始めに、主人公を始めとした登場人物の性格にズレがあるかもしれません。
なお、オリキャラ等の出演もあります。
そして、これは北郷一刀のハーレムルートではありません。
そういうものだと納得できる方のみ、ご観覧ください。
第20話 拠点だ by左慈
拠点 御使いの知らない物語
持ち主の命ともいえる物を守る。堅固な城塞の名を君は知っているだろうか?
それは持ち主のことだけを受け入れる穴を持ち、
ひとたび命じられれば、半永久的に持ち主の命ともいえる物を守り続け。
しかして、決してほめられることも無く。
たった一言の元に、持ち主の手で粉々に砕かれる。
そんな、真の英雄の名を、君は、知っているだろうか?
「(ぶひひ、我が生涯に一片の悔いなし)」
「さようなら、ブタブロス」
ガチャン
床にたたきつけ、粉々に砕けた豚さん貯金箱。
その破片をどけながら、散らばったお金を拾っていく。
「ちっ、恋の奴が食い過ぎるから。まさか、この隠し預金に手を出すことになろうとは」
華琳の元にいた時からコツコツと溜めてきたのに。
ずっと寄り添ってきた相棒なのに、なんて悲しいんだろう。
「うぅ、ごめんな、ブタブロス。くっ、次からは蓋のついた貯金箱を使うことにするからな」
懺悔の言葉を述べながら、相棒の残骸を足で集めて行く。
手でやると手を切るかもしれないし、危ないもんな。
トントン
「北郷、居るか?」
そうしていると、ドアを叩く音がした。
誰かが来たようだ。声からして、左慈みたいだな。
「ああ、ちょっと待て」
床に散らばった相棒を布でくるんでゴミ箱に入れる。
左慈が入って来た時に踏んだら危ないもんな。
「いいぞ」
「おう」
予想通り、訪ね人は左慈だった。
左慈は視線を揺らし、心なしか緊張しているように見える。
「どうかしたのか?左慈」
「いや、どうという訳ではないんだが、、、、少し、お前に聞きたいことがあってな」
「お前が俺に聞きたいこと?何だ。畏まって、お前らしくも無いな」
「あ、ああ、そのな、、、」
「何だ?」
「女子とデートするときはどうすればいいんだろうか?」
「、、、、、、、、 プチン 」
それは反射だった。左慈の言葉が脳に伝達されるより前に、俺の体はゴミ箱に向かい。
相棒をくるんだ布を掴み、左慈に向かって投げつけていた。
「ぬおぉぉぉ!あ、危ないだろ!何しやがる!」
「ちっ、全弾回避しやがったか。ゴキブリみたいな奴だな」
無茶な動きをした所為か、肩で息をしながら固まったままでいる左慈の胸倉を掴んで揺らす。
「何しやがるじゃねえだろ!テメーこそ俺が恋ちゃんに搾取(奢ら)されている間に何してやがったんだ!相手は華雄か!華雄なんだな!?ざけんじゃねえぞ、テメー!!テメーだけ一人春到来かこのやろー!あぁん!」
「ま、待て、落ちつけ北郷。首、首が絞まってるぅ」
「何処までやりやがった!Aか!Bか!Cか!まさか、、ゼットかぁぁぁ!!!」
「ぜ、Zって、なん、だ、、よ」
「あ、」
チーン
閑話休題。随時移行。場面反転。
「で、なんで突然華雄とデートすることになったんだ?」
「ああ、なあ、北郷。お前が親身に話聞いてくれるのは嬉しいが、何故かお前の部屋に来た時の記憶が無いんだが、何故だ?」
「おいおい、そんなどうでもいいことは置いておこうぜ。今はそれ以上に大切なことがあるだろ?」
「まあ、そうだな」
誤魔化せたか、よかった。
「実はな、、、今日、華雄と一緒に鍛錬をしていたんだが。その最後に、その、あ、明日、、一緒に何処かへ行かないかって、誘われた」
「華雄の方から誘ってきたのか?」
「あ、ああ」
「ちっ、リア充が」
「お前に言われたくは無い」
まあ、確かに。
けど、華琳の元を離れてからは、あんまり充実した性活。おっと間違えた、生活は送ってないんだけどな。
秋蘭も季衣ちゃんもいないし。
「それでだ、北郷。お前にこういう時はどうすればいいのか教えてほしいんだよ。俺はその、こういうのは、初めてだし」
「そういえば左慈は童貞だったな」
「お前の所為でな!!」
左慈の言う通り。
現代に居たころは、左慈を不幸に突き落とすのに充実を覚えていたし、それを思えば相談に乗ってやってもいいか。
「と、言ってもな。女の子とデートするのに、別に特別なことなんてしなくていいと思うぞ。普通に楽しんでこればいいんじゃないのか?」
「その普通が俺には分からん。ふっ、俺様は特別な存在だからな」
難儀な奴だな。照れ隠しが見え見えだ。
「この時代じゃあんまり娯楽施設は少ないからな、、、、。服屋とか小物屋とか回って、洒落た喫茶店でも入って話をして帰ってこればいいんじゃないのか?」
「そんなんでいいのか?」
「華琳や秋蘭とのデートの時は大丈夫だったぞ」
まあ、華琳の時はデートというより荷物持ちって感じがしたし。
秋蘭の時は服屋で何故か秋蘭じゃなく、春蘭に似合う服の談義で花を咲かせたりしたけど。
ちなみに、季衣ちゃんとの時はデートというより食べ歩きだった。
「あとは、華雄が好きそうなところでも抑えておけば完璧だな」
「華雄が好きそうなところか、何処だ?」
「知らん。華雄のことなら、俺よりお前の方が詳しいだろ?自分で考えろ」
「むっ、わっわかった」
やれやれ、なんで俺が人様の相引に知恵を出してやらなきゃならないんだよ。
ブツブツを呟きながら話し始める左慈を見ながらため息をつく
にしても、左慈の奴。ガチガチに緊張してるな。
そりゃ、于吉とか俺の所為で女には免疫が無い奴だとは思ってたけど、此処までと思わなかったぞ。
明日、大丈夫なのかな?
こんな男らしくないところを見せて、華雄に愛想尽かされたりしないかな?
まあ、それはそれで面白いけど、少しあれだ。罪悪感があるよな。
「北郷、もう一つ聞いていいか?」
「なんだ?」
「デートが終わった後なんだが、、、城に帰ってくるよな?」
「そりゃまあ、そうだな」
「戻ってきたら、、、、押し倒してもいいのか?」
「ぶっっ、、、げほ、げほ、」
あれ?なんだ?今のは聞き間違いか何かか?
驚き過ぎて、お茶飲んでないのにお茶を吹き出す描写を書きそうになっちゃったよ。
「ちょ、落ち着こうぜ、俺。、、ふー、よし、左慈、押し倒すって、、、華雄をか?」
それともこけしをか?
「他に誰がいるんだよ?」
おいおい、ヤベーよ。左慈が男らしくないなんてことは欠片も無かったよ。
むしろ男前すぎて犯罪に走っちゃうよ。ワイルド過ぎてレッツパーリィーだよ。
「、、、、同意の上なら、良いのかな?」
思わず疑問形になる。
「そうか、わかった。聞いてからしろってことだな」
まあ、うん。正直、よく分かんないけどな。
俺はほら、基本的に自分からはしないし。誘われてから、するほうだし。
一部、特殊な場合を除いて。
「ありがとな、北郷。色々聞けて助かったぞ」
「まあ、頑張ってこいよ。左慈」
「おう!」
笑顔で笑う親友を見て、思う。
こんな話を出来る日が、何時までも続けばいい。
「あと、最後のアドバイスだが、、、、絶対に、于吉には知られるなよ?」
「わかっている。あいつは明日、何か会議とかで忙しいらしいから、大丈夫だろ」
そういえば、そうだったな。
鬼の居ぬ間の洗濯か。
拠点 酒癖の悪い御使い
硬水と書かれた紙が貼られた徳利を傾けて、盃に注ぐ。
見た感じは悪くない。透き通り、濁りは無い。
一口、口に含んで少し咀嚼する。
「、、、悪くは、ないな。けど、やっぱこっちの方が飲みやすいかな」
軟水と書かれた紙が貼られた徳利を傾けて、盃に注ぎ飲む。
「うん。こっちの方が美味い」
ある日、俺は昼間から酒を飲んでいた。
なんでかって?決まってるだろ、寂しいからだよ!!
「左慈の奴は良いよな~。華雄が居て。あ~あ~、華琳に会いたいな~」
中庭の芝生にねっ転がって、眼を閉じる。
華琳の顔が脳裏に浮かぶ。笑顔、嗜虐的な笑み、怒った顔、拗ねた顔、何でもいいから、彼女の顔が見たい。声を聞きたい。触りたい。
けれど、会いには行けない。
もし、今、会えば、俺は迷ってしまう。月を、救うことを。
「、、、って、駄目だな。一人酒は気分が寂しくなる」
頭を振ると、酔いがまわってくらっとする。俺は何をしてんだ?
そんな時、天から俺を呼ぶ声がした。
「かーずと」
「おいおい、お迎えはまだ早いだろ。せめて、孫の顔を拝むまでは死にたくないよ」
「なに言うてるん?」
閉じてためを開ければ、上から俺の顔を覗き込む霞がいた。
この体勢だと、華琳にはない胸が異様に強調されて見えるな。
「いや、何でもないよ」
「ふーん、ま、ええけど。それより、一刀は随分楽しそうなことしてるなぁ~」
手を胸のあたりで組んで、もぞもぞと霞は動く。
なんか、猫耳としっぽが生えてるように見えるんだが、酔っぱらったのか?
「、、、、何か言いたそうだな?」
「ちょーっと、分けてくれへん?」
「良いぞ」
「やった!」
体を起こして、座る。
一人酒は寂しかったし、ちょうどよかったな。
「じゃ、ウチ、盃を持ってくるわ」
「ん?ここにあるだろ。俺と一緒のじゃ嫌か?」
「え?」
霞は顔を赤くすると、もじもじと動く。
意外と初心だな。そして、また猫耳としっぽが生えて見てるけど、本格的に酔ったか?
「か、一刀はええの?ウチなんかと、一緒で、、、」
「むしろ嬉しいかな」
「そ、そか、、じゃ、別に一緒「なんてな、ちゃんと盃はもう一個あるぞ!」、、、、ふ~ん」
あれ?なんか霞の表情が消えたんだけど?無表情、すごい怖いんだけど。
「え、あ、いやさ、ふざけ過ぎたよな。ごめん、流石に一緒の盃は冗談でもやり過ぎた。ほら、ちゃんともう一個あるからさ」
「、、、、阿呆、、、ちゃうわ、、もう、いいから注ぎ」
「あ、ああ」
なんか、機嫌悪いな。俺、なんかしたのかな?ふざけ過ぎたかな?過ぎたんだろうな~。
取りあえず、今は逆らわない方がいいよな。機嫌、直して欲しいし。
軟水と書かれた徳利を霞の盃に注ぐ。
「あれ?白酒(パイチュウ)かと思うたけど、ちゃうの?」
盃を顔に近づけてから霞はそういう。
「うん。それは日本酒。俺がいた国の酒だよ。長安の名物にしようと思って、于吉に作ってもらったんだ」
「へぇ~。天の酒かい。珍しい」
まあ、日本の米を使ってないから、正式には日本酒って訳じゃないんだけどな。
けど、于吉が言うには製法さえ間違えなければ、どんな米を使っても日本酒と言って阻喪ない味に仕上がるらしい。
現に、現代ではタイ米やカリフォルニア米で日本酒を造った業者があったらしい。
純枠日本酒協会?に日本の米を使ってないから、日本酒とは認められなかったらしいけど。
「ん、こく、はぁ~」
「どう?美味いかな?」
「う~ん。味が透き通ってて、悪くは無いんやけど、、なんかこう、優しいなぁ。ウチはもっとはっちゃけてる方が好きやな」
はっちゃけてる酒って、どんな酒だよ。
「じゃ、次はこっちを飲んでくれないか?」
霞の盃に硬水と書かれた徳利を傾ける。
「ん?別の種類の酒なん?」
「いや、米と作り方は同じ。水が違う」
「なんや、ようわからんけど、、頂きます。ん、こくっ、はぁ~」
「どうだ?」
「ん、ウチはこっちの方が好きや。こっちの方がはっちゃけてるわ」
硬水で造った酒の方が、軟水で作った物よりハードな酒になるらしいけど、霞の好みはこっちだったのか。
「そうか、霞は激しい方が好きなのか」
「、、、なんか、言い方が助平やで、一刀」
「俺は優しい方が好きなんだけどな、霞が激しい方がいいって言うなら、しょうがないか」
「だから、、なんやの、その言い方。、、やらしいで」
「いやらしいのはすぐにそういうことに結びつける霞の方だろ?」
「っっ!一刀っ!」
赤くなる霞の顔。可愛いな。
「なぁ!う、ウチが可愛いって、なに言うとるん、、、」
あれ?心の声が漏れてる?俺、口に出して言ってるのか?
なんか、ボーっとしてきたな。
「顔、そむけるなよ。もっと、よく見せて」
手を霞の頬に当て、顔をこっちに向ける。霞は口を一の文字に結んで、顔はさらに赤くなる
「可愛いな。霞」
「一刀、、酔ってるん?」
「うん。霞の可愛い顔に酔ってる」
「っぅ、、」
まあ、実際にも酔ってるけどね。素面でこんなセリフは吐けないだろ。
自慢にもならないが、俺はアルコール度数8%のチューハイ一本で酔っぱらえる。
「酒、、まだ飲むか?」
「え、あ、うん。(ウチが飲むときは、離してくれるかも)」
盃に酒を注いで、霞の口元に持っていく。
「はい。口あけて」
「ま、待ち。それ、一刀の盃や。ウチの盃は、あっち」
「嫌か?」
「嫌や、ないけど、、、」
「じゃあ。口あけて」
「じ、自分で、飲めるぅ」
霞の声が上ずり始めた。
ヤバい、すごい可愛い。
「一刀、、もう、止めぇ、、」
「なら、突き飛ばせよ。俺は霞のこと嫌いになるかもしれないけど、」
「っう、、、うぅ」
「はい。あーん」
後頭部に手を当てて、半ば無理やりに盃に口を付けさせる。
なんか、悪いことしてるみたいだけど、霞も少しだけ、結んだ口を開いてくれたし。
同意の上だよな?
「ん、ん、ん、こくっ、、はぅ」
霞の目尻に涙が浮かぶ。ヤバい、興奮してきた。
「おいしかったか?」
「、、、ウチに。こんな恥ずかしい思いさせて、許さへんで、一刀」
「顔を赤くして、涙目で凄んでも可愛いだけだぞ。霞」
手を頬に当て、滑らせるように顎の下へ。
猫を嬲るように喉を撫でる。ビクビクと反応するのが可愛い。
「こんなに、男に触られたのも初めてや、、可愛いって、言われたのも初めてや。どうして、くれるん?」
「安心しろって、どんなことになっても責任は取るから」
「ん、、、っっ、、、し、信じる、で?」
「ああ、可愛いよ、霞」
あ~、駄目だ。頭がくらくらする。
呂律が回ってるのが不思議なくらい完全に酔いがまわって来た。
「酒、もう一杯飲むか?」
「、、、、、じゃあ、あと、一杯だけやからな」
「うん。はい、あーん」
「、、、、あ、あーん」
結局、霞は俺が用意した酒の全てを消費したんだが、よくこれだけ飲めるよな。
などと、数時間後、ようやく酔いがさめた頭で考えていた。
「霞、何処行ったのかな?流石に、怒ったかな?」
「おお、張遼」
「なんや、華雄か」
「どうしたんだ?そんなに落ち込んだ顔をして」
「そういう華雄は随分楽しそうやな。ああ、そういえば、今日は左慈と相引やったな。どうだったん?」
「ああ、左慈は優しくしてくれたし、、楽しかったぞ」
「なんや、健全そうでええなぁ。それに比べてウチは、、はぅぅ、どないなっとんねん、、」
「何かあったのか?」
「しまいには膝枕までされて飲まされるなんて、、、ウチ、もう子供やないのに、何で喜んでんねん」
「何があったのだ?」
後書き
ふふ、ふふっっ、ふはははははっははは
テストがようやく全て終わった!そう言う訳で投降します。
に、しても、やっぱり拠点って難しい。
自分でも、女の子と仲良くなっていく描写が不得意なのは自覚してますよ?
けど、前の作品ではまったくと言っていいほど書かなかったから、憧れてたんですよねww
まっ、それも次で終わりですけど!
詠と音々を書いて、于吉を出して、終わりです。物語を進めます。
えっ、仲君と先生?二人は長安でお留守番してますよww
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董卓軍と北郷軍 拠点二~