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真・恋姫†無双~赤龍伝~第78話「赤壁・前哨戦」

さん

赤壁編です。
この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長~~い目で見てくださると助かります。

2011-08-01 06:31:27 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3267   閲覧ユーザー数:2774

真・恋姫†無双~赤龍伝~第78話「赤壁・前哨戦」

 

 

 

―――赤壁―――

 

長江のほとりに布陣した赤斗や雪蓮たちは、劉備と合流した。

 

そして、軽く自己紹介を交わした後、すぐに軍議に入ったのである。

 

劉備「状況はどうなっているんです?」

 

蓮華「現在、曹操はこの赤壁の対岸に陣を張っている」

 

劉備「なら、いよいよ決戦ですね」

 

穏「我が軍の細作の報告では、曹操軍の中で疫病が蔓延しているそうです。だから、すぐには攻めては来れないでしょう」

 

関羽「なら攻めるなら今ではないか!」

 

穏「ですが、それでも我々の戦力を遥かに上回っていますねぇ」

 

星「正面切ってぶつかっても勝ち目はない。ならば何か策を講じる必要があるな……」

 

明命「一概に策と言っても、何をどうすれば良いのやら、ですねぇ~……」

 

冥琳「明命の言う通りだろう。……いくつか策はあるが、どれも決め手に欠ける」

 

諸葛亮「敵は我らの数倍ですからね。よっぽどの策で無い限りは、数の暴力で粉砕されてしまうでしょう。それに……」

 

雪蓮「それに?」

 

諸葛亮「荊州の蔡冒さんと張允さんです。お二人が曹操さんに降った事により、曹操さんの水軍の錬度が上がっているんです」

 

雪蓮「つまり、その二人を何とかしないと勝ち目がない?」

 

諸葛亮「……はい」

 

冥琳「あと矢の数が圧倒的に足りません」

 

劉備「矢がですか?」

 

冥琳「はい」

 

雪蓮「どれくらい不足しているの?」

 

冥琳「あと十万本は欲しいところですね」

 

劉備「十万本も……」

 

赤斗「なら、二つの問題を一つずつ解決していくしかないでしょう」

 

冥琳「ほう。ならばお前ならどうする?」

 

赤斗「僕は何も……どうにかするのは、冥琳と孔明ちゃんだろ?」

 

冥琳「どういう事だ?」

 

赤斗「孔明ちゃん。矢を十万本を用意するには、船を二十艘用意すればいいかな?」

 

諸葛亮「はわわ!」

 

諸葛亮には十万本の矢を用意する秘策があった。それを赤斗に見抜かれて心底驚いた。

 

赤斗「どうやら良いようだね。すぐに用意させるよ」

 

冥琳「…………」

 

赤斗「それと冥琳。近いうちに友人が訪ねてくるよ。その友人に蔡冒と張允の事を相談すれば良いんじゃないかな?」

 

冥琳「……友人だと?」

 

冥琳は赤斗の言葉に首をかしげる。

 

こうして、今日の軍議は終わったのである。

 

 

その夜―――

 

雪蓮「冥琳。赤斗の言っていた友人に心あたりあるの?」

 

冥琳「いや、無いな。いったい誰の事を言っているのやら……」

 

兵士「申し上げます」

 

冥琳「何事か!」

 

兵士「はっ。大都督のご友人で蒋幹と名乗る男がやってきておりますが、如何いたしましょう?」

 

冥琳「何だと!」

 

雪蓮「誰?」

 

冥琳「昔、私が通っていた塾の同門だ。今は曹操に仕えていたはず……」

 

雪蓮「冥琳。これって……」

 

冥琳「ああ。これで蔡冒と張允を始末する事ができるぞ」

 

 

蒋幹「懐かしいな。本当に久しぶりだな。周瑜殿」

 

冥琳「蒋幹殿も元気そうで何よりだ」

 

冥琳は蒋幹を招き入れて、宴を開いた。

 

冥琳「降伏の説得に来たのか?」

 

酒もすすんだところで、冥琳は蒋幹に尋ねた。

 

蒋幹「私がか? まさか、そんな……」

 

蒋幹の顔に動揺が走るのが分かる。

 

冥琳「これでもお主の考えは分かるさ」

 

蒋幹「な、何を言っているんだ」

 

冥琳「まあいい。数日中には曹操の首が届くのだからな」

 

蒋幹「なに!」

 

冥琳「ふふ……冗談だ」

 

蒋幹「……へっ?」

 

冥琳「冗談さ。曹操なぞに仕えた友人をからかったのさ」

 

蒋幹「…………」

 

冥琳「悪かった。さあ飲み直そう」

 

蒋幹「あ、ああ」

 

冥琳たちは再び宴を再開した。

 

そして、どんどん夜は更けていった。

 

 

蒋幹「どこだ。どこかにあるはずなんだが……」

 

蒋幹は天幕内で何かを探していた。

 

冥琳は酔いつぶれて、床で眠っている。

 

蒋幹(周瑜があんな事を冗談でも言うはずがない。どこかに必ず密書があるはず)

 

蒋幹「!!……ふふ、あった」

 

ついに蒋幹は、蔡冒からの密書を発見した。

 

蒋幹「蔡冒め! 曹操様の首を取る為に投降したのか。……だが周瑜よ。これでお主の企みは終わりだな」

 

笑みを浮かべ蒋幹は、蔡冒の密書を持って天幕を出ていった。

 

冥琳「行ったか……」

 

蒋幹が天幕を出ていくと、冥琳は身体を起こした。

 

冥琳「すまないな蒋幹。悪く思わないでくれよ」

 

蒋幹が持ち帰った密書は、冥琳が作った偽物だった。

 

冥琳は蒋幹を利用し、曹操軍に内通者がいるように思わせたのである。

 

雪蓮「冥琳。どうなった?」

 

天幕に雪蓮が現れる。

 

冥琳「ええ。上手くいったわ」

 

雪蓮「本当に赤斗が言った通りになったわね」

 

冥琳「そうね。これなら……十万本の矢も、すぐに用意できるかもしれないわね」

 

 

翌朝―――

 

諸葛亮「…………」

 

諸葛亮は一人で長江のほとりから、空を眺めていた。

 

赤斗「良い天気だね。孔明ちゃん」

 

諸葛亮「はわわ、赤斗さん!」

 

いきなり背後から声をかけられ、諸葛亮は驚く。

 

赤斗「おはよう。驚かしちゃった?」

 

諸葛亮「いえ、大丈夫です。少し考え事をしていただけですから」

 

赤斗「そう。……船の準備ができたよ」

 

諸葛亮「はい。ありがとうございます」

 

赤斗「間に合って良かったよ。これから濃霧になりそうだしね」

 

諸葛亮「そ、そうですね」

 

諸葛亮(この人……本当に私の心を読んでいるみたいです……)

 

赤斗「さあ、行こうか!」

 

諸葛亮「えっ…赤斗さんも行くんですか?」

 

赤斗「まあね」

 

 

濃霧の中、二十艘の船が長江を進んでいく。

 

諸葛亮「そろそろですね」

 

赤斗「そ、そうだね」

 

苦手な船に、赤斗は顔を青くしていた。

 

諸葛亮「あのぉ大丈夫ですか? 船が苦手ならムリせずに、本陣で待っていて下されば……」

 

赤斗「孔明ちゃんだけに、危ない事させられないからね。……さあ、太鼓を打ち鳴らそうか!」

 

赤斗の命令で兵が一斉に太鼓を打ち鳴らし始めた。

 

その音に気がついた曹操軍が、こちらに向かって矢を放ってきた。

 

諸葛亮「はわわ!」

 

雨のように降り注ぐ矢の衝撃に船が傾く。

 

赤斗「おっと!」

 

バランスを崩して倒れそうになった諸葛亮を赤斗は支える。

 

諸葛亮「あ、ありがとうございます。………あっ」

 

赤斗に身体を支えられたは、赤斗が身体を震わせているのに気がついた。

 

諸葛亮「……震えているんですか?」

 

赤斗「…………ちょっと怖くてね」

 

諸葛亮「怖い? ……船がですか? それとも、この矢の雨がですか?」

 

赤斗「……もちろん、水の上だから船も怖いし、この矢の雨も怖いよ。それよりも……」

 

諸葛亮「それよりも?」

 

赤斗「これから人が死ぬんだと思うと……、その人を殺す為の矢を用意していると思うと……、自然に身体が震えてしまうんだ」

 

諸葛亮「赤斗さん」

 

自分の秘策を見破られた事により、赤斗に少しだけ恐怖心を抱いた諸葛亮だったが、赤斗の心を優しさを再度認識して諸葛亮は安堵した。

 

その後、赤斗と諸葛亮は歴史通りに十万本の矢を手に入れて本陣へと戻ったのであった。

 

 

 

つづく

 

 

~あとがき~

 

呂です。読んでくださって、ありがとうございます。

 

 

真・恋姫†無双~赤龍伝~に出てくるオリジナルキャラクターの紹介

 

オリジナルキャラクター①『風見赤斗』

 

姓 :風見(かざみ)

名 :赤斗(せきと)

字 :なし

真名:なし

武器:花天と月影……二振りの日本刀(小太刀)。赤色の柄で赤銅の鞘に納まっているのが“花天”で、黒色の柄で黒塗りの鞘に納まっているのが“月影”。

 

本編主人公の少年。

身長168㌢。体重58㌔。年齢17歳。黒髪黒眼。(右目は輝く金色)

放課後に道場で古武術の達人である先生に稽古をつけてもらうのが日課だったが、ある日道場で黒尽くめの男に襲撃される。

その際、赤い光に包まれて恋姫の世界に飛ばされる。

死にかけていた所を、火蓮によって保護され“江東の赤龍”という異名を付けられる。

古武術 無双無限流を学んでおり、その奥義を使えば恋姫の世界の武将とも闘えることができる。

無双無限流には、『全ての奥義を極めしとき、その身に龍の力が宿る。』という伝承がある。

奥義には“疾風”“浮葉”“流水”“月空”“烈火”“絶影”“龍鱗”“狂神”などがある。

奥義の同時発動は可能だが、奥義単体の発動以上に身体に負担がかかる。

現在、奥義“狂神”を発動させて、龍脈の気が流れ込んだ影響で右目は金色に変化している。

 

好きなもの:肉まん

苦手なもの:海(泳げないから)

 

能力値:統率3・武力4・知力4・政治2・魅力4

 

 

 

オリジナルキャラクター②『孫堅』

 

姓 :孫

名 :堅

字 :文台

真名:火蓮(かれん)

武器:南海覇王……やや長めの刀身を持つ、両刃の直刀。派手な装飾はないものの、孫家伝統の宝刀。

 

孫策(雪蓮)たちの母親。

身長173㌢。腰まで伸びる燃えるような赤い髪の持ち主。

血を見ると雪蓮以上に興奮してしまう。

孫尚香(小蓮)には非常に甘い。周りの人間が呆れるほどに甘い。

この外史“赤龍伝”では孫堅は死んでいない。

 

好きなもの:娘たち(特に小蓮♪)と酒

 

能力値:統率5・武力5・知力3・政治4・魅力5

 

 

 

オリジナルキャラクター③『諸葛瑾』

 

姓 :諸葛

名 :瑾

字 :子瑜

真名:藍里(あいり)

武器:風切羽(かざきりばね)……火蓮から受け取った護身用の短刀。諸葛瑾(藍里)の実力が低いので、あまり役に立っていない。

 

諸葛亮(朱里)の姉。

諸葛亮(朱里)とは違い、長身で胸も大きい女性。髪は金髪でポニーテール。

温厚で気配りのできる性格で、面倒見も良い。赤斗の世話役として補佐につく。

一時は、自分たちとは違う考え方や知識を持つ赤斗に恐怖心を持っていた。

政治、軍事、外交と様々な仕事をこなすが、諸葛亮(朱里)には僅かに及ばない。

 

苦手なもの:酒(飲めるが、酔うと周りの人間にからむようになる)

 

能力値:統率3・武力1・知力4・政治4・魅力4

 

 

 

オリジナルキャラクター④『太史慈』

 

姓 :太史

名 :慈

字 :子義

真名:嶺上(りんしゃん)

武器:雷電(らいでん)……二本の小型の戟。

 

非常に勇猛かつ、約束に律儀な武将。銀髪レゲエの女性。

孫策(雪蓮)と一騎打ちして引き分けたことがある。

それ以来、孫策の喧嘩友達になっており、よく喧嘩をしている。

孫尚香(小蓮)や諸葛瑾(藍里)と仲が良く、孫尚香(小蓮)の護衛役をしている事が多い。

子供好きで、よく街の子供たちと遊んでいる。

弓の名手でもあり、その腕は百発百中。

 

好きなもの:子供

 

能力値:統率4・武力4・知力3・政治2・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑤『司馬懿』

 

姓 :司馬

名 :懿

字 :仲達

真名:不明

武器:不明

 

黒尽くめの衣装を身に纏った、曹操軍の軍師。

曹操軍に属しているが、曹操からの信頼はないといっても良い。

色々と裏で暗躍しており、虎牢関では張遼を捕え、術により自分の傀儡にしている。

今は、魏から姿を消している。

 

能力値:統率5・武力?・知力5・政治5・魅力?

 

 

 

オリジナルキャラクター⑥『玄武(げんぶ)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:魏軍正式採用剣……魏軍に配備されている剣。

 

司馬懿の部下。

普段は何の変哲もない魏軍の鎧を身に纏い、普通の兵士にしか見えない。

しかし、眼の奥からは異質な気を醸し出している。

鎧の下には黒の衣を纏っており、素顔は司馬懿に似ている。

虎牢関では、鴉と一緒に張遼を捕えた。

 

能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力2

 

 

 

オリジナルキャラクター⑦『鴉(からす)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:爆閃(ばくせん)……司馬懿から受け取った回転式拳銃。

 

司馬懿の部下。

性格は軽く、いつも人を馬鹿にしているような態度をとる。

司馬懿と同じ黒い衣装だが、こちらの方がもっと動きやすい軽装な格好をしている。

寿春城では、孫堅(火蓮)を暗殺しようとした。

 

能力値:統率2・武力4・知力2・政治1・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑧『氷雨(ひさめ)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:氷影(ひえい)……氷のように透き通った刃を持つ槍。

 

司馬懿の部下。

青い忍者服を着た長い白髪の女。

背中には“氷影”を携えている。戦闘時には全身からは氷のように冷たい殺気が滲み出す。

洛陽で董卓(月)と賈駆(詠)を暗殺しようとした所を、赤斗と甘寧(思春)に妨害される。

官渡の戦いでは、呂布の部下を連れ去り、それを止めようとした陳宮を殺害する。

 

能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑨『宮本虎徹』

 

姓 :宮本(みやもと)

名 :虎徹(こてつ)

字 :なし

真名:なし

武器:虎徹……江戸時代の刀工が作った刀。

 

赤斗の古武術の師匠。

年齢は50歳。実年齢よりも、肉体年齢は若い。

赤斗と一緒に、恋姫の世界に飛ばされたと思われる。

最初は河北に居て、それからは用心棒をしながら、色々と辺りを転々としている。

赤斗の修行をやり直した後、天の世界に戻ったようだが、詳細は不明。

赤斗曰く、『無双無限流の妙技を見せてやるっ!』が口癖で、その実力は呂布(恋)以上。

 

能力値:統率?・武力6・知力5・政治?・魅力?

 

 

 

※能力値は「5」が最高だが、呂布の武力と劉備の魅力は「6」で規格外。


 
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