No.228164

真・恋姫✝無双~獅子を支える者~凪√5

karasuさん

投稿です。
過度な期待はせずに生暖かい目で読みましょう。

2011-07-15 21:31:18 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:11520   閲覧ユーザー数:8220

この作品はキャラ設定が崩壊しております。原作重視の方はご注意ください。

 

時代背景とうがめちゃくちゃです。

 

一刀くんがチートです。

 

それでもいいかたはどうぞ。

 

一刀が華琳の臣下となってから一年ほど経ったある日、一刀や他の主要な将が玉座の間に集められていた。政務の最中だった一刀は、多少不機嫌になりながらも自分に招集を知らせてくれた凪と共に、玉座の間へと向かっていた

 

 

一刀「あと少しで終わりってところだったんだがな…」

 

小さな声でそう呟いた一刀は、横目で凪のことを睨んでいた

 

凪「そこで私を睨まれても…」

 

そんな一刀に困ったような表情を浮かべる凪

 

一刀「それにしてもこういった急な召集は久しぶりじゃないか? 最近は賊の討伐とかばっかりだったしな」

 

凪「恐らく北の袁紹が攻めてきたのではないかと。この間一刀隊長も、そろそろ袁紹が動くみたいなことを言ってたじゃないですか」

 

一刀「あぁ、そういえばそうだったな。となると気になるのは国境付近の城の兵力だが…」

 

二人は会話をしながら玉座の間に入り、辺りを見渡す。すでに凪と一刀以外の将は集まっていた

 

華琳「これで全員揃ったわね。桂花、お願い」

 

一刀と凪が定位置についたところで、華琳が桂花に声をかける

 

荀彧「はっ。さきほど斥候から袁紹が攻めてきたとの報が入ったわ。兵数は三万」

 

李典「三万!? むちゃくちゃ多いな……」

 

張遼「で、国境付近の城にはどんくらい兵が居るんや? 中途半端な兵数やと、ウチらが着く前に落ちるで?」

 

張遼の言葉に荀彧は華琳の方を見る。華琳はそれだけで荀彧が何を言いたいのか察したのか、大きく頷き返した

 

荀彧「国境付近の城には七百の兵しかいないわ」

 

夏侯惇「なんだと!? そんな数では話にもならないではないか!!」

 

荀彧「そんなこと誰でも分かるわよ!! でも問題は別にあるの、実はその国境付近の城は、援軍はいらないと言ってきたの」

 

荀彧の言葉に玉座に集まった将たちがざわつく。そんな中で一刀は一人驚きもせずに爪をいじって退屈そうにしていた

 

凪「一刀隊長…驚かれないのですね」

 

凪の質問に対して一刀は頭の後ろを掻きながら、いかにもつまらなさそうに

 

一刀「必要ないと言われてるんだから、送る必要はない…それだけだろ」

 

凪「ですが…三万の兵を相手に七百はいくらなんでも…」

 

一刀「確かに無理があるかもしれないが、袁紹の性格を考えれば七百しか兵のいない城を攻めるとは考えにくいからな……。だがこの策は少々甘い…」

 

一刀と同じように袁紹の性格を考えて、どこか納得のいったような表情をした凪だったが、一刀の最後の言葉に首を捻る

 

一刀「俺が軍師なら七百の兵だけで、攻城するように提案する。最初は反対するだろうが…馬鹿だからな…簡単に説得できるだろう」

 

華琳「確かにその不安はあるわね。援軍を送るとしたら?」

 

いつから聞いていたのか華琳は一刀の言葉に深く頷き、荀彧のほうに視線を向ける

 

荀彧「三百が適当です。策を潰さず、敵が攻城戦を仕掛けてきたときには必要最低限の抵抗が可能になります。さらに軍を国境付近まで進める必要があります。ここで軍を退いたとしても、間を空けずに攻めて来るでしょう。袁家にはそれだけの財力があります」

 

華琳「そう。じゃあその数だけ援軍を送るとして……。一刀、頼めるかしら?」

 

そう言って笑顔を一刀に向ける華琳だったが、一刀は心底不満そうな顔をすると

 

一刀「俺は嫌だよ。第一、そこに俺よりも遥かに行きたがってる奴がいるだろうが…」

 

そう行って夏侯惇を指差した一刀。その指につられるように華琳が視線を動かすと、そこには目をキラキラと輝かせている夏侯惇がいた

 

華琳「それは無理ね。あなた以外の者には袁術との国境警備や、袁紹との戦の準備をして貰わないといけないのだから」

 

夏侯惇「(ギロリッ)」

 

一刀「了解……準備が出来次第すぐに向かうことにする」

 

まるで何も見ていなかったかのように一刀に話しかける華琳。憎しみを込めた視線を一刀に向ける夏侯惇。その視線を完全に無視している一刀

 

一刀が援軍に向かうことが決定すると、袁紹軍との戦いに向かう者を決め、その場は解散となり、一刀は自室へと戻った

 

一刀は自室に戻ると月と詠の二人に声をかけた

 

一刀「二人ともいきなりですまんが、俺は袁紹との国境付近の城に援軍として向かうことになった。でだ…詠に提案があるんだが…」

 

詠「なによ…」

 

一刀「俺と一緒に戦に出る気はないか?」

 

詠「はぁ……?」

 

一刀の言葉に詠が固まり、その場の空気も一緒に固まったが、真っ先に動いたのは月であった

 

月「よかったね、詠ちゃん!! いつも夜中に兵法の勉強を続けてたもんね!!」

 

詠「ちょ、ちょっと月! 余計なこと言わないでってば!!」

 

一刀「で、着いて来るのか? 着いて来ないのか?」

 

そこからまたしばらくの沈黙……

 

その間、月は黙ったまま優しい目で詠を見つめ続けていた。詠はどこか不安そうな目で月を見るが、月の優しい微笑みを見ると大きく頷き

 

詠「わかったわ。私も行く。あんたに協力してさっさとこの乱世を終わらせてあげるわ!!」

 

どこまでも上から目線のその発言に、月は笑顔を向け、一刀は呆れ顔を向けていた

 

一刀「ならさっさと準備してこい。俺は兵舎に行って来るから、準備ができたらそこに来てくれ」

 

一刀の言葉に詠が頷き返したのを確認すると、一刀は特に何も言うことなくさっさと部屋から出て行った

 

 

兵舎に辿りついた一刀は、まず自分直属の部下から三百人を適当に選抜し、次に馬を用意。兵糧については荀彧が既に準備を完了していた

 

一刀「進軍経路については詠と相談して決めるとして……。攻めずに帰ってくれるといいんだが……」

 

詠「とても戦前の武官がぼやく言葉じゃないわね」

 

声に反応して一刀が振り返ると、そこには董卓軍時代に着ていた服に着替え終えた詠の姿があった

 

詠「やっぱりこっちのほうが動きやすいわね。それで、私になにをして欲しいの北郷」

 

一刀「真名は一刀だ。好きなように呼んでくれてかまわない。訳ありとは言え真名を呼ばせてもらってるお返しと、軍師としての信頼の証として受け取ってくれ」

 

一刀の言葉にどこか嬉しそうな表情をしながら

 

詠「ずいぶんと過大評価してくれるのね」

 

そう言った詠

 

一刀「洛陽内部にあった必要そうな資料は覗かせてもらったからな。政略についてはともかく、軍略についてはかなり期待できるみたいだからな。ただ反董卓連合では色々問題が起こりすぎて、実力は見れなかったから……実際の実力は今回の戦いで拝見だ」

 

詠「あれは猪のせいよ」

 

一刀の皮肉を含めた発言に、表情をしかめながら言い返す詠。そして、互いに顔を見合わせるとクスクスと小さく笑いあった。一刀も詠も、どこかお互い馬が合いそうなことは感じ取っていた。だからこそ、仲良くなるのに時間はかからなかった

 

進軍経路を決定させると、二人は兵を引き連れ国境付近の出城へと向かった。城の到着までは特に問題が発生することも無く、すんなりと出城の中に入ることが出来た。三万もの兵がいるのだから、最悪城を包囲されていると考えていただけに、二人は互いに顔を見合わせ首を捻った

 

 

一刀「許昌より援軍として参った。指揮を執っているのは君達二人かな?」

 

そう訊ねた一刀の視線の先には二人の少女がいた

 

???「そうですね。ここの太守はさっさと逃げ出してしまいましたから」

 

???「ところで、援軍は必要ないといったはずなのですがー」

 

詠「数は制限してあるでしょ。それに、この数の兵が居れば曹操が戦の準備をするまでの時間を稼げるわ」

 

郭嘉「そういうことですか。私のことは郭嘉と及びください」

 

程昱「程昱なのですよー。こっちは宝慧ですー」

 

宝慧「よろしくな。お嬢ちゃんに、兄ちゃん」

 

一刀「北郷だ」

 

詠「詠よ」

 

そこで四人は話を終えて、城壁の上へと上り展開している袁紹軍を見下ろす。すでに陣を張り終え、部隊を展開している袁紹軍であったが、策が成功しているのか攻めてくることはなく、不気味なまでに静かであった

 

一刀と詠の二人は、何故袁紹が城を包囲していないのか郭嘉と程昱の二人にも訊ねたが、二人にもそれは分からないようであった

 

詠「まず包囲しない辺りが馬鹿よね」

 

城壁に上り、袁紹軍の陣形を見てまっさきにそう呟く詠。それに賛同するように郭嘉と程昱も頷く

 

一刀「だがそれ故に戦力が分散していなから、野戦を仕掛けるといったような奇策は用いることが出来ないな。下手に野戦を仕掛ければ全滅だ」

 

郭嘉「となれば、あちらが攻めてきたときは否が応でも篭城戦……となりますね」

 

程昱「くぅーー」

 

不気味なまでに動きのない袁紹軍を、しばらく見下ろしていた三人だったが、特に何の言葉もなくその場は解散となった。だが、一刀はなんとなくだが嫌な予感というものを感じていた。それは詠も同じだったのか、真剣な表情で一刀の方を向き

 

詠「いざとなったら、あの二人に曹操のところまで走ってもらうことになるわね。そのときは一刀の部下から数名借りるから」

 

一刀「好きに使ってくれて構わない。当然俺のこともな」

 

一刀の言葉に満足そうに頷いた詠だったが、少し何かを考えるように俯くと

 

詠「単身突撃。袁紹を殺害してきて」

 

一刀「自殺願望はない」

 

それだけ会話すると、一刀は詠と別れて城の資料室へと向かった

 

 

~一刀side・始~

 

 

資料室に入った俺はまず真っ先にこの城、及び城周辺の地形についての資料をあさった。地下水脈などがあれば、それをふさぐ必要があるし、川などが流れていれば堤防などで水を止められてないか等を調べる必要が出てくるからだ

 

しばらくの間資料を読みふけっていたが、地下水脈も川もない。ということは特に警戒すべき場所が無くなったということだが……敵の策を挫くことによって得られるメリットがなくなったということでもある……。だが華琳の部隊が上手く動いてくれれば、袁紹軍を挟撃することが出来そうだ

 

「さて、どうしたものか…戦になれば、野戦は仕掛けられずに士気の向上は望めない。華琳のことだから、すでに先発部隊を動かしているかもしれないが……こちらからも誰かを送るべきか?」

 

郭嘉「北郷殿。ここに居ましたか」

 

扉の開く音に反応して資料から視線を外して扉に向けると、そこには郭嘉の姿があった。どうやら俺を探していたようだが……

 

「何か問題でも起こったのか? 袁紹が動いたとか」

 

郭嘉「いえ、そうではなく…あなたと一緒に来た詠という人物についてお話が…」

 

そういうことか。わざわざ俺のところに来ないで詠本人に聞けばいいものを…

 

「元董卓軍の軍師であり、今は俺直属の軍師だ。そんな理由で名は捨ててるから、気にすることなく詠と呼んでやってくれ」

 

読みあさっていた資料を元の場所に戻し、郭嘉の横を通って扉に手をかけて部屋から出ようとしたところで、郭嘉が声をかけてきた

 

郭嘉「仮にも曹操様は董卓軍を滅ぼした連合軍の一角。素直に従っているとは思えませんが……」

 

なんか俺嫌われてる? それとも詠が嫌われてる? よく分からんがここは適当に流すとするか…

 

「不安なら常に目を光らせてればいいんじゃないか? ま、無駄な労力を使うのはお勧めしないが…それで満足するならやればいいんじゃないか?」

 

その言葉に郭嘉は特に反応をしなかったので、俺は部屋からさっさと出て行く。調べたいことは調べた。兵の様子でも見てくるとするか…

 

自分の部隊を見に行こうとしている道中に詠に出会った。どうやら詠も俺のことを探していたらしい、今日はよく探される日だな。なんでも斥候からの報告で、袁紹が陣を片付け始めたらしい。どうやら、あの二人の策が上手くいったようだ

 

詠「せっかくここまで来たのに…なんか損した気分」

 

「無駄に兵を死なすことがなかっただけ、良かったと思うがな。それに、実際袁紹が攻めてきたとしたら、かなり際どい勝負になったと思うぞ?」

 

詠「そりゃまあ……そうだろうけど……」

 

「そう遠くないうちに、袁紹との戦はあるだろうよ」

 

そんな会話の後も、詠はぶつぶつ何かを言っていた。反董卓連合のこともあって、袁紹への怨みは相当なものなんだろうな……戦の時に悪い方向に向かなきゃいいが……

 

それから数日間、俺たちは袁紹が完全に軍を退くまで決して緊張を解くことはなかった。そして、袁紹が軍を退いたのを確認した俺と詠、郭嘉と程昱の四人は三百人の部下と共に華琳が待っているであろう、許昌へと向かった

 

 

国境付近の出城から戻った俺は、華琳に軽く報告を済ませると郭嘉と程昱の二人をその場に残して、自室へと向かった。華琳と二人の会話にはそれなりに興味はあるが、溜まっているであろう政務のほうが心配だった。自然と顔が俯いてしまうな

 

凪「お疲れ様です。一刀隊長」

 

声に反応して顔を上げてみれば、自室の前で凪が立っていた。様子からして俺を待っていたようだが…警邏関係で何か問題でもあったか?

 

「俺に何か用か? 出来ることなら溜まっているであろう政務をやりたいんだが」

 

凪「一刀隊長にいく予定だった政務は私と真桜、沙和にいってます。なので、一刀隊長にはいってないはずです」

 

「おぉ。さすが華琳、気が利くな。で、凪の用件は?」

 

凪「久しぶりに鍛錬にお付き合いいただけないかと」

 

鍛錬、鍛錬か~。出来ることなら部屋で休みたい気分だが……まぁいい、丁度教えようと思っていた技もあることだし

 

「なら先に中庭に向かっててくれ。俺もすぐ行くから」

 

凪「はい!!」

 

凪は俺に元気よく返事をすると、小走りで中庭へと向かっていった。なんか……犬みたいだな……

 

そんなことを考えながら俺は自室から木刀を持ち出すと、ゆっくりと中庭へ向かった。中庭に向かう道中、俺は張遼に声を掛けられた。なんでも、身がよじれるほど暇だったらしく、そこに偶然通りかかった俺に声を掛けたということだ。そのまま俺と張遼は他愛のない会話をしていたのだが、気が付けば中庭へと辿りついていた

 

中庭では、凪が一人走りそれを李典と于禁の二人が応援していた。ここで一緒に走ろうとしない辺りが、あの二人らしい

 

「俺はこれから凪の鍛錬に付き合うが…張遼はどうする?」

 

張遼「暇やし参加させてもらうわ」

 

俺と張遼が中庭に来たことに真っ先に気が付いたのは于禁。次に李典。最後に凪の順番だ。凪は俺と張遼にお辞儀をして、于禁と李典の二人は手をぶんぶん振っていた

 

「さて凪。今日は凪に教えたい技がある」

 

凪「技ですか?」

 

「ちょっとこっち来てみ」

 

俺は凪を呼びつけると、一本の木の前に立って木刀を構える。精神を集中させて木刀の切っ先に氣を集め、真っ直ぐに木に突きを放つ

 

李典「おおおおおお」

 

木刀は木を貫通し、切っ先が反対側から出ているのを見た李典が驚きの声を上げた

 

「凪にはこれを覚えてもらう。やり方は簡単、指先に氣集中させる。これを習得できれば、鎧を貫通させることも可能になる。ただし、乱れてる状態で突けば当然の如く指がやられるからな。注意してくれ」

 

そう言いながら俺が木の前からどくと、凪が俺の立っていた位置に立つ。精神を集中させていい感じに指先に氣が溜まってきたところで突きを放つが……

 

凪「………っ!! ~~~~~!!!!!」

 

指先は木に一ミリも沈むことなく、ただ凪の目に涙が溜まっていった

 

「突きを放つ瞬間に乱れたな。そこがこの技の一番難しいところだ。あとは何度も何度も繰り返せ。それと、最初は何か柔らかいもので練習したほうがいいからな」

 

おや? 凪含め全員の目線が冷たいな……確かに最初に言うべき内容かもしれなかったが…ふむ、この状況で最適な行動は…

 

「大変申し訳御座いませんでした」

 

そう言って俺は凪に深く頭を下げた……

 

 

それから数日後、事前に華琳が動かしていた夏侯姉妹が率いる軍も無事に戻り賊を討伐するだけの、簡単なお仕事をする日々が戻ってきた……はずだったのだが……

 

「こんな深夜に招集とか……鬼め……」

 

深夜に自室の扉が激しく叩かれ起こされた俺は、兵士から用件を聞きゆっくりとした足取りで玉座の間へと向かっていた

 

~一刀side・終~

 

 

どうもkarasuです。

いよいよ夏本番といったこのやんなるような暑さの中、私は溶けておりました。

 

投稿が少し遅くなりましたが、当初の予定では今月中に投稿は出来ないと思っておりましたので……よかったです。ほんと。

 

次の更新は8月中旬とかですかね。ゆっくりとお待ちいただければ幸いです。

 

作品の進行状況等はTwitterでつぶやくようにしておりますので、よかったらフォローお願いします。

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

これからもほそぼそと続けさせていただきます。

 


 
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