No.219757

恋姫外史・あるところに一刀第10話

アキナスさん

ついに来た反董卓連合軍

一刀達はどう戦うのか!?

2011-05-31 03:26:36 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:11008   閲覧ユーザー数:8283

汜水関

 

それは虎牢関と並ぶ防衛の要所である

 

その上から敵の軍勢を見下ろす一刀達

 

「お~、ぎょーさんおるわ」

 

「・・・基本は篭城戦になるな、こりゃ」

 

「せやな」

 

一刀の言葉に頷く霞。

 

「甘い!私が出て打ち砕「「却下」」うう・・・・」

 

華雄はすみっこの方にいって体育座りの姿勢でいじけた・・・・

 

 

 

 

 

 

そんな中、敵軍の中から出てきた影が2つ

 

黒髪の美しい女性と、ショートヘアのちびっ子が出てきた。

 

「なんや?」

 

「さぁ?」

 

一刀と霞は顔を見合わせる

 

そして・・・・・・・

 

「我は劉備玄徳が家臣、関雲長!華雄よ!そのような所に閉じこもっていないで出て来い!それとも我らが怖くて出て来れぬか?この臆病者め!」

 

「やーい!いくじなしーー」

 

分かりやすい挑発である

 

自分達の被害を抑えたいがために汜水関から打って出させようと言う策、いや、策というにはあまりに幼稚なものであった・・・しかし

 

「おのれ!あやつら生かしておかん!!」

 

華雄には効果バツグンだ!

 

先程までいじけていた華雄は怒りの表情を浮かべ、出て行こうとする

 

「ちょ!落ち着かんかい華雄!」

 

後ろからガシッ!と華雄を羽交い絞めにする霞

 

しかし挑発は続けられ

 

「ウガー!放せ霞!私は出る!」

 

「アホ!出たら負けるで!落ち着かんかい!!」

 

「そうだぞ~、落ち着け華雄~」

 

「一刀も手伝えや!!」

 

「いや、オレ、力で華雄押さえる自信ないし、女性を無理やり押さえつけるのはどうかと・・・」

 

「んなこと言うとる場合かい!!」

 

そんな騒動が汜水関で繰り広げられている中また1人、連合軍の中から女性が出てきた。

 

褐色の肌に薄い赤と言った感じの髪の色の女性

 

「あれは・・・・・」

 

「知っているのか!華雄!」

 

一刀が羽交い絞めにされたままの華雄に聞く

 

「おそらく、孫呉の・・・・」

 

華雄が言い終わる前に先程の2人の所まで来た女性は

 

「我は江東の虎!孫堅が娘、孫策!華雄よ!早く出てくるがいい!そうすれば母孫堅がお前にやったようにおまえに敗北を贈ってやろう!それとも臆したか?お前の武が泣いているぞ!」

 

・・・・・・・・

 

「へー、あれが関羽に孫策か・・・あのちびっ子は誰だろう?」

 

などと一刀はのんきに言っていたが

 

「やはり孫家の!ええい放せ!もう我慢の限界だ~~!!」

 

「くうっ!」

 

霞ももう押さえるのが限界のようだ

 

「はぁ・・・」

 

ため息をつくと、一刀は華雄達に近づいて行った・・・・・

「何だ一刀!私は・・・・」

 

パァン!

 

一刀は華雄の頬を思い切り叩いた。

 

「「・・・・・・・・」」

 

少し呆然とする華雄と霞

 

がすぐに・・・

 

「貴様!何のマネだ!!」

 

憤怒の形相で食って掛かってくる華雄

 

霞が押さえていなければ血の雨が降っただろう

 

そして、少し後ろに下がって一刀は息を大きく吸って・・・

 

「君のかな~しみ~は~君だけの~もの~か~」

 

歌を歌い始めた。

 

「君の背負う孤独~は~君の命限り~か」

 

一刀は歌い続ける

 

(・・・何だろう、この歌は。心が安らぐ・・・)

 

(・・・不思議や、つい聞き入ってまう)

 

その歌は華雄達だけでなく、血気にはやっていた華雄の部下達、そしてそれにつられていた兵士達までも聞き入り、心を落ち着けていった・・・・

 

 

 

「虹の~、色を~、越~えて~ひか~りな~げ~よう~・・・・・」

 

歌が終わる

 

その場は静寂に包まれていた

 

「・・・なあ、華雄」

 

一刀は華雄に話しかける

 

「・・・何だ?」

 

華雄はさっきからは考えられないほど落ち着いていた。

 

「自分の武を馬鹿にされるのは耐え難いことだよな」

 

「ああ、私にはそれが全てだ」

 

「・・・じゃあ、自分の武をけなされる事と、打って出てここを突破されて、主である月を危険にすること、どっちを選ぶんだ?」

 

「!!」

 

華雄はハッとしたように顔を上げた。

 

「答えろ!華雄!!」

 

一刀の問いかけに華雄は・・・・

 

「・・・主人を守ることが、武人の務めだったな・・・」

 

そう言って華雄は

 

「もう大丈夫だ、放せ霞」

 

「オ、オウ・・・」

 

華雄を放す霞

 

「・・・ここを死守する」

 

「当然や!」

 

「だな・・・」

 

華雄の言葉にほっとする一刀と霞。

 

「・・・そうだ、華雄」

 

「何だ?」

 

「さっき叩いちまっただろ?俺にも一発やっちまっていいぞ」

 

一刀がそんな事を言い出した・・・・

「いや、あれは私が悪かったのだから」

 

そう華雄は言うが、

 

「女の顔を腫らせちまったんだ、いいからやれよ」

 

一刀は引かなかった。

 

「しかし・・・」

 

「本人が望んでるんやから、やったればエエヤン」

 

「・・・それで気が済むのか?」

 

「オウ」

 

「・・・分かった」

 

そして華雄は一刀に近づき

 

「歯を食いしばれ」

 

「オウ」

 

「目をつぶれ」

 

「オウ」

 

グッと歯を食いしばり、目をつぶる一刀

 

言ったは良いが、華雄の一撃が来ると思うと少し後悔してくる一刀

 

「・・・行くぞ!」

 

ギュッと目をつぶる一刀

 

「・・・ん・・」

 

来たのは殴られる感触では無く、唇に伝わる暖かい感触

 

一刀はパッと目を開けた。

 

そこにあったのは真近にあった華雄の顔

 

つまり・・・・

 

「・・・・・」

 

何秒経っただろう

 

さっと離れる華雄

 

周りはあまりのことに目を丸くしていた。

 

一刀は

 

「お、オレのファーストキスが・・・・」

 

突然のことにショックを受けていた。

 

YOUはショック!である。

 

「・・・これで帳消しだ」

 

華雄の方は顔を赤くしながらもシャキッとしている

 

何かをやり遂げた顔だ。

 

「や、やるやん・・・」

 

霞は感心していた。

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

「さて、気を取りなおして・・・」

 

ようやく復活した一刀が言い出した。

 

「華雄、あのうるさい奴らにガツン!と言ってやってくれや」

 

「任せておけ!」

 

そう言って、今だ挑発を続けている孫策達に華雄は関の上から言った。

 

「貴様達のような小物の挑発に乗るほど、この華雄は馬鹿ではない!文句があるのなら自力で、この汜水関を落としてみるがいい!まあこんな小賢しいことをする小物共には無理な相談だろうがな!はーっはっはっは!!」

 

さっきまでの自分を棚に上げて、むしろ清々しい台詞であった・・・・・・

 

 

 

 

 

「・・・作戦失敗か」

 

関羽は悔しげに顔を歪ませる

 

「おかしいわね?私の知ってる華雄なら絶対出てくると思ったんだけど・・・」

 

孫策は首を傾げる

 

「ううーー、どうするのだ?愛紗?」

 

ちびっ子、つまり張飛は関羽に訊ねる

 

「どうもこうもない、作戦の立て直しだ」

 

「そうね、私も戻るわ」

 

「ええ、それでは・・・」

 

そして三人は自分の軍へと戻っていった・・・・・

 

 

 

 

 

 

「よう言うわ、さっきまでの事を棚に上げて」

 

「フン!忘れたな?そんな昔のことは・・・・」

 

「いや、忘れんなよ!?教訓にしてくれないとこっちが困るんだからよお!」

 

華雄の台詞につい突っ込みを入れる一刀

 

「む・・・それもそうか」

 

「頼むぜ、マジに・・・・」

 

「うむ、了解した」

 

「おーし、それじゃあ詠の作戦通りしっかり守るでー!」

 

「「「「おおおおおおおお!!!」」」」

 

兵士達が雄たけびを上げる

 

そして、汜水関での篭城戦が始まるのだった・・・・・

 

 

 

 

 

 

どうも、アキナスです

 

ついに2桁の話数になりました。

 

みなさまの応援もあり、モチベーションも下がる事を知りません!

 

ちなみに今回の歌は銀河英雄伝説です。

 

それでは、次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラァイジング~、ブラストーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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