No.217830 真・恋姫無双 例え総てを失っても 5話2011-05-21 02:01:03 投稿 / 全6ページ 総閲覧数:4694 閲覧ユーザー数:3704 |
一刀の壮絶な旅の話を聞いて皆は困惑していた。
そんな中
「・・・あの、兄様。凪さんのお話では「四肢に気が通ってない」とおっしゃってましたがその左腕はご無事なのですか?」
流琉が絡繰の物のでない左腕の事を聞いた。
「・・・流琉、こっちに来て俺の手を触ってみてくれ」
一刀の言葉に流琉は嫌な予感をしながら一刀の言う通りに一刀に近付き一刀の左手を触った。
その瞬間流琉は顔を青くさせながら
「・・・冷たい・・・すごく冷たいです」
流琉の言葉に皆にも緊張が走った。
「・・・この左手もあの時の戦いの影響で動かなくなった。・・・恐らく気を収縮させすぎたのだろう。腕に限界が来て気が爆発したからな。・・・それを無視して戦ってアイツを倒したからな。義手を作ってくれた人が言うには「気による治療に精通してる者ならもしかしたら直せるかも」という事でそのままにしている・・・ちなみに流琉に触られてる感覚もないんだ。だから皆の温もりを感じる腕を失ってもとさっきいったんだ」
一刀の話に皆が涙した。
特に実際に左手を触っている流琉は泣く事が止めれず、そんな流琉を一刀は感覚のない絡繰の右手で頭を撫でていた。
そんな天幕の中に一人の男が入ってきた。
「話は全て聞かせてもらった。北郷、俺にその左手を治療させてくれ」
「華佗か、ちょうどいい。皆に君の事を聞こうと思ってたところだ」
「俺もちょうど此処に着いてな。皆に挨拶をしようと思ったらこの天幕を警備してる兵が泣いていたので悪いが盗み聞きさせてもらった。・・・北郷、お前も辛い旅をしていたのだな」
華佗の挨拶も済み早速一刀の左手を見た。
「・・・結論からいうが、かなり困難だが治せそうだ。・・・これから戦闘も過激になっていくだろう。俺も皆と共に行動しよう。そのほうが一刀の治療もしやすいかな」
一刀の左手は治せる。
その言葉に一刀が帰還してから初めて皆は笑顔になった。
一刀も無表情ながら華佗にお礼と治療をお願いした。
一刀の話も一応終わったので一度解散となった。
魏の者達が一刀に話しかけてる中、美羽が一刀を訪ねてきた。
「皆の再会を邪魔してしまってすまないのじゃ。じゃがどうしても北郷殿に聞いて欲しい事があるのじゃ」
普段見せない美羽の真剣な表情に皆は素直に話の場を作った。
「まずは皆にお礼を言うのじゃ。ありがとうなのじゃ。それで北郷殿に聞きたいのは先ほどの話の妾についてじゃ。・・・・・・実際にその様な悲劇を味わった事のないこの世界の妾には到底たどり着けないかもしれぬ・・・じゃが妾も「その世界の皇帝袁公路」のようになれるじゃろうか?」
美羽の問いを聞いた皆は驚いた。
普段無邪気な子供でしかない美羽がこのような事を言うのかと。
ただ一人華琳だけは違う表情をしていた。
華琳には分かったのだ。美羽の覚悟が
「・・・そう、貴女も覚悟をしたのね。真の指導者になる決意を。貴女にもあったのね「袁家の誇り」が」
美羽の問いを聞いた一刀は暫く黙って美羽の目を見ていた。
美羽もそんな一刀を瞬きもせずに一刀を見続けた。
暫くそれが続いていたが急に
「・・・本当に覚悟を決めたようだな。さすが、姿や歳・違う世界にいても「美羽」は「美羽」か。最終決戦の時の美羽の目と同じだよ・・・美羽、全てを受け入れる覚悟はあるか?」
一刀の問いに美羽は頷いた。
「・・・ならば美羽こっちに来てくれ」
一刀の頼みに美羽は素直に従い一刀の真ん前に来た。
そんな美羽の目線にあわせ一刀が屈むと
「さっき話したよね。俺の中には俺を救ってくれた皆の魂があると・・・いまから美羽に「向こうの美羽」の記憶を写す。一度に大量の情報や記憶が入ってくることになる。・・・かなりの苦痛だ。耐えれるな?」
美羽は無言で頷いた。
美羽を探しに来た張勲も話を聞き黙って美羽の覚悟を見守る事にした。
そんな美羽に一刀は自身のおでこと美羽のおでこをあわせ
「・・・行くぞ」
「!?ああ・・・ああああああああああああ!!!!」
急に美羽は奇声を上げ苦しみだした。
そんな美羽を心配し見守っていた皆が動こうとするが美羽が苦しみながらも手で制した。
「あああ・・・みっ見えるのじゃ。死んだ七乃の姿が・・・病魔に苦しんでる麗羽姉さまの顔が・・・妾を庇って死ぬ孫策が・・・こっこれがもう一人の妾のき・お・く」
皆を制止ながらも苦しむ美羽。送り込まれる記憶に驚き苦しんだ。
やがて美羽が上げる奇声がちいさいものになってきた。
そして
「・・・これですべてだ。よく耐えたね美羽」
一刀の言葉と共に美羽が倒れた。
そんな美羽を張勲が優しく抱き上げると
「・・・のう、北郷殿。向こうの妾はすごく大人な格好じゃな」
「・・・三国同盟が同じ年代に結成されたとして15年後の記憶だからな。俺が一緒にいたのは3年ぐらいだ」
「そうか・・・受け継いだ知識は使えそうじゃが、武に関しては無理じゃな」
「まあ、季衣と春蘭ぐらいの体の違いがあるからな。だけど一から鍛えなおせばいい。知識を元に「今の美羽」にあった武を身に付ければいいさ」
「・・・そうするのじゃ。のう北郷殿、妾も向こうの妾のように「一刀様」とよんでも良いかの?」
「ああ、いいさ」
一刀の言葉に美羽は微笑んだ。
美羽を抱き上げた張勲も自身の真名を預け一刀に礼を言うと自分達の天幕に帰っていった。
「・・・美羽も立ち上がったのね。これは私もうかうかとしていられないかしら?」
「そうかもね。だけど今は俺もいるさ。・・・こんな姿になってしまったけど華琳そしてみんな、もう一度俺を皆と歩ませてくれないか?」
一刀の問いに魏の皆は笑顔で頷いた。
後書き
「外史をかける一刀」を書いてる間に息抜きのつもりで書いてたら先に完成してしまいましたので投稿します(笑)
「外史をかける一刀」は明日に投稿します。
待ってくださってる皆様すみません ぺこ <(_ _)>
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真・恋姫無双 例え総てを失っても 5話を投稿します。
息抜きで少し書いてたはずがこっちが先に出来ちゃったので投稿します。