No.218106

金の精霊の華麗なる同人生活(Angel's Feather)

いず魅さん

BLゲー『Angel's Feather」のパロです。
金の精霊やルカなどが同人女という設定のバカSSです。

2011-05-22 14:17:55 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1057   閲覧ユーザー数:1055

●金の精霊の華麗なる同人生活●

    -------御園生コンツェルンの陰謀編---------

 

 

 

【登場人物紹介】

 

.金の精霊-----コメケでは大手の同人作家。ジャンルはノンフィクションジュネ。

        (実話に基づいたジュネ)

 

.千倉杏里-----コピー本オンリーで活動している、同じく同人作家。ジャンルは創作で

        激辛食品の評論をやっている。

 

.新島瑠伽-----杏里の部活の顧問であり、同人仲間でもある。

        ジャンルは男性向け成人指定エロ。

 

.上杉 凪-----コメケット副代表。代表の櫂に命を捧げている。

 

 

    ※この物語はフィクションであり、実在の某団体とはいっさい関係ありません。

 

 同人界最大の即売会を主催する株式会社コメックマーケット(通称:コメケ)が買収された。

 買収先はなんとあの御園生コンツェルンだった。先代の理事長から櫂に実質の経営権が移ってからというもの、会社は様々な新規事業に参入して来た。ベビー産業から冠婚葬祭に至るまで、まさに『揺り籠から墓場まで』といった具合である。

 だが、そんな御園生コンツェルンがまだ参入したことのない分野があった。おたく市場-----である。たった3日間で数十万人もの人間と数億とも言われる金(それも現金で)が動くという知る人ぞ知る巨大マーケットである。そんなオイシイ市場を、AF界のライ△△アと言われる御園生コンツェルンが放っておくハズがなかったのである。

 こうして株式会社コメックマーケットは、株式会社コメックマーケット・セレブと社名を変えて、新たな体制のもと運営されることとなった。これまでボランティア扱いだったスタッフはすべて給与制の社員となり、役員は会場までリムジンでの送迎付きとなった。即売会の名称もコメケット改め、コメケットセレブとなった。代表はもちろん櫂である。コメザワ代表は、櫂の専属運転手として第2の人生を歩むこととなった。

 

 

 

「ええーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!?」

 

 コメケの次回申し込み書を手にしたまま、杏里は絶叫した。

 放課後の音楽室である。

 

「どうした、千倉?」

 

 吹奏楽部顧問の新島瑠伽が怪訝そうに覗き込む。

 

「先生・・・・・・コメケのスペース代が・・・」

 

「ん?」

 

 覗き込んだ用紙に印字されている1スペース50,000円の文字に、新島は目を剥いた。

 

「な?! これはっ・・・」

 

(貧乏人はサークル参加sるなというのか)

 

「先生、どうしようどうしようどうしよう。50,000円なんて、ボクとっても払えない・・・」

 

 目にいっぱい涙をためて杏里は呟いた。

 

「せっかく今回はハバネロの徹底研究大辞典を出そうと思ってたのに…」

 

「千倉、それなら私と合同でスペースを取ろう」

 

 新島の申し出に杏里はふるふるとかぶりを振った。

 

「でもでもでも・・・先生は男性向け成人指定エロでしょ? ジャンルが合わないよ。ハバネロ本なんて誰も買ってくれない」

 

「う。すまない」

 

 思わずうなだれる新島であった。

 

 

 

「うっそーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!?」

 

 同じ頃、鉱山では金の精霊が悲鳴を上げていた。

 

「何これ? アンビリーバボーッ!! 50,000円ってどーゆーことぉ?」

 

 もちろん彼女も同人作家である。

 

「おまけに何よ、このジャンルの変更・・・。ノンフィクションジュネ廃止、ですって!? ウチのサークルに対するイヤガラセ?」

 

 同人人生●十年、未曾有の緊急事態発生である。

 

「納得できないわ。コメケットにコールしてやるわ」

 

 怒りに任せた金の精霊からの電話を取ったのは、コメケットセレブ副代表の上杉 凪だった。

 

「はい、コメケットセレブです」

 

「ちょっとー! コメケのスペース代がいきなり50,000円って高すぎでしょ?」

 

「代表の決定ですので」

 

「・・・・・・。それはまあいいとして(いいのかよ、高いだろ;)、今回の申し込みジャンル、これどーゆーことぉ?」

 

「は?」

 

「は? じゃないわよ。どーしてノンフィクションジュネが廃止なワケ?」

 

「カップリングがあり得ないからです」

 

「ホワーイ? 櫂×翔のどこがノーだって言うのよ」

 

「決まってるでしょう。櫂は"受け"だからです。僕は櫂×翔なんか認めない」

 

「認めない、って・・・ち、ちょっと、個人のシュミにまで制約がつくってどーなのよ?」

 

「規則ですから。アピールにも書いてあるハズですが?」

 

「あんたじゃ話にならないわ。代表出しなさいよ、代表!」

 

「代表は今、不在です。それでは失礼します」

 

「あ、ちょっと・・・!!」

 

 金の精霊の叫びも空しく、電話は一方的に切られてしまった。あまりの対応に受話器を握りしめたまま、しばし呆然とする。

 

 コンコン------

 

 ノックとともに金獅子が入って来た。

 

「あら、何かしら? ゴールデンライオンちゃん」

 

「新島さまと杏里さまがお見えになっておりますが」

 

「通してちょうだい」

 

 血相を変えて入って来た2人を見るなり、金の精霊は瞬時に用件を理解した。この3人はジャンルこそ違え、数年来の仲良しなのである。

 

「金の精霊さん、どーしよー」

 

「コメケね。許せないわ」

 

「これは何か手を打たないと、な」

 

 3人は円陣を組んで互いの意志を確認し合うと、対コメケットの作戦会議を開くことにした。唇を噛みしめた金の精霊は、虚空を睨み拳を握りしめた。

 

「見てらっしゃい、御園生コンツェルン! 同人女の恐ろしさを思い知らせてやるんだから」

 

 

                       

                  波乱を含みながらつづく!(←嘘です;)


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択