今日は七月七日。
あいついわく、今日は七夕とか言う、天の国の催しの日、らしい。
竹に短冊という紙切れをつるして、そこに願い事を書いておくと、それが叶う・・・かもしれないそうだ。
その七夕の由来も一応聞いてみた。なんでも、ある一組の仲睦まじい夫婦神がいたそうなんだけど、あまりにも仲が良すぎて、ぜんぜん仕事をしなくなったらしい。なもんで、それが天帝の怒りに触れたらしく、二人は天の川を挟んで別れ別れにされ、年に一度しか会うことをゆるされなくなったそうである。
それがなんで願いが叶うという話に繋がるのか分からないけど、華琳様を始め、みなそろって願いを書いた短冊を、和気藹々としながら吊るしている。
まあ、一応。わたしも願いを書いて吊るしておこうかな?
「・・・・・・どうせ、叶いっこないけど」
そう。
私の願いなんて、絶対叶うはずがない。
とはいえ、これをみんなに―とくにあいつには絶対見られるわけにいかない。
だから、ちょっと小細工しておいた。
短冊を、こっそり二枚用意して、それぞれに別の願いを書いた。
それを二枚重ね合わせて、のりでくっつけて、竹の枝に吊るした。
一枚目。みんなに見える表面には、私らしいと思わせる、こんな願いを書いた。
「華琳さまに、毎日可愛がってもらえますように」
と。
そして、その下のもう一枚に書いたのは、あいつへの、この私の真実の想い。
「一刀が、私だけの、“ぺっと”に、なりますように♪」
Tweet |
|
|
43
|
1
|
追加するフォルダを選択
所要時間三十分の即興ネタ。
一応、七夕ネタです。
続きを表示