No.224574

俺の知ってるシャムと違う

月千一夜さん

リクエスト短編の第一弾
今回は“akiecoさん”のリクエスト
シャムの作品です
レベルは“こんなの絶対おかしいよ”です

続きを表示

2011-06-24 22:15:11 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:9075   閲覧ユーザー数:7041

「今日も“性務”だ、ほっほほ~~~~い」

 

 

本日も晴天なり

あまりの天気の良さに、思わず鼻歌(?)まで口ずさんでしまう始末だ

それほどまでに、今日も今日とて良い天気なのだ

 

おっと、自己紹介が遅れたな

俺の名前は“北郷一刀”

乙女だらけの三国志の世界に迷い込んだ“彷徨えるイケメン”こと“天の御遣い”として三国の中心に造られた都で日夜乙女たちと“イチャコライチャコラ”している“健全な男の子”だ

それはもう健全な毎日を過ごす俺にとって、このような天気の良い日はこうして散歩をするのが日課になっている

 

いや、決して仕事が嫌で逃げ出してきたわけじゃないんだ

ほ、本当だぞ!?

俺だって、ヤルときはヤル男なんd・・・

 

 

 

 

「ご主人様ーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

仕事を放りだして、何処に行かれたのですかあぁぁぁああああごるああぁぁぁぁあああああああ!!!!!」

 

 

 

 

お、オーマイガッド

もう怒れる軍神様にバレちまったい

こういう時は、さっさと逃げるに限るってねww

あばよ、とっつぁん!

 

 

「・・・ん?」

 

 

ふと、俺の目の前

一人空を見上げる幼女の姿を発見

あれは・・・“シャム”?

 

 

「一人でいるなんて珍しいな」

 

 

いつもなら、美以やミケやトラと一緒なのに

気になるな・・・ちょっと話しかけてみるか

 

 

「おーい、シャム!

そんなとこで、なにやってるんだ?」

 

 

そんなわけで、俺はシャムのもとに駆け寄り声をかける

だが、聞こえてきたのは小さな声

 

 

「・・・な」

 

「・・・え?」

 

 

あまりに小さな声

俺はその声を上手く聞き取れず、首を傾げてしまう

そんな俺に向い、シャムはニッコリと微笑んだのだ

 

そして・・・眩いばかりの笑顔で言ったんだ

 

 

 

 

 

 

「気安く話しかけんな、このチ●カス野郎」

 

「えっ、あ、その、す、すいません・・・」

 

 

 

 

 

 

何これ、俺の知ってるシャムと違う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪俺の知ってるシャムと違う≫

  開†幕

 

 

 

 

 

え、ええぇぇぇぇぇええええええええええ!!!??

ちょ、ごめんマジで待ってぇ!

今のなに?

え、今シャムなんて言ったの?

 

“気安く話しかけんな、このチ●カス野郎”?

 

いやいやいやいやいや、ないないないないない!!

普通に聞き間違いだよな、うん

あのシャムたんが、そんなこと言うわけないもん

 

 

「そうだ・・・きっと俺、日頃の政務(性務)で疲れてるんだよ」

 

 

最近、ちょっと働きすぎだったもんな(主に、下半身が)

よし、気を取り直して・・・

 

 

 

「いやぁ~、今日は良い天気だなシャム」

 

「お前さえ来なけりゃ、最高だったよ」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー間ーーーー

 

 

 

 

 

 

「う、生まれてきてごめんなさい・・・」

 

 

 

あ、あれぇぇえええええ!!!??

 

おかしいぞ、絶対おかしい!

こんなの絶対おかしいって!!

こんなの、俺の知ってるシャムじゃない!

ていうか、なんで物凄い笑顔なの!?

逆に、凄いダメージくるんだけど!?

 

 

 

「ご主人様!!

こんな所にいらっしゃったのですかごるぁあああ!!!!」

 

「げぇ、関羽!!?」

 

 

ジャーンジャーンジャーン♪♪

などと、俺が色々と苦しんでいる間に・・・いつの間にやら、俺のすぐ傍には軍神様がいらっやいました

ああ、そういえば逃げてたんだっけ

これはマズイ・・・いや、ちょうどよかったのか?

 

 

「なぁ、愛紗!

ちょっと、思いっきり俺のことを叩いてくれないか!?」

 

「ええっ!?

何ですかいきなり!?

そういうプレイでしたら、華琳殿にでも・・・」

 

「ちっげーよ!

けど説明してる時間も惜しいから、今はとにかく叩いてくれ!!」

 

「え、あ・・・はい、わかりました!」

 

 

頷く愛紗に、俺は“来い!”と声をあげた

よくある方法・・・頭でも叩いてもらって確認する為だ

もしかしたらコレは、俺が見ている夢かもしれない

いや、きっとそうだ!

俺のシャムたんが、あんなに恐いわけがない!

 

 

 

 

「いきます!」

 

「よっしゃ、バッチこぉぉぉぉおおいぶごっふうううううぅぅぅぅぅぅうううう!!!!??」

 

 

 

 

“ズドムッ!!!!!”と凄まじい音をたて、愛紗の拳が俺の腹に吸い込まれていく

その威力で、意識がぶっ飛びそうになった

 

愛紗さん・・・よりにもよって、ボディーですか

しかも、手加減とかそういうの一切感じないのですが・・・

 

 

 

「ご、ご主人様!

いかがだったでしょうか!?」

 

「い、いかがだったって・・・ゲホッ、ゴホッ・・・普通に痛い、てか・・・ゴホ・・・なんで、そんな“やりきった顔”してんだよ」

 

「日頃の“様々な想い”を込めてみたのですが・・・」

 

「なんか、すいませんでした・・・」

 

 

“様々な想い”ってなんだよ

意識がぶっ飛びそうなほどに、何を溜めこんでるんだよ

いやたぶん、殆ど俺関係なんだろうけどさ

 

でも、これでわかったことがある

 

 

 

「夢じゃ、ない?」

 

 

恐る恐る呟き、見つめた先

相変わらずニコニコとしたまま、シャムは俺のことをみつめていた

 

 

「なに見てんだよ、このウジムシ」

 

「あ、すんません・・・」

 

 

目を逸らし、溜め息を一つ

参った・・・どうして、こうなったんだ?

考えるが、答えは出てこない

 

因みに、俺の隣では愛紗が驚きのあまり固まっていた

ですよねー、そういうリアクションになっちゃいますよねー

 

 

「仕方ない・・・みんなの力を借りよう」

 

 

そうだ、俺は一人じゃない

頼もしい仲間がいるじゃないか

そんなこんなで、俺は手が空いている者に声をかけるべくその場を後にしたのだった・・・

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「で、集まったのはこれだけか」

 

 

呟き、見つめる先

其処には、愛紗・蒲公英・鈴々・凪・朱里がいた

 

 

「おいおい、なんか随分とノリが悪いな

皆今日は忙しいのか?」

 

「ええ、とても忙しいですよ

“何処かの誰か”が、“政務にかこつけて性務をしていた”せいで溜まっている仕事がかなりあるのです」

 

「よ、よーし皆

こうして集まってもらったのには、ちょっと理由があってだな・・・」

 

 

ジト目で愛紗がこっちを見ているが、華麗にスルー

そして俺は話を進めていった

 

 

「シャムについてなんだが・・・」

 

「シャムがどうかしたの~?」

 

 

蒲公英の質問に、俺は頷く

それから彼女の肩を掴み、真っ直ぐに瞳を見つめた

 

 

 

 

「簡単に言うとな・・・“シャムが何処か遠くへ行ってしまったんだ”」

 

「ご主人様、まったくこれっぽっちも伝わってませんよ」

 

「うん、俺もそう思う」

 

 

気を取り直して、咳払いを一つ

 

 

「まぁ、聞けばわかると思うんだけどさ

なぁ、シャム?」

 

「ファックユー」

 

「ご覧の通りだ」

 

 

ちょっと泣きそうになりながら、皆に言う

かくいう皆はというと、一様に驚きを隠せないでいた

無理もない

あのシャムが、こんな感じになってしまったのだ

 

 

「い、いったい何があったのでしょうか?」

 

「朱里・・・それがわからないから、皆の力を借りようと思ったんだ

正直、俺じゃ手におえないよ」

 

「にゃ~、鈴々にもサッパリなのだ」

 

 

う~ん・・・みんな、わからないって顔をしてるなぁ

でも、こんなに集まったんだ

何かしら、解決の手段が見つかるかもしれない

まずは・・・

 

 

「まずは・・・“どうしてこうなったのか”ということから、考えていこう」

 

「どうしてこうなったのか、ですか?」

 

 

愛紗の言葉に、俺は頷いた

それから腕を組み、皆を見回してニッと笑う

 

 

「俺が見つけた時、シャムはもうあんな感じだったんだ

なら、俺と会う前に何かがあったってことだろ?」

 

「ふむ・・・そうなりますね」

 

「だろ?

皆、何か心当たりはないかな?」

 

 

俺の一言に、皆は一斉に考え込む

そんな中、考えがまとまったのか皆が次々に口を開いていく

 

 

 

 

「私は、心当たりはないかなぁ

強いて言うなら、“昨日私が仕掛けた深さ五メートルの落とし穴にシャムが頭から勢いよく落下していったことくらいかなぁ”」

 

「私も、心当たりはありませんね

ただ、強いてあげるなら・・・“昨日執務室から逃げ出したご主人様を探している時、勢いよく振り回していた青龍偃月刀が偶々近くにいたシャムの頭にぶち当たったくらいでしょうか”」

 

「はわわ、私も覚えはありません

ただ、多分関係ないとは思うのですが・・・“昨日買ったばかりの本を抱えて走っている時に、偶々通りかかったシャムさんの頭にその本の角の部分をぶつけてしまったくらいです”」

 

「にゃ~、鈴々もわからないのだ

でも、そういえば昨日・・・“翠と一緒に鍛錬をしていた時、偶々近くにいたシャムの頭に蛇矛が思い切りぶち当たっちゃったのだ”」

 

「私にも、皆目見当がつきません

強いてあげるなら、昨日・・・“氣弾で城壁を壊す修行をしていた時、その破片が偶々通りかかったシャム殿の頭にクリティカルヒットしたことくらいでしょうか”」

 

「おい、ちょっと待てコラ

ちょっと心当たりがあるなんてもんじゃねーぞ

もう、“誰が犯人でもおかしくないレベルじゃねーか”

全弾、頭にクリティカルヒットしてるじゃねーか」

 

 

 

そして、シャム頑丈だなオイ

よくそんなダメージを受けて、無傷でいられるな

いや、色んな意味で大変なことにはなってるけど

 

 

 

「ていうか、何だお前ら?

シャムになんか恨みでもあるのか?」

 

「ち、違います!

その、本当に偶々シャムが通りかかっただけなんです!

なぁ、シャムよ!」

 

「黙れ、陥没●首」

 

「なっ、だだだだだ誰が陥没だごるああぁぁぁあああああ!!!!」

 

「ばっ、落ち着け愛紗!

愛紗が陥没じゃないことは俺が一番わかってるから!!」

 

 

ていうか、それどんな悪口だよ

そして、なんで笑顔なんだよシャムたん

 

 

「でも、本当におかしいって

こんなの、私の知ってるシャムじゃないよ」

 

 

言って、戸惑いを隠せないのは蒲公英だった

うん、彼女の言うとおりだ

絶対におかしい

 

 

「いったい、何があったんだよ・・・シャム」

 

「黙れ、カス」

 

「さーせん・・・」

 

 

ていうかね、これ以上はもう俺の精神がもたないよ

なんだよ・・・これじゃまるで、何か悪い病気にでもかかったみたいじゃないか・・・

 

 

「まてよ・・・」

 

 

“悪い病気”?

そうだ・・・“アイツ”がいたじゃないか!

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「・・・というわけで、頼んだ華佗」

 

「いや、頼んだって言われても・・・“昼食中にいきなり首根っこ掴まれて引き摺り回されてきたばかりで何も説明を受けてないのだが”」

 

 

俺の目の前にいるのは、赤髪の青年

この大陸一の名医にして、俺の親友の華佗である

彼に来てもらったのは他でもない・・・シャムのことを診てもらう為である

もしかしたら、何か未知の病のせいでこうなったのかもしれない

そう思ったからだ

大体この世界は“飲んだらエクスカリバーがこんにちわする蜂蜜”や“ある日突然猫耳に尻尾が生えてくる”なんて出来事があるようなところだ

そんな病気があっても、何ら不思議ではない

 

 

 

「で、どんな症状が出ているんだ?」

 

「ああ、それは・・・シャム」

 

「もげろ、カス」

 

「まぁ、こんな感じだ」

 

「なるほどな・・・」

 

 

泣きそうになりながらの俺の言葉に、華佗は腕を組み考え込む

それから、難しそうな表情を浮かべながら溜め息を吐きだした

 

 

「これは、俺の知る病の中ではない症状だな

少々、時間をかけて診察してみよう」

 

「頼んだ、華佗」

 

 

“任せろ”と、笑みを浮かべる華佗

ここに貂蝉たちがいたら絶対に“ウホッ、イイ男♪”と悶えていたに違いない

そんな俺の考えていることなどつゆ知らず、華佗はシャムの前にしゃがみ込みニッコリと微笑んだ

 

 

 

「さて、早速診察を始めるぞ?」

 

「・・・さい」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

「“童貞臭がプンプン臭ってきて、クサいっつったんだカス”」

 

 

 

 

 

 

ーーーー間ーーーー

 

 

 

 

 

 

「え、あ・・・・・・・・・ご、ごめんなさい」

 

 

((((((謝ったぁぁぁあああ!!!??))))))

 

 

しかも、ちょっと泣いている

お、恐るべしシャム

何だ、この“シャム無双”は?

 

 

「と、とりあえず・・・ぐすっ・・・ちょっと、病をみて、えぐっ・・・」

 

 

そして華佗はというと、ちょっとどころかもうマジ泣きだった

それでも、診察を続ける彼はまさに医者の中の医者だと思うんだ

まぁ・・・その間も、ずっと、シャムに散々言われてたわけだが

 

そんなこんなで、診察結果・・・

 

 

 

 

「診たところ、病らしきものは見当たらなかったな」

 

「そっか・・・ありがとな、華佗」

 

「いや、こちらこそ力になれなくてすまない」

 

 

そう言って笑う華佗の目は真っ赤に充血していた

こっちこそゴメン華佗

まさか、シャムがあそこまで情け容赦ないことを言うとは思わなかったんだ

この短時間で、何回“童貞”という単語が飛び出したかわからない

ていうか、華佗・・・密かに、気にしてたのか?

 

 

・・・今度、一緒に酒を飲もう

 

 

 

 

「しかし、病でないとすると・・・いったい、何なんでしょね」

 

「いや、もう普通に愛紗たちのせいd・・・」

 

「そ、そうだ!!

ちょっと、“あの人”に相談してみよう!」

 

「そ、そうなのだっ!」

 

 

誤魔化しとる

何時の間にか、凄い連携で必至に誤魔化そうとしてる

ていうか・・・

 

 

「“あの人”?」

 

 

俺の言葉

凪は自信満々といった表情を浮かべる

 

 

「“完璧超人”とまで言われる、あのお方のことです」

 

「あぁ、なるほど・・・」

 

 

“彼女”のことかぁ・・・

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「というわけで・・・頼んだ、“華琳”」

 

「いえ、頼んだって貴方・・・貴方にはこの私の目の前にある、“机が埋まるほどの書簡が見えないのかしら”?」

 

 

魏の屋敷

その中にある魏王曹孟徳こと華琳の部屋の中、彼女は天高く積まれた書簡を見つめ溜め息を吐き出していた

 

 

 

「あ~、なんていうか・・・珍しいな

あの華琳が、こんなに仕事を溜めこむなんて」

 

「ええ、そうね

“どこかの誰かさんが政務の最中にも関わらず、人を性務へと巻き込むから大変よ”

それで“私よりも先に桂花を孕ますんだから、尚更手に負えないわ”」

 

「ご、ごめんなさい・・・」

 

 

なんていうか、容赦なかった

そして密かに気にしてたんか華琳・・・

 

 

「でも、そんな容赦のない華琳だからこそ・・・ひとつ、頼みたいことがあるんだ」

 

「いったい何を頼みたいのよ?」

 

 

 

 

「“俺のシャムたんが、何処か遠くへと行ってしまったんだ”」

 

「ご主人様

ですから、それでは伝わってませんから」

 

「ああ、そっか

まぁ簡単に言うと・・・シャム」

 

「ググれ、カス」

 

「この通りさ」

 

「なるほどね・・・」

 

 

腕を組み、深く考え込む華琳

ていうか、今のでわかったんか?

“ググれ”とか言われて、本当に伝わったんか?

 

 

「私は“Yahoo派”なのだけれど・・・ひとまず、幾つか質問をしていくわ」

 

「ごめん、ちょっと待って

むしろ、俺が聞きたいんだけd・・・」

 

「まずは、そうね・・・こうなった原因に、本当に心当たりはないの?」

 

 

スルーされた・・・いや、まぁいいんだけどさ

それよりも、心当たりねぇ

 

 

 

「う~ん・・・“愛紗たちが皆してシャムのことをボッコボコにしたことくらいかなぁ”」

 

「・・・ねぇ、普通にそれが原因じゃないの?」

 

「はわわ!?

ち、違いましゅよ!!

というか、それじゃまるで私たちがシャムちゃんを虐めたみたいに聞こえましゅよ!?」

 

「そうですよ隊長!

私たちは、絶対に関係ありません!」

 

 

俺もそう思うんだけどなぁ

見事にコンボまで決めてるしな

凪なんて、破片ぶつけてるし

 

 

「まぁ、それ以外の可能性を考えてみましょう

最終的に他になかったら、彼女達のせいにしてしまえばいいわ」

 

「さすが華琳、容赦ないな」

 

 

“まあね”と、笑顔で一言

そのまま、華琳はシャムの前にしゃがみ込む

 

 

「ねぇ、シャム

ちょっと聞いてもいいかしら?」

 

「・・・な」

 

「・・・え?」

 

 

ボソリと、何かを呟くシャム

あ、あれ?

何だろ、物凄く嫌な予感・・・

 

 

 

 

 

 

「近寄るな、ペチャパイがうつるだろーが」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

ーーーー間ーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ一刀・・・治し方がわかったわよ」

 

「へ、へぇ~、いいいいったいどんな方法なのかなぁ?」

 

 

ひ、ひぇえ~

嫌な予感しないよ華琳さん

絶を手に持った時点で、もうアウトだよ

 

 

 

 

「いっそのこと首を刎ねてしまえば解決すると思わない?」

 

「全軍、撤退!!!!!!」

 

「「「「「応っ!!!!!!」」」」」

 

「っ、待てごるあぁぁっぁああああ!!!!!」

 

「ひぃいいい!!!??

きたあああぁぁぁぁあああああああ!!!??」

 

 

 

 

そんなことんなで、俺たちは一斉に魏の屋敷から飛び出していったのだ・・・

 

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「け、結局何もわからなかったな・・・」

 

「は、はい・・・そうでしゅね」

 

 

蜀の屋敷にある中庭に皆で座り込み、とりあえず乱れた息を整える

さすがに魏の屋敷からの猛ダッシュはキツかった

背中に覇王の怒りを背負いながらじゃ尚更だ

 

 

「ふぇ~、蒲公英もう疲れたぁ~」

 

「鈴々もなのだ・・・」

 

「う~ん、疲れたって言われても

まだシャムが・・・」

 

「ジーザス」

 

「・・・こんな感じだし」

 

 

もう、段々とわけがわからなくなってきてるしな

最初はただの悪口だったのに、何かいつの間にか変な英語を使い始めてきてるし

むしろ、こっちがジーザスだよ

 

 

「・・・ん?」

 

 

てか、ちょっと待てよ

なんだ、この“既視感”

シャムの言う悪口や罵声が・・・なんか、何処かで聴いたことがあったような気がするんだ

 

いったい、どこで・・・

 

 

 

 

 

「アンタら・・・何してるのよ?」

 

「んお?」

 

 

そんな俺たちに、ふとかけられた声

目を向ければそこには、幾つかの書簡を抱えたまま立っている桂花の姿があった

 

 

「桂花・・・ちょっと、色々とあってさ」

 

「色々?

どうせまた、馬鹿なことでしょ?」

 

 

シャムたんの一大事だぞ?

まったく、失礼な奴だ

 

 

「失礼な

本当に大変なことが・・・って、ちょっと待て桂花

お前、なんでここにいるんだよ?」

 

「少し、桃香に用事があったのよ

ちょっと、仕事のことでね」

 

「いや、それくらい他の奴らに任せろよ・・・っと」

 

「きゃっ!?」

 

 

桂花を抱きかかえ、俺は歩き出す

突然のことに驚く桂花だが、すぐにおとなしくなった

まったく、なんでこんなとこにいるんだよ

確か桂花は、部屋で安静にしてるよう言われたのに

 

 

 

「桂花のお腹の中には、俺たちの子供がいるんだから

安静にしてないと、な?」

 

「わ、わかったわよ」

 

 

 

さっき華琳にも言われた通り、桂花のお腹には新たな命が宿っていた

勿論、俺と桂花の子だ

そんな俺たちの姿を、いつの間にか皆が羨ましそうな目で見つめていた

その中に・・・

 

 

 

「ジ~・・・」

 

「シャム?」

 

 

シャムの視線もあったのだ

ただ、さっきまでとは様子が違う

さっきまでなら目が合えばすぐに、素晴らしい罵声が飛び出したのに

今は何も言わずに俺を・・・いや、“桂花”のことを見つめていた

 

 

「・・・羨ましい」

 

「・・・え?」

 

 

ボソリと、何か聞こえた

それが一体なんだったのかわからないままに、彼女はその場から走り出す

 

 

「お、おいシャム!?」

 

 

慌てて声をかけると、彼女はピタリと足を止める

それから眩しいほどの笑顔を浮かべ、こう言ったのだ

 

 

「いつか・・・シャムも、にぃの・・・子供が、欲しいな」

 

「ぁ・・・」

 

 

そう言葉を残して、走っていくシャム

そこで、俺は気づいたのだ

あの、既視感の正体に

 

それは・・・

 

 

「桂花、だったのか」

 

「なによ、どうかしたの?」

 

「いや・・・なんでもないよ」

 

 

桂花だったんだ

 

彼女はきっと、桂花の真似をしていたんだと思う

彼女と同じように・・・“新しい命”が欲しくて

彼女なりに、俺のことを誘っていたのだろう

それがわかってしまえば、あの罵声も全て心地の良いものに聞こえてしまう

 

 

 

「ったく・・・鈍感だな、俺」

 

「なによ、いまさら気づいたの?」

 

「ああ、まぁね」

 

 

まったく、そのことに気付けないなんて

 

俺もまだまだだなぁ・・・

 

 

 

「そうだな、シャム・・・」

 

 

 

いつか、そう遠くない未来

2人でつくろうか

 

2人の・・・“愛の結晶”を、さ

 

 

 

 

 

 

 

 

≪俺の知ってる、シャムと違う≫

 

 

~副題~

≪シャムのツンデレ!?大作戦≫

 

 

  これにて、閉†幕

 

 

 

 

 

 

余談だが・・・

 

 

 

「シャムは何処かしら?」

 

「し、知らないなぁ・・・あ、あはは」

 

「そう・・・それは残念だわ

少し、“お話をしようと思っていたのだけれど”」

 

「そのお話に、絶をどう使うのでしょうか華琳さん」

 

 

あれから数日の間ずっと、絶を片手にシャムの姿を探し回る“荒ぶる覇王”の姿が目撃されることになるのだが

まぁ、それはまた別のお話

 

 

 

「待ってなさいよ、シャム

楽しい楽しいお話を、一緒にしましょうね・・・ふふふふふふふふふふふ」

 

「か、華琳が乱心したぞ!!!!

誰か、誰かきてくれぇぇぇぇえええええ!!!!!」

 

 

 

 

 

ああ・・・今日も都は賑やかだ

 

 

 

 

 

 

閉†幕

 

 

 

★あとがき★

 

リクエスト作品、投稿します

 

今回はakiecoさんのリクエスト

 

ヒロイン●シャム

作品傾向●こんなの絶対おかしいよ

 

以上の作品をお送りいたしましたw

 

選んだ理由としては、“まさか、これは選ばれないだろう”っていう雰囲気がしてたからですwwww

サーセンww

 

因みに、“こんなの絶対おかしいよ”についてですが・・・

カオスな度合で言えば

 

●こんなの絶対おかしいよ>コイツ、死んでるじゃねーか>カオス>>>越えられない壁>>>シリアス

 

という順序ですww

カオスの時ですらかけている“リミッター”を解除しています(ぇ

そして生まれた作品

うん、こんなの絶対おかしいよ!!

 

自重は、どうやら売り切れていたようですw

 

さて、リクエストはあと一本

それでは、またお会いしましょうw

 

 


 
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