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新・外史伝『希望』編 第19話『連合軍集結』

皆さま、一か月以上も更新できず申し訳ありません。お待たせいたしました!新・外史伝『希望』編 第19話『連合軍集結』をお送りいたします。今回は単調なお話です。戦闘描写とかはもうちょっと待ってて下さいそれでは、ごゆっくりどうぞ!

2011-05-30 23:54:34 投稿 / 全15ページ    総閲覧数:3686   閲覧ユーザー数:2922

 

 

 

新・外史伝『希望』編 第19話『連合軍集結』

 

 

 

 

董卓とその部下たち

 

および、帝は一刀により救出され、彼女の、董卓の真名を授かった

 

今回の事件の主犯格である張譲の亡骸は、洛陽のとある裏路地から発見された

 

近くに呂尚の姿は無く、左慈の部下である仙人たちを総動員したが、結局呂尚は見つからなかった

 

そんな折、ついに反董卓連合軍が死水間の近くまで集結しているとの情報が入ってきた

 

一刀は董卓の屋敷のある客間にいた

 

椅子に腰掛け、両脇には左慈と干吉が立つ

 

彼らの目の前には白い導着を纏った初老の男が膝待ついていた

 

「わかった。俺もそちらに対応する策を皆と練る。

 

ご苦労でした。」

 

「ありがたきお言葉!」

 

男は一刀の言葉を聞き、頭を勢いよく下げた

 

左慈はそんな彼に話しかけた

 

「それで、なんで発見にそうも時間がかかった。

 

敵はアレだけの大軍だ。

 

何でもっと早く知らせてこなかったんだ?」

 

しかし、その答えは予想にもしなかったことだった

 

「ハッ!

 

袁家を監視しておりましたが、奴らはいつも派手に騒ぎおるので…

 

今回も…そのぉ~。

 

ただの視察かと勘違いした次第でございます!」

 

男は頭を下げて三人に謝り始めた

 

「「「はい…?」」」

 

この説明に三人は文字通り目が点になった

 

つまり、袁家の連中はいちいちこんなバカ騒ぎをしているということだ

 

しかも、四六時中!

 

「アホなのか?あの袁紹とかいう奴…」

 

左慈は呆れかえり、

 

「…笑えませんねぇ。」

 

干吉は頭を抑えながら呟いた

 

 

「あいつなら…袁紹なら、納得がいくわね」

 

「詠…。どういうことだい?」

 

一刀たちの会話を聞いていた賈駆(真名:詠)が話に入ってきた

 

「一刀…あいつは、袁紹はね…自分が世界の中心に立っていると信じている超が付くほどの馬鹿なの。

 

洛陽にいたときも、毎日のように宴会やらなにやらをしてたわ…

 

派手さも半端じゃないわ。

 

一度狩りにいけば、数千名の部隊を率いていくし…

 

自分に逆らった者達を村ごと焼き討ちしたり…

 

残虐な暴君という言葉はあのバカのためにあるといっても過言ではないわ。」

 

詠はさらに続ける

 

「あいつは、そういう奴よ。

 

自分に都合の悪いことは無かったことにする。

 

十常侍が暴走したときも、いの一番に逃げたのもあいつよ。

 

その間、月が一生懸命帝に尽くしていたのに、袁紹は月の権力に嫉妬して…その力を我が物としようとしているのよ。

 

自分こそが、最上の存在であると信じて疑わないのよ。」

 

呆れて物も言えない三人

 

「ま、まぁ…それならば仕方ない…」

 

ようやく声を絞り出す三人であった

 

左・干「「御意…」」

 

 

一刀は椅子から立ち上がり、詠をみた

 

「詠…。俺は少し保険をかけにいってくる。

 

少しあけるけど変わりに干吉を置いていくから、君の相談役にしてくれ。」

 

「わかったわ。

 

でも、保険って?」

 

一刀は意地悪く口元をゆがめる

 

「ひ・み・つ!

 

昔から良く言うだろう?

 

果報は寝て待てってねっ」

 

一刀は笑顔で答えると部屋を出て行った

 

「何をする気なんだろう?」

 

「ふっ…直ぐに分かります。

 

此度の一件、北郷殿も劉備殿に対し、少しばかりご立腹のようですからね。

 

きっと、退屈はさせませんよ」

 

 

「北郷さん…」

 

一刀と左慈が廊下を歩いていると、董卓に声をかけられた

 

「月…」

 

董卓(真名:月)が一刀のそばに駆け寄ってくる

 

「行かれるのですか?」

 

「うん。

 

今回、連合軍には俺の友人もいるらしい。

 

真実を確かめようとせず、君を殺そうとしている。

 

こいつは、少しばかりお仕置きが必要だ」

 

一刀はそういうと月と同じ目線になった

 

「大丈夫。君たちは…俺が守ってみせるから。」

 

「でも…」

 

月は泣きそうになりながら、一刀の手をその小さな手で包んだ

 

「董卓。北郷の心配は無用だ」

 

彼女をいたわり、左慈も優しく声をかける

 

「あぁ、左慈がいてくれるから大丈夫だ。

 

それに帝にもお手伝いいただいけるのだから、きっとうまくいくよ」

 

一刀は董卓(月)の頭をやさしく撫でてやる

 

「へぅ/////」

 

「はははは。

 

ごめんごめん。

 

月がすごく可愛かったもので、つい」

 

一刀は頭をかきながら、ははと笑い、董卓達に一時の別れ告げ、連合軍をつぶす為に動き出した。

 

 

数日後、今は亡き、心汚き者たちの置き土産、連合軍がついに完成した

 

各国の太守たち、義勇軍たちが一堂に関したのだった

 

 

集結した連合軍はさっそく軍議を開いた

 

袁紹達はまず、総大将を決めようと言いだしたが……

 

 

まぁ、いわずもがな

 

 

誰もが腹の探り合い

 

これでは、無駄に時間がたつだけだ

 

 

 

 

そんな連合軍の陣営にある軍勢が到着した。

 

黒の劉一文字旗

 

成都の太守、劉璋季玉の軍勢だ。

 

まだ年若い少女である楽進や、魏延などの将軍たちに続き、普通の馬の二倍はあろう大きく、真っ赤に燃えるような馬に乗った男がやってきた。

 

 

???「やれやれ、ようやくついたな。

 

疲れただろう…ありがとう『朱影(あかかげ)』」

 

馬から降りた劉璋は、愛馬をやさしく撫でてやった

 

「御屋形様!」

 

魏延が駆け寄ってきた

 

 

劉璋の隣に来ると

 

「袁紹将軍が、すぐに軍議に参加してほしいとのことです」

 

「分かった。

 

お~い、凪」

 

少し離れたところで、李典(真桜)、于禁 (沙和)と三人で話をしていた楽進(凪)を呼んだ

 

 

 

SIDE三羽鳥

 

「ちょい、凪。

 

大将がよんどるで」

 

李典が脇腹を軽く小突いた

 

「わ…分かってる///

 

はい!ただいま参ります!ご主人様!!」

 

楽進は話を中断し、彼の元に駆け寄ろうとする

 

「いいなぁ~。

 

ご主人様ってば、いつも凪ちゃんを御指名するの~

 

沙和もご主人様に頼られたいの~」

 

「お…お前らが真面目に仕事をしないからだろう!」

 

「「ドキィ!!」」

 

「痛いとこ突くなぁ~」

 

「い…言い返せないの~」

 

「ふっ(勝った)」

 

その隙をついて魏延が横やりを入れてきた

 

「お…御屋形様!

 

では、そのぉ~、わ、私が////」

 

 

凪が慌てて駆け寄り、劉璋の手を取る

 

 

「焔耶殿!抜け駆けは許しませんよ!!

 

行きましょう!ご主人様///!!」

 

「ちょっ、凪!引っ張んなって!痛い痛いぃ!!」

 

引きずられていく劉璋であった

 

 

 

「ちぃ!!

 

(せっかく御屋形様と二人きっりになる口実ができたのに!!)」

 

取り残された魏延は悔しそうに地団駄をふんだ

 

 

 

 

 

・連合軍本陣

 

「ご報告いたします!

 

成都太守、劉璋様がご到着されました。」

 

「お通ししなさい。」

 

「ハッ!」

 

兵士が下がり、一人の男が楽進を従えて入ってきた。

 

「遅れて申し訳ない。劉璋季玉ただいま到着した」

 

会議場に集まっていた連合軍の指揮官たちに礼をする。

 

 

 

 

劉璋は自分の席に着くと、それぞれの武将を紹介されながら周りを見渡した。

 

劉表や孫策、袁家、曹操などそうそうたる顔ぶれの中、一人明らかにそわそわしている少女がいる。

 

そう、劉備玄徳桃香である。

 

劉璋はその少女を見つめた。

 

 

 

それに気がついた桃香は、

 

「あの・・・、私の顔に何か付いてる?」

 

隣に侍る関羽こと、愛紗はキッと目つきを細め威嚇してきた。

 

劉璋は、少したじろくと、

 

「い…いや、そう言うわけではないんだ。

 

ただ、君がすごく落着きがなかったものだから、どうしたのかと…。」

 

「あっ!…そ、うなんだ。

 

ごめんなさい」

 

素直に謝る桃香。

 

「なにか、問題でもあったのか?」

 

「うん…。

 

実は、総大将をだれがするかってことでもめてるの。」

 

「ほう…。

 

それは、それは。

 

君はしないのかな?」

 

「わ、私には、そんな大それたことできないよぉ。

 

私達は、白蓮ちゃんの友軍の義勇兵でしかないし」

 

「ほう。

しかし、君ほどの器をもつ者はそうはいないと思うが。」

 

 

そこへ、

 

「劉璋殿…。貴殿はぬけぬけと…!」

 

「ん?関羽か…。

 

そういえば、黄巾党殲滅戦の時以来だな。

 

久しいな。」

 

劉璋は深く被ったフードの下から彼女をじっと見つめる

 

「関羽。君はこの連合をどう思う?」

 

愛紗は話を摩り替えられたことに気が付きながらも、彼の質問に答えてやる

 

「烏合の衆とはまさにこのこと。

 

みな、我執に溺れたものたち。」

 

小声で話す三人。

 

「なるほど、そう見るか。

 

確かにここにいる者たちはこの戦で名を天下に知らしめようとしている者たちがほとんどだ。」

 

「あなたはどうなのだ?」

 

「残念ながら私には、天下がどうこう、名誉がどうこう、褒賞がどうこうなどといったものには一切興味がない。

 

私がこの戦いに参加したのは、君へのおし……。」

 

「私のおし…??」

 

「りゅ、劉璋様!」

 

なにやら楽進が慌てながら劉璋の口を押さえた

 

「ぐぅっ!

 

ふまぅん、なぐぃ!

 

ふひぃふふぃをふふぇれてた。

 

(おっと、すまん!!凪。

 

つい口を滑らせかけた。)」

 

 

 

桃香が不思議そうに尋ねる

 

「き…気にするな。

 

こちらの話だ。

 

と、とにかく私には欲などというものに興味がない。

 

それより、いまは総大将をどうするかだ!」

 

 

「じゃあ、何かいい考えありますか?

 

袁紹さんがかなりごりっぷくだよぉ…」

 

その言葉をきき、袁紹の方を見る劉璋たち。なるほど、確かに怒っている。

 

 

「了解した。

 

さてと、あの怒れる名族をなんとかせねばな。」

 

 

劉璋はそう呟くと思考を巡らせ始めた

 

 

 

 

 

「キィイイイイ!!!!

 

まったく、なぜ誰も引き受けようとしないのかしら!?

 

あなた達には漢室への忠義はないのかしら!?」

 

キイキイと怒っている袁紹に対し、各国の代表は口々に嫌だと言っているようだ。

 

曹操に至ってはお前がやれ状態で手がつけられん。

 

「なるほど…。」

 

そう言うと、劉璋は椅子から立ち上がった。

 

「少しいいか?」

 

「なにごとですこと?」

 

「成都の劉璋。

 

恐れながら、袁将軍に申し上げます。

 

もはや、いいかげん腹の探り合いをしている場合いではありません。

 

こうして、時間を無駄にしている間にも、洛陽の民は圧政に苦しんでいることでしょう。」

 

「あら?新参者はよいことをおっしゃいますわね。

 

じゃあ、劉璋さんとやら、あなたにお聞きしましょう。

 

この華麗なる大連合を率いるに相応しい人物はだぁれ?」

 

「この連合を呼び掛けたのは袁紹殿、あなたです。

 

だったら、袁紹殿、あなたが指揮をとればいい。

 

貴女が参謀、曹操殿が総大将でいかがでしょう。

 

曹操殿は最も多くの兵を従えて来られたいわば忠臣の中の忠臣。

 

各々がた、いかがであろう?」

 

「異存なし!」

 

「ちょっ、なぜ私が参謀なんですの!?」

 

「袁紹将軍。あなたが総大将では賊軍も名家の威光に恐れをなしてしまいます。

 

それでは、戦にならないでしょう?」

 

「そ、それもそうですわ…」

 

「名門袁家のもとに戦えば、漢室もご安心されることでしょう。」

 

曹操の一言がとどめとなり、袁紹の独りよがりに火がついた!!

 

 

「決まりですわ!!

 

では、このわたくし……、三国一の名家の当首たるこの袁紹が参謀を務めますわよ!

 

オーホホホホホホ!!」

 

 

 

 

「やれやれ、参謀の意味を知っているのか?

 

あの娘さんは…?」

 

劉璋は再び椅子にすわり、桃香に耳打ちし、呆れたように言う。

 

とにかく総大将も決まったところで、ぞくぞくと退出していく。

 

しかし、

 

「では、劉璋さん。

 

それに、劉備さん。

 

参謀として、あなたたちに先鋒を命じますわ。

 

最前線に立ち、勇敢に戦いなさい!」

 

「(やはり、人選間違いだったかもしれない。

 

って言うか、参謀の意味を本当に知っているのか?)

 

私たちが?なぜです?」

 

「先鋒は武人にとって名誉ある持ち場。

 

これは、わたくしからのささやかなお礼ですわ。

 

オホホホホ!」

 

劉璋はちらりと曹操の方を見る

 

曹操は少し諦めと呆れを込めた目つきで見つめ返してきた

 

「(やれやれ…。

 

このおバカさんに付き合えと…?)

 

はぁ…」

 

「オホホホホ!」

 

「(お礼…ねぇ)」

 

「(劉璋さん…)」

 

 

「(心配無いよ。劉備どの。)

 

わかりました。しかし、条件があります。」

 

「何かしら?」

 

「はい。明日の汜水関総攻撃のさい、袁家の兵糧を分けていただきたいのです。

 

何分、袁征してきたもので兵糧の数も限られているのです。」

 

「そのようなことでしたら、お安いご用ですわ!」

 

「ありがたき幸せ。それともう一つ……」

 

 

 

彼のもう一つの条件とは、劉備軍に袁家の兵士を貸してもらうことであった。

 

最初は嫌がった袁紹だが、劉璋の言葉に乗せられて、約束を取り付けてしまった。

 

劉璋は楽進を先に帰らせ、桃香たちと話をしていた。

 

相手をおだてて乗せる劉璋の策に感心する桃香であった。

 

 

「劉備どの。袁紹からの兵糧はあなたの陣営に秘密裏に運ばせましょう。」

 

「「へ!?」」

 

悪戯っぽくほほ笑むと、

 

「兵糧が少ないのでしょう?

 

白い着物を着た男にあってね。

 

劉備軍が兵糧不足に悩んでいる。

 

同じ劉性として、助けてやってほしい、と頼まれたんだよ。」

 

桃香の中にある疑問がわきあがる。

 

 

(白い服の男?………まさか!?)

 

「ね…、ねえ。

 

その人の服って光を帯びていましたか?」

 

「うん?ええ。

 

そうですよ。確か、一刀と…」

 

「「一刀様だ!!」」

 

「知り合いかい?」

 

「我々を導いてくださった天の御使い様だ。」

 

「会いたいかい?」

 

「もちろん!」

 

「わ、私は別にその/////」

 

「愛紗ちゃん。素直じゃないなぁ~」

 

「と、桃香さま////」

 

義姉妹のやり取りを、

 

「ハハハ」

 

楽しげに見守る劉璋。

 

その後、自分の陣地の近くまで一緒に移動すると、

 

「それでは、私はこれにて失礼。また、明日戦場で。」

 

そう言うと自分の陣へ入っていった。

 

「不思議な人」

 

「そうですね。」

 

「この前は、思わなかったけど…なんだか、一刀様に似てたね。」

 

「一刀様の方がよっぽどかっこいいです…!」

 

「へ?なに?」

 

「い、いえ。何でもございません/////」

 

「変なの…」

 

 

そう呟く桃香であった。

 

 

 

 

 

その日の夜

 

 

一刀は、于吉からの報告を聞いていた

 

「では、汜水関をわざと抜かせるというのだな?」

 

※念話です━≫(「えぇ。これは、すでにあちらの張遼将軍の軍に通してあります。」)

 

「董卓軍の脱出準備は?」

 

(「もう間もなく整いますよ。

 

ところで、そちらはいかがですか?」)

 

「まぁ、とりあえず劉備には協力してもらうつもりだ。

 

せめてこれぐらい役立ってもらわなければ困る。」

 

(「そうですか。

 

では、私と賈駆殿はこのまま洛陽で待機いたします。」)

 

「わかった。

 

干吉、月と詠をよろしく頼むよ。」

 

「御意。」

 

つづく

 

 

 

あとがき

 

 

投稿が遅くなって申し訳ありません

 

 

前回、『次回はもう少し早く執筆できるように頑張ります』っと言っておきながら、一か月以上も間をあけてしまいました。

 

 

今回は、一刀の最強スキル「◎馬」が少しだけ発揮されましたが、ここからが本領発揮・・・できるかな?

 

 

さて…本編もあとがきも短いのですが、今回は、ここまで。

 

 

また次回のあとがきでお会いしましょう

 

 

今回もご覧いただきましてありがとうございました

 

 

 


 
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