No.219701

新訳 真紅の鬼神 第五鬼~董卓に仕えたもう~

リンドウさん

テスト。
試合
が終わったのでやっと更新

2011-05-30 22:43:54 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:6412   閲覧ユーザー数:5013

「私、隠居するから・・・」

 

この一言が始まりだった。

いきなり羽入さんの隠居発言。

なんでも、ゆっくりとすごして人生を楽しみたい、との事だそうだ。

後・・・

 

「焔君になら恋ちゃんを任せられるから」

 

とのこと。

まぁ俺としても認められて嬉しいんだけど・・・この後、俺達はどうすれば?

 

「それなら大丈夫よ。涼州の董卓ちゃんに書状を渡してるからそこに行きなさい」

「董卓って言ったら馬騰に並ぶ涼州の英雄じゃないですか」

「そうよ~」

「いったい何処で知り合ったんですか・・・」

 

との事で、俺達は今涼州に向かっている。

俺と恋の旗下、6千だ。

今は俺が隊長。恋が副長となっている。

 

「・・・・・」

「・・・・・・ふぁ」

 

こうも何も無かったら自然と欠伸が出るわけで・・・いや、何か起こっても嫌なんだけどね!?

だが、暇すぎだ・・・

恋は何かボーとしてるし

 

「若殿~」

「うん?」

「長旅に兵が疲れています」

 

む・・・そうか。

ここいらで休憩を入れようかな・・・

 

「よし、休憩だ!総員進軍やめぇ!」

「今からしばらく休憩するから体力を回復するようにー!」

 

オウッ!!!!!

 

俺も、馬を降りて休憩する。

というか。馬がほしいな・・・今の馬じゃ俺の力に耐え切れなくてスグに潰れてしまう。

恋の馬は名馬だ。まさに将軍の馬って感じだし・・・

 

「むむむ~涼州は馬の産地として有名だし・・・そこで」

「・・・・・・??」

 

不思議そうに首を傾げる恋の頭を撫でる。

それにしても、この触覚?まぁ髪だけど、どうやって動いてるんだろ・・・

何かあるごとにピクピクと動く。

 

「・・・・・・」

 

ガシッ!!

 

「っ」

 

俺が掴むと恋がビクッゥと身体を硬直させたが、スグに元に戻った。

本当にどうやって動いているんだろうか・・・・

 

「・・・・??」

「あっゴメンな」

 

手を離して再び撫でる・・・

 

「若殿!!」

「どした~?」

「前方に砂塵!一人の民が追われております!」

「なに!?」

 

近くに村は無かったはずだ・・・という事は、追われてる民は難民か?

 

「総員に通達!民を助ける!」

「ハハッ!!」

「恋、行くぞ」

「・・・・・・・(コク)」

 

よし、行くぞ。

『鬼焔』を担ぎ馬へ飛び乗る。

 

「行くぞぉ!てめらぁ!!」

 

オォォォォオオオオオ!!!!

 

 

「はぁはぁ!」

「待てやゴラァ!!」

「待てと言われて待つ馬鹿はいないのです!」

「クソ餓鬼がぁ!」

 

本当にヤバいのです!

村を追い出されて、空腹だったから、たまたまあった食料を食べたらまさか、それが賊の米糧だったとは!

 

バウバウ!

 

「張々!」

 

愛犬の張々が疲れて地べたに寝そべってしまった。

 

「早く歩くのです!ここにいたら賊に殺されますぞ!」

「その通りだぜぇ~譲ちゃんよぉ~」

「ヒッ!」

 

追いつかれてしまった。

大勢の賊を前に逃げようとするが剣を向けられて動けない。

 

「さぁて、よくも俺達の食料を盗みやがったな」

「さっさと殺して帰りましょうぜ~頭~」

 

殺す、という言葉に身体が震えだす。

 

「おぅわかっとる。死ね餓鬼」

 

振り上げられた剣が鈍く光る。

 

「ギャッ!」

「頭!?ぎゃぁあ!!」

「おい!大丈夫か!?」

 

来るべき痛みに目を瞑っていると男の声がした。

 

「お前は?」

「俺?俺は呂布奉先だ。安心しな」

 

その言下、黒き騎兵が賊へ突撃していき次々と蹴散らしていく。

 

 

こんなに小さい子が・・・痩せているな、おそらく賊から食料を盗ったかそんなとこだな・・・

 

「賊を速やかに殲滅しろ!恋。この子を頼む」

「ん。分かった」

 

恋が居ればこの子は大丈夫だろ、一応兵も残しておいたしそこまで心配はしなくていいかな・・・

 

「行くぞ!」

「ハハッ!!」

 

それから、程なくして賊を殲滅。日も落ちてきていたので離れた場所で野営を張った。

 

「大丈夫だったか?」

「・・・・・・」

 

うわ~あからさまに怯えて警戒してるし・・・

恋は今、飯とりにいってるしなぁ~

 

「さっきも言ったと思うけど俺は呂布奉先。今は涼州の董卓の元へ仕官するために移動中だ・・・そんなに怯えないでくれ俺は君の味方だ」

「・・・・本当なのです?」

「あぁ」

「ご飯持ってきた」

 

ちょうどいいとこで恋が飯を持ってきた。

 

「ほら食え、腹減ってんだろ?旨いぞ」

 

茶碗を差し出す。中に入った粥が湯気を立ていい匂いを醸し出している。

 

「・・・・・(じーーー)」

「アハハハッ!警戒すんなって毒とか入ってないから」

 

俺も粥を手にとり食う。

恋は既にお代わりをしていた。

その姿に少女はおずおずとした感じで粥を口に運ぶ

 

「おいしい・・・」

「そうだろ?」

 

それを皮切りにガツガツと食べていく、よほどお腹がすいてたんだろう・・

 

「そんなに慌てなくてもご飯は逃げない」

「ムグゥ!」

「くくくッほら水だ」

「ゴクゴクゴク・・・・プハッ」

 

少しは落ち着いたようだ。

 

「さて、まず君の名前はなんなんだい?」

「・・・ねねは陳宮。字は公台なのです」

「じゃぁ陳宮、何故あんな事に?」

 

一瞬躊躇ったそぶりをしたがポツポツと明かしてくれた。

 

「ほぉ・・・・と言うことは村から追い出されて行く宛てもなく放浪して、たまたま食料があったから手を出したら賊のだったと?」

 

確認をとると陳宮は小さく頷いた。

むぅ・・・行く宛てがないとすると困るな・・・

 

「焔・・・」

「分かってるよ。だからそんな目で見ないでくれ」

 

上目遣いは反則だろ・・・

 

「いいのですか?」

「いいさ、だけどそれなりに働いてもらうぜ?」

「はいです!ねねの真名は音々音というのです!ねねと呼んでくれたあ嬉しいのです!!」

「俺は焔よろしくな」

「恋は呂姫。真名は恋・・・よろしく」

 

あれ?返事が返って来ない・・・

 

「スースー」

「寝たか・・・」

 

安心したのだろう

陳宮もといねねを抱え布団に寝かせる。

 

「若殿」

「どした??」

「賊の食料をどうしましょうか」

「回収しろ、もったいない。道中で寄った村などに配るさ」

「ハハッ」

 

ふぅ~。流石に軍を率いるって大変だなぁ~

 

「焔・・・」

「うん?」

「今日は・・・///」

 

そう言えば今日は・・・

 

「そうだな。でもここはねねが寝てるから恋の天幕でな」

「・・・・(コク)///」

 

さて、俺も励みますか・・・・

 

「う~ん」

「・・・ん」

 

俺の隣で恋が生まれたままの姿でいる。

 

「恋、朝だぞ」

「・・・・朝?」

 

ムクリと起き上がると上半身があらわになるわけで、十分に育った乳房が見えるわけで・・・

 

「れ~~ん!!!」

「あっ・・・///」

 

朝から一発かましてしまった・・・

 

「さて、行くか恋!!」

「・・・・(コク)///」

 

ねねの様子も見に行かないと・・・・

 

「おはようございます若殿!呂姫様!」

「おはよ~」

「おはよ」

 

さて、ねねは起きてるかな?

天幕の中へ入るとまだ、熟睡したねねの姿があった。

 

「ふむ、まだ寝てるらしい・・・誰かある!」

「ハハッ!」

「ねねを荷台に寝かしておいてくれ寝台みたいにふかふかにしてな」

「御意」

「あっそれと警備に兵を5人ほどつけろ」

「ハッ!」

 

ゆっくりと起きないように俺がねねを抱き上げ、用意された荷台へと乗せる。

 

よしっ

 

「てめぇら!サッサと片付けろ!行軍開始するぞ!歩兵は駆け足!この行軍は訓練と思え!!」

 

おぉぉぉおお!!!

 

兵が行軍しているのを後ろ目で確認して、前を向く。

 

「あっ・・・そう言えば恋。」

「・・・・・??」

「その馬って何処で手に入れたんだ??」

「・・・・・黒兎、山で捕まえた」

 

山って・・・・故郷の近くの山って事だよな?

よく見つけたな・・・・

 

「ふむ」

「・・・・・??」

「いや、気にしなくていいぞ」

 

しかし、暇だな・・・もうすぐ涼州に着くし・・・

 

「あっ・・・(ニヤ)」

 

ゾクゥゥゥゥ!!!

兵が一斉に背に冷や汗を流す。

 

「焔がなにか企んでる顔。」

「てめぇらぁ!!俺は暇で暇で仕方ない!!だからお前らで遊ぶ!!走れやゴラァァァアア!!!!!!!」

 

ギャァァアァァアアアア!!!!!!!!

 

ワザッと最後尾へと向かい全力の殺気をだし追いかける。

もちろん戟を振り回して

 

「な、なにごとーー!?!?!?」

「あっ起きましたか?」

 

ねね。が俺の殺気に当てられて飛び起きた。

 

「ななななな!?!?」

「これは失礼、自分は若殿、親衛隊隊長の高順と申します。今は若殿が兵の訓練中なので」

「あれが訓練!?」

「・・・・皆、焔の殺気に慣れてるから、大丈夫」

「これは、呂姫様。」

「ん。韓昭、おはよう」

「はい、おはようございます」

 

韓昭が拝手をして馬を少し後ろに下げる。

ちなみに米糧部隊は少し送れている。

 

「恋殿?ここはいったい?」

「・・・・ねね。寝てた。今は涼州に入る前」

「涼州?」

「ん。董卓の所に仕官する」

「なんですとーー!?」

 

「うん?」

 

今、後ろから叫び声が・・・まっ恋も高順もいるから大丈夫だろ。

そろそろ、涼州に入るな・・・さて董卓はどんな奴なのか、見極めないとな・・・

 

涼州に入った俺達は董卓の城へと向かった。

途中、賊と戦闘になったが殲滅し気にすることなく行軍を続けた。

城へと着いた俺達の前には『董』と刺繍された旗と賊が戦っている所だった。

 

「若殿・・・」

「分かってる。高順、俺と恋が突撃を駆ける。その後、全軍率いて来い。ねねは危ないから下がってな」

「ハハッ!!」

「分かったのですぞ!」

「行くぞ恋!!」

「んッ!」

 

馬を駆けらせ、るがぶつかる直前に馬に流れ矢が刺さる。

が、俺は冷静に馬の背から飛び賊の真ん中に飛び降りる。

 

「ルアァァアア!!!!」

 

ブォォォォオオン!!!

 

戟を横に一閃、5人の賊の胴体を切断する。

 

「やぁやぁ!我こそは呂奉先!!賊共!!掛かってきやがれ!!!」

 

言下。高順が率いる兵が突撃して賊を蹂躙していく。

 

「焔!」

「若殿!」

 

俺の下へ二人が寄ってくる。

 

「大丈夫だ。それよりもサッサと片付けるぞ。ちょうど董卓軍もいる。俺の達の強さを示すのにちょうどいい。」

「ふむ。おっと」

 

ザシュッ!

 

「そうですね。いい機会です。若殿と呂姫様の強さ、我等の強さを見せる時ですね・・・腕が鳴ってきました!!」

 

ブンブンと堰月刀を振り回してニヤリと馬上から笑う高順に続き恋も少し微笑む

 

「恋も頑張る」

「おっし・・・・行くぞ!!」

 

その言葉を最後に、恋と高順は左右に散り、賊を斬り殺していく。

俺も、二人に負けないように頑張らないと・・・

 

「殺せーー!!!」

「煩い!」

 

向かってきた賊を一瞬で斬り殺す。

テメェラが何人掛かってこようが同じなんだよ・・・・

 

「さぁ掛かってきやがれ!!我が戟の錆びとしてくれる!」

 

近くにいた賊に飛びかかり斬り殺していく。

大体、100人くらい斬った頃に賊は蹂躙されつくされ、頭は高順が討ち取っていた。

 

「ふん!」

「ぐぇ!!」

 

止めをさし辺りを見渡す。

 

「若殿ー!!」

「ここだ!」

 

兵を連れて高順が来る。

手には今回の首級が握られている。

 

「恋はどうした??」

「呂姫様ですか?・・・おい呂姫様を見たものはいるか!?」

 

高順の言葉に皆、首を振る

 

「恋・・・」

 

どこに行ったんだ??

まさか、賊に・・・いや恋がたかが賊に遅れをとるはず無い。

 

「焔殿ーー!!!」

「ねね!?」

 

起きてたのか!?ってそんな場合じゃない

 

「どうした!」

「恋殿が!恋殿がー!」

「恋がどうした!?」

「恋殿が董卓軍の将と戦っておりますぞ!」

「なに!?」

 

なぜだ!?

 

「若殿!」

「分かってる!」

 

馬を部下の一人から受け取って走らす

 

「アンタら何もんや」

「恋達は・・・呂布軍」

「呂布?あの鬼神呂布の軍かいな??」

「・・・・(コク)」

 

恋が賊と戦ってると董卓軍の将が来た。

恋は気にしないで戦ってたけど、いきなり斬りかかってきたので恋も反撃した。

 

「ふ~ん。ならアンタが呂布かいな?」

「・・・・違う」

 

焔は恋より何倍も強いし・・・カッコイイ///

 

「で、涼州に入ってきた理由はなんや?理由なしに入ってきたんなら戦略目的とみなして、ウチが相手になるよ・・」

「違う。恋達は董「貴様等!何者だぁ!!」・・・??」

「ちょ華雄!今聞きようところや!」

「関係ない!理由なしに入ってきたのなら戦略目的以外あるか!!」

「ちょ待ちいや!」

 

ガキンッ!

 

「ふんっ少しは出来るようだな!!」

「ん!」

「だが、董卓様の敵は私が討つ!!」

「・・・・恋は敵じゃあっ」

 

転がっていた死体に足をとられて転んでしまった。

 

「死ね!!」

「あっ」

 

目の前に振り下ろされようとする戦大斧の鈍く光る。

だけど、恋は諦めない。

焔が悲しむから

 

「ルアァアアアァァアアア!!!!」

 

ガキンッ!!!!!!!!

 

「なっ!?」

「はぁあああ!!!」

 

ガゴン!!!

 

「くっ!!」

「無事か!?恋!」

 

焔・・・恋を助けに来てくれた。

 

「恋殿ー!!」

「ちんきゅ、高順も」

「ご無事ですか!?」

 

恋の周りを兵士が固める。

 

「よくも恋に手上げてくれたなぁ!!」

 

焔が馬から飛び降りて銀髪の女と対峙する

 

「恋に手をあげる奴はァ!許さんぞ!!!!!」

 

殺気が辺りを支配する。

兵士を訓練する時より何倍も濃ゆくて濃密な殺気。

ある程度、耐性のついている兵士たちは耐え切っているけど、向こうの兵士は気絶してる・・・・

見上げるとそこには焔がいた。

なにか凄く怒ってる。

恋が傷つけられたから?

・・・・そうだったら、嬉しい。

 

「我が名は華雄!!董卓様の矛であり盾だ!貴様!何者だ!!」

 

恋を殺そうとした女が叫ぶ。

正直、今すぐにでも殺してやりたいが、相手は董卓軍の将、下手に殺しでもしたら士官ができなくなる・・・しかも、華雄だ。コイツの名は少し聞いた事がある・・・

 

「俺の名は呂布。字は奉先。華雄、何故、恋を攻撃した!?」

「無論!敵と判断したからだ!」

「理由も聞かずにか!」

「貴様らは国境を越えてきた!しかも武装をしてだ!しかも呂布と言えば、丁原の将ではないか!明らかなる侵略だ!」

「違うといっているだろう!」

「えぇい!!黙れ!!」

 

こ、こいつ!!

 

ガキィィン!!!!

 

「軽いんだよ!!!!」

 

ゴゥガ!!!

 

「なっ!?」

 

これが、あの勇名高い華雄なのか?

なんともまぁ・・・期待はずれだ!!!

 

「ようく分かった・・・・どうやら董卓の武将は理由も聞かず殺しに掛かるような輩が将として働いてるらしいな・・・・」

「貴様ッ!侮辱してるのか!!」

「侮辱もなにもそのままだろう」

「きさまぁぁぁ!!!」

 

俺目掛けて戦大斧を再び振り下ろしてくる。

今度は遠心力を加え、身体のバネをよくつかった本当に武人の一撃だ。

だが、何者かが割り込み華雄の一撃を防ぐ。

 

「高順」

「若殿が相手するまでもありませぬな・・・」

 

馬上から華雄の一撃を軽々と堰月刀で受け止めている。

 

「若殿・・・こいつ等全員、八つ裂きでいいですか??」

「我等はいつでも殺る準備はできてますよ・・・」

 

おぉ・・・・兵が殺気だっている・・・

 

「我等が若殿と呂姫様に手を出すということが何を示すか教えてやるよ」

「ちょいまいちぃや!!」

 

今にも襲い掛かろうとしていると、サラシの女が割って入ってきた。

 

「・・・・なんだ?」

「ウチは張遼!アンタ等が敵でない事は分かったから、もうやめぇや!」

 

関西弁??いや、違うな・・・しかも張遼と言ったか?董卓軍を代表する武将の1人だよな・・・

しかも少しは話が出来るようだ・・・

 

「先に仕掛けてきてそれはないだろう・・・」

「それはうち等が悪かった!やけど、武装した軍が入ってきたら誰でもそう思うやろ!?」

 

むぅ・・・確かにそう言われればそうだな・・・

 

「焔、恋。大丈夫」

 

分かってるぞ、恋。だから止めてっていうんだろ?

 

「てめぇら・・・剣を納めろ」

「ハッ!!」

 

高順が堰月刀を構えるのを止めて俺の横まで来る。

他の連中も全員、剣に付いた血を払って鞘に納めている。

 

「すまなかった。俺は呂布奉先と言うものだ。董卓軍に加わりたく涼州まで来た。」

「月に仕えに?丁原の所はどうしたんや?」

「それは、この紙に書いてある。読んでくれ」

 

羽生さんが書いた手紙を張遼に見せる。

 

「・・・・あのばあちゃんは何考えとるんや(汗」

「分かってくれたか?」

「よう分かった。長旅ご苦労やったな。月にあわせちゃる。実力も十分やしな」

 

それは、良かった。

 

「華雄、先ほどはすまなかったな・・・」

「私の方こそすまなかった。確認もせずに・・・」

「・・・・恋は大丈夫」

 

うん。なんとか、華雄と会話が出来るようになった。

あの後、結構話しかけずらかったからなぁ~

 

「それで、張遼。董卓とはどんな感じなんだ?」

「月?そうやなぁ~。優しいよ。民の為に動いてるって感じうやなぁ~」

 

董卓って確か、暴君として名高いけどこの世界の董卓は違うのか・・・

 

「早く会ってみたいな・・・」

「焔??・・・・・浮気、ダメ」

 

ガシィ!!

ギシギシギシ!!!

 

「あの~恋?大丈夫、浮気とかじゃないからね!全然違うから!!だからその力を緩めてくれないか!?でないと本当に肩がはずれるっぅぅぅぅ!!!」

 

ゴキン!!

 

「っーーーーーーーーー!!!」

「あっ」

「ちょっ!呂布ちん!?大丈夫かいな!?」

「呂布ちんってのに少しツッコミたいが、ふん!!」

 

ゴキン!!

 

「ふぅ~恋。気持ちは分かるが暴力で愛を確かめようとしないでくれよ~。それと外した後に正気を取り戻してもおそいから」

「な、なれとるんやな」

 

毎度の事ですから・・・・

だけど、この頃・・・恋の暴力酷くなってきてる気が・・・

なんかいつか俺の腕とか折られそうだ・・・

 

「ごめんさい」

「もういいよ。大丈夫だから、それより後どれくらいで着くんだ??」

 

さっきから、恋の腹が鳴りっぱなしで、干し肉も切れてきた。

 

「あぁ~なるほど。もうすぐや。ほれ見えてきたで」

「おぉ!!」

「・・・・・おぉ」

 

併州の城も大きかったがこの城もでかい!!

しかも城門も大きいし!!

 

「ほな行こうか~」

 

城門が開き、中へ入っていく。

兵たちはここで、一旦留まっておく。

流石に中へは入れないと言うことだろう。

 

「若殿、お気を付けて」

「ムムム。ねねも行きたいですぞーー!

 

ねねが高順の前で両手を上げて叫ぶ。

今回この二人はお留守番だ。

 

「ねね殿。両手を上げたら落っこちますぞ」

「ムムム。」

 

なんだかんだ言って、あの二人は仲が良い。

客観的に見ると父親と娘だ。

そのくらい仲が良さそうだ。

高順は子供に好かれる傾向があるからな・・・

決してロリコンではないだろうけど。

 

「しっかし、この街はいいな。民が笑ってる」

「せやろ!」

 

何処を見ても民の笑顔が絶えていない。

董卓がどれだけ善政をしているか分かる。

 

「・・・・・ジュルッ」

「恋、もうちょっと待ってろよ」

「・・・・・(コクッ)」

 

城へと着き俺たちはそのまま玉座の間へと移動するのだが・・・

 

「武器は此方で持たせていただきます」

「恋も渡しな」

「ん。」

 

兵士に武器を渡すために手を離す。

 

ドン!!

 

兵士が手を出した瞬間に離したため掴みきれずに地面へと落ちる。

 

「呂布ちん・・・ようそんな重いの振れるな」

「うん?軽いよこの程度」

「私の金剛爆斧より重いぞ」

 

そんなに重いのだろうか??

まぁいい。早く董卓に合わせてくれよ。

武器はどうしようもなかったので俺達は特別に布を巻くことで許された。

 

 

「手紙は読ませて貰いました。改めて私は董卓。字を仲頴です。」

「今回のお目通り有難うございます。俺は呂布。字を奉先と言う。此方が」

「ん。恋は呂姫。」

「ふ~ん。で、手紙で書いて合ったとおり仕官しに来たわけ?」

 

眼鏡で緑髪の女の子がトゲのある言い方で俺に話しかける。

というか、俺そんなに睨まれることしたっけ??

めっちゃ睨まれてるんだけど・・・(汗

 

「はい。」

「どうする月?」

「どうするも何もお願いするよ。だって羽生様からのお願いだもん」

「まっこいつの実力は本物だろうしね」

「と言うことは・・・」

「はい。これから宜しくお願いしますね」

「ハハッ!」

「・・・・はは?」

 

恋・・・・そこは区切り良くハキハキと!

こうして、俺は董卓軍の一介の将軍として働く事になった。

まず、皆と真名を交換したあと兵の配属だがそのまま連れてきた麾下6千を指揮することになった。

恋も将軍だが、常に俺と一緒にいるので兵も同じだ。

副官に高順、そして専属軍師にねね。といった感じだ。

まぁ軍師と言っても見習い。ひよっ子なんだけどな・・・。

まぁ、一応住む場所と働き口は手に入れたし兵達もゆっくりと休ませれる。

 

「・・・・・恋、お腹すいた」

「あぁ、そうだったな何か食いに行くか」

「何?アンタお腹空いてるの?なら厨房へ行きなさいよ」

 

詠こと賈駆が考えられないことを言う。

そうだ!コイツはまだ、恋の食欲をしらないんだ・・・

 

「・・・・本当にいいのか?」

「はぁ何言ってんの?」

 

まぁ、俺の金が浮くからいいんだけどさ

 

「じゃぁお言葉に甘えて。行くぞ恋・・・・後で後悔しても文句は言うなよ(ボソッ)」

「・・・・(コク)」

「後悔?なんの事かしら?」

 

その後、恋の無尽蔵な食欲のせいで、城の半分の食料が恋の胃袋へと直球し、詠の叫び声が城内に響いたのは言うまでもないだろう・・・

 

「だから、後悔するなよっていったのに」

「こういう事なら先にいいなさいよ!!!馬鹿!!!」

 


 
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