ここは、夏口に駐屯している黄祖の支配下の一つの町である・・・
そこでは一人の男が、都督を務めていた。名を、蘇飛・・・
この蘇飛は、文武両道のお手本とも言え、武は孫策にも匹敵するとも言われ、智は周喩にも劣らず、その上優しさもあるため、この当たり一帯では、かなりの評価を得ていた・・・
あれから、甘寧に鍛錬を付き合わされたり、鍛錬を付き合わされたり、鍛錬を付き合わされたり・・・
魯粛に、追いかけられたり、追いかけられたり、追いかけられたり・・・
そんなこんなで、数ヶ月・・・
ある日・・・
此処は、黄祖のいる城・・・
蘇飛「失礼します・・・」
黄祖「今日はなんのようだ?」
蘇飛「はい、私のとこにいる甘寧と言う食客のことなのですが・・・」
黄祖「まったく、そんな事で来たのならさっさと帰れ!」
蘇飛「あの者は使えると思います「くどい!」っ・・・申し訳ございません」
黄祖「まったくお前も諦めが悪いのぉ、惚れたか奴に?」
蘇飛「惚れるなど馬鹿馬鹿しい、ではこれにて・・・」
そういうと、足早に、城を去った・・・
江夏に着くと・・・
蘇飛「(やはり、駄目か)はぁ~・・・」
魯粛「どうしたのですか?少し休まれては?」
此処最近、忙しくて、急用が取れていないのだ・・・
蘇飛「いや、大丈夫だ「しかし!」全く、大丈夫だから「・・・分かりました」」
渋々納得してくれたようだ・・・
魯粛「(ですが、やはりお疲れのようですね。あの女のせいですよね!!)全く!」
蘇飛「どうした?いきなり大きな声を出して?」
魯粛「あ・・いえ、何でもございません///・・・」
蘇飛「?、少し出てくる、仕事をしていてくれ」
魯粛「はい、分かりました」
疲れている体に、喝を入れて歩き出す・・・
甘寧「(う~む、奴に勝つにはどうすれば?)・・・」
蘇飛「おい!甘寧!」
甘寧「!?」(ヒュ!)
蘇飛「グッ!?」(ズゴ!)
甘寧の蹴りがクリーンヒットで決まり、蘇飛が吹き飛び木材にぶつかる・・・
甘寧「おい!?何時ものお前なら、避けていたではないか!?」
・・・・・・・・・木材が飛び散った中から返事が無い・・・
甘寧「おい蘇飛?」
うつ伏せになっている蘇飛・・・
甘寧「おい?」
蘇飛に近寄って、抱き起こすと・・・
蘇飛「ゴホッ!ゴホッ!・・・」
甘寧「蘇飛!!大丈夫かって、熱!お前、熱があるではないか!!」
蘇飛「うっ・・・甘寧か、大丈夫だ・・・それよりも・・・・・」(フラッ)
言いかけた瞬間、彼の体が傾き地に落ちた・・・
甘寧「蘇飛!!今すぐ医者を呼んできてやる!!」
蘇飛をおんぶして、急ぐ・・・
ここは、彼の寝室・・・
医者「ただの風邪でしょう、2,3日安静にしていれば治るでしょう」
甘寧「そうか・・・助かった」
医者に礼を言う・・・
医者「それでは、私はこれで・・・」
医者は仕事が終わると帰っていった・・・
甘寧「全く、自身の体調管理も出来ないとは・・・」
呆れ返っていたそのとき・・・
魯粛「蘇飛様!!大丈夫ですか・・・・・・・寝ていらっしゃいますか」
ドアが突然開き、魯粛が飛び込んできた・・・
甘寧「なんだ、貴様か・・・」
魯粛「あなたでしたか・・・」
甘寧「何か用か?」
魯粛「蘇飛様の看病をしに着たので、あなたはもう結構ですよ」
甘寧「そうか・・・」
小さい声で、呟くと部屋を出て行く・・・
時間が経ち、夜になる・・・
甘寧「(やはり、奴のことが気になって仕方ない)私はどうしたのだろうか・・・」
そういいつつ、彼の部屋に向かうと扉が開いていてそこから、光が漏れていた・・・
甘寧「魯粛がまだいるのか?」
扉に手をかけようとすると・・・
魯粛「全く、どうしてあの女のために、そこまでするのですか・・・」
甘寧「これは、魯粛の独り言か?」
部屋から聞こえる声に耳を澄ますと・・・
魯粛「最近だって、休む時間を削ってあの女と鍛錬をしたり、城にちょくちょく行ったり」
甘寧「(この内容からして、私のことだな。だが、休む時間を削っただと・・・それに、城だと・・・まさか!!)」
自分が言った言葉を思い出す、『なぜ、重用されない!!』・・・・
甘寧「まさか、奴がそこまでしていたのか?」
そう感じると、胸が痛くなった、すると彼女は自分の部屋に帰った・・・
部屋に着くと、寝台の上に横になり・・・
甘寧「奴は私のことをどう思っているのか・・・どうせ、女としては見ていないだろう・・・」
甘寧は愚痴る・・・
甘寧「私は無力だな・・・」
その言葉と共に、一筋の液体が頬を伝っていく・・・
『私は、私が居なければ・・・』
【続く】
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頑張りますので、ご覧下さい!!