真・恋姫無双 ifストーリー
蜀√ 桜咲く時季に 第14話 拠点一回目
【星の一日】
《???視点》
「お兄様、起きてください。朝ですよ」
「ん~。一姫、あとちょっとだけ……ぐー」
「もうお兄様。そんなこと言っていつも起きないじゃないですか」
「大丈夫。起きるから……起きるから……」
「ふふっ♪こうなったら……一緒に寝ちゃうんだから♪」
(ごそごそ)
「っ!?な、なんだ!?」
(がばっ!)
「……」
「……」
「これは残念」
「な、何してるんだ星」
寝床に横になっている私を見て主は一言私に告げてきた。
「いえ。起しにきたのですが。主が気持ち良さそうに寝ていたので少々趣向を変えて起こしてみようかと思ったのですが、お気に召さなかったですかな?」
「いや。お気に召さないも何も……」
「ふむ。やはり……『お兄ちゃん起きて朝だよ!』の方が良かったですかな?」
声色を変えて喋ってみる。
「そう言う意味じゃなくて!起しに来たのならなんで俺の布団の中で寝てるんだよ!」
「……流れ?」
「疑問系!?こっちが聞きたいくらいだよ!」
「良いではございませぬか主よ。私ともう少し一緒に寝ていようではありませぬか。それと一姫という娘の事についてもじっくりと聞きたいところですしな」
「一姫は俺の妹だけど……っ!お、おい!そんなに近づいたら!」
主は顔を真っ赤にして私から離れるように後ずさりを始めた。だが、この狭い寝床の上でそう逃げられるわけでもなく直ぐに端へと追い込まれていた。
「ふふ。さぁ、観念して一緒に寝ようではありませぬか主よ」
「ちょっ!せ、星!むぶっ!」
主の首に手を回し無理やりに倒れこませる事に成功した。
ふむ。この体勢も悪くないな。
「ちょ!さ、流石にこの体勢は不味いって!」
「はて?何が不味いのですかな?」
私はニヤニヤと笑いながら主に問いかける。
今の私と主の体勢は私が仰向けになり、主が私に覆いかぶさる形になっている。
さあ、ここからどうするのですかな主よ。
「と、とにかく離れっ」
「んっ!……主よ。中々に大胆ですな」
「へ?……っ!?!?!ご、ごめん!」
主の右膝が私の足と足の間にあり、慌てて起き上がろうとした主は足を動かしたことにより私の股の間に膝が当たっている状況だ。
「ふふっ。良いのですよ主。このまま私を抱いても」
「い゛!?だ、ダメダメ!そんなこと出来ないよ!」
「ふむ。では、私には女としての魅力が無いということですかな?」
「そ、そう言う意味じゃなくてね?だからその……」
慌てる主も可愛いものだ。これが天下無双の男とは誰も思わんであろうな。
「主よ。私ではダメですかな?こんなにも胸が張り裂けそうなのですぞ?」
そう言って私は主の手を取り自分の胸に当てる。
「っ!せ、星!」
「んんっ!そ、そんなに強く揉まれては痛いですぞ主」
「ご、ごめんっ!」
「主……」
「せ、星……」
(コンコンッ!)
『ご主人様。朝です起きておいでですか?』
「っ!」
ふっ、やっと来たか。待ちくたびれてしまったぞ。
『?入りますよご主人様』
「ちょ!ま、待て愛紗!」
(がちゃ)
「失礼しま……す」
「ふむ。主との一時を邪魔するとは無粋だぞ愛紗よ」
「な、なな、なーーーーーっ!!何をしておいでですかご主人様!」
「ち、違うんだ愛紗!これには訳が!星からも言ってやってくれ!」
「どういうことだ説明しろ星!」
愛紗は敵を射殺さんとばかりに私を睨みつけてくるが私はそれを気にせずに話し出す。
「なに。主を起しにきたのだがな。主が気持ち良さそうに寝ていたので私も一緒に寝てみようかと」
「ちょ!せ、星!それじゃ」
「……ご~しゅ~~じ~~ん~さ~~ま~~~っ!!」
くっくっくっ!中々のやきもち焼きっぷりではないか愛紗よ。だが、それに気づかぬ主も主であるがな。
私は愛紗に説教をされている主を見て笑いながら主の部屋を後にした。
『星!次はお前のば……星!何処に行った!星!』
主の部屋から少し離れると私を探す愛紗の声が聞こえてきた。
「まったく。ここまで聞こえてくるとはどれだけ大声で叫んでいるのだ愛紗は」
愛紗の説教を逃れる為、早めに主の部屋を出て正解であったな。
そして私は悠々と主の部屋を後にした。
「では、次の議題に移る」
あの後、少し遅れてだが朝議が行われた。
主と愛紗を見てみると、主は朝だと言うのに疲れた顔をして。愛紗は愛紗で眉間に皺を寄せたままでいた。
「星。聞いているのか!」
「ああ、聞いているぞ。だが愛紗よ。その眉を吊り上げて如何にも不機嫌だと言うのは如何なものかと思うぞ?」
「誰のせいだと思っているのだ!」
「まあ、まあ。愛紗ちゃん。落ち着いて。ね?」
「わ、わかりました」
桃香さまは慌てて愛紗を落ち着かせていた。流石は義姉妹の長女といった所か。いや、桃香さまのお人柄か。
「……後で覚えて居ろよ星」
「はて。何のことだかもう忘れてしまったな」
「くっ!」
愛紗は苦虫を噛んだかのように顔をゆがめていた。
ふふふっ。本当にからかいがいがあるな愛紗は。
………………
…………
……
「さて、どうするか」
朝議も終わり。今日は非番と言うこともあり時間をもてあましていた。
「ん?あれは……」
廊下の向こうから綺麗な銀髪の髪が風に揺られて歩いていた。
「雪華ではないか。こんな所でどうしたのだ?」
「ふえ?あ、星さん!はい。これから書庫の整理に向かうところなんです」
「ふむ。書庫か」
「はい。朱里先生に頼まれて」
「なるほど。朱里にか……」
確かに、朱里では本棚の最上段は手が届かないだろうな。
――その頃
「くしゅん!」
「朱里ちゃん風邪?」
「う~ん。そんな感じじゃないんだけど。誰かが噂してるのかな?」
「誰だろうね」
「も、もしかしてご主人様が私のことを!?ど、どうしよう雛里ちゃん!」
「お、落ち着いて朱里ちゃん!朱里ちゃ~~~んっ!!」
「大変そうだな」
「いえ。一人でやるわけではないので大丈夫です」
一人ではない、か……ん?確か主が……ふふっ。これは面白いことになりそうだ。
「そうか……所で雪華よ」
「はい。なんでしょうか?」
「実はな、人から聞いた話なのだがここの書庫にはある噂があるのだ」
「噂?それは何ですか?」
「うむ。それはな……書庫に男女二人で居ると風も無く急に扉が閉じられて開かなくなってしまうそうなのだ」
「ふえ!?そ、それって!一生出られないんですか!?」
「いや。出る方法はあるにはあるのだが」
「それはなんですか?」
「う~む。これを雪華に教えていいものか……」
「教えてください!」
少し焦らすように話すと雪華はまんまと私の話に乗ってきた。
「うむ。それならば……」
「ごくん……それは?」
「それは……相手の男に正直な気持ちを話すことだ。そうすると扉は自然に開くそうだ」
「相手に正直な気持ちを……わかりました!これで閉じ込められても平気ですね!ありがとうございました!」
雪華はぺこりとお辞儀をすると小走りに走っていってしまった。
「うむ。雪華は純粋で良い子だ。愛紗とは違ったからかい方が出来て面白い」
私は笑いながら雪華とは反対の道へ歩いていった。
街へ下り露店で賑わっている道をブラブラと歩いていた。
「むっ。店主よ。これは何だ?」
「おっ!姉ちゃんお目が高いね!これは南の島国から手に入れた果物だ!とても甘くて美味しいですぜ」
「ふむ。黄色くて長くそそり立っているな。まるで……」
おっと。ここは言わぬが花か。
「如何ですか?」
「そうだな。では一本もらうとしよう」
「ありがとうございます!」
「ところでこれは何と言う名の食べ物なのだ?」
「へぇ。芭蕉実です」
「芭蕉実。変わった名前だな」
「へえ。芭蕉の木からなる実だそうで」
「なるほど。して、これはどうやって食べるのだ?」
「このようにして皮を剥いて」
「皮を剥くのか!やはりこれでは……」
「は?」
店主は何のことか分からず首を傾げていた。
「いや。なんでもない。では、ありがたく頂いていくぞ」
「毎度。またどうぞお越しください!」
店主に代金を渡し、また、露店を見ながらブラブラと歩き出した。
「はむ……じゅる……ちゅぷ……んふ……ちゃぷ」
私は芭蕉実の皮を剥き口に入れて味を味わっていた。
「ふむ。甘くておいひいではないか……ん?」
なんだか視線を感じるが……おや?
周りを見てみるとなぜか道行く男の人たちが顔を赤くして私を見ていた。
「……ふむ。あむ」
「「「っ!」」」
「じゅる、んちゅ……ちゅるぅ……んふ、ちゅぷぅ、ちゅぱぁ……ぬちゅ」
「「「~~~っ!」」」
なるほど……ではこれでは如何かな?
「あ~むっ!もぐもぐ」
「「「~~~~うっ!」」」
男達は股間を押さえて前かがみになっていた。
「ふっふっふ♪これを主の前でやってみるのも一興か」
私はそう思い立ち来た道を戻り先ほどの店で芭蕉実を数本買うのだった。
「さて。芭蕉実も買ったことだし。次は……ん?あの店は……」
袋に芭蕉実を入れ満足そうに歩いているとある店が私の目の前に入ってきた。
「ふむ、丁度昼時か。よし、気になるついでにあの店で昼を頂くとするか」
私は昼時なのに空いている店で昼を食べることにした。
「邪魔するぞ」
「いらっしゃいませ!」
「うむ。中々綺麗な店ではないか」
「へぇ。数日前にここで店を始めたばかりでして」
「そうであったか。では、この店のお勧めと酒を頼む」
「わかりやした少々お待ちください」
店主はそう言うと奥の厨房へと消えていった。
「ふむ。しかし、人通りは多いのだがなぜこんなにもこの店は人が入っていないのだ?」
店の中を見ても私以外、誰一人としていない状態だ。これでは直ぐに潰れてしまいかねないだろう。
この店を選んだのは失敗だったか?
そう思っていた私だったか店主が酒を持って来たときに私は驚きを隠せないで居た。
「お待たせしました。お食事が出来るまで酒と肴にこれをどうぞ」
「おおっ!こ、これは!」
私の目の前に置かれたもの。それは皿に盛られた大量のメンマだった。
「店主よ。酒の肴にメンマとは中々やるではないか」
「おぉ!わ、わかってくれる方がいらしたとは!」
「当たり前だ。酒にはメンマが付き物だろう!」
「で、ですよね!くぅー!店をここに開いて数日!やっと……やっとわかってくださる方が現れました!」
店主はよほど嬉しかったのか涙を流して喜んでいた。
「はっはっは。メンマの良さがわからぬ奴らにこの店の良さがわかるまいて!」
「ありがてぇ。よし!今すぐお勧めの料理をお作りしやす。少々お待ちください!」
店主は嬉しそうに厨房へと消えていった。
「まさかこの様な店にめぐり合えるとは……これも天命か……(コリッコリッ)……ほう!食感も中々……」
メンマを箸で取り、口へと運ぶ。
そして、メンマの食感にまた驚きの声を上げた。
この歯ごたえ。そして甘味の中からほのかに感じる辛味……これは絶品だ!
その美味しさに私は箸が止まらなくなってしまった。
「ふむ……(コリッコリッ)……この辛味は……(コリッコリッ)……一体……(コリッコリッ)……なんだ?……(コリッコリッ)」
「お待ちどうさまでした!こちらが当店のお勧めでございます!」
(コトッ、コトッ)
店主はそう言うと二つの皿を私の前に置いたが……これは。
「店主よ」
「へぇ」
「これは普通の餃子と焼売に見えるのだが?」
私が期待しすぎたか?普通の餃子と焼売が出てくるとは。
「おっと!落胆する前に食ってくだせぇ。話はそれからですぜ」
店主はニヤリと笑い『まずは食ってみろ』と言ってきた。
「では頂くとしよう……はむ……(コリッコリッ)っ!こ、これは!」
「どうでしょう」
店主は私の顔を見て満足そうに笑っていた。
「この食感!店主よこの餃子の名前はなんだ?」
「へぇ。『メンマ餃子』です」
「なるほどな。では、この焼売 はさしずめ、『メンマ焼売 』か?」
「お察しの通りで」
店主は嬉しそうに頷いていた。
「ほう。こちらも……(コリッコリッ)メンマの食感が……(コリッコリッ)いい味を出しているな」
「ありがとうございます。ここまで褒めていただけたのはあなたが最初です」
「当たり前だ。こんなにもメンマの持ち味を生かしている料理は私もはじめた食べた。これからも贔屓させてもらうぞ」
「ありがとうございます……ですが」
店主は急に元気を無くしてしまった。
「?何か問題でもあるのか?」
「へぇ。見ても判るとおり。昼時だというのに人が入らないんでさぁ。このままじゃ、店を畳まないといけなくなってしまって……」
店主は悔しそうに拳を握り締めていた。
「ふっ。案ずるな店主よ。私が何とかしてやろう」
「?どうするっていうんですかい?」
「兵の奴らにここの店を勧めておこう。そうすれば問題なかろう」
「そ、そりゃ。お客が入っていただければ問題ありませんが。で、でも、兵の方にそんな事出来るのでしょうか?」
「問題ない。私の部下を来させるのだからな」
「ぶ、部下?あなた様は一体……」
「そういえば名乗っていなかったな。我が名は趙雲。この街の相である劉備様と天の御遣いである北郷一刀様の家臣だ」
「ち、ちちち趙雲将軍!?こ、これは大変な失礼を!」
店主は慌てだしその場で地面に頭を擦り付けてしまっていた。
「気にするな。私も名乗っていなかったのだからな。だから顔を上げてくれ店主よ」
店主に顔を上げるように言うとやっと顔を上げてくれた。
「大変美味だったぞ。さて勘定だが……」
「と、とんでもない!趙雲将軍からお金なんてもらえませんよ!」
「だがしかしだな。私もこの店を気にっている。潰れられては困るのでな。だから気にするな。ここへ来ている間は将軍ではない。ただのメンマ好きの客だ」
そう言うと私は懐からお金を机の上に置き店を出た。
「釣りはとっておけ。旨いメンマに出会えた礼だ」
「あ。ありがとうございました!またのお越しを!」
「ああ。必ず来るぞ。今度は大勢の『客』を連れてな」
私は顔だけを店主に向けてニヤリと笑いそう告げた。
数日後。その店は昼時になると大勢の兵達で賑わっていると聞いた。
中には涙を流して食べているものも居たそうだ。
うむ。それほど美味しかったのだろう。兵達に教えたのは正解であったな。次は主や愛紗を誘って行って見るとしよう。
《END...》
【腕を磨く為に】
《愛紗視点》
「声が小さいぞ!それで街を守れるのか!」
「「はっ!」」
今は兵達の調練の時間。私は腕を組んで兵達の動きを見詰める。
「っ!そこ!遅れているぞ!もっと気合を入れないか!」
「すみません!」
「返事はいい!態度で示せ!」
「はっ!」
「もっと腕をまっすぐ伸ばせ!そんな腕では隊を任せられんぞ!」
「はっ!」
一人ひとりにおかしい所があれば注意をしていく。
だが、最初の頃に比べれば注意する回数も減ってきているな。良い傾向だ。
「よし!最後に陣形を連続で変えるぞ!わかっていると思うが私が納得しなければ何度もでやるぞ!」
「「おおっ!」」
「威勢だけはいいな。それでは見せてもらうぞ!まずは鶴翼陣だ!」
「「おおっ!」」
「まだまだ遅いぞ!次!偃月陣!」
「「おおっ!」」
「それで最速か!?まだまだこんなものではないだろ!鋒矢陣だ!」
兵達を奮い立たせる為に檄を飛ばす。
兵達もそれに答えようと大きな雄たけびを上げて陣形を次々に変えていった。
「よし!今日はここまでだ!各自、体を休めた後、昼食を取るように!」
「「ありがとうございました!」」
兵達の声を背に私は調練場を後にした。
これから私は己の鍛錬の為にある場所へと向う。
「あっ!愛紗様!」
「ん?おお、雪華か」
廊下を歩いていると曲がり角で雪華に声を掛けられた。
「お疲れ様です愛紗様!」
「ああ。雪華もご苦労だな」
パタパタと駆け寄り満面の笑顔で挨拶をする雪華に自然と私も笑顔になる。
「いえそんな!愛紗様に比べたら私なんて」
「そう悲観するものではないぞ。朱里からも聞いている。頑張っているようじゃないか」
「ふぇ……あ、ありがとうございます」
「~~~っ!!」
その恥らう姿が可愛らしく思わず抱きしめたくなる衝動に駆られるもぐっと堪える。
「ど、どうかしましたか愛紗様?」
「い、いや。なんでもない。所で雪華よ」
「はい。なんでしょうか?」
「流石に仲間から『様』付けで呼ばれるのは少々気が引ける。私の事は呼び捨てで構わぬぞ」
「で、でも。愛紗様は私よりも偉いお方です。そんな呼び捨てだなんて!」
「ふむ。だが星の呼び方は違うではないか」
「ふぇ。そ、それは星さんに言われて……」
「なら。私も構わん。仲間同士で上も下も無いぞ」
「そ、それでは愛紗、さん……」
「うむ。それでいい。それで雪華は何処へ行こうとしていたのだ?」
「はい。街の本屋さんから朱里先生へのお届け物を預かったのでそれを届けに行くところです」
そう言う雪華の手には確かに布に包まれた何かを持っていた。
「愛紗さ、んは何処へ向われるのですか?」
様と付けそうになったところを何とか言い留める雪華に思わず笑いそうになってしまった。
「う、うむ。昼食後は非番なのでな少し自己鍛錬をな」
「ふえぇぇ……愛紗さん凄いです!」
「あ、ああ。武人たるものいつでも己を鍛え上げておかねばな!」
うぅ。本当は違うのだが今更ながら後には引けない。
「ふえぇぇ。私も頑張ってお勉強も鍛錬もしないと!ご主人様の為に!」
「う、うむ。雪華も精進しろよ」
「はい!」
「と、ところでだが……」
「?なんでしょうか」
「お、お主は料理は出来るのか?」
「あ、はい。お母様に教えられていました。『武人だろうと愛する夫の為に料理くらい出来ないとだめよ』っと言われていたので」
「そ、そうか……」
うぬぬ。やはり、料理が出来る方が良いという事だろうか。
「あ、あの愛紗さん?何か私おきに触るようなこと言いましたでしょうか?」
「そんな事はないぞ。少々考え事をしていただけだ。それより早くその本を朱里に届けてやるといい。きっと待ちわびている事だろう」
「そうですね。きっと軍略書とかだと思いますし!それでは失礼します」
「ああ」
雪華はペコリと頭を垂れてパタパタと朱里と雛里が居る執務室へと駆けて行った。
「すまん。雪華よ。鍛錬は鍛錬でもお前の思っている鍛錬ではないのだ」
私は素直すぎる雪華に謝りつつ。厨房へと向った。
「邪魔するぞ」
「これはこれは関羽将軍。何か御用でしょうか?」
厨房に入ると手前に居た者が挨拶をしてきた。
「ああ。以前言った通り料理の特訓に来た」
「「……え」」
「む?皆一斉に止まってどうしたというのだ?」
賑わっていた厨房が静寂に包まれてしまった。
「い、いえ。あれは本気だったのですね」
「当たり前だ。ご主人様にあのような物を食べさせたとあれば末代までの恥じ!ここは特訓に特訓を重ねてご主人様には美味しい物を食べてもらわなければ!」
「さ、さようですか……で、では後ほどお越しください。ただいま、昼時で混み合っていますのでニ刻後にお越しください。それまでにこちらで準備をしておきます」
「わかった。よろしく頼む」
「ところで何をお作りになりたいのですか?」
「まずは前回失敗した炒飯を作りたい」
「かしこまりました」
「うむ。では、ニ刻後にまた来るぞ」
「お待ちいたしております」
私はそのまま厨房を去った。
………………
…………
……
――その後の厨房では
「お、おい。誰が関羽将軍の料理の手本をするんだ?」
「お、俺は用事があるから無理だ!」
「俺だって嫁と買い物に行くって約束が!」
「俺だって!」
「俺もだ!」
「「「……」」」
「な、なら俺がやろうかな。もしかしたら関羽将軍に一目置かれるかもしれないし」
「なに!だったら俺もやるぞ!」
「俺だって!」
「俺も俺も!」
「皆がやるなら俺だって!」
「「「どうぞどうぞ」」」
「おいっ!」
「や~。決まってよかった!」
「だな。それじゃ任せたぞ顔無し四」
「煩い!顔無し三の癖に!やってやるさ!俺は故郷に待たせてる許嫁が居るんだ!絶対に生きて帰ってやるさ!」
「「「……骨は拾ってやるから」」」
「勝手に殺すな~~~っ!!」
そんな事が厨房で行われていたとか居なかったとか……
「よし。そろそろ頃合か」
私は言われた通りニ刻後に厨房へと向っていった。
「お~い。愛紗!」
「っ!ご、ご主人様!」
厨房へ向う道中。偶然にもご主人様と出くわした。
「そんなに急いで何処かに出かけるところ?」
「あっ、い、いえ!そう言う訳では!」
ご主人様だけには知られてはいけない。私が料理の特訓をしていることを!
「そっか。なら丁度言いや」
「え?」
「確か愛紗って。今から非番だろ?一緒に街に行かないか?」
「……え?」
今ご主人様はなんと言った?
一緒に?
街に?
行かないか!?
「は、はい。ぜっ!」
ま、待つんだ!私は今からご主人様の為に料理を習いにいくのだぞ?
だ、だがしかし。ご主人様が私を誘ってくれることなど滅多にない事……一体どうすれば!
すると何処からとも無く声が聞こえてきた。
(ダメだよ愛紗ちゃん。)
桃香様!
私の頭の上に小さな桃香様が居られた。
(ご主人様の前に約束があるんだからちゃんと守らないと)
そ、そうですよね。ここはご主人様にお断りを入れて。
(なにいっちゃってるの?)
え?
すると今度は黄巾党の恰好をした桃香様が現れた。
(ご主人様と逢い引きだよ?料理なんていつでも教えてもらえるんだから行っちゃおうよ!)
そ、それもそうだな……こんな機会は滅多にない……
(ダメだよ愛紗ちゃん!約束を守らない愛紗ちゃんの事をご主人様が好きになると思う?)
う゛……確かに。
(そんなの黙ってればわからないよ!だからご主人様と逢い引きに行きなよ!)
(ダメだよ!そんなこと私が許さないんだから!)
(なんでよ!ご主人様と一緒に居た方が幸せになれるんだからいいじゃない!)
(ご主人様には愛紗ちゃんが一生懸命に作った炒飯を食べてもらった方が喜ぶんだから!)
(それより。ご主人様と一緒に街に行って遊んだ方が喜んでもらえるよ!)
(む~!)
(むむ~っ!)
((どっちなの愛紗ちゃん!))
ええ!?
最終的に私に全てを投げかけてきた桃香様と黄巾党桃香様。
私は……
((うんうん!))
私は……
「申し訳有りませんご主人様」
「え?」
「実は、この後所用がありまして。ご一緒する事が出来ないのです」
ご主人様との誘いを断ると桃香様は満足そうに、そして黄巾党桃香様は残念そうな顔をして消えて行った。
「そっか……うん。わかったよ。それじゃまた今度、非番が重なったら一緒に街に行こうか」
「はい!その時は是非ご一緒させていただきます」
「うん。それじゃね」
ご主人様は少し残念そうな顔をしてその場を離れていった。
申し訳ありませんご主人様。必ずやご主人様に美味しいと言っていただける物を作りますのでそれまでお待ちください。
「……よし。私も行くぞ。いざ、戦場へ!」
「すまん。待たせたな」
「いえ。それでは始めましょう関羽将軍」
厨房に着くと料理人の一人が立っていた。
「ああ。よろしく頼む」
「ではまず。材料を刻みましょう。包丁の持ち方は大丈夫ですか?」
「無論だ。こうであろう?」
「うわっ!は、刃先を人に向けてはいけません!」
「お、おお。すまない」
「それじゃまずはこの玉葱を切りましょう」
「わかった」
私は玉葱を受け取りそれをまな板の上に乗せ睨み付けた。
「……はあああぁぁぁっ!」
「っ!だ、だめですだめです!止めて下さい!」
「む。何がいけないのだ?」
慌てて止めらた。何が悪かったのだろうか?
「そ、そんなに思いっきりやったら関羽将軍ならまな板まで真っ二つにしてしまいます!」
「す、すまない。料理は気合だと聞いたのでな」
「た、確かに気合も必要ですがそこまでの気合は必要ありません。それと玉葱はまず皮を剥いてから切ってください」
「皮?」
「そうです。この周りについているものです」
そう言うと玉葱を手に取りぺりっと玉葱の表面を向いてみてくれた。
「おおっ!なるほど。この皮を剥けばよいのだな。では早速」
玉葱を取り皮を剥き始める。
「あ、ちょっと離れますね」
「うむ。私は皮を剥いていよう」
(ぺり、ぺり)
「……」
(ぺり、ぺり)
「……」
(ぺり、ぺり)
一向に実が見えてこぬな?玉葱とはこんなにも皮が多い物なのか?
「どうですか?皮は向けました、か!?」
「ん?おお、玉葱とはこの様に小さいものなのか?」
「ち、違いますよ!皮は最初の部分だけで色が変わるところまででいいんですよ!」
「なんだと!?そ、そうだったのか……」
私は小指よりも小さくなってしまった玉葱を見て苦笑いを浮かべた。
「そ、それでは私が剥いた玉葱で次に進みましょう。まずは……お手本を見せた方がいいですね」
「す、すまない。そうしてもらえると助かる」
今までの私の行動を見てか苦笑いを浮かべながら玉葱の切り方を説明してくれると言ってくれた。
「まずはですね。底の根を切り落とします。こうすると転がらなくなるので切り易くなります」
「ふむふむ」
「そしてこれをまず真っ二つにして……また切った側面をまな板につけます。まずはここまでやってみましょう」
「う、うむ……まずは……根を切り落とし……真っ二つにする!」
「そうです。そうです。あとは左手の手は猫の手にしてください」
「猫の手?」
「こうですね。こうすると怪我をしにくくなります」
そういうと左手を握りまるで猫のような手の動かし方をして説明してきた。
「なるほどな。うむ。わかったぞ。次はどうすればよいのだ?」
「次はみじん切りにするのでこの様に玉葱に切込みを入れていきます。あ。玉葱が離れないように気をつけてくださいね。切込みを入れたら今度は切込みとは向きを変えて切っていくと」
「おおっ!玉葱が細かくなった!」
すごいものだな。たったあれだけことでここまで細かくなるとは。まるで妖術を見ているようだ。
「では。やってみたください」
「うむ。まずは切り込みを……これくらいでよいのか?」
「はい。それをいくつも入れてください」
「わかった……よし!次に向きを変えて切る!……おぉ!」
言われた通りにすると私が切った玉葱が料理人と同じように細かくなっていった。
「これはすごい!……ぐす……凄いのだが……なぜ、悲しくなるのだ?」
「玉葱は切るとなぜか皆、涙を流してしまうのです。きっとそれが玉葱の特性なのかと」
「な、なるほどな……ぐす……だが、切るたびにこれでは、たまらんな」
泣きながらもなんとか玉葱を切り終えた私は少し満足げだった。
「よし。次はどうするのだ?」
「次は人参を同じようにみじん切りにします。これはやり方を見せるので同じようにしてみてください」
「わかった」
そして、人参、焼豚などを細かくしていった。
「ふむ。やはりお前の様に綺麗に出来ないものだな」
私の切った食材と料理人の切った食材を見比べる。
「そこは練習を重ねれば自ずと出来るようになります」
「なるほど。精進あるのみということか……それで次は炒めるのか?」
「はい」
「うむ。それくらいなら大丈夫だ!見ていろ!」
私は自信満々に言い放ち鍋を手に取り野菜を炒め始めた。
(ジャーッ!)
うむ。言い感じだな。だが、何かが足りない気もするな……おっ!あれを入れたら美味しくなるかもしれない!
私はある物に手を伸ばした。
「だ、だめですよ!そんなの入れちゃ!」
「む?なぜだ?きっと美味しくなると思うのだが」
「だめですよ!今日は一般的な炒飯の作り方を教えているのですから!そんなに塩なんて入れたらダメですよ!」
「しかしだな。創意工夫も必要であろう?きっとおいしくなと思うのだが」
「……わかりました。では、私が塩を入れた炒飯を作って差し上げましょう。少々お待ちください」
「う、うむ」
そう言うと料理人は鍋に少量の野菜と焼豚を手際よく炒め始め、最後に米を入れてお玉でかき回していた。
「では、関羽将軍。この量にどれ位の塩をお入れになりますか?」
「そうだな……一掴みくらいでどうだ」
「わかりました……」
(ジャーッ!!)
「出来ました。どうぞご試食ください」
「ああ。では……はぐっ……っ!けほっ!けほっ!な、なんだこれは!?」
「これが関羽将軍がお作りになろうとした炒飯です」
なんてしょっぱさだ。こんなもの食べられんではないか。
「わかりましたか?確かに塩も入れますがそれは最後、味を調えるために少し入れる程度でよいのです」
「な、なるほど」
「それと、ちゃんと味見もすれば失敗する事は余りなくなります」
うむむ。確かに。ご主人様にお出しした時は味見をしていなかったからな。だが、あれは私の料理を最初に食べてもらいたかったからゆえ。
いや、しかし。そのせいであのような不味いものをお出ししてしまったのだから言い訳のしようもないな。
「わかった。お前が言った様に最後に入れることにしよう」
「それともう一つ変わった調味料があります」
「変わった調味料?それはどんなものなのだ?」
「はい。この調味料は入れれば入れるほど美味しくなると言われています」
「なんと!そんなものが存在するのか!」
「はい。究極の調味料と言われています」
「究極の調味料だと!?一体。どんな調味料だと言うのだ?」
「それは……愛情という名の調味料です」
「愛情?」
「はい。食べてもらいたい人の事を思って作る。これが一番料理を美味しくする調味料です」
「愛情が調味料……」
「では、再開しましょう。少し時間が置いてしまいましたので軽くでいいので炒めなおしましょう」
「わかった」
私は火から遠ざけていた鍋を火に載せて軽く炒めた。
ご主人様の事を思い。美味しくなれと念じながら。
「では、ご飯を入れてさらに炒めてください」
「わかった。はっ!」
「流石は関羽将軍。その重たい鍋を片手で扱えるとは」
「これくらい造作も無い。私の堰月刀の方がもっと重たいぞ、はっ!」
私は片手で鍋を持ちながらもう片方の手でご飯を取り鍋に入れた。
(ジャーーッ!!)
「焦げ付かないようにお玉でかき回し続けてください」
「わかったっ!」
(ジャーーッ!!)
暫くすると、ご飯の焦げたいい匂いがしてきた。
「もうそろそろか?」
「そうですね。では最後に溶き卵を入れてご飯に絡めてください」
「よし!」
言われた通り、溶いておいた卵を鍋の中に入れご飯に絡めて行く。するとさらにいい匂いが厨房に広がりだした。
「いいですよ。では、火から上げ味見をして見ましょう。味が薄いと思ったら、塩を少量入れてください」
「よ、よし……ぱくっ……もぐもぐ」
う~む。少し薄い、か?
「少し薄いようだな。少量とはどれくらい入れればよいのだ?」
「大体一撮み程度でかまいません。それでも味が薄いようならまた一摘まみ。これを繰り返します」
「なるほどな。一気に入れるのではなく少しずつ入れるのだな」
そして、塩を一摘まみ入れて味を調える。
「ぱく……うむ!これくらいが丁度いいだろう」
自分の納得いく味になり。私は頷き、皿に炒飯を盛った。
所々卵が塊になっていたり、焦げているところもあるが以前に比べて見違えるほどだった。
「完成だ!」
「お疲れ様です。一時はどうなるかと思いましたが上手くできてよかったです」
「ああ。これもお前の指導のおかげだ。礼を言うぞ」
「い、いえ!お礼など!私はなにも!」
「そう謙遜するな。褒められたら素直にそれを受け取れ」
「で、ではありがたく頂戴します」
「うむ!さて。これを誰かに食べてもらいたいのだが……」
そうは言っても厨房にはまだ夕餉の支度には早いらしく私と教えてくれた料理人しかいなかった。
本当はご主人様に食べてもらいたいのだが、いや。もっと練習してちゃんと出来たものを食べて貰いたい。
「どうだ?お前が食べてみて……」
その時だった。
「なんだかいい匂いがするな」
「ご、ご主人様!?」
「おっ!愛紗じゃないか。……?その手に持っているのは」
「あ、こ、これはですね!なんでもありません!」
「なるほど……さては愛紗……」
慌てて炒飯を隠してしまった私にご主人様にニヤリとお笑いになった。
ま、まさか私が密かに練習している事に気がつかれたのか!
「さては愛紗、お腹が減って炒飯を作ってもらったんだな」
「いえ、だからですね!……え?」
「ずるいぞ。確かに夕餉にはまだ早いけど一人だけ炒飯を食べるなんて」
気づかれて……いない?
「そ、そうなんですよ!少々小腹が好きましてこの者に作ってもらったのです!」
私はご主人様に合わせるように笑いながら言った。
「ご、ご主人様も如何ですか?」
「お!いいのか?それじゃ頂くよ!」
そういうとご主人様は椅子にお座りになった。
「どうぞ」
「あれ?これって愛紗の分じゃなかったの?」
「い、いえ!私は既に頂いていたので!」
「そっか。それじゃ頂きます。ぱくっ!もぐもぐ」
ご主人様は蓮華で炒飯を掬い口へと運ばれた。
ごくんっ!
ど、どうだ?
緊張の余り喉を鳴らしてしまったが今はそれどころではなかった。
「うん。美味しいな!なんだかいつもと味付けが違うけど。とても美味しいよ」
――バンッ!
「ほ、本当ですか!」
机を叩き身を乗り出してご主人様に確認を取る。
「あ、ああ」
「~~~~っ!」
やったぞ!ご主人様に美味しいと言っていただけた!これほど嬉しい事は無い!
これも愛情をたっぷりと籠めたからだろうか?
「それにしても所々焦げてたり、卵が固まってたりしてるけど」
「す、すみません御遣い様。作っている最中に問題が発生しまして少し目を離してしまったのです」
「ああ。気にしてないからいいよ。それに嫌いな味付けじゃないしね。」
「ありがとうございます」
料理人はご主人様の話に合わせてくれていた。
あとで礼をしなければな。
だが今は……
「うん!うまい!」
私が作った炒飯を美味しそうに食べてくれているご主人様の顔を一時も見逃さない為に見ていたかった。
「ご主人様」
「ん?なに?」
「今度……」
「今度?」
「今度、私の作った炒飯を食べていただけますか?」
「……えっ、ああ。もちろん。愛紗の炒飯も美味しかったからね。ぜ、是非頼むよ」
ご主人様は顔を引く付かせながらも食べてくれると仰って下さいました。
ふふっ。今食べているのが私が作ったものなんですよご主人様?
私は微笑みながら心の中で呟いた……
「お任せください。必ずや美味しい炒飯をお作りします!」
《END...》
葉月「……」
愛紗「おい。葉月よ。挨拶はどうした」
葉月「え?ああ、始まってたんですね。こんにちは。それじゃ皆さんさようなら」
愛紗「おい!始まって直ぐに別れの挨拶をするな!一体何があったのだ」
葉月「えー。話さないとダメですか?」
星「当たり前だ。それでは私の活躍の場が無くなってしまうではないか」
愛紗「元からお前の活躍の場などここにはない!」
星「そう。邪険にするな。ほれ、一位になれなかった者同士仲良くしようではないか」
愛紗「ぐっ!人が気にしていることを……それより。一体何があったのだ葉月よ」
葉月「ん~。まあ、対したことじゃないですよ。ただ疲れてるだけです」
星「疲れ?一体何かあったのか?」
葉月「ええ。実は、金・土曜と地元のお祭りだったんですよ」
愛紗「ほう。祭りか。だが、祭りと言うだけで疲れたのか?」
葉月「私。お祭りで市内のお囃子会に所属してるんですよ」
星「なるほどな。さしづめ、市内を練り歩いて疲れた。そう言った所か」
葉月「まさにその通りです。あ~、少し元気になってきたので、今回のお話について話しましょうか」
星「うむ。まずは私だな」
葉月「星は結構悩んだんですよね。星のイベント気に外せないのは三つ!一つはメンマ。二つは華蝶仮面。そして三つ目は他の人を弄る!」
星「弄るとは聞き捨てならん。私は面白ければそれでよいのだ」
愛紗「それがたちが悪いというのだ!」
葉月「まあ、ってことで華蝶仮面は時期的に早いのでメンマとからかいを今回のお話で書いてみました」
星「ふむ。まあ、私としては良い店が見つかっただけでありがたかったぞ。メンマは世界を救う!」
愛紗「……メンマはさておき。あの芭蕉実はやりすぎでは無いか?」
葉月「そうですか?ただ食べてるだけじゃないですか」
星「うむ。食べているだけだぞ。愛紗は何を思ってやりすぎと思ったのだ?」
愛紗「え!?そ、それは」
星・葉月「それは?」
愛紗「それは……~~~っ!よ、良いではないかそんなこと!それより私の話だ!」
葉月「話を逸らしましたね」
星「ああ。逸らしたな」
愛紗「煩い!」
葉月「まあいいでしょう。今回は初の試みで挿絵を入れてみましたが如何でしたか?」
愛紗「ああ。お前の絵は始めてみたぞ」
葉月「昔は結構描いていたんですけどね。就職してから描く暇が無くなり描かなくなってました」
星「しかし。なぜ桃香さまなのだ?」
葉月「ああ。なんででしょうね?書いていたら思い浮かんだんでそのまま話に書いちゃったんですけど。急に絵も描きたくなって久々に描いたんですよ」
愛紗「しかし、黄巾党桃香さまの服装はどこかで……」
葉月「ああ。天和の服を真似てみました。それとなんでチビキャラかと言うと愛紗の妄想なんでチビキャラの方が良いかなと」
愛紗「その言い方では私に妄想壁があるようではないか!」
葉月「ないんですか?」
星「無いのか?」
愛紗「ない!断じて無い!」
葉月「面白くないですね~」
星「うむ。まったくその通りだ。面白く無いぞ愛紗」
愛紗「お、お前ら……」
葉月「さてさて。今回描いた絵ですけど。その内色を塗るかもしれません。まあ、これも時間があればの話なんですけど」
愛紗「まあ、どうせ塗るのだから、かもなんて言わなくてもいいだろ」
葉月「え~。気分次第です」
愛紗「いいや。塗れ」
葉月「だ、だから……」
愛紗「塗れ」
葉月「……」
愛紗「ぬ・れっ!」
葉月「ちょ!偃月刀を私に向けて脅迫しないでください!」
星「ふむ。なら私も……塗ってお兄ちゃん!」
葉月「ちょ!笑顔でお兄ちゃんといいながら龍牙を向けないでください!わかりました!塗ります!塗りますから!」
愛紗「最初からそう言っておけばよいのだ」
葉月「はぁ……でも、ホント塗る時間も余り無いんで時間掛かりますよ?」
愛紗「構わん。そういいながら一ヶ月以内には塗るのだろう」
葉月「……はぁ。がんばります」
星「頑張ってね。お兄ちゃん!」
葉月「……いつまで続けるんですか?」
星「ふむ。お気に召さないか」
葉月「いや。そう言う意味じゃ……まあいいや。さて、次回は一位と二位の雪華とオマケです!」
愛紗「う……」
葉月「まだ引き摺っているんですか?」
愛紗「煩い……うぅ」
葉月「さ、さて!では次回にお会いしましょう!」
星「うむ!また会おうではない!」
愛紗「こ、これで勝ったと思うなよぉ~!」
葉月「愛紗。それ捨て台詞……」
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お待たせしました。
少々遅れてしまいましたが拠点になります!
今回は第四・三位の星と愛紗になります。
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