・オリジナルの設定・キャラ・背景・流れ等々が嫌いな方はやめたほうが。
・でも主人公は変わりません 内面も。 …多分。
・ただ武力はかなりのものです。
・しかも他のキャラにもある能力が追加。
・且つ説明文然り「これはずるいぞ。」といわれるであろう(多分)根本の要素も追加。
けどまぁそれも一興、とりあえず読んでみるか、という人はどうぞ。
よろしくお願いします。
黒天を切り裂いて天より飛来する一筋の流星
その流星は天の御使いを乗せこの地に舞い降りる
天の御使いはその智武をもって乱世を沈静す
PS, 御使いは「おつかい」に非ず。by管輅
と、最後の一文は作者のジョークとして。
時は漢王朝の時代。朝廷の力は弱体化、比例して世は乱れて野党や賊が跋扈し、民草・市井は困窮・貧窮の中に存在するも同じ。
そのような状況下、管輅という占い師の言に端を発する上記の噂が、小馬鹿にされながらも人々の間に広く、確かにささやかれている。
つまり人々は求めている。安寧・救済と色々言葉はあるが内実は一つ。
安心して暮らせる日々が来ることを。
<どこかの誰かのプロローグ 1>
「よぉ、ひさしぶりだなぁ。」
野太い声が響くのは明るい長い廊下。窓から見える街は黄昏時一歩手前、な時間帯。
「ん? おぉ六谷か!っと、あと一人は…えっと?」
「インターンの千原だ。筋が良いって評判でな。」
「っ!は、はじめまして千原と申しましてでして」「落ち着け。」
小柄な20代の男を横に、大柄で髭の中年が声をかけたのは、自分たちと同じ白衣を着た男だった。身長170後半、割と端正な顔立ちで、この病院内では色々と有名。
「ってやばいすまん資料取りにいくとこなんだまた今度な!」
そういうと彼は廊下の出口に向かって一直線。
「ったくつれねぇなぁ。…千原、あいつのことは知ってるよな。」
「あ、はいっ。あの人は」
千原の説明を横取りすると、
アメリカの医大を主席で卒業の後、世界の紛争地域に赴く医療団体に加入、世界を転々としながら技術をつけ日本に帰国。そして今は、
「既存の医療技術をより簡素にする研究をなさっていて、特に自然の薬草や漢方薬を用いる方法を見直して研究のメインに据えている、です。」
「そ。ここのクラスの大病院みたいに機材や薬が揃ってんのと違って、戦場や発展途上国だとまともなモンがねぇからな。けど薬草なら生えてるし、なんも機材なくても出来る処置を増やせばより多くの患者が救える。あいつが世界中回って出た医者としての答えがそれなわけよ。…ホント、俺とは違うぜあいつは。」
「や、でも先生もIPSの改良が成功して」「スタンスの違いって話だ。…ま、実際に現場見てやってきたやつとは比べられねぇよ。」
そう締めると、二人は本来の目的である場所に向かう。その途中。
「…ところで先生、あの人と先生が同期で歳も同じって本当ですか?」
「ん、っははは。だろうな、ありえないだろ。俺も今年で41になるけどな。」
そう。 先ほどの男、見た目はどうみても20代中盤、ぐらいのいわゆるイケメン、白衣の似合う青年医師というやつなのに。若干中年太りが見られるこの六谷40歳と同期にして同年齢とか言うから世の中は不思議、というかもはやありえん。
「ホルモンバランスの先天的な異常がいいかんじになってるからとか言われてるけどな。…実際はなんも変わったことはない。東洋医学に言わせると気穴が生まれつき開いてる、らしいが。」
んなもんあるわけねぇしな。 と言って六谷はカラカラと笑った。
「とにかく俺とあいつが同期ってのはほんとだ。…あぁ、そういやあいつの通称、もともと俺が付けたんだよ。今じゃ中国のほうでメジャーになってるけどな。」
「はい。もともと突出してたのが海外での経験で更に磨かれて、技術も概念も最高レベルなところから…」
「花田(はなだ)を音読みにして、カダ…中国の伝説の医師、華陀、って言われてるとか。」
「ったく学会に発表ってのは面倒ったらないなまったく!」
愚痴りながらも夕日の中、右側はフェンスで補強された山肌、左はガードレールが続く崖、という道を花田 明(はなだ あきら)は乗用車で走る。
面倒と言いつつも、認可されないと実際に使用できない。結果人を救うことが出来ないなら、やはり学会への発表を急ぐという結論に帰結する。
「しかし外科的な技術はそれなりの器具がないと限られてくるな…やはり東洋医学的な骨接ぎや骨折箇所の即時矯正をより簡単に」
そのときだった。
前方のはるか上から、大きな何かが転がるような音。
「?!」
そして。視界の右斜め上端に、車の倍はあろうかという岩が迫ってきていた。
つい、反射的に左にハンドルを切った。その先はガードレール、更にはるか下には海。
老朽化したフェンスが壊れ、支えられていた崖の一部が落ちてきたと理解したのは、車ごと海に落ちていく間だった。
あぁ、死ぬときは周りがスローに見えるってのは本当だったのか。
変に客観的にそう思う。死ぬと、不可避と分かっているからか。暗い海がフロントガラス越しに向かって来ているのがゆっくりに感じる。
そして視界は白くなっていく。暗い海が迫るのに不思議な話だが、白くなる。視界だけでなく自分の周りが、白く、白くなっていって、
暗い海に、車が一台、沈んでいった。
<どこかの誰かのエピローグ、そしてプロローグ>
とある山中。の、山道。
「先生。…その子、ですか?」
「あぁ。泣き声が聞こえると思って分け入ったが。…大方捨てられたのじゃろう。しかも布一枚巻かずに、な。世も荒んだものよ。」
「どうします?」
「なに、一人増えたところで構わん。 わしらは命を救う者、じゃからな。」
天の御使いが現れるそのときから、20年以上前のことだった。
あとがき
無駄に長くなった。 …だって大切なとこなんだもん。
さて結論から言いますと。正史・史実の華陀、という人物は実は未来から時空間移動して過去に行った現代人、という設定です。移動の際に身体的退行を起こし、また記憶もリセットされて、ってなかんじです。でも知識は 深層意識の中に残っているというもうなんなんでしょうこの状況。
しかもこれに「元気になぁれぇぇぇぇっ!」というアレ的な力も付与されるからまったく。
ただ、魔法みたいに無制限に何でも治せる、とはいきません。相応に法則・条件・制限を設けます。
医術は万能ではないのです。
なんだか華陀の話だけになりましたが、次は一刀のプロローグになる、のですが予告します。
絶対にまた長くなります。 …見捨てないで呆れないでお願いします。
最後に。感想・意見、その他もろもろ、誹謗中傷以外はなんでも書き込んでくれれば嬉しいです。そして今後とも目を通していただければ幸いです。 ではまた。
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まだ下地作りですが。しかも主人公まだ出ませんが。
ってか多分こう思う人は居る筈。
「これはずるいぞ。」と。