No.224293

恋姫外史・あるところに一刀第33と2/4話

アキナスさん

あの人達が再び・・・

一刀危うし!?

2011-06-23 12:38:46 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10513   閲覧ユーザー数:7862

「さて・・・どうすっかな~~~」

 

一刀は城内をフラフラしていた。

 

ちなみに恋も一緒だ。

 

彼等はここでは仕事が無いので大体暇なのだ。

 

そんな中

 

「お?」

 

一刀は向こうから歩いてくる人間を見つけ声を上げた。

 

「お~い。亜莎~~」

 

「・・・?」

 

亜莎は一刀の方に歩いてきて

 

「ジーーー・・・」

 

眼を細めて一刀の顔を見た。

 

そして

 

「か、一刀様でしたか!?」

 

バッと後ろに下がる亜莎

 

「・・・眼鏡かけてるのにそこまで近づかないと分かんないのか?」

 

一刀は疑問の声を上げる。

 

「す、すみません!眼鏡の度が合っていないもので・・・」

 

「だったら合ってるのに変えればいいだろ?」

 

「え、ええと・・・」

 

亜莎が顔を長い袖で隠し、言いづらそうに

 

「私、人の顔を正面から見るのが苦手で・・・」

 

と言った。

 

「・・・よくそれで戦場に出れるよな」

 

「そ、それはあまり見えなくても何とかなります。気配が読めれば・・・」

 

何故そんな難易度の高い事が出来るのにただ人を見るだけの事が出来ないのか・・・

 

と一刀は少し思ったが、それも個性だな・・・とあえて突っ込まなかった。

 

「これから街に出ようと思うんだけど、一緒に行かないか?」

 

「・・・申し訳ありませんが、これから穏様と勉強会が・・・」

 

本当に申し訳なさそうに頭を下げる亜莎。

 

「いや、そっちの方が大事なんだから謝る必要ないって」

 

「本当に申し訳ありません・・・それでは」

 

と亜莎が一刀達の横を通り過ぎようとした時

 

「・・・あ」

 

亜莎が急にふらついた。

 

「おっと!」

 

それを一刀が抱きとめる。

 

「どうしたよ?」

 

「す、すみません。急に目の前が白くなって・・・足も重く・・・」

 

謝りながらそう言う亜莎。

 

「そりゃ大変だ!恋!周瑜に知らせに行ってくれ!俺はこいつを部屋まで送り届ける」

 

「・・・コクッ」

 

恋はすぐさま駆け出す。

 

そして一刀は

 

「よっと!」

 

「ヒャア!?」

 

亜莎をお姫様抱っこの形に抱えた。

 

「か、一刀様!?自分で歩けますから!!」

 

「いいからつかまってろ!!」

 

そう言って一刀は亜莎の部屋目指して走り出した。

 

「か、一刀様~~~~~・・・・」

 

亜莎の叫びが廊下にコダマした・・・

 

そして周瑜の指示で医者が呼ばれた。

 

たまたま近くに来ていた大陸でも指折りの名医

 

ゴットヴェイドーの継承者

 

華佗である。

 

そして・・・

 

「御主人様~~!会いたかったわ~~ン!!」

 

華佗にくっついていた筋肉隆々の紐パンの漢、貂蝉が亜莎の部屋にいた一刀をみるやいなや抱きつこうと突っ込んできた。

 

「悪魔封殺滅却拳!!」

 

一刀は昇竜拳にも似た技でそれを迎撃した。

 

貂蝉のアゴに拳が決まる。

 

「ひ、酷いわ!折角出会えたのにン!!」

 

しかし貂蝉は倒れなかった。

 

「俺はお前なんて知らん!!寄るな触るな近づくな!!」

 

一刀は恋の背後に隠れる。

 

「貂蝉よ、この少年がお主の言っていた・・・」

 

「そうよん♪私のご主人様・・・」

 

「知らん!俺は何も知らんぞ~~!!」

 

「・・・?」

 

一刀は珍しく慌てふためきながら、恋の背後でそう叫ぶ。

 

「すまんが静かにしてくれ。診察中だ」

 

・・・・・・・・・

 

「スマン」

 

「ゴメンナサイね?華佗ちゃん」

 

華佗の言葉で場は収まった。

 

そして華佗の診察の結果は・・・

 

 

「糖度欠損症?」

 

一刀の言葉に華佗は頷く。

 

「ああそうだ。考え事を控えろ・・・とは仕事上無理かもしれないが、定期的に糖分を摂取する事だな」

 

「・・・そういえば私、あまり甘い物とか食べてませんでした・・・」

 

亜莎は納得したように頷いた。

 

「甘いもので好きな物は無いのか?」

 

「は、はい。特には・・・」

 

華佗の言葉に亜莎は首を縦に振る。

 

「ふむ・・・どうしたものか」

 

すぐ側で周瑜が言う。

 

「うわ!周瑜いたの!?」

 

今気付いたといわんばかりに一刀は驚く。

 

「・・・最初からいたのだが」

 

どうも気に障ったようだ・・・無理もないが

 

それはともかく、亜莎の件について皆が頭を悩ませる中

 

「・・・そうだ!」

 

一刀がポンと手を叩いて言った。

 

「恋、ちょっと買い物に行ってきて貰いたいんだけど・・・」

 

「・・・買い物?」

 

「ああ、あのな・・・」

 

と一刀が恋の耳元でボソボソと呟く。

 

「あらん?買い物なら私が行ってきてあげるわよん?」

 

「・・・あんたに借り作ると高くつきそうだ、遠慮しとく」

 

とお断りして、恋に買い物の内容を伝えた。

 

「・・・分かった」

 

そして一刀からお金を受け取り、恋は部屋を出て行った。

 

「・・・あ。そういえば」

 

一刀がふと思い出したように言った。

 

「周瑜、ついでだからアンタも見てもらったらどうだ?」

 

「む?私は特になんともないが?」

 

「いいから見てもらえって・・・いいよな?華佗?」

 

半ば強引に周瑜を押し出す一刀

 

一刀の問いに華佗は

 

「もちろんだ」

 

と了解する。

 

周瑜はやれやれと言った感じで観念したように椅子に座り診察を受ける。

 

そして診察の途中

 

「・・・これは」

 

華佗の顔色が変わった。

 

「どうかしたのか?」

 

周瑜は疑問の声を上げる。

 

「ああ、少し厄介な病魔が巣食っているようだ」

 

華佗が真剣な顔でそう言った。

 

「・・・治るのか?」

 

一刀は華佗に問いかける。

 

「ああ、幸いまだ初期の段階だ。末期だったら手の施しようもなかっただろうが、今なら十分間に合う」

 

華佗の言葉に一刀は安堵した。

 

(あっちの知識もたまには役に立つな・・・)

 

ふと周瑜の死に方を思い出し診察をすすめた一刀

 

うろ覚えであったが、今回は歴史の本に感謝した。

 

そして華佗は鍼を取り出し

 

「我が身我が鍼と一つとなり!一心同体全力全快!必殺必治癒!病魔覆滅!元気になぁ~れ~~~!!」

 

華佗が周瑜に鍼を刺した瞬間部屋に光が満ちて・・・

 

「・・・病魔、退散・・・」

 

光が収まった時華佗はそう呟いた・・・

 

 

「後はこの薬を一日一回飲めば、もう大丈夫だろう」

 

華佗は周瑜に粉薬を一週間分渡す。

 

「すまない、華佗」

 

周瑜は華佗に礼を言い、そして一刀の方を向く。

 

「・・・どうやらお前に借りが出来てしまったようだな」

 

「偶然だ。気にするこたあねえよ」

 

「そうもいかんさ。命の恩人だからな」

 

「・・・それは華佗だろ」

 

などと言う一刀だったが

 

「いや、お前が診察を進めなかったら深刻な事態になっていたかも知れない。十分命の恩人さ」

 

「ん~・・・そういう堅苦しいのは御免なんだが・・・」

 

ポリポリ頬を掻きながら言う一刀

 

「あら?照れてるの?ご主人様」

 

「誰がだ!っていうかご主人様はやめろ!!」

 

「それは出来ないわ。例え貴方が私を知らなくてもご主人様は永遠に私のご主人様なんだから♪」

 

身体をくねらせて言う貂蝉

 

「訳分からんわ!」

 

そんなやりとりを

 

「・・・フフッ」

 

笑みを漏らして見つめる周瑜であった・・・

 

 

場は落ち着いて

 

「・・・それにしても凄い治し方だな」

 

一刀は呆れたように言った。

 

「これがゴットヴェイドーだ」

 

しかし気にした様子もなくそう返す華佗。

 

「ご・・・ごっとべいど?」

 

周瑜が発音がわからずそう言った。

 

「違う!ゴットヴェイドーだ!!」

 

華佗はダメだしをする。

 

「ゴットヴェイドーだろ?」

 

「そう!それだ!!」

 

一刀の発音にはOKを出す華佗

 

そんな中

 

「・・・買ってきた」

 

扉を開けて恋が荷物を抱えて帰ってきた。

 

「お疲れ、全部買って来てくれたか?」

 

「・・・コクッ」

 

首を縦に振る恋

 

「おし!じゃあ皆ちょっと待っててくれ」

 

そう言うと一刀は恋から荷物を受け取り、部屋を出て行こうとする。

 

「あら?何をするのかしらん?手伝うわよん?」

 

貂蝉がまたしゃしゃり出てくる

 

「・・・だから借りは」

 

「そんなの無し。私の愛は尽くす愛なのよん♪」

 

パチンとウインクする貂蝉

 

「・・・ハァ。じゃあついて来いや」

 

説得を諦めた一刀は、貂蝉を連れて部屋を出て行った。

 

「・・・何をするんでしょうか?」

 

「さてな・・・」

 

亜莎と周瑜は首を傾げた。

 

そしてどのくらい経ったか

 

「お待たせ~~」

 

一刀が扉を開けて入ってきた。

 

そしてその後ろでは貂蝉がゴマ団子が山のように積み上げられた皿を抱えていた。

 

「・・・それは、ゴマ団子か?」

 

周瑜の言葉に一刀は頷く。

 

「おう!前に魏の料理人に作り方教わってな。作ってみた」

 

無論、流琉の事である。

 

そして一刀は貂蝉の持つ皿から一番上に載っていたゴマ団子を取ると、亜莎に手渡した。

 

「ほれ、熱いうちに食べてみてくれ」

 

「は、はい・・・」

 

まじまじとゴマ団子を見つめる亜莎

 

そして

 

「アムッ!・・・モグモグ・・・」

 

かぶりついた。そして

 

「お・・・美味しいです~~」

 

幸せそうに顔をとろけさせそう言う亜莎

 

「そうかそうか。で、これは定期的に食べられそうか?」

 

一刀の問いに亜莎は

 

「毎日でも良いくらいです!!」

 

そう即答した。

 

「そ、そうか・・・」

 

まさかそこまで気に入ってもらえるとは思っていなかったのか、ちょっと後ずさる一刀

 

「見ての通り沢山作ったから、みんなも食ってくれ」

 

そして貂蝉は机に皿を置く。

 

「せっかくだから貰おうか」

 

「では一つ」

 

「もらおうかのう」

 

「・・・ハグハグ」

 

そんなこんなでゴマ団子パーティーが始まった。

 

そして

 

「恋は食いすぎ!亜莎の分が無くなるだろうが!?」

 

「・・・・・・・シュン」

 

一刀に注意される恋の姿があった・・・

 

 

パーティーも終わり、華佗達は帰っていった。

 

「良いのか?貂蝉よ。探し人に出会えたと言うのに」

 

卑弥呼の問いに貂蝉はこう答えた。

 

「ええ、この外史のご主人様は大分変わっちゃってたけど、とても魅力的だったわん。でも私はまだまだそれに見合う漢女になれていない。もしも私が自分の殻を破って、ご主人様に見合う漢女になれた時は・・・」

 

貂蝉は城の方を振り向いて

 

「逃がさないわよ?ご主人様♪」

 

投げキッスと共に貂蝉はそう言ったのだった・・・

 

 

 

そして同じ頃

 

「ゾクッ!」

 

「どうした?北郷」

 

「い、いや・・・何か寒気が・・・」

 

「風邪か?お前も見てもらった方が良かったのではないか?」

 

冥琳(あの後真名を貰った)が心配してそう言うが

 

「いや、そういうのじゃなくて・・・誰か俺を殺す算段でも立ててるんじゃねえかな・・・」

 

一刀は原因不明の悪寒に襲われていたのだった・・・

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

その翌日

 

一刀が街を歩いていると

 

「お?亜莎じゃねえか」

 

亜莎があるお店の前に居た。

 

そして

 

「ゴマ団子三十個ください!」

 

と店主に頼んでいた。

 

「・・・・・・」

 

その光景を見て一刀は思った。

 

 

 

 

俺は

 

 

 

 

取り返しのつかないことを

 

 

 

 

してしまったのではないか・・・と

 

 

 

 

 

どうも、アキナスです。

 

おまけ第二弾

 

あの人達はほんとキャラ濃いですね

 

書いてて楽しいけど、ちょっと難しいです。

 

また出てくるんだろうなあ・・・・・・

 

それでは次回に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴルディオン!ハンマーーー!!光になぁれーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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