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GROW3 第七章 体育祭、武道大会最終日part1

しゃなさん

体育祭、武道大会の最終日です。

2011-07-24 00:16:49 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:370   閲覧ユーザー数:365

 

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 体育祭も武道大会もついに最終日。

 今日の四回戦において勝利した6名は本選出場決定となり、敗北した6名は、

四回戦終了後、バトルロイヤルで決め、生き残った4名を本選行きとする。

 最終日である今日は、特設ステージにて一試合ずつ行うのだ。

 まずは四回戦一試合目、渡邊彰文VS御狩懈刹那の試合である。

 

 

 

 1

 

 俺は何とか傷を全回していた。

 今日の対戦相手にはもう強者しか残っていない。

 まず俺と戦う相手。御狩懈刹那さん。

 ここまで使ってこなかったみたいだが、二つ名にもある、混沌の三柱神(トリニティ・オブ・カオス)を所持している。どうやら本気で勝ちに来ているようだ。

 

 俺たちは試合フィールドに立った。

 「まさか会長と戦えるなんてね。お互い全力を出そう」

 ニッコリ笑ってくる刹那さんだが、身体からは冷たいオーラが立ち上る。

 「ああ。失望させないように頑張るよ・・・」

 俺も言葉を返す。

 正直言って、混沌の三柱神を使う刹那さんのことを見たことがない俺にとって、刹那さんの

実力は未知数。とりあえず最初は様子見か・・・

 

 「始めっ」

 審判の合図とともに試合が始まった。

 先に動いたのは刹那さん。背中の三本の棒のうち、赤い棒を抜き取ると、他の二本は消え去る。

 刹那さんは間合いを一気に詰めると、棒に回転を加えて攻撃してくる。

 「一式王蓮(いっしきおうれん)っ」

 ビビビビビビビ

 無数の棒が俺を攻撃してくる。避けようにも隙間が全くない。

 どどどどどどどどどどっ

 まともに攻撃を食らってしまう。

 しかしそこまでの威力はない。棒術は相手を殺さずに倒すための武術。それほどの威力は

ないはず。

 「そこだっ!」

 俺はタイミング良く棒を攫み動きを止める。しかし・・・

 「残念。」

 ジュワァァァァ

 「あっちィーーーーーーーーーーー」

 攫んだ棒がすさまじい熱を纏い、握った俺の手を燃やす。

 思わず手を引く俺。あと少し攫んでいたら手が原形を失っていただろう。

 「焔(ほむら)の槍。この槍の温度は一万度にも達する。触れれば終わりだ会長。

手が無くならなくてよかったねぇ」

 一万度って太陽の二倍じゃねぇか!ありえねぇだろ・・・

 「ふふふ。会長はどこを燃やして欲しいかい?」

 「燃えるレベルじゃねぇだろ!」

 「大丈夫。温度設定はできるから」

 「笑えねぇなまったく」

 しかしあの棒に触れられねえとすると、いや、両手に気の圧を張れば多少はいける。

 

 ざざっ

 今度はこちらから攻撃を仕掛ける。拳を握り両手に気を込める。

 「遅いよ」

 「なっ」

 いつの間にか後ろに回られていた。ばかな!?

 「三式烈火(さんしきれっか)」

 至近距離で1mほどの炎の塊が飛んでくる。

 「混合術式零式」

 振り向いて炎を攻撃する。

 ジュァっ

 「ああああああああああっ」

 腕が焼けるように熱い。気の障壁などまるで無意味だ。

 「破壊しちゃっていいのかなぁ?」

 「何っ?」

 ひゅひゅひゅひゅ

 破壊した炎の塊から尖った岩が無数に飛んでくる。

 まるで溶岩を破壊したような感じだ。

 とっさに地面を蹴って後退する俺に、もう刹那さんは進撃していた。

 「四式列空(よんしきれっくう)」

 ひゅっ

 ごしゃあああああっ

 横一文字に振られた棒が、まともに横腹に命中する。

 バキバキバキバキィ

 ブンっ

 そのまま振りぬかれて吹き飛ぶ俺。攻撃を受けた場所は焦げた炭みたいになっている。

 骨も何本か折れたみたいだ・・・

 「おぇぇぇっ」

 倒れたまま大量の血を吐く。だか立たないと・・・

 「あっけないよ会長。この程度なんてね・・・この程度の実力じゃ、バトルロイヤルで本選に

上がって来ても、正直腹が立つだけだね。失望だよ会長」

 刹那さんは俺に対しいつも優しく接してくれた。だが今は違う。まるで虫けらを見るような

目だ。俺は刹那さんを失望させたのか・・・

 ドンッ

 「ふふふ」

 俺は右手を付いて立ち上がった。痛みはもうない。

 「これ以上心の痛みを負わないようにしないとな・・・」

 「まさかあんなセリフだけで立ち上がってくるなんて。やっぱり会長は最強だよ(*^_^*)」

 楽しそうにする刹那さん。

 「会長。会長と戦うためにフル装備してきたのに一本で終わりそうだね。やっぱり付け焼刃

じゃここが限界だったみたいだね・・・

よくマンガとかじゃこういうピンチってときに覚醒したりするけどーー・・・」

 「へへへ。試合が終わったように言うなよ刹那さん。まだ俺はピンピンしている。ここから

逆転だ!」

 「ふふふ。笑えるね会長。ここからどうやって逆転する気だよ・・・」

 あり得なさそうに笑う刹那さん。

 「主人公らしからぬ卑怯な手でな!!」

 

 

 

 

 2

 

 俺は地面を突いて砕き、砕いた石を両手に持った。

 そのまま刹那さんへと近付く。

 「まさかその石っころで攻撃する気か?確かに卑怯だww」

 棒を構える刹那さん。俺は真っすぐに攻撃を放つ。

 俺の攻撃した右手首を狙う刹那さん。かかった!

 俺はとっさに持ってきた石を、攻撃してきた棒の前に出した。

 石が熱で溶け、溶岩のようになり刹那さんに振りかかる。まさに小細工。しかし・・・

 溶岩を浴びる刹那さん。何ともなってないのか両目を閉じて笑う。

 「ふふふふふ。まさかここまでひどい作戦なんてねwww

わたしの出した攻撃がわたしに効くわけないじゃんwww

ましてや焔の槍を手に持っているのに・・・

熱で頭もやられたのかな?」

 「そんなばかなぁぁぁぁぁっ」

 「・・・・・」

 「なんちゃって(^_-)-☆

捕縛円陣発動っ!」

 キュキュキュキュ

 ぐぐぐぐっ

 仕込んでおいた捕縛結界を発動。うまく刹那さんを抑え込んだ。

 「やるじゃないか会長。演技なんてね。そして究極にせこいね会長。せこ長」

 「なんとでも言いな。一瞬でも抑えればこっちのもの。」

 刹那さんの鳩尾に攻撃を入れる。

 「破砕風魔掌(はさいふうましょう)」

 どどどど

 俺の攻撃をまともに受け、気を失う刹那さん。非常にせこい手だったが本選に出るためには

ここは何としても勝たないといけなかった。

 「まったく。夢幻の時といい卑怯だな俺は・・・」

 「まったくだよ・・・」

 「なっ!?」

 腹を押さえながら立ち上がる刹那さん。あれをまともにくらって立ち上がるなんて・・・

 「付け焼刃の武術にしてはいいほうだ。勲章を上げよう。でもね会長。勝つのは

わたしさ・・・」

 すっ

 青い棒を取り出す刹那さん。攻撃を受けた個所に充てる。

 パキパキパキ

 攻撃を受けた場所が凍った。軽い応急処置だろうか。

 その後、地面に棒を向ける刹那さん。

 「四式零殿(よんしきれいでん)」

 パキィィィィィーーーーーン

 フィールドが一瞬にして凍りついた。

 「ふふふふふ。さっきのお返しだよ。足元をみてごらん」

 「なっ!」

 俺の両足は完全に凍りついていた。動かそうにもまったく動かない。

 パキパキパキ

 「うそだろ・・・」

 手を使って氷を割ろうとした瞬間、氷に触れた両手も凍りついた。

 「これで終わりだよ会長。この氷は絶対に溶けないよ。わたしが合図するまでね」

 ゆっくり近付いてくる刹那さん。そして・・・

 「少しの間眠っててね。絶対零度(ディザレメント・ミゴルディア)」

 俺の身体は完全に凍りついてしまった。

 それと同時に意識も凍結する。

 

 勝者、御狩懈刹那。

 

 俺の本選を決める戦いは、このあとのバトルロイヤルになってしまった。

   

 

 

 3

 

 「おにぃたんだいじょーぶ?」

 試合に負けて落ち込む俺に、心配そうな顔をして声をかけてくるアリスちゃん。

 「ごめんねアリスちゃん。あんなにあっさり負けちゃって・・・」

 「・・・・」

 お互いに気まずくなる。

 さっきの試合。なんとか長引かせてはいたものの、刹那さんとの実力の差は歴然だった。

 あのあと氷をどうにかできたとしても、3つ目の槍とやらも控えていたし、技もまだまだ

出していなかった。

 夢幻に勝てたのもまぐれだったのか・・・

 「おにぃたんは弱くなんかないもんっ」

 アリスちゃん・・・

 思わず沈ませた顔を上げる俺。

 「おにぃたんはずっとずっと頑張って来たんだもん。弱くなんかないもん。」

 「俺なんて所詮・・・」

 パァァァァァァァン

 「なっ・・・」

 しばらく何が起こったのか分からなかった。

 アリスちゃんは俺をはたいたのだ。

 「一回負けたくらいで何落ち込んでるの?おにぃたんは心もそんなに弱かったの?」

 (アリスちゃん・・・)

 アリスちゃんは泣きながら言う。

 「今日の試合でおにぃたんは何か失ったの?違うでしょ。失ったものなんてない。

逆におにぃたんは大切なものを手に入れたんだよ。」

 「大切なもの?」

 「うん。おにぃたんは確かに強くなってた。でもそれだけだった。修行をして強くなって。

でもそのせいで自分の内面に隠している弱さを、自分の得た強さで隠してしまったの。目的の

ためなら必死になって、冷静さを失って。だから、今日の試合はおにぃたんにそれを気づかせ

てくれた。おにぃたんはこうやって自分の弱さを受け入れられた。

人は誰だって強くなんてないよ。でも無理をして強くなろうとしている。おにぃたんも最近そうだった。でも、でももう違う。おにぃたんは自分の強いところも弱いところも受け止められる。

そんなおにぃたんは、わたしのヒーローだから・・・」

 「アリスちゃん・・・」

 「まだ終わったわけじゃないよ。頑張って本選にいこっ」

 涙を拭って笑顔を見せるアリスちゃん。

 「ありがとう」

 「うんっ(^^♪」

 

<pf

 

 4

 

 「我が弟子に随分とやってくれたね、せっちゃん。」

 陰で聞いていたエイミーさんが言った。

 「あそこで勝たせても会長のためにはならないでしょ。それに負けてもバトルロイヤルが

ある。本選出場は確実だよ・・・」

 「まったく。これじゃ決勝で戦う約束がパーじゃないか・・・

いっそのこと次負けて、バトルロイヤルで潰しにかかろうかな」

 「傑作だねwwさすがはエイにゃん。ぐろいねぇ」

 「冗談だよまったく・・・

それにしてもわたしの次の相手は楽勝だな。問題は勝ちあがってくるどちらか二人だね・・・」

 「あーあの二人か。てゆーか松さんはまだ一回しか戦ってないしwww」

 「この作者がトーナメントつくるのへたくそだからさ。本選のメンツもまったく考えてないよ

うだし・・・」

 「あーあ。まあどっちでもいいけどね」

 「確かに。それよりも次の試合、見ものだね」

 「衣さんと天使ちゃんか。わたしは試合見てなかったから分かんないよ。強いの?」

 「見れば分かるさ・・・」

 

 四回戦二試合目、勝者孔雀院舞華

 同じく四回戦三試合目、勝者籠山三尋

 

 二人はあっさりと試合を決めて、本選行きを獲得。

 そして・・・

 

 

 

 5

 

 四回戦第四試合 

 織物衣VS湖都海天使

 

 表同士の危険な試合が始まろうとしていた・・・

 

 

 

 

 次回予告

 

 GROW3 第八章 体育祭、武道大会最終日part2

 

 

 ではでは


 
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