No.219279

己の信ずる道を行け

銀雷さん

ゴホッ!ゴホッ!・・・頭がボーっとする・・・(―×―)

おっと・・・(ツルッ、ゴロゴロゴロ!!!)・・・・・


続きを表示

2011-05-28 21:47:35 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:970   閲覧ユーザー数:925

ここは、夏口に駐屯している黄祖の支配下の一つの町である・・・

 

 

 

 そこでは一人の男が、都督を務めていた。名を、蘇飛・・・

 

 

 この蘇飛は、文武両道のお手本とも言え、武は孫策にも匹敵するとも言われ、智は周喩にも劣らず、その上優しさもあるため、この当たり一帯では、かなりの評価を得ていた・・・

 

 

前回から、1日目・・・

 

蘇飛「・・・・・・」

 

甘寧「zzz・・・うん?朝か、これは?」(バサッ)

 

何かの布が、体に被せてあった・・・

 

甘寧「こんなものは・・・」

 

ふと、蘇飛を見てみると、ああ、納得・・・

 

甘寧「コイツのか・・・」

 

蘇飛「・・・・・・」

 

甘寧「それにしても、何故そんなに辛そうな顔をしているんだ?・・・」

 

蘇飛は妙に顔を歪めていた・・・

 

甘寧「おい・・・起きろ・・・」

 

蘇飛「・・・な・・・」

 

甘寧「?」

 

蘇飛「ゴメンな・・・」

 

確かに蘇飛はそう言っていた・・・

 

甘寧「おい、起きろ・・・」

 

手が蘇飛に触れた瞬間・・・

 

蘇飛「やめてくれ!!」(ガバッ!)

 

甘寧「!?」(ビクッ!)

 

出していた手を反射的に引っ込めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

蘇飛「あぁ・・・悪いな・・・」

 

甘寧「・・・別に、構わん・・・」

 

辺りが静寂する・・・

 

甘寧「ほら、上着・・・」

 

蘇飛「・・・・・・・」(スッ)

 

黙って受け取る・・・

 

甘寧「ここは、何もすることが無いな・・・」

 

蘇飛「いきなりどうした?・・・」

 

甘寧「つまらんから、話し相手になれと言っているんだ・・・」

 

蘇飛「・・・・いいぜ・・・」

 

壁から離れて、座る・・・

 

甘寧「そうだな・・・私の昔の話をしよう・・・」

 

少しずつ話し始めた・・・

 

甘寧「私は昔、役人をやっていたんだ。といっても、たいした事はなかったがな・・・それでな、ある日気づいたんだ他の役人共が民に対して、圧政をしいていることを・・・」

 

蘇飛「・・・・・それで?・・・」

 

甘寧「直ぐに役人などやめたさ・・・それで、ならず者たちを束ねて民の役に立てそうな義賊になったんだ・・・」

 

蘇飛「・・・・・・・」

 

甘寧「そして、民に対して悪政をしている奴や、賊どもを片っ端から殺して殺して殺しまくった・・・」

 

蘇飛「民からは感謝されたか?・・・」

 

甘寧「あぁ、もちろん。だがな・・・一向に悪政は減らない。むしろ増えた・・・」

 

段々、声が強くなっている・・・

 

甘寧「だから、私は馬鹿共の上に立ってやろうと思った・・・フッ、でも現実は甘くなかった。力だけでは、何も出来ない・・・賊出身だから、任用されない、どいつもこいつも・・・」

 

蘇飛「だから、此処に来たんだな・・・」

 

甘寧「黄祖といい、劉表といい・・・呆れ果てた・・・だが・・・・・・・」

 

蘇飛「だが?・・・」

 

 

 

 

 

甘寧「『貴様』のような奴もいる・・・そんなことを思ったのだ・・・」

 

蘇飛「・・・意味がわからん?」

 

一呼吸して・・・・

 

甘寧「私の昔の話は、こんなものか・・・t「鈴・・・」ん?」

 

蘇飛「お前の通り名は「鈴の甘寧」だろ?鈴はどうした?・・・」

 

甘寧「鈴?これのことか?」

 

そういって、懐から錆だらけの鈴を出した・・・

 

蘇飛「錆・・・」

 

甘寧「しかたないだろ!水の上での生活だから、錆びるのも仕方ないんだ!」

 

なぜかわからないが、妙に大きな声を出す・・・

 

蘇飛「その鈴は、どうしたんだ?まさか?・・・」

 

甘寧「全く・・・勘違いするな、これは貰い物だ・・・」

 

蘇飛「貰い物か・・・」

 

甘寧「だが、自分も覚えていないんだ、誰から貰ったか・・・」

 

遠くを見るような目をする・・・

 

 

 

 

 

 

蘇飛「そうか・・・なら、俺は寝る・・・」

 

甘寧「はっ?お前の話h「明日してやる、だから少し寝かせてくれ・・・」・・・・・」

 

壁に寄りかかる・・・

 

蘇飛「そうだ、甘寧・・・」

 

甘寧「なんだ?」

 

寝るといったくせに、質問してくる蘇飛を不思議に思う・・・

 

蘇飛「お前って・・・案外いい奴なんだな・・・」

 

甘寧「いまさらか・・・」

 

蘇飛「フッ・・・・・・・・・・・」

 

甘寧「おい?、寝たか・・・やれやれ・・・・・・・・・・・」

 

『明日か・・・』

【続く】

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
8
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択