No.218494

真恋姫無双 天遣三雄録 第五話

yuukiさん

暗闇に包まれた戦場で、青年は一人の少女と出会う。
その瞳は、青年には眩しすぎた、、、、

取り合えず、そう言う話ではありません。

2011-05-24 15:37:52 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:5529   閲覧ユーザー数:4425

 

始めに、主人公を始めとした登場人物の性格にズレがあるかもしれません。

 

そういうものだと納得できる方のみ、ご観覧ください。

 

 

 

第5話 よろしくお願いします! by季衣

 

 

 

馬はゆっくりと進んでいく。行軍から数日、このペースで行けば多分糧食は持つだろう。

嘘である。確証なんてない、大体、俺は城がどれぐらい遠くにあるのかも知らない。

まあでも、多分桂花が色々計算しているだろうから、大丈夫だろう。

 

「北郷、馬には乗れるのだな。于吉とはえらい違いだ」

 

「ああ、馬術部に入っていたからな。、、、、あの化け物と比べられるとまだまだだが」

 

遠くを見る、馬鹿みたいな速度で走り回る左慈がいる。

 

「残像だ!」

 

「なっ、待て左慈―!」

 

「ふふ、楽しそうな姉者も可愛いな」

 

「このシスコンめ」

 

秋蘭は不思議な顔をする。

シスコンの意味は別に説明しなくてもいいだろう。

 

「にしても、いいのか?秋蘭ちゃん?大好きな姉者姫を左慈様に奪われちまうかもしんないぞ?」

 

「うむ、そうだな。あの二人は本当に仲が良い」

 

「、、、、意外な反応だな。てっきり怒り心頭だと思ったけど、違うのか?会話の端に入り込み、二人の中をじわじわと砕いて行きたいなら協力するぞ。全力で!死力を尽くすぞ!!」

 

「、、、、お前には友の幸福を祝う気持ちは無いのか?」

 

「無いな、皆無だ。左慈が幸せになるなんて許されない。神が許しても俺が許さない。俺はその誓いの元、あいつの幸せを今まで砕いて来たんだ」

 

「私には何故お前達の友情がいまだに続いているのか不思議で仕方がないな」

 

「そういう友情の形もあるってことだよ」

 

もっともらしいことを言って、再び左慈達をみる。

 

「だがまあ、あれについては砕く必要はないな。どう見ても、子どもがじゃれているようにしか見えない」

 

なんか、園児の追いかけっこみたい。小三までの男子と女子の友情みたいな感じ。

ラブではない。絶対に。

 

「同感だ。しかし、追いつけなくて泣きそうになっている姉者も可愛いな~」

 

「シスコンサドヒストめ」

 

そんなことをしていると、前に居る華琳と桂花から御指名が入る。

左慈と春蘭を呼び戻し、四人で前に向かった。

于吉はこの行軍で腰を壊し、荷車の中で寝ている。だらしない奴だ。

 

 

 

「遅くなりました」

 

「何かあったのか?華琳ちゃん、桂花たん」

 

「ちっ」

 

「はぁ、相変わらずの適応力ね。感心を通り越して呆れるわ」

 

呆れちゃ駄目だろう。

桂花は舌打ちをする。華琳はあきれ顔だ。俺、何かしたかな?

 

「なにかったのですか?」

 

「土龍ボルボロスが来たか?任せろ、俺が蹴り砕いてやる!」

 

「違うわよ。左慈、貴方は少し黙ってさない。、、ちょうど偵察が返って来たようね。報告を」

 

「はっ!行軍中の前方集団は、数十人ほど。旗がなく、服装もまちまちのため何処かの盗賊か山賊だと思われます」

 

「様子をみるべきかしら?」

 

「もう一度偵察隊を出しましょう。夏候惇、左慈、北郷。貴方達が指揮をとって」

 

「「おう」」

 

「え?俺も?数十人なら左慈と春蘭だけで充分だろ。なんなら、左慈だけでも良い位だ。正直、俺はあんまり強くないぞ?」

 

「わかっているわよ、アンタが貧弱だってことくらい。けど、二人の抑え役が必要でしょう。貴方はそれぐらいの役にも立たない訳?ゴミね」

 

ほんと、嫌な笑みだよな~。華琳のサド笑顔よりタチが悪いぜ。

だから俺は猫より犬の方が好きなんだよ。一番好きなのはウサギだけど。

 

「はいはい。行けばいいんだろあと、覚えてろよ、桂花ちゃん。俺をゴミ呼ばわりした代償は高いからな!!猫耳頭巾をうさ耳に変えてバニーガール桂花たんにしてやるからな!!左慈、協力しろよ!」

 

「任せておけ!」

 

親指を立てあう俺達、共に気持ちの良い爽やかな笑顔だ。

 

「ふざけてないで。春蘭、一刀、左慈。すぐに出撃なさい」

 

「機嫌が悪いな、離れるのが寂しいのか?マイハニー」

 

「なあっ!?」

 

逃げるように俺達は出撃した。

 

 

 

 

春蘭の隊を引き連れて、先行部隊として走っていく。

 

「まったく、偵察など私一人で充分だと言うに」

 

「まったくだ、俺一人で十二分だろうが」

 

「む、がるる」

 

「む、ぐるる」

 

猫みたいにいがみ合う二人。阿呆か、こいつら。

 

「偵察も兼ねているんだ。通りすがりの傭兵部隊だったら手を出すなよ。後方のアックスとか出てくるかも知んないからな?」

 

「なあ、北郷が言っている後方のあっくすってなんだ?左慈」

 

「俺も知らん。知らんが。なんかカッコいいな!!」

 

「だよな!私もそう思うぞ!!」

 

意気投合する二人。

 

「後方のアックスはあれだ、最強の傭兵だ。槍使いがいなきゃ、聖人殺しのカウンターが発動しなくて勝てないからな。注意しろよ」

 

「最強か、面白い!!私の剣の血錆にしてくれよう!」

 

「最強の敵と対した時、遂に俺様の第三の目は開眼する!」

 

さっきまで喧嘩してたのに息ぴったりで笑いだす二人。ほんと、小学生低学年みたいだよな?

それと左慈、お前のそのセリフは何度目だよ。

 

「む、見えてきたぞ。春蘭、五つ目小僧」

 

二人は前を見る。何かが戦っている。

そして、人が吹き飛んできた。

 

「おいおい、マジかよ。マジでアックスかよ。ファインマン呼んでこよーぜ。協力してくれるか分かんないけど」

 

「なんだ、あれは」

 

「北郷!小さな女の子が!小さな女の子が男達に囲まれてるぞ!」

 

怒りが籠る。俺は叫ぶ。

 

「ちっ、性犯罪はノーだろーが!春蘭、左慈、先に行け!幼女を助けるんだ!幼女は穢さずに愛でるからこその至高だろう!!!」

 

「言われずとも行くわ!」

 

「怒りと言うものを見せてやろう!」

 

先行部隊で先行する左慈達。先行部隊なのに後方の俺は兵を率いて走っていく。

 

「でりゃーー!はあ、はあ、はあ、」

 

「ちっ、しぶといチビだ」

 

「まだまだー!、、、でも、うう、流石に数が多すぎるよ」

 

「ええい、テメエら。ガキ一人に何てこずって!数でいけ数で『ライダーキック!』ぐはっらべだ!」

 

「「「「お頭!!!」」」」

 

「え?誰?」

 

「こっちにもいるぞ!だらぁぁ!」

 

「「「「げふぅ!!」」」」

 

「大丈夫か?勇敢な少女よ」

 

「ふん、よくやった。後は任せてもらおうか!」

 

追いつくころには、男達はほぼ壊滅していた。

春蘭と左慈は本当に強いな、同じ人間か思わず疑ってしまうぞ。

幼女、いや、童女は不思議そうな顔でこちらを見ていた。

 

「「う、うわあ!退却、退却―!」」

 

「逃がすか!全員叩き斬ってくれるわ!」

 

「ちょ、待った。待て、春蘭。追跡部隊を出した。あいつらを餌にして敵のアジトを突き止める。全員は殺すな」

 

「む、あいつらを餌に敵の顎(あぎと)と突き刺す?なら良いが、どうやるのだ?」

 

「華琳達が戻ってきたら、教えてやるよ。そして、俺の槍捌きを見せてやる」

 

「おお!お前は槍が使えたのか。楽しみにしているぞ」

 

満面の笑みの春蘭。なんかよくわからないが納得してくれたようでよかった。

にしても、口からデマカセすぎたな。俺、聖人殺しできねーぞ?

 

「あ、あの」

 

童女が話しかけてくる。

 

「おお、怪我は無いか?少女よ」

 

「おお、穢されてないか?童女よ」

 

春蘭とハモル。

 

「はっ、はい」

 

「それはなによりだ。しかし何故、こんなことろで一人で戦っていたのだ?」

 

「そうだ、俺様級に最強じゃないと危ないだろう?」

 

「はい、それは、、「一刀」、、っっ」

 

春蘭と左慈が話しかけていると、華琳、秋蘭、桂花が来た。

急いできたようだ、仕事が早くて何より。

 

 

 

 

「謎の集団と言うのはどうなったのかしら?戦闘があったというのは聞いたのだけれど」

 

「ああ、盗賊だったから適当に逃がして追わせてるよ。報告がきたらバルサンで威ぶり出しに行こう」

 

「あら、なかなか気がきくはね。「あ、あの、、」、、ん?この子は?」

 

華琳が童女を見る。流石に華琳の方が背は高いよな~

 

「お姉さん、お兄さん。もしかして、軍の人?」

 

「まあ、そうなるが、、、、、、、ぐぅ」

 

「ふん、だからなんだ、、、ちいっ」

 

童女は鉄球を振り下ろした。春蘭と左慈は何とか防ぐが、押される。

おいおい、突然どうした?ブレインコントロールか?

 

「「貴様、、いきなり何を!」」

 

「国の軍隊なんか信用できるか!ボク達を守ってもくれない癖に。税金ばっかり持って行って!てやああああ!」

 

驚きの新事実だ。童女は僕っ娘だった。存在したんだ、僕っ子

この驚きを伝えようと、周りを見る。華琳は悲しそうな顔をしていた。

 

戦いは白熱していく。

おー、幾ら春蘭と左慈が本気を出せないからっていっても。あの子もすごいな。

そんな中、華琳が叫ぶ。

 

「三人とも、そこまでよ!剣をひきなさい!そこの娘も!春蘭と左慈も!」

 

華琳の覇気に押されて、童女は鉄球を落とす。

おいおい、地面が陥没したぞ?何だこの怪力?まさかこの子は許緒か!?

いや、冗談。そんなわけないよな?

 

「貴方の名は?」

 

「きょ、許緒と言います」

 

「、、、、当たっちゃったよ!」

 

「北郷、静かにしていろ」

 

「ごめん、秋蘭」

 

童女が許緒、童女な許緒、許緒は童女。

まあ、無くは無いかな?うん、ストライクゾーンだ。

 

「そう、、、許緒。ごめんなさい」

 

「え、、、」

 

頭を下げる華琳、こう言う所を見ると華琳が覇王ってのも頷ける。

 

「名乗るのが遅れたわね。私は曹操、山向こうの陳留で刺史をしている者よ」

 

「山向こうの、、それじゃ、ご、ごめんなさい!」

 

童女の顔色が変わる。

 

「山向こうの街の噂は聞いています。向こうの刺史様はすごく立派な人で、悪いことはしないし、税金も安くなったし、盗賊も少なくなったって!そんな人に、、ボク、、、ボク、、!」

 

「構わないわ。今の国が腐敗しているのは刺史の私が一番よく知っているもの。官と聞いて許緒が憤るのも、当たり前の話だわ」

 

「で、でも」

 

「だから許緒。貴方の勇気と力、この曹操に貸してくれないかしら?」

 

「え?、、ボクの力を?」

 

ビバ勧誘。そう来ると思ったけどね。

 

「私は何れこの大陸の王となる。けど、私の力はあまりに小さすぎるわ。だがら、貴方が村の為に振るったその勇気。私の為に貸してほしい」

 

「で、でも、、、ボク、曹操様達を攻撃して。それにボクにそんな資格、、無いですよ」

 

「あら?そのことなら大丈夫よ。私は気にしないわ。春蘭達もね。それに、もし彼が貴方のことを知っていたら、私はどうしても貴方を手に入れなきゃならなくなるのよ。ねえ、一刀」

 

良い笑顔の華琳。くそ、俺を出汁に使う気なんだろうな。まあ、いいけど。

 

「ん?ああ、俺は天の御使いだからな。言う通りにしたいと天罰が落ちるぜ。華琳」

 

「へ?天の御使い、兄ちゃんが?」

 

童女は純粋無垢な目。くそ、こんな童女を騙すなんて心が痛むぜ♪

 

「華琳。許緒、この童女は君の命を何度も救うことになる。その片割れと一緒にな。ボディーガードとしては最高だと思うぜ」

 

「そういうことよ、許緒。私に力を貸してちょうだい。私には貴方が必要よ」

 

「曹操様、、兄ちゃん」

 

許緒に笑顔を向ける。

 

「自信を持てよ、許緒ちゃんは俺の百倍は強い。一緒に、華琳の覇道の助けになってやろう」

 

「は、はい!」

 

そして、そんなことをしている間に偵察に出した兵士達からの報告が来た。

俺達は盗賊の根城へと向かう。許緒、そう名乗る童女。季衣を仲間に引き入れて。

 

「にしても、華琳は優しいな」

 

「あら、何のことかしら?」

 

「しらばっくれるなよ。惚れなおしたよ、マイハニー」

 

「、、、、ばか」

 

 

     後書き

 

 

初陣に向かう道中で、遂にメインヒロイン季衣ちゃんの登場です!

次は遂に一刀達の初陣!でも、一刀は強くないからあんまり戦わないぞ!

ちなみに、于吉は腰を壊し出番なし!次も出ないから!

 

やり過ぎた感はある。でも、後悔はしない。

 

以後、このノリの一刀を楽しんでいってくださいww

 

ちなみに、読んでくれた方は一言でもコメントしていただけると、

やる気が出て更新速度が維持できるかも。

 

とか言ってみたり。、、、ごめんなさい、うざいですね。

 

次回は遂に盗賊団との戦い!

あ、言っておきますけど一刀の戦闘描写はないですからね。

 

では、これにて、、また次回

 

    

   ドロン

 

 

消えるぞ

 

 


 
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