No.218572 黒子……ですの。その5tanakaさん 2011-05-24 23:38:56 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1762 閲覧ユーザー数:1694 |
「…………はぁ」
認めないといけないのでしょうか?
わたくしが上条さんの事を好きだということを……
わたくしはお姉さま一筋と、心に決めたはずですのに……それなのに、どうしても上
条さんの顔が声がチラついてしまうんですの。
こんなのは一時的な気の迷い。そう思いたいのですけれど――
「心のどこかで、そんなことにしたくはないという気持ちがありますの」
この気持ちを無かった事にしたくない。そんな気持ちが――
「おっ、白井じゃねーか。こんな所で何してるんだ?」
「か、かか、上条ひゃんっ!?」
あぅ……っ、噛んでしまうなんて恥ずかしいですの。
「こほん! えっと、上条さん。どうしてあなたがここに?」
改めて言おうとした言葉を言う。
この人は急に現れるから本当に心臓に悪い。しかも基本、上条さんの事を考えている
時によく現れるから質が悪い。
「いや、まぁ……ただ散歩してただけで、白井の方こそ何でここに?」
「わ、わたくしは、その――」
ただ考え事をしてたら、いつの間にかこの場所にいただけですので……
「特に理由なんてありませんの!」
「そ、そうか……」
――バカ! バカバカ。黒子のバカ!
どうして、そんな怒ったような口調で言うんですの!? もっと、こう……優しく言
う事が出来ませんの?
「えっと……いい天気ですね」
うがー、わたくしは何を言っているんですの!? こんなお見合いで言うような古典
的な言葉を言うなんて……
「……そうだな。まぁ、もう夕方だけどな」
ふ、普通に返されましたの。それはありがたいのですけれど、なんというかその……
「でも、こんだけ天気がいいと星がよく見えそうだな」
「~~~~~~~~~~っ!」
この人は。この人は――
「つっても、星の事なんて全然分からないんだけどな」
そう言って、笑顔を浮かべる上条さん。
反則。反則ですの。
何なんですか、この反則の塊のような笑顔は!
こんなのを見せられたら、上条さんをちょっと知っている人間なら誰だって、恋に落
ちてしまいますの!
あぁ、もう認めるしかないですの。
わたくしは上条当麻さんに――恋をしていますの。
「あ、あの……上条さん?」
「ん? どうした白井」
「その……よろしければ今度わたくしとデートしてくださいませんか?」
「ええっ!? お、俺と!? もしかして凄く重い物でも持たせようとか?」
「違いますの。純粋なデートですの」
「そ、そうなのか?」
「ええ。ダメでしょうか?」
「だ、だだ、ダメなんかじゃないぞ」
「よかったですの……」
「しかし、本当に俺でいいのか?」
「上条さんがいいんですの」
「そ、そうか」
「ええ。では、今度の休みでよろしいでしょうか?」
「おう」
「では、楽しみに待っていますので」
「俺も楽しみに待っているよ」
「ふふ♪」
デートの約束をする事に成功しましたね。
ふふっ♪
わたくしが初めて好きになった殿方。
絶対にあなたを逃がしはしませんから。覚悟しておいてくださいましね。
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久しぶりなのかな?
これにてやっと物語が進みます。
そして次回はデート?