ようやく、黄巾党の本隊を打ち破り、一部の見張り兵を残し、祝勝会をやっているのだが、やは
り、皆、ようやく戦が終わって嬉しいのか、よく飲んで食べていた。
璃々は、蒲公英と朱里と3人で仲良くやっており、翠は食事に夢中で、星は霞と酒談議に花が咲い
ていた。
そして一刀と紫苑と2人で静かに飲んでいた。
「やれやれ、やっと一段落ついたか」
「お疲れ様でした、ご主人様」
「でもこうやって、2人で酒を飲むのも久しぶりだな」
「そうですね、さすがに行軍中や戦いの時は、飲むのは控えますからね」
と言っていると星と霞がやって来て
「主、ここにいましたか」
「一刀、紫苑、一緒に飲もうや」
4人で飲みはじめたが、ところが、一刀以外の3人が酒が滅茶苦茶強く、かなりのハイペースで飲
んでいた、そして皆、酔いはじめたのだが、よく見る紫苑の顔がかなり官能的な表情になってきて
いた。これは一刀が結婚してから、気付いたのだが、紫苑は酒に酔い、この表情になると、普段以
上にあっちの方が強くなり、一刀が次の日の朝、太陽が普段と違う色見えてしまうほど、絞り取ら
れてしまうのである。
それを見て、一刀は身の危険を感じたが、ところが今日は、これに星が絡み付き、
「さて、主、今日の褒美を頂きたいのですが?」
「あら、星ちゃん、正式にご褒美を貰うのだったら、涼州に帰ってから言わないと」
星の褒美の要望に、紫苑は分かって牽制したので、星は
「紫苑、よいではないか、今日1日、主を貸してくれぬか」
「あら、私も長い間、戦のせいで空いていたから、譲れないわよ」
と言っていたが、この会話が全て一刀に聞いていたので、この場から逃げようとしたが、するとす
でにぐでんぐでんに酔っている蒲公英と朱里がやって来て
「ご主人様~、星お姉さんだけ、贔屓しないでよ~」
「しょうですよ~、私たちを無視しないくださいょ~」
この2人は、すでに出来上がっており、璃々はこの2人に潰されて、すでに寝てしまっていた。
そして更に
「私だけ、のけ者にしないでくれよ~」
と何故か泣き上戸になっている翠もやって来て、一刀は逃げるに逃げられない状態になっていた。
それを見ていた霞が
「ハハハ、あんたら面白いな~、それやったら酒の飲み比べで勝負したらどないや」
提案すると、紫苑や星はもちろん受け、すでに酔っている翠や蒲公英、朱里までが、勝負を受けた
が、そんな中、一刀は
(「これって俺の意見、全く聞いてくれてないよな」)
とぼやきつつも、すでに諦めモードに入っていた。
そして勝負して、しばらくすると朱里が
「はわわ~、ご主人が5人くらいいましゅ~」
と言って酔い潰れ、そしてその後に蒲公英が
「ZZZZ~~~~」
疲れと酒のダブルパンチでダウンしてしまった。
翠にあっては、星の言葉の羞恥心プレイと酔いが回ってしまい、これもダウンしてしまった。
さすがにこれを見かねた一刀と霞は、璃々も含めた4人を取り敢えず、寝台まで運びに行った。
そして紫苑と星は、そんな中、勝負を続行していたが、
「なあ紫苑、一つ提案があるのだが?」
「あら、乗ってもいいわよ?」
「まだ何も言っていないのだが…」
「言いたいこと分かるわよ、だから先に譲るから、終わったら呼んでね」
紫苑は笑顔で、その場を離れ璃々の様子を見に行った。
そして皆を寝かせた一刀と霞が帰ってくると、星しか居なかったので、一刀が
「紫苑なら、璃々の様子を見に行きましたが」
そしてちょっと恥ずかしい顔をしながら、星が
「主…、少しお話が…」
と声を掛けてきたので、霞が
「あ~、うちは他の者と飲んどくから、2人で行ってらしゃい~」
と冷やかしながら、その場を離れた。
そして、一刀と星は、一刀の陣幕へ移動した。
陣幕に入ると星が
「主、この乱が始まって、最初の戦いの時を覚えていますか?」
「ああ…」
「正直言って、あの時、私は戦いが終わったら、軍を離れようと思っていました、主を主君とする
器ではないと」
「しかし、私を助けに来た後、主が私を叩いた時に言ってくれました、「一軍の将として失格」と
いうあの言葉…」
「私はそれまで誇っていた武は、匹夫の勇でしか無かったことに気付きました、確か時には個人の
武が必要な時はありますが、一軍の将であるべき姿は兵の事を思いやり、そして全体を見渡す視野
が必要な事が分かりました」
「そして、その事に気付かされた主には大変感謝していますし、そして我が武を生涯、主に捧げる
と共に、我が身、我が心も主に捧げたいと思っております」
と星は思いを語った。
それを聞いた一刀は、
「こんな俺でもいいのか?」
「主、美しい花には蝶が集います、ならば私は、その集まっている蝶の中で一番になることを証明
しますぞ」
それを聞いた一刀は一つため息をついて
「ダメだな俺って、星みたいなかわいい女の子にここまで言わせて、こういうことは男の俺から言
わないといけないのにな」
「星、ごめんな、改めて言わせてくれ、星、大好きだ、そして気の多い俺だけどずっと一緒にいて
欲しい」
と言って一刀は星の身体を抱き締め、そしてキスをした。
すると星は驚き、そして目から涙が出てきていた。
「……主、嬉しくて、涙が止まりませぬぞ……」
「星、こっちへ」
星を寝台に連れて行き、こうして2人は結ばれたのであった・・。
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今回は、ちょっと内容が薄いような気がしますが・・
では第19話どうぞ。