No.23047

リミット&ブレイク 第1章改

暇つぶしで書いたものです

2008-08-03 11:18:36 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:601   閲覧ユーザー数:581

真っ暗な部屋で少女が泣いている。

何で泣くのだろう?

僕はそう思った。

真っ暗な部屋に月の光が注いできた。

部屋は真っ赤だった。

僕は何もできずにいる。

少女は僕を見て泣いているのに。

真っ赤?

そう、これは僕の・・・血なんだ。

少女の側に人影が見える。

人影は少年だった。

やはり、少年も泣いている。

少年は「僕のせいだー」

と叫んでいる。

君のせいではない・・・僕のせいだ。

やがて、少年の顔があらわになる。

白銀の髪に赤い瞳・・・どこかで見たことがある。

誰だったかな。

全部忘れてしまった。

 

 

 

真夜中の2時。

「何でだよ」

少年はぶつぶつと呟きながら自転車置き場へと足を運んでいた。

少年の名は天井 健二。

短い髪と地味な顔が特徴の少年だ。

ピルルルルルル・・・・。

突如、電子音が響く。

天井は発信源を取り出す。

携帯だ。

天井「はい、モスモス。谷か?」

谷「そうだ。・・・・今、どこだ?」

天井「アパートの自転車置き場」

谷「・・・・まだそこかぁ。」

天井「うるさいなぁ、お前に呼ばれたときは風呂に入っていたんだから」

谷「だから、わりぃって。」

天井「それよりか、どこに行くんだっけ?」

谷「ああ、3丁目のボロアパートだよ。」

天井「なあ、今の時期に肝試しなんてやるのか?」

谷「何、言ってんだ。今の時期でも幽霊は出るんだよ。」

天井「わかったわかった。で、メンバーは?」

谷「俺と熊崎さんだよ」

天井「ふーん、熊崎さんかぁ・・・・よく来るなぁ」

谷「まあ、早く来い。待ってるからな」

天井「あいよ。」

ピッ・・・ツーツー。

天井は携帯を切り自転車置き場へと行く。

(今は6月、この時期に肝試しをやるのはおかしい。)

と天井は思う。

 

3丁目のアパートに着いたのは10分後だった。

熊崎「もう、遅いよぉ」

付いた途端、声を上げたのは熊崎 恵理。

見た目はおとなしい感じだがかなりボーイディッシュな少女だ。

長い髪と綺麗な顔立ちが特徴の少女だ。

天井は自転車から降り誤る。

天井「すまんすまん」

そこで現れたのは天井の幼馴染の谷だ。

谷は天井とは違いかなり女にモテる。

実際、熊崎は谷に寄ってきた女の1人・・・だと思う。

谷「まぁ、早く行こう」

谷がせかす。

熊崎&少年「うん」

このアパートはいろんな幽霊の話があり夏場はかなり人気だ。

アパートは4階建てで敷地は16坪と小さめのアパートだ。

周りは木々に覆われ昼でも怖いところだ。

そんなところに天井、谷、熊崎の順でアパートに侵入する。

アパートの中は幽霊スポットとしか思えないぐらい雰囲気が出ていた。

天井「てか、何で俺が先陣切ってるのっ?」

熊崎「えー、良いじゃん」

谷「おまえ、霊感あるだろ。だから先行け。」

天井「だからって毎回俺が先陣切らなくてもいいだろ。」

熊崎「あっれーいままでも行った事あるんだ・・・・幽霊スポットに」

天井「うん、今までもこいつにつき合わされ来た。」

谷「何言ってんだ。お前が霊感あるって言うからさぁ」

謎の音「うぅぅぅ」

熊崎「・・・・今、何か音し無かった?」

谷「恵理、何言ってんだ?何も聞こえないぞ?・・・なぁ」

天井「・・・・いる・・・・・・多分」

谷&熊崎「ひっ!!」

熊崎「驚かさないでよ!!」

谷「そうだそうだ」

謎の音「うぅぅぅぅ」

全員「・・・・・」

谷「い、今音したよな」

熊崎「・・・した・・・よね」

天井「・・・・来る・・・と思う」

谷&熊崎「えっ!?」

谷「に、逃げよう」

熊崎「えっ!?でも、天井君が行ってるだけかも・・・・」

謎の音「うぅぅぅ」

熊崎「ひっ!!・・・さっきより大きくなってない?」

谷「だから、天井の霊感は筋金入りなんだよ・・・・とにかく逃げろ!!」

熊崎「う、うん」

こんな感じで天井達はアパートの外まで逃げ込んだ。

熊崎「はぁはぁ、マジで怖い」

谷「はぁはぁ、天井は霊がマジで見えるんだ。」

熊崎「はぁはぁ、天井は?」

谷「たぶん中だろう」

熊崎「はぁ?何で中に残るのよ!!」

谷「あいつは幽霊と話す事ができるんだ。」

 

 

薄暗い室内には物が散乱している。

天井はこの中を進んで行く。

天井「いるんでしょ?」

謎の音「うぅぅぅぅぅぅぅぅ」

天井「良かった・・・・・ほら」

天井が手をかざすと部屋の中におじさんが現れた。

天井「具現化しました。」

おじさん「・・・・君たちは何故、私達の居場所を荒らすのだ?」

天井「すみません、俺達もあなた方に危害は加えません。」

おじさん「・・・・君は私を具現化したねぇ」

天井「それが何か?」

おじさん「私は殺されてしまう」

天井「あなたはいい人なのに?」

おじさん「私はA級自縛霊だ」

天井「?」

おじさん「・・・・君のせいで見つかったようだ。」

おじさんが指を刺すので後ろを向く。

白銀の髪に赤い瞳。

後ろを向いて目に入ったのはそれだった。

それにつづき青年が立っているのがわかった。

その青年はなぜか黒いマントを身に着けて、そして身長より長い鎌を担いでいる。

謎の青年「具象化・・・・」

青年は呟いた。

天井「君は幽霊それとも・・・人間?・・・・わからない」

謎の青年「俺は幽霊でも人間でもない・・・・死神だ」

天井「・・・・死神?」

死神「・・・・・」

青年は何も言わずに鎌を振り上げる。

そして、天井に向かって振り回す。

天井「うわあああ。・・・・あぶないじゃないか!!」

おじさん「・・・・」

天井はふと、おじさんをみた。

おじさんは青白い光を出しながら薄くなっていく。

死神「・・・・任務完了」

おじさんはやがて見えなくなった。

天井「・・・・・おじさんをどうしたの?」

死神「空へ送った。」

そう言うと死神は鎌を持ち直す。

天井「君は一体、何者なの?」

天井は死神に問う。

死神「死神だ・・・」

天井「死神って何なの?」

死神「だまれ・・・・」

天井「何で、おじさんを送ったの!!」

天井の口調が変わる。

死神「うるさい・・・・」

天井「答えろ死神っ!!」

天井は死神に迫りよった。

死神「邪魔だ!!」

死神は天井をのける。

天井「なんで・・・送るんだ!!」

死神「貴様を見ていると腹が立つ・・・どけろ!!」

死神はそう言うと消えてしまった。

死神が消えても天井はその場にいた。

天井「なんで・・・送るの」

決して聞こえない声で天井はつぶやいた。

 


 
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