<ようこそ! きのこ駅前商店街へ! 第3話 酒屋とアイスクリーム屋と英会話教室とミリアム達>
(喫茶店LEO)
レン:ルカさん、今日はお使い物を頼まれてくれるかい?。
ルカ:お使い物ですか?。
レン:うん。メイコさんの酒屋、カイトさんのアイスクリーム屋、アンさんとプリマさんの英会話教室の3件の所に集金に行って欲しいんだ。ここにみんなが集まった井戸端会議の時は、割り勘での後払いにしているからね。まだ清算していないのが、この4人分の3件だけだから。
ルカ:わかりました。
レン:これが場所でこれが明細書ね。もう電話してあるから、お釣りなしでお金をもらうだけだから。
ルカ:はい、行ってきます。
レン:あ、急ぎの用じゃないからゆっくりでいいよ。それと行くとき扉の札を“準備中”にしておいてね。
ルカ:はい。
ルカは札を裏返して、集金に出かけた。
(「リキュールショップMEIKO」前)
ルカ:えっと、ここがメイコさんのお店みたいね。
お店の中:毎度ありがとうございました~!。
お客さんが二人ほど店から出てきた。
ルカ:あ、メイコさんいるみたいね。
ルカは中に入っていった。
メイコ:いらっしゃ・・・あら、ルカちゃん。
ルカ:メイコさんこんにちは、マスターから集金を頼まれました。
メイコ:うん、私も聞いているわ。ちょっと待っててね。
メイコは部屋に戻ると、お金が入った封筒を持ってきた。
メイコ:これよ。井戸端会議専門とはいえ、随分貯まっていたのね~。まいったまいった。
メイコは封筒をルカに渡した。ルカは明細書と中身をチェックした。
ルカ:確かに頂きました。
メイコ:ルカちゃん、まだ時間ある?。
ルカ:はぁ、まぁ急いでとは言われていませんので。
メイコ:ちょっとお話しましょうよ。
ルカ:そうですね。
ルカとメイコは店内の椅子に並んで座った。
ルカ:あの、いつも皆さんに訊いているんですが、メイコさんは地元の人なんですか?。
メイコ:ううん、私は外から。来たときのお店とか店舗数と知っている人から考えると、たぶん、ミクさんの後だと思う。ミクさんとはちゅねさん達が八百屋を切り盛りしているのを見ながら、このお店を建てたからね。
ルカ:あと、お店忙しそうですが休日とかは何をされて過ごしているんですか?。
メイコ:そうねえ、私はお酒好きだけど、ここのはさすがに売り物だから、ミリアムの所とか、この商店街の飲み屋で飲んでいるわね。
ルカ:・・・やはり、商店街の外には出られないんですか?。
メイコ:そうねえ、そういえば出たことないわね。ここなんでもあるし、美味しい店多いから、ここでなんかやっているわね。このお店の裏が“うち”なんだけど、部屋は散らかり放題だけどね。
ルカ:一人で飲んでいるんですか?。
メイコ:いやいや、やっぱりお酒は楽しく飲みたいからね。一番多い組み合わせは、カイト&アン&プリマのチームで飲んでいるわね。
ルカ:うぉ!、ミクさんに強敵出現!。
メイコ:あら、カイトとミクさんの事、知っていたのね。それは私も知っているわ。あれだけミクさんの挙動不審を見せられれば解らないはずないものね。でも、大丈夫よ。カイトとは“飲み友達”だから。恋愛感情は全くなし。カイトの方もそういう行動全くなし。あれだけバイトの女の子にキャッキャされているのに。全くどこまで鈍感なのやら・・・・。
ルカ:ハハハ・・・。それと、この商店街で、お店以外の名所とか名スポットとかあるんですか?。バイト休みの日に見ていこうかなと思っているんです。
メイコ:うーん、お店以外ね・・・。あ、商店街広告用のモニターがあるわ。
ルカ:モニターですか?。
メイコ:うん。TVみたいなものね。でも内容は商店街のお店の広告を流しているの。だからTVではなくてモニターよね。小さい広場、あるわよね、あそこの片隅に固定式で置いてあるの。ここの人、ほぼ全部この商店街で買い物しているから、ここの事、詳しいのよ。だからほとんど使われてないの。
ルカ:情報有り難う御座います!。休日にでも寄ってみますね。
メイコ:じゃーねー。
ルカはメイコと別れ、次のお店であるカイトの勤め先「アイスクリームチェーン店“BLUE MUFFLER”」へ向かった。
(アイスクリームチェーン店“BLUE MUFFLER”店内)
ルカ:すみませーん、喫茶店LEOの者ですが集金に参りました~。
カイトはお客さんの対応をしていた。
カイト:有り難う御座いました。あ!、ルカさん!、ちょっと待っててください。・・・えっと、お店の用だからちょっと席を外すね。君、後をお願いね。
店員:はい。
カイトはルカをSTAFF ROOMに案内した。
カイト:はい、これ。ぴったしだけど一応確認してね。
ルカ:はい。・・・・・・OKです。確かに頂きました。
カイト:そっか~、ルカさん、今日は集金か~。大変だね。
ルカ:いえいえ。お時間は頂けたので。あ!、少しだけいいですか。
カイト:少しだけならいいよ。
ルカ:カイトさんも、やっぱりここ以外から来たんですか?。
カイト:そうだよ。順番から言うとメイコさんの次くらいかな。メイコさんにはお世話になったよ。飲み友達だしね。
ルカ:じゃあ休日は、だいたい居酒屋とかミリアムさんのバーとかで過ごしているんですか。
カイト:夜はね。昼間はここでアイスクリームの研究をしているよ。一応、僕、アイスクリーム好きで店長になったから、お店に出すアイスを色々考えているんだ。だから、この商店街から外には出たことないかな。
ルカ:そうですか。それと“カイトさんが気になるなー”って女の子、一人知っているんですが、カイトさん自身、何か気づいてますか?。
カイト:?、お店の女の子のアレは仕事上の事のはずだし、それ以外・・・特に思い当たらないよ。
ルカ:そうですか、変な質問ですみませんでした(ああ・・ミクさん、涙目ね)。
カイト:他には?。
ルカ:あ、最後に、“店舗”以外で、この商店街の名物とか名スポットとかってあります?。
カイト:んー、名物に名スポットか~。あ、レオンさんのゲーセンの隣にあるアクセサリー店の店先に、大きなモニターがあるよ。あの近辺での待ち合わせでは、たいがいあそこを目印にしているね。やっている放送はTVらしいけど。名スポットといえばこれくらいかな。
ルカ:どうもです!、休日にでも寄ってみます!。有り難う御座いました!。
カイト:いえいえ、こちらこそ。じゃあね。
ルカはカイトと別れ、今日最後の集金先である、アンとプリマの英会話教室“E.M.T”に向かった。
(英会話教室“E.M.T”内、会議室)
ルカ:お忙しい所、すみません。集金に来ました。
アン:Oh!、Miss. Luka!。Thank You !. ワザワザ有り難ウネ、コレがお金デス。
ルカはアンから封筒を受け取り、中身をチェックした。
ルカ:はい、確かに。ところでアンさんとプリマさんは、今日の英会話教室は?。
プリマ:今はLessonのない時間なんデス。つまり休み時間カナ。
ルカ:あ、休み時間にすみませんでした。
アン:いえいえ、ルカさんと話す時間が出来て、とてもHappyですよ。せっかくだからMany Many Questionしてネ。
ルカ:じゃあ、アンさんとプリマさんは、Holidayは何をして過ごしているんですか?。
アン:Holiday?、そうねえ、私たち、ここに来てそんなに経ってないから、ずっとこの商店街を散策しているわね。ここ結構大きいから見所満載よ。毎回プリマと一緒に行動しているのヨ。来たときにあったアイスクリーム屋さんに寄ってジェラートとか食べながら談話したり、凄く楽しいわネ。
プリマ:そうそう。この街、いろんな発見があるから、Favoriteです!。
ルカ:では、店舗以外の一番の発見って、何かありますか?。
アン:Shop以外ですカ?。Well・・・やっぱりShopが多いんだけド・・・、うーん。
プリマ:アン、あれなんてどうカナ?。あの、“掲示板”。
アン:!、あー!、あれね!、そうね、アレはちょっとMysteryよネ。
ルカ:謎なんですか?。
プリマ:ハイ。掲示板だからホトンド待ち合わせや伝言で使われているんだけド、時たま“違う”内容の事が書かれている事があるノ。
アン:それが、意味不明なのヨ。暗号みたいな言葉らしいケド、少なくともこの商店街の住人には思い当たる事がないことナノ。
ルカ:“XYZ…”とか、そういうのですか?。
プリマ:“XYZ…”?、それは知らないけど、もっと変なのなのヨ。
アン:まぁこの商店街の人たち、どうせ誰かのイタズラだと思っているカラ、ムシしているけどネ。
ルカ:有り難う御座いました!。今度寄ってみる事にします。
アン:こちらコソ、楽しい時間でしたヨ。Thanks!。
プリマ:また来てネ。
ルカ:はい!。
こうしてルカは帰路についた。
(喫茶店LEO)
ルカ:只今!、マスター、戻りました!。
レン:お疲れさん!。あ、札、ひっくり返して置いてね。
ルカ:はい。
ルカが札をOPENにした時、前に誰かが立っていた。
ミリアム:お!、ちょうど良かったわ、これからOPENなの?。
ルカ:はい。私が戻りましたので。
レオン:おお!、ぴったしだぜ!。じゃあ入るよ。
ルカ:いらっしゃいませ!。
ルカとミリアムとレオンが店内に入った。
カランコロン♪
レオン:マスター、こんちゃ!
ミリアム:こんにちは。
レン:いらっしゃい。何にする?。
ミリアム:これから遅い昼食なのよ。私はブレンドとナポリタンのミニサラダセットで。
レオン:俺もなんか食うかな。じゃあ、ブレンドとサンドイッチのセットで。
レン:かしこまりました。
レンがテキパキとメニューを作っていた。ルカはお冷やとおしぼりをミリアム達のテーブルに運んだ。
ルカ:あの~、ミリアムさん?。
ミリアム:ん?。
ルカ:今日、お使い者で出かけていろんな人に、この商店街の事を教えて貰ったんですが、ミリアムさんのバーも、うちの井戸端会議喫茶店と同じで、夜の井戸端会議場所みたいになっているみたいですね。メイコさんも行きつけみたいですし。
ミリアム:あー、メイコさんのお店からお酒を仕入れているから、顔なじみでね。夜の時間、仕事の件の続きでついついカウンター越しで色々話していることもあるのよ。そうそうカイトさんも一緒の事が多いわね。他の人の組み合わせはバラバラだけど、世間話が多いわ。トークもバーのマスターとしては大事なスキルなのよ?。
ルカ:勉強になります!。
ミリアム:ふふ。ルカさんは大丈夫よ。こうやってお客さんと物怖じせずに会話できるなんて、大事なスキルだし。
ルカ:マスターが許してくれるからですよ。
レン:レオーン、どうせ“カノジョには優しいだね~、ヒューヒュー”とか言うんだろ、イニシアチブ握ったぞ。
レオン:うぐぉ!、何故わかった・・・・。
レン:顔に書いてあるよ・・・・。それにルカさんはカノジョじゃないよ、うちの従業員だ!。
ミリアム:あら?、本当にそれだけかしら?、同じマスターの目はごまかせないわよ。
レン:おいおいミリアム~、勘弁してくれよ・・・。はい、出来たよ、ルカさん持っていってね。
ルカ:はい!。
ルカがテーブルへオーダー品を持っていった。
レオン:うひょー!、旨そー!、いったっだきまーす!。
ミリアム:頂きます。
二人は美味しそうに食べていた。
ルカ:あのミリアムさんも、やはり外からいらっしゃったんですか?。
ミリアム:ん?、そうですよ、でも、実は来て浅いのよ。アンの話では英会話教室が開業してすぐらしいわ。ちなみにレオンも私と一緒に来たの。
レオン:そ。ミリアムちゃんのたっての願いでね。
ミリアム:“お願いだー!、俺を置いていかないでくれー!!!”って嘆願したの、誰でしたっけ?。
レオン:う・・・・やはりミリアムには勝てなかったか・・・。
ミリアム:まぁ、そんなこんなで、私はバーを、レオンはゲーセンを開業したのよ。どちらもおかげさまで繁盛しているわ。
レオン:俺はどーも、バーテンダーとかの“しっとり接客系”が好きでないからね。昼間だけの営業のゲーセンでよかったよ。
ミリアム:“お客“としてバーに入った時は楽しいのか、随分暴れてくれるけどね。ナンパも程々にしてよね、もう。
レオン:しゅんましぇん・・・・。
ルカ:うふふ、ベストコンビですね。
ミリアム:まぁ、腐れ縁って感じよね。だって、放っておけないのよ、さすがに。
レオン:う・・。俺のカノジョレベルじゃなくて、俺の“保護者”レベルなのか・・・・。
ミリアム:まぁ、それに近いわね。
ルカ:ふふ。あ、それで、この商店街でお店以外の名スポットとか知ってますか?。休日に散策してみようと思いまして。
ミリアム:うーん、名スポットね~。この商店街の中で全部の事を済ますから色々知っているけど、広場のモニターとか、大型TVモニターとか、掲示板の事は?。
ルカ:はい、今日廻った人たちの所で聞きました。
ミリアム:そっか。じゃあ、それ以外で一番有名だと・・・・、“きのこ神社”かな?。
ルカ:き、きのこ神社?。
レオン:“木之子神社”って書くんだけどね。
ミリアム:この商店街が出来る前からあって、2つの銀杏の大木で有名なのよ。お正月の初参りとか結構混雑するのよ。
レオン:まぁそれ以外では、ちゃんと神主さんも巫女さんもいて、普通の神社だけどね。でもなかなかの所だよ。デートスポットに使っている人たちも少なくないし。
ルカ:へー、今度行ってみますね。
ミリアム:確かに一度見ておくと良いわね。教えて貰ったいろんなスポットの位置は、この喫茶店にある“商店街マップ”を見ながら行けばいいし。
レン:ルカさん、これだよ。
レンはルカに“商店街マップ”を手渡した。
ルカ:へー、これですか。
ミリアム:そう、これは最新版ね、定期的に、商店街の会費を使って作っているのよ。お店の売り上げにも結構影響するからね。
ルカ:有り難う御座います!。休日にこれ使って散策してみますね。
レオン:お役に立てて良かった。あ、そろそろ店に戻らないと。ルカさん、お勘定お願いね!。
ルカ:はい!。
レオンとミリアムは清算して店を出た。
(閉店前の喫茶店LEO)
レン:ルカさん、お疲れさま、もうあがっていいよ。
ルカ:お疲れさまでした。お先にあがります。
レン:あっと、明日ここ定休だから、あのマップ持って、この商店街を散策してみるといいよ。
ルカ:はい!。
こうしてルカは着替えて自宅に帰った。
(???)
???:まだ気づいていないようだが、保険のため、明日、ルカを尾行してくれ。
???:了解。
***
たこルカ:沢山の人から情報を聞き出し、ついに休日の商店街散策をする事になったルカさん!。
はちゅね:そして、最後の謎の会話!。
たこルカ:“気づいていない”、“保険”、“尾行”、これは一体何を意味するのか!!!
はちゅね:次回、こうご期待!。
たこルカ:いやー、やっとこストーリーが進みそうですね。
はちゅね:ここまでは“ほのぼのな商店街”で“情報収集”だけだったからね。
たこルカ:そういえばこれだけ喫茶店の常連に訊きに行ったのに、一人だけ“まだ”の人がいましたね~。
はちゅね:ふふふ。
たこルカ&はちゅね:ではでは~
***
CAST
巡音ルカ(ルカ)&たこルカ:巡音ルカ
鏡音レン(レン):鏡音レン
鏡音リン(リン):鏡音リン
初音ミク(ミク)&はちゅねみく:初音ミク
咲音メイコ(メイコ):MEIKO
工藤カイト(カイト):KAITO
神威学歩(がくぽ):神威がくぽ
プリマ:PRIMA
アン:SWEET・ANN
ミリアム:MIRIAM
アル:BIG・AL
ローラ:LOLA
レオン:LEON
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○ボーカロイド小説シリーズ第2作目の”ようこそ! きのこ駅前商店街へ!“シリーズの第3話です。マスターの“レン”、ウェイトレスの“ルカ”が営んでいる喫茶店“LEO”を中心に、ボカロ達の日常が展開する・・・かも知れないジュブナイルです。
○なにやら日常からはずれた感じになってきました。