No.258959

【女性向け】幼き疑問【アホギャグ】

はなださん

テストも兼ねて過去の遺産からマシなものを引っ張り出してきて修正しました。
ミナトパパが生きててナルトは2歳くらいです。パパカカイタ→ちまナルでアホ下ネタです。イタチとか8歳にしてすでにそういう思考だからね。反省はしている。
ていうか書いてから気付いたんですが、この世界に自動車とか な か っ た ね !

2011-08-04 18:01:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4264   閲覧ユーザー数:4256

 

「ねぇ~カカシ~」

「なんですか先生」

「いつになったら俺のナルトに会えるの~?」

「先生が溜めた仕事をすべて片付けるまでです!」

 

ミナトの脱力しきった声に、カカシはピシャリと言い放った。

オレだってナルトに会いたいんですからね、という叫びはどうせ却下されるに決まっているので心にとどめておく。

カカシの言葉にミナトはブーっと頬を膨らますが、可愛くないですよとまたもバッサリ切り捨てる。

 

そうやっていつも逃げたり、勝手に仕事を切り上げたりするのだ。今日こそは溜まった仕事を片付けてもらわなくては連れ戻す自分が過労死してしまう。

命と引き換えに相手を封印する屍鬼封尽を二重にかけてピンピンしている超人と違って、自分は普通の人間なのだ。

 

そこまで考えて、カカシはパタパタとやって来る足音に気が付いた。

ミナトはすでに気が付いていたため、目を輝かせながらこれから起こる事への体勢をとっている。

 

「とうちゃーん!」

「ナルくーん!」

 

開かれたドアから勢いよく飛び出してきた小さな金色は、ミナトに受け止められるとヒシッという効果音そのものに抱きしめ合った。

 

「ナ」

「カカシは見ちゃダメ」

「ちょっ何ですかそれ!汚らわしいものを見る目で見ないで下さい!」

「なに言ってるの汚らわしいじゃないか君!ちょっと目を放したらすぐにナルくん抱っこして!」

「だって可愛すぎるでしょ!こんなに可愛かったらそりゃ頬ずりしたりチューしたりお持ち帰りしたくなるに決まってるじゃないですか!」

「カカシ、ナルくんにそんなことしたの?」

 

せっかく隠し通せていたのに、しまったと思ったときにはもう遅い。

心臓が凍り付くような空気が部屋を充満した。

 

(こ、殺される…)

 

カカシが生命の危機を感じたとき、ミナトの服を小さな手が引っ張った。

 

「ん…?ナルくん!?」

「うぇ…っ、とーちゃ…かかぃ…っ」

 

見ればナルトが今にも泣きそうな顔をしているではないか。

 

「ああっ、ごめんねナルくんっ」

「ごめんね、泣かないでっ」

 

先ほどの騒ぎなどすっかり頭から吹っ飛び、慌ててあやそうとする二人の間から、ナルトはひょいと別の手に抱き上げられた。

 

「何をしているんですかお二人とも」

「あ、イタチ」

「何だいたの」

「俺はナルトくんの世話人ですよ?一緒にいない方が問題です。今日だってナルトくんがどうしても行きたいとおっしゃるから、仕方なくお連れして差し上げたのですよ」

 

いかにも邪魔という表情のカカシに、イタチはあまり表情の変わらない顔で嫌味を込めて言い放った。ナルトと合えたのは自分のお陰だぞ、と。

 

「まったく、お二人とも大人気ない。ナルトくんだって意味は分からなくても雰囲気は感じるんですから」

「だから今謝ってあやそうとしてんでしょうが」

「それでは遅いんですよ。カカシさんと言えど、ダメなところはあるものですね」

「いや、君たちも大人気ないよ」

 

バチバチと火花を散らす二人にミナトも思わずツッコむ。

 

「俺はまだ八歳です。」

「忍に年齢は関係ありません~。」

 

ミナトはそれこそ大人気ない言い方でイタチの言葉を正すと、愛する一人息子に整った顔を向けふにゃりと崩す。

 

「ナルくん、桃があるよ。ナルくん桃好きだよね。」

「もも…!しゅき!」

 

好物の名前を聞いてナルトの今まで泣きそうにぐずっていた顔は、一瞬で笑顔に変わった。

 

(やられた…!)

 

こうなれば仕方がないので、イタチはしぶしぶナルトをミナトに渡す。

ミナトはふふんと勝ち誇った顔で、機嫌よくナルトを抱きながら歩いていった。

 

「ナルくん、おいしい?」

「うん!」

「そっかー。よかったねー。」

「えへへ」

「ナルトくん、嬉しいですか?」

「うん!」

 

だらしない顔で代わる代わる話しかけてくる三人に、ナルトは好物を頬張りながら機嫌よく返す。

幼児のそれこそ桃のような頬に、ピンクの果実を詰め込む微笑ましさに、今この部屋には先ほどまでとはまったく逆の、ハートの空気が充満していた。

 

「あ、そうらってばよ!とーちゃんたちにきくってば!」

「ん?なんだいナル君」

「あのね、あのね、”ばっく”って”うしろにいく”ってことらってばよ?」

 

三人の背中に雷が落ちた。

 

「ちょっ…!!お前どこでそんな言葉覚えてきたの!?」

「イタチ!!お前まさか!」

「そんな訳ないでしょう!!」

 

ギャーギャーと騒ぐ三人に戸惑ったナルトは、慌てて説明する。

 

「え…!あのね!あのね!”とらっく”がいってたってば!」

「…………」

 

天才と呼ばれる忍たちの思考がしばし停止した。

 

「ああ!”後ろに行く”ね…!」

「あ~ビックリしたぁ~…っ」

「そういえば来る途中トラックに会いましたよ…」

 

深いため息をつきながら脱力した三人は、その場にずるずると崩れ落ちた。

この直後、ナルトは何故三人がこんなに騒いだか知りたがったが、とうぜん教えてくれる者は誰もいなかった。

 

 
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