No.225383

異聞~真・恋姫†無双:序

ですてにさん

魏アフターを書きたくてしょうがなくなって、おもむろに書きだした。
・・・ちょっと後悔している。打ち切り臭的な意味で。

始まりは魏ルートをもう一度なぞってますが、さて、どの陣営に行ってもらおうか。
しばらくは現代編を書くので、その間に決めてしまおう・・・。

2011-06-29 14:03:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:16864   閲覧ユーザー数:10673

「・・・あいたたた。華琳、無事か?」

「大丈夫よ、一刀が地面との間に入ってくれたお陰で。さて、この荒野。見覚えは?」

 

華琳をお姫様抱っこしているような状態で、俺はこの外史への大地に叩きつけられたようだ。

以前なら、お互いに照れがあるこの格好も、さも当然のように収まっているのは、いいのか悪いのか・・・。

 

「ああ、この後野盗が現れて、そこを星・・・趙雲、稟、風に助けてもらう流れだね」

「・・・一度許されたとはいえ、真名は迂闊に呼ばない方がいいわよ。ついうっかりというのも洒落にならないから」

「うん、気をつける。

二人ともフランチェスカの制服だし、おまけに華琳の髪が黒に変わっているのも、意味があるんだろうな・・・」

 

そう言いながら、ポケットから取り出した手鏡を華琳に見せる。

黒髪ツインドリルの華琳は、今、フランチェスカの制服を着ていることもあり、まるで俺と同じ日本人に見える。

 

「あら。これはこれでありね。春蘭のような、綺麗な黒髪もとてもいいものだと思っていたし」

 

うんうん、と頷く華琳。うん、俺もすごくありだと思います。

 

「この服も着馴れたものだけど・・・って、お客さんよ」

 

振り向くと、覚えのある黄色いバンダナを巻いたのっぽ、ちび、太っちょの三人組。

あぁ、本当に帰ってきたんだなぁ。

 

「へへ、兄ちゃん姉ちゃん。荒野のど真ん中で抱き合うなんて、お熱いことだな」

「無粋と思うなら、放って欲しいものだけど?」

「ははは。そんな珍しい恰好してる若い男女を見逃すわけがないだろう。・・・さぞ、高く売れるだろうしな」

 

はぁ、と心底呆れたため息をつき、華琳が俺の腕から滑り出る。

 

「一刀。一人ぐらい相手なさい。今の貴方なら、三人でも何とかなるでしょうけど」

「判った。多少は腕が上がったかどうか、実践するいい機会だ」

 

どこからともなく、華琳は婆ちゃんから託された鎌~『陽』を取り出し、俺は静かに爺ちゃんから譲り受けた模擬刀を構える。

 

「な、なんだ。やろうってのか!」

「違うわ」

「んだと・・・?」

「身の程を教えてあげる、というのよ」

 

久しぶりに見る覇王の笑み。黒髪だろうが、金髪だろうが、華琳はやっぱり華琳だ。

哀れな三人組の末路に心の中で合掌しながら、俺たちは戸惑っている奴らに攻撃を開始した───。


 
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