始めに、主人公を始めとした登場人物の性格にズレがあるかもしれません。
そういうものだと納得できる方のみ、ご観覧ください。
第7話 これは一体誰フラグ? by一刀
初陣から少し経ち、ある日の休日。
俺は胸を高鳴らせて中庭にいた。ずっと考えていたこと行うためだ。
目の前には季衣がいる。花を差し出しながらいった。
「季衣。俺と付き合ってくれないか?」
「んにゃ?良いけど」
おお!プロポーズ大作戦は大成功した。
たぶん、おやつにお団子を奢ってあげたこと良かったのだろう。物で釣ったのだ。
「やりーーー!しゃあああ!!メインヒロインゲット!」
「で、兄ちゃん。付き合うって、何するの?」
「いや、別に決めてないけど。草相撲でもするか?」
「う~。ボクはそんなのを楽しいって思うほど子どもじゃないんだからね」
「じゃあ、相撲でもするか?」
「兄ちゃん。ぼろ負けするよ」
「だな」
困り顔の季衣。頷く俺。いつも通りの光景。
俺は何度、季衣にプロポーズしたかな?
なんか毎回、こんな感じで終わってるから覚えてないや。
木に背を預けながら座る。季衣は俺に背を預けてくる。後ろから抱きついた。
「にゃー、ぬっくいにゃー。あったかくてカイロみたいだ。冬は一家に一台欲しい位だ」
「えへへ、そうかな」
季衣は褒められて嬉しそうだ。髪に顔を埋める。
良い匂いがする。干したての布団みたいな匂いだ。
「季衣ちゃんは良いな~。優しいし、素直だし、柔らかいし、良い匂いだし。思わず虜になっちゃいそうだよ。この悪女っ子め」
「なあ、もう、兄ちゃんってば、、くすぐったいよ~」
でも、流石にこの子を親には紹介できないよな~。泣かれるぜ?
みため、童女だもん。でも、季衣を見てると一方通行と同じく暗黒面に落ちそうになる。
やばいな、愛しすぎて背中から羽が生えてくる。
「うりうり、愛い奴愛い奴。攫っちゃうぞ~!」
「うははは。目が回るよ~。兄ちゃん」
季衣を抱えたまま転がる。季衣は笑い声を上げる。
最高のまどろみタイムだ。
「、、、何をやっているのかしら。貴方達は」
「うん?」
「うにゃ?」
うつ伏せの状態で顔を上げれば、華琳が居た。
こめかみに青筋が浮かんでいる。誰だよ、華琳を怒らせた奴。度胸あるなあ。
「相手から誘われたから不倫じゃないぞ」
「最低の男みたいね」
そして嘘つきだ。季衣を誘ったのは俺。くそ、最低な奴!誰だよ!俺だよ!
季衣を抱えたまま座り直す。
「で、どうしたんだ?酔った于吉が素面の左慈でも襲い始めたか?ほおっておけ、今回が初めてじゃない」
「違うわよ。一刀に用があって来たの。季衣。悪いけど外してくれるかしら?」
「えっ、あっ、はい」
季衣は俺から離れて行く。ああ、まどろみタイムが手から零れ落ちてしまった。
「で、なんだよ。何の用だよ。華琳の用は俺から季衣ちゃんを奪い取るほど大切な用なのかよ。違うなら、両側のドリルを逆回転させろよ」
俺は機嫌が悪い。華琳はため息をつく。
「はぁ、この城で私にそんな態度を取れるのは本当に貴方だけね。まあ、いいわ。、、、ちょっと貴方に釘をさしておこうと思ったのよ。一刀、最近陳留に流れている噂を知っているかしら?」
「俺が華琳ちゃんの婚約者っていうのが遂にバレタか?恥ずかしがるなよ、マイハニー♪見せつけてやろうぜ!」
「違うわよ!?天の御使いが子どもに淫らに話しかけているって噂になっているの!!貴方ねえ、城の中ならまだしも町でもさっきみたいに季衣に接しているでしょう!!!」
「いや。だって、愛でてこその童女だろ!!!」
「それにしても、やり過ぎなのよ。貴方は!!!」
華琳は怒っているようだ。ドリルが揺れる。
怖いな。あのドリルで突かれたら死んでしまう。
「まったく、季衣に会ってから貴方おかしいわよ。、、、いえ、初陣以来かしら。一刀。何かあったのかしら?」
良い勘してやがるぜ。これだから、頭が良い奴は嫌いだ。
「イイタクアリマセン。黙秘権を行使します」
「言わなきゃ明日から給金抜きよ」
「くそっ。俺が旦那になったら逆小遣い制にしてやるからな!、、、建て前と本音が有るけど、どっちから聞きたい?」
「変なところで素直ね。じゃあ、建前から聞こうかしら」
華琳は隣に座ってくる。俺は暗い顔で話し始めた。
「ほらさ、この間の初陣で俺は初めて人の死ぬのを見ただろ。その時、『こんな風になりたくない』って思ったんだ。けど、それじゃ駄目なんだよ。本当に生き残るためには、『こんな風にならない様にしよう』って思わなきゃ」
「、、、、、、、、」
「でも、思えないんだ。俺は基本、後悔をしない様に今を全力で生きてる。だがら、もしここで華琳に斬られたって後悔は無い。したいことをやって死んだんだからな。そうやって生きて行くことで、覚悟を決めてきたんだけど、それが仇になった」
「そう、一刀の馬鹿な行動にはそんな意味が込められていたの。けど、それと季衣とのことがどう関係しているのかしら?」
俺は薄い笑みを返す。
「大切な人がいれば、生きたいって思えるだろ?」
「、、、特定の人を作ろうとしていたのね。、、ごめんなさい、私。そんなあなたを邪魔したわ。けど、どうして季衣なのかしら?他にもその、、居るんじゃないの?」
「いないだろ?春蘭も秋蘭も桂花も華琳が大好き。マゾ百合っ子だし」
「いるじゃない、、あと一人」
華琳は恥ずかしそうにそう言う。俺は目を見開いた。
まさか、そう言うことなのか?なんてことだ、今まで華琳が言いたいことを理解できずにいたなんて。
「華琳、、まさか、、そういうことなのか?、、君は、俺のことを」
「ちっ、違うわよ。、、そんなんじゃなくて。でも、、貴方も私に色々言っているじゃない。それは、、仮定で「バイだと思ってたのか!」、、は?」
「いやいやいや、違うからね!于吉とか、マジで無理だから!」
「、、、、、、、、」
華琳を指さして叫ぶ。
「俺が百合に寛容だからって、そっちもいけるとか思うなよ!?」
「貴方は一度、死になさいよ!!どうしてそうなるの!?」
お互いに肩で息をする。また思いっきり叫んでしまった。
なんか、華琳と会うたびにこんなことをしている気がする。
「もう、、いいわ。本音を聞かせてもらえるかしら」
「、、ほら、俺達がこっちの世界に来てもう、しばらく経つだろ?その間さ、、、してないんだよ」
「してないって何がよ?」
「だからさ、欲望の丈を誰にもぶつけてないんだよ。自分にもぶつけられないんだよ」
まったく、こんなことを男に言わせるなんて。サドめ。
華琳は赤くなって止まっていた。どうしたのだろうか?
「現代の高画質に犯された俺じゃ、この世界では処理も出来ないんだよ!エロ本もねえんだぞ!艶本は文字と筆で書いた絵だしさ!?んなもんで出来る訳ねーだろーがよ!?」
「そっ、、そう。つまり、貴方が季衣に話しかけていた本当の理由って」
「ムラムラしてやった」
「死ねえええええ!!」
「ぐはぁ!」
鎌が腹を直撃する。超痛い。手加減がない。
「貴方を心配した私が馬鹿だったわ!一生地面でも舐めてなさい!!」
華琳は俺を踏みながら去っていった。なんて最低の奴だ。
数分、痛みで動けないでいると秋蘭がやって来た。
「大丈夫か?北郷」
「大丈夫に見えるか?」
「見えんな。しかし、まさか此処までやってくれるとは。お陰でようやく華琳様は仕事を休んでくださった。礼を言うぞ、北郷」
秋蘭が手を引っ張って起こしてくれた。
「まったく、刺史から州牧にとかなんだか知んないけど。働き過ぎなんだよ。華琳ちゃんは。臣下に心配かけるなんて、まだまだだな」
「ふっ。本来なら華琳様を侮辱したと怒るべきなのだが、北郷相手ではそんな気にもなれんな」
「当然だろ。愛の言葉だからな。実際、俺ほど華琳を愛している男はいないと断言する。季衣を愛でまくる仕込みから、どれくらいかかったと思ってるんだ」
まあ、季衣と遊ぶのは楽しかったからいいけどさ。
「御苦労さまだ。それにしても北郷、、、溜っているというのは本当か?私が解消の手伝いをしてやろうか?」
秋蘭は笑みを浮かべている。
「、、、、マジ?」
俺は真顔で聞き返す。
「ああ、北郷になら良いだろう。華琳様にもそれとなく耳に入れておかねばならないから、少し待っていてくれ」
「ん。楽しみに待ってる」
この後、秋蘭とお茶をして時間は過ぎて行った。
その日の夜。俺は最強の睡魔に襲われていた。
「くそ。秋蘭に良い格好しようと、華琳の休んでいる間に馬鹿みたいに仕事を進めるんじゃなかった」
もう寝よう。俺は布団に入る。
秋蘭は少し待てと言っていたから、今日は来ないだろう。生殺しだ。
「まあ、、、今日は眠いし、、、相手を満足にできないだろうから、、、よかったけどさ、、」
まぶたを閉じる瞬間、扉を叩く音が聞こえた。
「ふぁ~い。閉店中で~す。いませんよ~」
「一刀。私よ」
「、、、、華琳かよ」
俺は立ち上がり、扉の前に行く。居留守を使おうと思ってたのに。
「いま、開ける」
「い、いえ。全部は開けなくて良いわ。少しだけ開けなさい」
「?まあ、良いけど」
少しだけ扉を開けた。この隙間から入ってくるのだろうか、ところ天のように。
腕一本しか通らないと思うけど。無理すると角が引っ掛かるぞ
「何の用だ?」
華琳は扉の向こうで喋り出す。
「その、秋蘭から聞いたのよ。一刀の話を」
「俺が秋蘭を抱くって話か?嫉妬なんてすんなよ。いいだろ?同意の上なら」
「ええ、それは構わないけど。そっちじゃなくて。一刀が私にしてくれたことを、聞いたの」
秋蘭の奴、喋ったのか?まあ、口止めはしてなかったけど。
「これからはちゃんと休み取れよ。それだけ守ってくれればそれで良い」
「良くないわよ!私は何も知らずに一刀を殴ったり、踏みつけたのよ!恩を仇で返すなんて、王者のすることではないわ!!」
「そっか、なら、なんかしてくれるのか?どっちにしても、明日にしないか?俺は今、猛烈痛快に眠い。扉を掛け布団にして寝ちゃうかもしれない」
「、、、つっ、、ん、、、ちょと、、、待ってなさい」
華琳が何をしているかは見えない。けど、隙間から影が見えた。今日が満月のお陰だ。
「えっと、手が腰から下に行って?足を持ち上げて、手を前に?何してんだ?」
華琳の手が扉の隙間から入ってくる。何か握っていた。
「、、、早く受け取りなさいよ」
「ん?ああ、悪い」
受け取った。
「御褒美よ。、、、じゃ、おやすみなさい」
「うん~。おやすみ~」
華琳が去った後、布団に戻る。
「で、これなんなんだよ?」
受け取った物を見てみる。小さい布のようだ。
開いて見る。レースがあしらわれていた。
「ははは、何だ。これ。まるで下着に見えるぞ?」
笑顔のまま固まった。正真正銘、下着だった。
「ギャルのパンティーおくれって!叫んだ覚えないんですけど!?」
思わず叫ぶ。ほのかに温かいことに気づく。
「、、、、、、、マジですか?華琳ちゃん」
取りあえず、ものすごく目が覚めた。
後書き
ある日の日常。勢いでやった。後悔はしている。
やり過ぎた感はありますが。後悔はしている。
後悔しかない第7話。これに付いてはコメントは結構です。
さっさと消えます。
ドロン
消えた気がしたんだけどな、、
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明くる日の日常。