から手帳を取り出すと、パラパラとめくっていく
及川「そうやな~。どの教科も担当は何人もいるからなー。どの先生か分からんかぎりはなんとも言えんわ」
一刀「そっか。まぁ、受けてからのお楽しみってことで」
???「あ、あの。北郷くん!!」
一刀「はい。なんですか?」
三人が話をしながら次の世界史の授業の準備をしていると、一人の女子生徒が一刀に話しかけてきた。一刀はその娘に見覚えがあったものの、何処で見たのかが思い出せず。相手の娘も緊張をしているのか、上手く話しかけられずにいた
及川「ほらかずピー。この間先輩に絡まれてるところを助けた娘や」
一刀「あぁ、あの時の!」
桃香「私、桜野 桃香(さくらの とうか)って言います。この間は本当にありがとうございました」
そう言って桃香は頭を深く下げる
一刀「別にいいって。それよりも、あの後変にからまれたりしなかった?」
桃香「はい、大丈夫です。それよりも、さっきの委員会は残念というかなんというかでしたね」
笑顔を浮かべながらそう答える桃香につられるように一刀の顔にも笑顔が浮かんでいた
及川「なんやええ雰囲気やな~」
光「安心しろ。お前には一生縁のない雰囲気だ」
及川「仕舞いにゃ泣くで!!」
『キーンコーンカーンコーン ぐふふ。ニ限目じゃ、存分に励むのじゃぞ』
桃香「あ、席に着かなきゃ。それじゃあね北郷くん。これからよろしくね」
そう言って手を振りながら自分の席に戻っていく桃香に、一刀は軽く手を振って席に着く。それとほぼ同時に世界史担当の先生が教室に入ってくる
???「えーっと。号令係って決まってるか?」
教壇に立って先生がそう言うと、一人の女子生徒が号令をかける
???「起立、礼」
???「よし、それじゃあ名前呼んでくから返事してくれ。次の授業までには皆の名前と顔を一致させるつもりだから、今回だけになるかもしれんがな」
号令と共に生徒達が礼をして席につく。全員が席に着いたのを確認すると先生が出席をとるための点呼をしていく
狼「今回はオリエンテーションみたいなもんだから、まずは俺の自己紹介を。名前は狭乃 狼(はざまの ろう)複数の教科を担当している先生もいるが、俺は世界史のみの担当だ。教科書メインでプリントはあまり配らん、めんどくさいからな。あと何か話す必要あったか? あぁ、成績は授業態度と中間、期末の三つでつける。発言点を高めにつける気だから、テストに自信のない奴は積極的に手を上げるように」
及川「はい、先生」
狼「なんだ及川」
及川「はれ? わいのことご存知なんですか? いや~、まぁ有名人的な感じはしますけども―」
狼「よ~く聞いてるとも。一つ言っておくが、俺の補修はそんじょそこらの補修とはわけが違うから覚悟しておけよ」
狼のその一言に教室内の何名かが唾を飲み込む。及川にいたっては、がたがたと震えだしていた
及川「や、やばいでかずピー」
一刀「お前はな。俺にはそんなに関係ない」
光「まったくだな」
及川「そんな~~」
狼「さて、質問があれば受け付ける。ないようなら今日はこれで授業を終了する。本来なら今日から授業を始めたいのだが、なんでも教材が届いてないらしくてな。今週はどの授業も恐らくは、オリエンテーションだけで終わるだろう」
そう言いながら狼教室を見渡すが特に手が上がらなかったので、狼は手荷物をまとめると
狼「それじゃあ来週からは授業に入るからノート等の準備を忘れないように。それと騒ぎ過ぎないようにな。理事長か学園長が飛んでくるぞ」
そう言って教室を後にした。その後の教室は担当の先生がいないとは感じさせないほどの静けさであった
『ん、んん。三限目ですね。左慈、愛してm―』
左慈「北郷。ちょっとトイレに行ってくるから、そう先生に伝えておいてくれ」
一刀「ああ。お前も大変だな」
左慈「嫌なことだが、もう慣れた」
それだけ言うと左慈は一人戦場へと向かっていった。背中に友の敬礼を受けながら
???「ほい席つけ~。挨拶はいらんからなー。俺は峠崎 丈二(とうげさきじょうじ)今回はオリエンテーションってことやけど……面倒だからぱぱっと済ますでー。授業中の飲食は音を立てなければ自由。何故なら俺が食い飲みしたいからな、教科書は内容がつまらんからほとんど触れずに実験メインでいくぞ~。テストはやらないから実験には真剣に取り組むように」
及川「ぼりぼり」←ポテチを食う音
丈二「ふんふふ~ん♪」←鼻息混じりに及川の背後へ
『カチ ポイ』
『パパパパパ』
及川「あかっ熱い!! 背中に爆竹はあかん!! あつ、あっつ!」
丈二「まぁ音たてるとこんなことになるから注意してくれ」
及川「体罰や!! PTAに言ってやる!!」
丈二「親御さんから許可が出ている。あれだったら、今夜にでも電話してみろ」
及川「おかーーーさーーん!?」
そのやり取りに及川と同じように食い物を取り出そうとしていた生徒達が息を呑む
丈二「ちなみに他の生徒の分も及川が受けることになってる」
『ズズ モシャモシャ ムチャムチャ ズズズぶふぁ ゲホゲホ』
『パパパパパパパパパパパ』×6
及川「ぬおおおおおおおおお!! 背中がビックバーーン!!」
丈二「さて、楽しんだし今日の授業はこれで終わりだ。次からは教室が理科室になるから、間違えて教室で待ってたりするなよなー」
『はわわ、よ、四限目でしゅ。か、噛んじゃった』
紫苑「皆さん始めまして、現代語担当の長谷川 紫苑(はせがわ しおん)です。既に耳にしているとは思いますが、授業に必要な教材が届いていないので今日は私の自己紹介で終わりにしたいと思います」
璃々「始めましてー!!」
四限目の授業が始まり、紫苑が教室に入ってくると同時に数人の男子生徒が歓喜の声を上げたが、紫苑のあとに続いて入ってきた璃々の姿を見て絶句した
紫苑「この子は私の娘の璃々。色々と理由があって皆さんと一緒に授業に出ることになってるの。うるさくしたりしないから、仲良くしてあげてね。では、授業内容については教材の目次を見ながらやるつもりだったから…ん~、成績評価の方法について説明しようかしらね。成績は授業態度と期末の二つで八割。提出物でニ割ね。授業内の飲食については、飲み物は可、食べ物は不可。朗読してもらうこともあるから、食べ物を口に入れてたら出来ないでしょ? 何か質問は?」
及川「はい!!」
紫苑「はい。名前の後に質問を言ってください」
及川が真っ直ぐに手を上げると、紫苑は手で立ち上がるように促すと笑顔をむける
及川「クールでイナセなナイスガイこと及川です。提出物とは、具体的にどのようなものでしょうか?」
紫苑「一つの題材が終わるごとに感想を書いてもらいます。で、十分ですか?」
及川「ありがとうございます」
及川は一礼するとそのまま席につく。紫苑はそのまま他に質問はないかと言うかのように、教室を見渡す
紫苑「特に無いみたいですね。では、今日はこれまでにしましょう。明日は教材を配って授業に入りますので、ノート等の準備を忘れないようにしてくださいね」
『あわわ、四限目終わりで、です!』
その後、昼食などを適当に済ませた一刀たちは放課後の委員会の時間を迎えていた
一刀「ここが風紀委員会室か……てか、各委員会ごとに専用の教室があるのか……」
???「それがこの学園の特徴でもあるな」
不意に背後から声を掛けられて少し驚きながら一刀が振り返ると、そこには二人の女子生徒がいた
一刀「あ、確か同じクラスの…」
昴「神堂 昴(しんどう すばる)です。よろしくね、一刀」
響「不知火 響(しらぬい ひびき)だ。 よろしく頼む」
一刀「こちらこそよろしく。神堂さん、不知火さん」
三人はほぼ同時に軽い会釈をすると、教室に入っていく
教室ないにはすでに多くの生徒がおり、一刀たちは少し遅めの到着と言えた。一刀たちは自分達のクラスに割り当てられた席。教室の最後尾、廊下側の席に座った
祭「時間が来たので委員長が来てないが委員会を始める。わしは副委員長の千種 祭(ちぐさ さい)だ。以後よろしく頼む…で、問題の委員長だが…」
祭がそう言いながら大きく溜め息を吐くのと同時に、一刀は自分の隣にある教室の扉がゆっくりと開かれたのを感じた。気になりそちらのほうを見て見ると、そこに見慣れた顔を見つけた
一刀「森羅先輩……もしかして委員長って……」
森羅「おぉ、カズ坊。お前ももしかして逆指名か?」
一刀「森羅先輩もですか。というか委員長が遅刻してどうするんですか」
森羅「いや~~、昼寝してたらいい時間に―『森羅!!』―はい!!」
忍んで入るつもりだった森羅であったが、一刀との話し声はばっちりと教壇の前にいる祭にまで聞こえていた
祭「委員長のお前が遅刻してどうする…。さっさと来い」
がっしりと襟首をつかまれたまま引きずられていく森羅を、どこか哀れな目で見届ける一刀
森羅「祭、苦しい…締まっとります…順調に締まっとります…」
祭「ほれ、さっさと自己紹介せんか」
そのままポイと教壇前に投げ出された森羅は、制服についたホコリを落としながら立ち上がり一つ咳払いをして自己紹介を始める
森羅「ごほん。三年の九十九 森羅(つくも しんら)だ。一様委員長やらしてもらってるが……まぁ形式だけだから気にするな。今日は風紀委員の活動内容の確認などがメインになるが、昼休みの見回りが主な活動でイベントなどがあればそれに合わせて活動するだけだ。ちなみに朝の校門での挨拶は自由参加。正直どうでもゴフゥッ」
祭の強烈なつっこみが森羅の脇腹に炸裂し、少し身をかがめた森羅であったがすぐにたてなおすと
森羅「大変重要なので是非とも参加して欲しい」
即効で意見を曲げた
祭「校則違反を注意するのは当然だが、他にも風紀を乱すような輩には容赦しないように。それと私達風紀委員の一部、というか武術部所属の者は校内での武器の所持が認められている。暴力沙汰になりそうならば、そいつらに援護を頼め。だいたいはそいつらが武器をちらつかせれば終わるからな」
森羅「だそうです。なにか質問は?」
昴「はい」
森羅「ん? なんだ」
昴「こちらから手を出すことは認められているのですか?」
そんな昴の質問に何名かの生徒が頷く。その中には一刀も含まれていた。それに対して森羅は少し悩むような素振りを見せるが
森羅「相手が凶器を持ち出さない限りは、こちらから手を出すのはやめてくれ。学園長からも、出来るだけ手をだすことなく解決するように言われているからな。ただまぁ、組み伏せるぐらいなら文句はないさ」
昴「わかりました」
昴の返答に森羅は満足そうに頷き返して、他に質問は? といった表情で他の生徒を見るが手が上がることは無かった
森羅「じゃあ、今日はこれで解散していいのか?」
祭「ふむ。見回りの担当日と場所等、必要な情報は黒板に書いてあるから各自メモするように。これでよいじゃろう」
森羅「よし、解散~」
森羅の気の抜けた号令と共に生徒たちは次々と教室をあとにする。一刀も森羅に向けて軽く会釈をすると、教室をあとにした
祭「あの後輩とは知り合いか?」
森羅「あぁ、カズ坊のことか? あいつは前の学園で同じ風紀委員だったんだよ。結構強いぞー。さて、俺も帰るかな」
そう行って森羅も教室を出ようとしたが、またもや襟首をがっしりと掴まれる
祭「まぁ待て。遅刻の理由などについてわしとみっちり話し合ってみようじゃないか」
そう言いながら微笑みを浮かべる祭だったが、森羅は祭の笑みを見て苦笑いを浮かべる
森羅「きょ、今日はバイトが……」
祭「今日は休みだろう? お前の予定などしっかりと把握しとるわ」
森羅「カズ坊!! カズ坊――――!!!」
森羅の悲痛な叫びが一刀に届くことはなかった
昴「そういえば、一刀は武術部なの?」
風紀委員も終わり、一刀と昴、響の三人は適当に喋りながら廊下を歩いていた
一刀「そうだけど、神堂さんも?」
昴「私も響もそうよ。それと、私のことは昴って呼び捨てにしてね」
一刀「い、いやそれはちょっと……」
一刀も昴が自分を下の名前で呼び捨てにしていたことには気が付いていたが、まさか自分までそう呼ぶように言われるとは思ってもいなかっただけに、少し戸惑っていると
響「すまんな一刀。こいつは誰にでもこうでな、下の名前で呼ばないといじける可能性があるからそうしてやってくれ。ちなみに私も響と呼んでくれ」
一刀「あ、そうなんだ。じゃあ改めてこれからよろしく、昴、響」
昴「うん、よろしく~♪」
響「よろしく頼む。ちなみに…昴も私も男子で呼び捨てにさせたのは一刀が始めてだ」
一刀「ちょっと!?」
そんな談笑をしつつ、三人は特設武道場へと向かった
特設武道場の中からは活気のいい部員の声が聞こえていた。三人は更衣室で着替えを済ますと特設武道場へと入っていった
昴「今日は誰が居るのかしら?」
響「ふむ……ん? 見慣れん顔が居るな」
一刀「あれは……鴉と及川?」
三人が特設武道場に入り、今日集まっている面子を確認しているとニ人の男子生徒が目に入る
そこでは及川と一人の男子生徒が組み手を行っていた。二人は胴着を着て取っ組みあっているが、及川が投げ技を仕掛けるたびに男子生徒に見事な受身をとられ、決定打とならずにいた
昴「片方は同じクラスの及川くんね。もう一人は見たことないから新入部員だと思うけど……」
響「及川のベースは柔道か?」
二人はそう呟きながら一刀を見る
一刀「うん。及川は柔道をベースに合気道を混ぜた我流の戦い方だよ。で、及川と組み手をしているのが鴉っていう奴なんだけど……。鴉は何がベースだ? 小さい頃に親からコンバットサンボを習ったと言っていたから、それがベースだと思うけど」
一刀がそう説明をしている間に、鴉が及川の懐深くに入り込み両足をがっちりと掴み身体を持ち上げる
響「諸手狩りか…」
昴「身体が浮いてませんし……決まりませんね」
一刀「うん。この状態だと及川のほうが有利なんじゃないか?」
だが、そんな三人の予想をはずす形で勝負は進んでいく。諸手狩りの状態で二人は一瞬固まったが、先に鴉が動く
及川の両足をがっちりと掴んだ両手のうち左腕を離すと、及川の左足を両手でがっちりとホールドし脇に抱え込む
及川はその体勢からアキレス腱固めを想像し、急いでより前傾姿勢になり寝かせまいとしたが、それが鴉の狙いであった
自身の身体を脇で抱え、覆いかぶさるような体勢でいる及川の左足を掴んでいた両手を離すと、胴にある及川の両手をひっぺがす
及川「あかん!!」
地面を薙ぐように鴉の右足が動き、及川の両足を後方から捕らえる。膝を折るように右足をあてられた及川は、そのまま前方に倒れる。鴉はそんな及川の左腕を背後から片手で決めると、右腕で首を絞める
???「一本!! それまで」
そこで審判をつとめていたのであろう女子生徒が一歩前に出て、そう宣言する。鴉は両手をパッと離して立ち上がると、寝そべったまま仰向けになった及川に手を差し伸べる
及川「やっぱりかなわんなー。もっと鍛錬つまな」
鴉「いやいや。かなり危なかったって。もう鍛錬しなくていいんじゃないか?」
及川「いや一本取るまでは続けるで」
爽やかな笑顔を浮かべる二人の会話に審判をしていた女子生徒が割ってはいる
???「さぁ、次は私と勝負だ」
鴉「いやいや、思春さん。連戦はさすがに無理です。かつてないほど疲れてます。俺の体力が世紀末です」
思春「何を言う。全然汗を掻いてないじゃないか」
鴉「いや…精神的に疲れてるんですよ。ほら、こういう勝負って精神も使うでしょ?」
そんなやりとりをしている二人を置いて、及川は一刀たちに話しかける
及川「お疲れさ~ん。委員会はどうやった?」
一刀「特に何も。ただ森羅先輩が委員長だったよ」
及川「マジでか!? これはおもしろくなりそうやな。で、神堂さんと不知火さんとは同じ委員会で仲良くなった感じか?」
一刀「その通り」
四人のうち、及川と昴そして響が順々に自己紹介をしていると、そこに思春と鴉が近づいてきた
鴉「うっす一刀。元気してたか?」
一刀「まあまあかな。そっちは?」
鴉「店が忙しかったが、最近バイトが何人か増えたおかげで俺は少し楽が出来るようになった」
思春「ん? なんだ鴉と北郷は知り合いなのか」
鴉のあとに続くようについてきていた思春が首を捻りながら会話に入いる
鴉「前の学園で同じクラスだったからな。夏休みの間に短期でバイトに入って貰ったこともあるぞ。今年も頼むからな」
一刀「はいはい」
一刀の返事に鴉は満足そうに頷いていた
昴「それにしても…えーっと」
鴉「笑師 鴉(えみし からす)だ。ものすごく変な名前だから覚えやすいだろ?」
昴「そうね。私は神堂 昴。好きなように呼んでくれてかまわないわ。笑師は不思議は戦い方をするのね」
鴉「あ~。コマンドサンボを中途半端に習った結果だな。本来はサバイバルナイフみたいな短剣を使うんだが、今回は及川が相手だったから素手でいってみたんだよ」
響「なるほどな。今度是非とも手合わせ願いたいものだ」
鴉「あはは。俺なんかより一刀の方がよっぽど強いさ」
『あー。あー。皆、下校の時間だ。部活動をしている人は片づけを始めてくれ。皆に五斗米道の導きがあらんことを』
五人がそんな会話をしていると、下校時間になったことを知らせる放送が入り、周りの部員たちが片づけを始めた
一刀たちも散り散りになってそれを手伝うと、その日は解散となった
一刀と及川が帰路を歩いていると、校門で見知った顔に出会った
蓮華「おぉ。北郷に及川。今帰りか?」
一刀「そうだよ。葛城さんは待ち合わせ?」
背中に力を入れて反動を使って門から身体を離すと、蓮華は軽く手を振りながら一刀と及川に挨拶をする。それに返すように二人も小さく手を振った
蓮華「あぁ、友人を待っていてな」
一刀「そっか。じゃあ、また明日」
及川「さいなら~」
蓮華「またな」
短い会話を済ませると、一刀と及川は寮の方へと歩いていった。そんな一刀と及川の背を見つめていた蓮華は後ろから声をかけられる
???「悪い、待たせた~」
蓮華「マリアか、少し驚いたぞ。先生と話は出来たのか?」
蓮華にマリアと呼ばれた男子生徒は笑顔で頷き返して歩き出す。その隣に並ぶように、蓮華も歩き出す
マリア「ギリギリ入部も間に合ったし、委員会の資料も確保できたし、蓮華様様ですよ」
そういって手を合わせ蓮華を拝むような仕草を見せるマリア
蓮華「私とお前の仲だ。気にすることは無い……と言いたいところだが、今度なにか奢ってくれ」
マリア「えっ!? 蓮華一人……だよね?」
苦笑いを浮かべているマリアに悪戯っ子のような笑みを浮かべている蓮華は、顎に手を添えて悩むような仕草をした後に
蓮華「姉さまたちにバレなければな」
と呟いた
マリア「そんな~~」
とほほといった感じに肩をおとすマリアは、財布の中身を確認してより一層肩をおとすのであった
どうもkarasuです。
いかがだったでしょうか? 楽しんでいただけたでしょうか?
今回はラウンジにてお名前やオリキャラを貸していただけると言う大佐方が登場なさいました。これからもしっかりがっつり出演します。なにかリクエスト等ございましたら連絡ください。
また、まだまだオリキャラやキャラとして作品に出てくださるという大佐を募集しております。
もし興味がありましたら、コメントやショートメールをください。ただし、必ずご期待に沿えるようなキャラ、内容で書けるわけではないということもご了承ください。
今回このように募集している理由としましては『一刀くんのハーレムを現代でやったら私刑、もしくは鬱ENDを迎えかねないから』というのがございます。
といってもこれはいいわけみたいなもので、正直に言えば一刀くん一人で全員と絡ますのはすっごく難しいんですよね。人数多いですし…ネタ浮きませんし…
それと今回はページを一つに纏めてみました。というのも、大佐方もご存知の通りTINAMIがリニューアルしまして…ページ送りが物凄く変化しまして…正直ページをかえる意味がない気がしまして…
それでもいいからページはかえてくれという声が多かった場合には、元に戻しますのでご協力お願いします。
ここまで読んでいただきまことにありがとう御座います。
これからもほそぼそと続けさせていただきたいと思います。
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過度な期待はせずに生ぬるい気持ちで読みましょう。