No.254650

真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~ 24話

lovegtrさん

今日は8月2日、パンツの日か……だからって特に何もありません。
今回からまた新章。と言ってもあまり進みませんが…
ではどうぞ!

2011-08-02 03:48:29 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5825   閲覧ユーザー数:4430

雪蓮は目を覚まし一人で立って歩けるまで回復した。

華佗としてはもう少し寝ていて欲しいみたいだったが、動きまわる雪蓮を止めることはできないと諦めていた。

本人はというと、朝議の一件(合間13参照)以来、俺が姉さんと呼ぶとすねて返事をしない。

仕方が無いのでそれ以来雪蓮と呼ぶようになった。

はじめは周りの刺さるような視線が痛かったが、そう呼ぶと雪蓮は機嫌よく返事をするのでまあ仕方がないと思うようになった。

 

さて、自らの土地を求め益州へと向かった劉備たちだが、劉焉を討ち倒し無事彼女たちは自分たちの領土を手に入れた。

一方の今回戦った魏は、戦闘後こちらに雪蓮暗殺の件に対しての謝罪の使者を送ってきた。

そして今俺の目の前にはその使者たちがいる。

「この度は我等を迎え入れてくれたこと、感謝します。

 本来なら怨敵である我等を見るのも嫌だと存じますが……

 では、主曹操よりの書状を読み上げたいと思います」

目の前で膝をつき、頭を垂れていた夏侯淵は懐から華琳からの謝罪文を取り出すと、両手をピンと伸ばし文面を読み上げた。

内容は今回の雪蓮暗殺に対する謝罪とその犯人たちの首を塩漬けにして送ること。

そして呉に対する無期限の不可侵の確約であった。

冥琳の方をちらりと見ると、俺の視線に気が付いた冥琳は小さくうなずいた。

「あい分かった。魏王には今回の謝罪、受け取ったと伝えよ。

 だが今回の事、呉の民たちは非常に憤りを感じている。

 だから、いつまでもお前たちがここにいたら何をしでかすか分からない」

そう言い使者はもうお帰りだと兵に命じ広間の扉を開けさせた。

夏侯淵は一度礼をしたあとその場を踵を返しその場をあとにしようとしたが、もう一人の使者である程昱は俺の顔を見ていた。

その視線に気が付き程昱と見返すと、彼女も一礼し夏侯淵の後についた。

俺個人としては今回のことについて、雪蓮は結果的に生きているし、華琳の命令によるものでは無いとわかっているので許しても良いと思っている。

しかし王の立場として相手に下手に出るのはなめられることになる。

なので表面上では怒っているという態度をとらないといけない。

なれないことをしてふぅと一息つくと冥琳が、

「ご苦労。今回の謝罪で魏の不可侵の言質をとったことは大きいな」

「どうしてですか?」

冥琳の言葉に亞莎は理由を尋ねる。

「そうですねー、少し考えてみましょう。

 今後強大な兵力を持つ曹操さんに対抗するにはどうしたらいいでしょう?」

亞莎の質問に穏はにこやかに返答する。

「曹操とですか……やはりこちらも兵力の拡充が必要ですね」

「正解ですー。では兵力を増やすには?」

「新しい領土が…そうか!この期間に領土を広げるんですね!」

穏の質問に亞莎は合点がいったという顔をした。

「ふふ、良い子ですねー。……冥琳様、私は南への進軍をおすすめします」

「ほぉ、その根拠は?」

「はい。南は人口も多く耕作地もたくさんあります。

 また海に面しており、貿易も盛んです。なので今後の戦いに置いて呉に有益な地となるでしょう」

自分の意見を述べた穏はどうでしょうかと冥琳の顔を伺った。

「うむ、そうだな。一刀、お前はどう思う?」

「俺も穏の意見に賛成だ。幸い南には有力な者はいないからな。簡単に手に入るだろう」

南の交州を治める士燮(ししょう)は戦嫌いだと聞く。

そんな者が多数の兵を持っていると考えにくい。

 

今後の方針がまとまって数日が経った頃、魏の使者と入れ違いになる形で益州を手に入れたばかりの劉備からの使者がやって来た。

【曹操 side】

呉への謝罪のための使者として送った秋蘭と風が帰ってきたので、私は中庭の四阿で報告を聞くこととなった。

「孫権はこちらの謝罪を受け取ったと」

「分かったわ。……風、一刀は…孫権はどうだった?」

秋蘭の報告を聞いた後、風にも話を聞くことにした。

風は人の感情を見抜くのがうまい。

だから今回の使者に、一刀の様子を見てもらうために向かわせた。

「はいー、表面上はとても怒ってました。

ですが、内側では許していると感じました」

風は眠そうに目を細め思った事を話した。

「そう……」

良かったわ。

風の話を聞き、私は内心ほっとした。

視線を秋蘭たちから庭の方に向けると劉協陛下がしゃがみ花を見ていた。

今回の遠征カラ帰ってきて驚くことがあった。

それは、今まで部屋に引きこもり何もしようとしなかった陛下が私たちが帰ってくると早々、勉強を教えて欲しいといったのだ。

無知な自分を変えたいということであった。

そこで陛下の家庭教師として白羽の矢がたったのは司馬懿であった。

司馬懿は伊達に歳を重ねておらず、その知識の深さからほかの文官たちに頼られている。

人生の先輩としても役に立つと思いそのことを伝えると、彼は快く引き受けてくれた。

陛下も彼の教えをよく聞き懐いている。

今も司馬懿は陛下に花の名前や草の効能などを教えている。

最初司馬懿を見たときは気味が悪いと思ったけど、考えを改めなくてわね。

陛下は部屋にこもっている時よりも明らかに笑顔が増えた。

そのことに私は今回の戦いでの失態を癒されるように感じた。

心に引っ掛かっていた陛下のことも落着し安堵する。

今はこれで良いと思い私は手に持った茶を啜り一息ついた。

【曹操 end】

最近やっと新サイトに慣れてきました。それでもまだバグが多いですねー。

 

さいて今回は新しい話。魏から謝罪の使者として秋蘭と風がやって来ました。

春蘭が使者だと最悪暴れてしまいそうだし、他の武将だと身分的に駄目かなと思い秋蘭に。

ゲームでは官位を持っているのは春蘭のみって言ってましたが、春蘭にはむりかな……

風は作中にもいった通り一刀の様子をさぐるために。華琳は一刀様子が気になって気になって仕方がない様で……乙女です。

 

次回は蜀からの使者の話。ではまたノシ


 
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