No.226217

焔耶さん、犬耳です!?

月千一夜さん

皆さん、お久しぶりです
月千一夜です

今回は、“cupholeさん”のリクエスト
焔耶のカオスなお話です

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2011-07-04 00:23:58 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:9247   閲覧ユーザー数:7315

「犬耳、だと思うんだ」

 

「・・・は?」

 

 

それは、心地の良い朝の陽ざしに照らされた中庭でのこと

馬岱こと蒲公英は、その一言に言葉を失ってしまった

そんな彼女の様子にも気づくことなく、その問題の一言を発した張本人である焔耶は真剣な表情を浮かべたまま話を続ける

 

 

「お館に愛してもらうにはやはり、犬耳だと私は思うんだ」

 

「ご、ごめんちょっと待って

あまりの急展開に、蒲公英ちょっとついていけてないから」

 

 

“というか、いつの間にデレたの?”

などと、彼女は小さく頭を抱える

無理もない話である

“真・恋姫†無双”では、最後まで完全にデレることのなかった彼女がここまでデレたのだから

“萌将伝”恐るべし

 

 

 

「ていうか、なんで犬耳?

ご主人様って“女の子なら百合だって構わないで喰っちまうような男なんだし”

そんな、犬耳とか気にしないでも大丈夫だと思うけど」

 

「いや、そんなことはない

こちらの服装などがお館のストライクゾーンだった場合、いつもの三倍は愛してもらえるんだ」

 

「さ、三倍・・・?」

 

「わかりやすく言えば・・・“次の日、足腰が立たない”」

 

 

その一言に、ゴクリと蒲公英は唾を呑みこんだ

想像してしまったのだろう

彼女の頬は、微かに赤く染まっている

 

 

「す、すごいね・・・」

 

「ああ、すごいんだ

だからお館のストライクゾーンを狙っていこうと思ったんだが・・・」

 

 

そこで彼女は腕を組み、蒲公英を見つめ呟いた

 

 

 

 

「“粗暴な蜀軍に咲く一輪の冬虫夏草こと蒲公英”の意見も聞いてみたくてな」

 

「ちょっと待てコラ

なにその、全然可愛くない二つ名

そんなの名のった覚えないんだけど・・・」

 

「私はやはり犬耳が隊長のストライクゾーンだと思うんだ

いや、“熟女”も有力なんだがな

流石にまだ、“そこまで歳はとってないし”・・・」

 

「話を聞けって・・・ていうかちょっと、ホント待って!

駄目、その話題ダメ絶対!!」

 

 

言うやいなや、“スコン”と蒲公英の尻に刺さる矢

“なんで私!!?”と叫びながら、彼女はその場を転げまわった

そんな彼女の様子に気づくことなく、焔夜は“よし”と呟き駆け出して行った

 

 

「とにかく、やってみる!!

桔梗様たちみたいな年増な技はなくても、お館をメロメロに出来るんだって証明してみせる!!」

 

「ちょ、まっ、ひんっ!!!??」

 

 

“ヒュン”“プスリ”“スコン”と、次々と蒲公英の尻に刺さっていく矢

“だから、なんで私っ!!!?”と、悶える彼女

 

その目には、大粒の涙が溜まっていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪焔耶さん、犬耳です!?≫

 

 

 

「“性務”イエィイエ~~~~~~イ♪」

 

 

本日もまた晴天なり

あまりの天気の良さに、思わず鼻歌(?)まで口ずさんでしまう始末だ

それほどまでに、本日もこれまた良い天気なのだ

 

おっと、自己紹介が遅れたな

俺の名前は“北郷一刀”

乙女だらけの三国志の世界に迷い込んだ“孤独な檻に封じ込められしイケメン”こと“天の御遣い”として三国の中心に造られた都で日夜乙女たちと“真夜中の武闘会”を繰り広げている“孤高の武人”だ

それはもう健全な毎日を過ごす俺にとって、このような天気の良い日はこうして散歩をするのが日課になっているのだよ諸君

 

 

「ん~、今日もいい天気ぃ

そうだなぁ・・・“今日は麗羽のクロワッサンでもコッペパンに変えて遊ぼうかな”」

 

 

うん、そうしよう

“本当は華琳のクロワッサンを明太フランスにしてやりたいけど、その後のお仕置きが恐いもんな”

その点、麗羽なら全然恐くないし

安定の袁家だよね、やっぱ

 

 

「そうと決まれば、さっそく麗羽を探しに・・・」

 

「お館~~~~~!!」

 

「ん?」

 

 

ふと目を向ければ、こちらに向かって走ってくる焔耶の姿が見えた

その姿を見つめ、俺は言葉を失ってしまう

 

 

「なっ・・・焔耶、それは?」

 

「へへ、どうかな?

お館、こういうの好きだったと思って・・・」

 

「焔耶、好きだあぁぁぁぁあああ!!!!」

 

「ひゃぁ!!?」

 

 

照れ笑いする焔耶を抱き締め、俺は叫んでいた

 

だって、仕方ないだろ?

 

“犬耳”なんだぜ!?

あの焔耶が犬耳を装備して、さらに尻尾までつけてるんだぜ!?

これが叫ばずにいられるか!?

おれにはできない!!

 

 

「ヤヴァイ!

ヤヴァイよ焔耶!

すっげぇ可愛いよ、焔耶可愛いよ、くぁwsdrftgyふじこlッ!!!」

 

「お、お館落ち着いてくれ!

そのっ、ここだと人に見られちゃうからっ!!」

 

「構うもんかっ!!

むしろ、見せつけやる!

俺と焔耶のこの超絶ラブラブっぷりを・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご主人様ぁぁぁあああああ!!!!

今日という今日は、もう本当に“関羽袋の緒が切れましたよ”!!!!

見つけ次第、今夜は私の部屋に閉じ込めて寝かせませんからねゴルアアァァァアアアアアアアア!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・よし、場所を変えようか」

 

「お館・・・また仕事サボったのか」

 

「違うんだ、違うんだよ焔耶

今回は真面目に頑張ってたんだ

“頑張って机の上に積まれていた書簡で焼き芋を焼いてたんだ”」

 

「なんてことしてんだよ・・・そりゃ、愛紗も怒るよ

関羽袋の緒もプッツンしちゃうよ」

 

「いや、そこまでは良かったんだ

愛紗が後でやってきて、“こんなこともあろうかと”ってドンと机の上に“新しい書簡と亀甲縛りされた思春を置いて行ってさ”

嘘みたいだろ?

俺がそうすると見抜いて、偽の書簡を置いてたんだぜ?」

 

 

はは・・・これは、ある意味信頼されてるって思ってもいいのかな?

最初の一発目は、絶対に真面目にやらないって思われてるんだもんな

あはは、泣いちゃいそう

 

いや、やらないんだけどさ

 

 

 

「けど、俺もそこで思ったんだ

ここで負けるわけにはいかないと」

 

「いや、真面目に仕事しろよ」

 

 

焔耶のツッコミをスルーしつつ、俺は語り続ける

あの苦しくも、熱い戦いのことを・・・

 

 

「まぁ簡単に言うとだな・・・“閉じ込められた世界が嫌で、外の世界へと飛び立ってみたくなったんだ”」

 

「ああ、“逃げたんだな”」

 

 

はい、その通りであります

 

因みに、思春はそのままスルーしました

前回の“王塁の刑”以来、何かに目覚めてしまったらしい

机の上で、なんか“ビクンビクン”してたし

とりあえず、美味しくいただくのは今度にする

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

というわけで、場所は変わり・・・此処は“中庭”

俺は今、焔耶を膝枕している

 

 

「な、なぁお館

これって、普通逆なんじゃないのか?」

 

「いや、そんなことないさ

今の焔耶は可愛い犬なんだし、もう少し飼い主に甘えてもいいんだぞ?」

 

「か、可愛い犬・・・」

 

 

言われて、焔耶は顔を真っ赤にさせる

ああ、可愛いなぁ

心なしか、尻尾もパタパタ動いてるように見える

やべぇ、マジで癒される

 

 

「ああ、何か冗談抜きで幸せだ

“少し前まで皆の部屋に首輪とかつけたままの状態で監禁されてた日が、もう気にならないくらいだよ”」

 

 

あれは、嫌な事件だった

もう、正直トラウマになりかけたもん

 

まぁ、いいか

そんな出来事も、いずれ楽しかった思い出に変わっていくんだ

 

ああ・・・

 

 

 

 

「こんな日が、いつまでも続けばいいのにな・・・」

 

「お館・・・?」

 

 

そう言って、見あげた空

憎らしいほどに、青く澄んだ空を見上げながら

俺は、小さく笑いを零していたんだ

 

 

「こんな風に、皆で馬鹿やってさ

大好きな人と、こうやって温もりを感じあって

ずっと・・・こうやって、楽しい時間が過ごせればいいのにな」

 

「お館?」

 

 

なに言ってるんだろ

そう思い、苦笑してしまう

 

きっと、今が楽しすぎるから

今が、本当に幸せだから

 

きっと・・・恐くなったんだと思う

 

 

 

「・・・お館」

 

「ん・・・って、ひゃぁ!?」

 

 

呼ばれて、振り向いた直後

焔耶の行動に、俺はビクリと体を震わせてしまった

 

彼女は、俺の頬をペロリと舐めてきたのだ

それから、照れくさそうに笑った

 

 

「似合わないよ、そんな顔

お館は、やっぱり笑ってないと」

 

「焔耶・・・」

 

 

そう言って、彼女は俺の体に抱き着いたのだ

それから、小さな声で呟く

 

 

「飼い主がそんな顔してると・・・不安になるんだぞ?」

 

「っ・・・」

 

 

“わんっ♪”と、犬の真似をしながら笑う焔耶

その姿に、胸が高鳴った

 

あ、これはヤヴァイ

もうね、“俺のパトスが弾けちゃいそうなの”

 

 

 

「焔耶・・・」

 

「お館・・・」

 

 

呟き、顔を近づけていく

焔耶は、頬を赤くしたまま目を瞑っていた

 

やがて、二人の距離は・・・

 

 

 

 

 

「見つけましたよ~、御主人様?」

 

「「・・・・・・」」

 

 

一気に、離れていった

そして、無言のまま見つめた先

 

素晴らしい笑顔のまま立つ軍神の姿に、俺たちは二人ともクスリと笑いを漏らす

それからゆっくりと立ち上がり・・・

 

 

 

 

 

「逃げるぞ、焔耶!!」

 

「わんっ!!」

 

「待てごるあぁぁぁあああああああ!!!!!!」

 

 

一気に、駆け出したのだ

そんな俺たちのことを見逃すはずもなく、愛紗もすぐさま駆け出す

 

ここに、命を賭けた追いかけっこが始まったのだ

 

 

 

 

 

まぁ・・・二分後に、二人仲良く捕まったのだが

 

愛紗さん

いつの間に、テレポートなんて覚えたんですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪焔耶さん、犬耳です!?≫

閉†幕

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

いや、まぁ

本当に、余談なのだが・・・

 

 

 

「おい、北郷・・・」

 

「な、なにかな思春」

 

 

執務室

俺がいつものように机に積まれた書簡でジェンガをして遊んでいる時のこと

思春は真剣な表情のまま、俺のもとまで訪ねてきていた

最初こそ、“何かあったのか?”と思ったのだが

彼女の姿を見て、俺は引き攣った笑みを浮かべることしか出来ないでいた

その恰好とは・・・

 

 

 

 

 

「北郷、私の格好を見てくれ

コイツをどう思う?」

 

「すごく・・・“亀甲縛りです”」

 

 

 

 

そう・・・亀甲縛りである

いや、ていうか何で?

 

 

「そして偶然なのだが、私は今“蝋燭”を持っていてな」

 

「へ、へぇ~」

 

 

なんで?

なんで亀甲縛りなうえに、蝋燭まで持ってるの?

なんでそんな準備万端なの?

なんでそんなハァハァしてるの?

 

 

 

・・・ダメだ

嫌な予感しかしないよ

 

 

 

「いっけね、そういえば愛紗に呼ばれてたんだった・・・」

 

「おっと、逃がさんぞ」

 

「ひぃっ!?」

 

 

一瞬だ

一瞬で頬を赤くさせたまま、思春は俺を担ぎ上げ寝台へと投げ込んだのだ

そして、そのまま俺の体の上に馬乗りになる

 

 

「なんだ?

蝋燭では足りないのか?

いや、私としては鞭で叩かれるというのも存外悪くないのだが

それともあれか?

放置プレイか?

ふふ・・・悪くない」

 

「ちょ、まっ、違う!!

思春さん、頼む相手を間違ってるよ!?

君のトレーナーは蓮華だろ!!?

俺じゃない、俺じゃないよ!!?」

 

「さぁ、北郷!

この蝋燭で!この鞭で!

存分にこの私を可愛がってくれ!!」

 

「それは、俺の趣味じゃないんだああぁぁぁあああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・完!

 

 

★あとがき★

 

皆さん、お久しぶりです

月千一夜ですw

 

今回は“cupholeさん”のリクエスト

焔耶のカオスな作品ですw

 

焔耶ってか、他の人の方がカオスですが

 

 

今回もまた、いくつかニュースがありますw

 

 

まずは・・・ついに、長期休暇へと突入しましたwwwww

これにて、いままで止まっていた外史は復活いたしますwwwww

ひゃっはぁ

 

さらに、このカオスな短編シリーズ

近く、なろぅにて連載いたしますww

 

そして次の短編は、普通な人のお話ですww

 

さらに、なろぅの★シリーズも再開w

うは、忙しくなってきたwwww

 

 

それでは、またお会いしましょうww


 
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