ここは、夏口に駐屯している黄祖の支配下の一つの町である・・・
そこでは一人の男が、都督を務めていた。名を、蘇飛・・・
この蘇飛は、文武両道のお手本とも言え、武は孫策にも匹敵するとも言われ、智は周喩にも劣らず、その上優しさもあるため、この当たり一帯では、かなりの評価を得ていた・・・
あの日から数日・・・
蘇飛「最近になって、甘寧を見ないんだが何か知らないか?」
魯粛「さぁ?特に何も感じませんが?」
蘇飛「そうか・・・」
あれ以来、鍛錬に誘われなくなった・・・
魯粛「それよりも!ご自身の体調管理はきちんとしてください!」
蘇飛「気をつけてはいるんだが、こればっかりは・・・」
どうしようもできない・・・
その頃、甘寧は・・・
甘寧「(今日も気をつけねば・・・)」(コソコソ)
兵士「お頭、何をやってんですか?」
甘寧「?、なんだ、お前か・・・いや特に何もしては居ない・・・」
兵士「それなら久々に、しごいて下せぇ!!」
甘寧「ほぅ・・・その言葉後悔するなよ・・・」
おなじみの演習場に向かう・・・
蘇飛「少し休憩しようか・・・」
魯粛「そうですね、疲れた~・・・」
蘇飛「おいおい・・・思ったことをすぐに口に出すなよ・・・」
魯粛「え~、いいじゃないですか~」
蘇飛「子供だな・・」
魯粛「その言葉は聞き捨てなら無いですね!」
蘇飛「子供だな、大事な事だから二回言っておく・・・」
魯粛「馬鹿にしてませんか?」
蘇飛「・・・・・・・・・」(フイッ)
目をそらす・・・
魯粛「やっぱり馬鹿にしてるんじゃないですか!?」
蘇飛「少し、外の空気を吸ってくる・・・」
魯粛「むー、わかりました・・・」
蘇飛「よし、いい子いい子」(ナデナデ)
自分のほうが背が高いのでなでやすい・・・
自分 170近く 魯粛 160近く・・・
魯粛「やっぱり、馬鹿にしてますね・・・」
蘇飛「じゃな!」
魯粛「スルーされた!?帰ってきてくださいよ!」
わからん!、と言って去っていく・・・
蘇飛「気晴らしに、あそこに行くか・・・」
甘寧「はぁ!!」(スパン!)
兵士「うぎゃ!!」(ズゴッ!)
甘寧「貴様らはその程度か!!立て!!」
兵士「お頭、少しぐらい手をぬいt」
甘寧「問答無用!!」(ヒュッ!)
兵士「おう!?」(ズドン!)
また一人、星になった・・・
甘寧「全く・・・」
ふと辺りを見渡すと、こちらに向かってくる人影が一つ・・・
甘寧「っ!!」
脱兎のごとく、走り出す・・・
蘇飛「待て!甘寧!!」
蘇飛に呼ばれたので、立ち止まる・・・
蘇飛「今まで何をしていた?」
甘寧「鍛錬だ・・・」
蘇飛「ならばなぜ俺を呼ばない?」
甘寧「貴様には関係の無いことだ・・・」
蘇飛「ならばなぜここ数日、俺を【避ける】?」
甘寧「っ!!」
気にしていたことを当てられ、思わず息を呑む・・・
蘇飛「俺がわからないとでも思っているのか?お前の気配などすぐに分かる・・・」
甘寧「・・・い・・」
蘇飛「なに?」
甘寧「うるさいと言っているんだ!!、貴様には関係ないことだ!!」
蘇飛「なんだと?人の行為を、踏みにじるきか!!」
いつのまにか、二人共が声を荒げる・・・
甘寧「お節介なんだ!!貴様に私の何が分かる!!」
蘇飛「そんなことを言いやがって!!俺はお前のことを思ってだな」
甘寧「それがお節介なんだ!!城に行って何になる!!もう私に構うな!!」
蘇飛「っ!待て!」
制止の声を無視して、走り出す・・・
走り続けて、蘇飛がようやく見えなくなったところで・・・
甘寧「これで、奴も私に愛想尽かすだろう・・・」
周りは森、誰もいない場所で独り言を呟く・・・
甘寧「あんな下らないこともやめて、日々の仕事に集中するだろう・・・」
そう、きっとそうだ、なのになんで・・・
甘寧「私は辛くて泣いているんだ?」
目から涙が止まらない・・・
甘寧「どうして?どうし・・・」
ポロリ、ポロリ、と落ちていく・・・
甘寧「・・・・・・・・・・・・・・・、私としたことが、帰るか・・・」
腕で涙をふき取り、自分を落ち着かせる・・・
『私は、臆病者か?・・・もしくは・・・』
【続く】
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