No.225006

真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~ 合間10

lovegtrさん

今回は太史慈こと栄の拠点です。
栄が呉の仲間となった理由が述べられます。
では、どうぞ!

2011-06-27 05:29:45 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:5179   閲覧ユーザー数:4228

徐州でのことが有り近頃は休む暇がなかったが、今日は久しぶりの休みである。

ゆっくりしようと城の庭を歩いているとどこからか声が聞こえてきた。

「やっ!はっ!といやっ!」

声の方に近づくと、そこには太史慈こと栄が自身の得物である槍を振り鍛錬を行っていた。

「ふんっ!そいやっ!……ふぅー」

栄のその鋭い槍捌きに思わず見入ってしまった。

するとこちらに気が付いた栄が声を掛けてきた。

「……ん?一刀か?

 どうしたんだ?今日は休みだろ?」

「やぁ、栄の動きがあまりにも綺麗だったから思わず見入ってしまったよ」

俺が素直に先程の様子の感想を言うと、何を勘違いをしたのか、

「き、綺麗だなんて、何言ってるんだよ!?……オレみたいなのが、そんな……」

最後の方は少し聞き取りづらかったが、何か思い違いをしているようなので、

「さっきの訓練の様子だよ!……でも栄の動きには本当に無駄がなかった」

「な、なんだ~、訓練のことかよ。オレはてっきり……」

そう言い頭に手をやりながら苦笑いをして言った。

「まあな、オレはもともと弓を使って戦ってたけど、弓じゃあ接近戦は苦手だ。

 だから槍も武器として使うようになったんだけどな……

 なぁ一刀、暇なら訓練に付き合ってくれよ」

そう言い栄は槍を構え体制を整えた。

「わかった。暇だし少し付き合うよ」

俺も剣を構え、栄と向かい合った。

それから数刻、俺と栄は手合わせを行った。

訓練が終わり、熱くなった体を冷ますため俺と栄は風の気持ち良い城壁へとやって来た。

「そういえば、なんで栄は俺達の仲間になろうと思ったんだ?」

栄はもともと劉繇の将だったという。

劉繇は俺達が呉を平定するとき倒した相手の一人である。

「え?なんでって、それはなー……曲阿で賊と戦っただろ?

 あの時思ったんだ、まだまだこの大陸は平和じゃないって。

 で、オレにも何か出来ないかなーと思って士官したわけ」

栄は俺の問に淡々と答えた。

「劉繇のトコじゃあオレはあまり重宝されなかった。

 でもお前のトコだったらって戦ってる時思ったんだ」

そう言い、栄はニカッと笑った。

 

「そっか。……そういえば栄や恋達の歓迎会ってまだしてなかったなぁ」

俺はなんとなく思い出した事を言うと、

「歓迎会してくれるのか!?」

と栄はこちらによってきて叫んだ。

「っ、ああ。仲間だから当然じゃないか」

俺は栄に少し押されながら答えた。

「じゃあ、今日しよう!すぐしよう!今すぐだー!」

そう言い栄は城壁を降りて行き、城へと走っていった。

夜、栄がみんなに声を掛け、栄と恋、音々音の歓迎会を開いた。

歓迎される者が皆を集めると言う変な事となっているが、皆集まってくれた。

雪蓮姉さんは酒が飲めると喜び、祭と一緒に飲んでいる。

亞莎や明命は恋に食べ物を与え、その食べる姿を見て悦に浸っている。

思春も恋の様子をチラチラと見ては同じく顔を緩めている。

その様子を烈火と小蓮はおもしろがっていた。

冥琳と穏と茶々は音々音と一緒に酒を飲みながら話を弾ませている。

「今日はありがとな、歓迎会」

栄は猪口をぐいっとあおると嬉しそうに言った。

「ほとんど栄がやったんじゃないか」

「いや、みんなが集まってくれて嬉しんだ」

そう言い栄はもういっぱい酒を含んだ。

「一刀、お前も飲めよ!」

そう言い栄は俺に猪口と徳利を差し出した。

「そうだな。たまにはいっか」

そう言い俺は栄の差し出した猪口を受け取った。

「「「え!?」」」

その時会場の雰囲気は一気に静まり返った。

そんな皆の様子をよそに俺は注がれた酒を一気に飲み干した。

「おぉ!いいの見っぷりだねー!もう一杯どうだ?」

「ああ、もらおう」

そう言い俺は次々と酒を飲んでいった。

 

「姉さんはいつも不真面目だぁ~!呉の王なんだからもっとしっかりしてくれよ~」

今俺は姉さんに日頃思っていることに付いて注意をしている。

「どういう事だ?」

正座する姉さんの隣に座る栄は俺の様子を見て姉さんに尋ねる。

「一刀は酔うと説教する癖があるのよ。それもとってもしつこく、ネチネチと」

姉さんは口に手を添え栄に耳打ちをした。

「聞いてるのか姉さん!本当姉さんはいつも、ガミガミガミガミ…」

姉さんの態度に俺は声をあげて説教を続けた。

「だから一刀には皆酒を飲ませないのよ。後が大変だから……

 あなたが飲ませたんだから、きちんと面倒を見るのよ」

そう言い姉さんはどこかへ行ってしまった。

気がつくと他の者達も居なくなってしまった。

栄と二人きりとなり、俺は栄に説教を始めた。

「だいたい栄はガミガミガミガミ…」

「ひえ~!誰か助けてくれ~~~!」

 

翌日、俺は二日酔いで栄は精神的苦痛で政務を休むこととなった。

今回は太史慈こと栄の拠点でした。

史実では、太史慈は孫策の友人でしたが、栄は雪蓮ともですが一刀とも仲良くなれたらなと思っています。

 

今回の一刀君ですが、孫権の酒癖の悪さは有名ですよね。

それをこの孫権一刀でも出せたらなと思い書きました。

作者はお酒を飲まないので余り無いですが、お酒での失敗は皆一度や二度あるはず。

気おつけましょう。

 

では、またノシ


 
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