No.217686

それでも、世界は廻っていく

月千一夜さん

こんばんわw
短編+シリアス
もともと某サイトにて連載していたモノの短編版
それ故、終わり方が中途半端ですw
要するに、完成度が微妙(ぇ

続きを表示

2011-05-20 07:31:50 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:7203   閲覧ユーザー数:5879

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

何の意味もなく

何の意義もなく

何の価値もなく

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

その終端がどうなろうと

その結末がどうなろうと

その後の世界がどうなろうと

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

どんなに苦しくとも

どんなに切なくとも

どんなに悲しくとも

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

それが間違いだって知っていても

それが真実だって理解していても

それが答えなんかじゃないって・・・わかっていても

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

例え、その果てに・・・“俺”の望む“終わり”がなくとも

 

世界は変わらずに

いつまでも変わらずに

何一つ変わることなく

 

 

永遠に繰り返すんだ・・・

 

 

 

 

≪それでも、世界は廻っていく≫

 

 

 

 

 

 

「天より舞い降りし白き流星・・・乱世を切り裂かん」

 

 

ボロボロの布きれを身に纏った者が呟く

その言葉に、目の前にいた少女は目を輝かせている

 

 

「それって、本当ですか!?」

 

 

その言葉に、その者は手に持っていた水晶を見つめたまま呟く

 

 

「私の名は“管輅”

私の予言に、外れはありません

全ては“必然”なのです」

 

「ううむ、どうも信じられんな」

 

「にゃぁ~、嘘くさいのだぁ」

 

 

先ほどの少女とは違う少女が言う

この一言に、管輅はスッと指を差した

 

 

「そう思うならば、どうぞ

あちらの空をご覧ください」

 

 

指を差した方を見つめたまま、管輅は言った

その指につられ、空を見上げる少女達

瞬間、彼女たちの表情が“驚愕”に染まる

 

 

「なっ・・・」

 

「おおっ!?」

 

「わわわわわわっ!!!?」

 

 

彼女達が見つめる先

そこに、白き流星が落ちていったのだ

 

 

「本当に、落ちただと!?」

 

「にゃにゃ!?

ど、どうするのだ!?」

 

「どどどど、どうしよう!?」

 

 

あまりの事態に、パニくる三人

そんな三人の様子に、管輅は小さく笑いを漏らした

それから、水晶を懐へと仕舞うと小さく呟く

 

 

「お行きなさい

天より舞い降りた御遣いは、貴女方のことを待っています」

 

 

そう言って、その場から歩き出す管輅

少女はその言葉にハッと我に返り、駆け出して行った

その後を、二人の少女が続いていく

 

 

 

 

「また・・・物語が始まったよ、■■」

 

 

そんな三人には、聴こえることはなかっただろう

管輅が呟いた言葉など・・・

 

 

「また・・・世界は廻っていくんだ」

 

 

聞こえることなど、なかったのだ

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

“天の御遣いが舞い降りた”

 

この噂は、瞬く間に天下に広がっていく

その噂のおかげもあってか、御遣いと共にあった劉備の名も瞬く間に広がっていった

そうして、流れていく月日の中

ついに、乱世は終わりを迎えたのだ

 

“三国同盟”

 

劉備が治める“蜀”

曹操が治める“魏”

孫策が治める“呉”

三国が互いに手をとりあい、助け合うという結末だった

 

 

 

 

 

「乱世は終わった、か・・・」

 

 

水晶を片手に、管輅は一人呟いた

その口元に、僅かな笑みを浮かべながら

 

 

「こうして物語はハッピーエンドを迎えました、ってね」

 

 

言って、管輅は静かに空を見上げる

その青々とした空に、いったい何を見ているのか

恐らくそれは、己にしかわからないだろう

そう思い、伸ばした手

その手が、微かに“透けている”

 

 

「さて、と・・・そろそろ、向かうとしようかな」

 

 

伸ばした手を握り締め、管輅は笑った

 

 

「物語は、これにてお終い

そして・・・次なる物語へと」

 

 

“さぁ”と、管輅は笑みを浮かべる

瞬間、その体を光が包み込んだ

 

 

 

「外史への扉を開きましょう・・・」

 

 

 

温かな、白き光りが・・・

 

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

燃えている

船が、人が、川が・・・この大陸が

赤く、赤く燃えている

 

 

「あっつ・・・」

 

 

呟き、“管輅”は額に流れる汗を拭った

その視線の先・・・もう僅かとなった部下と共に必死に駆ける曹操の姿を見つめながら

 

 

「卑弥呼・・・」

 

「うぬ、わかっておる」

 

 

瞬間、管輅の前に一人の偉丈夫が現れた

その変体的な格好は、この場では少々どころかかなり浮いているのだが

周りには、もはやそのようなことを気にする余裕のある者はいない

 

 

「頼んだ」

 

「承知した」

 

 

“しかし・・・”と、卑弥呼は何かを言いよどんだ

 

 

「お主は、本当にこれでよいのか?」

 

「それは・・・また変なことを聞くね卑弥呼」

 

 

“クスリ”と笑い、管輅は指を差した

その先には、炎の中必死に進む曹操軍の姿が見える

 

 

「曹操は、この外史にとって欠けてはならないピースだ

それは、君も理解しているだろう」

 

「うぬ、それは儂もわかっておる

しかし、儂が言いたいのはそういうことではない

儂が言いたいのは・・・」

 

「ストップ」

 

 

卑弥呼の言葉

それを、管輅は遮った

 

 

「急がないと、曹操が死んでしまうよ?

ホラ・・・早く、君の国に案内してあげな」

 

「・・・わかったわい」

 

 

未だ何かを言いたそうな表情のまま、卑弥呼はその場から姿を消した

それを見送り、管輅は疲れたようにため息を吐きだした

 

 

「そんなこと、わかってるんだよ・・・」

 

 

その瞳に映るのは、紅蓮の炎か

それとも・・・

 

 

 

「ごめんな・・・■■」

 

 

その答えを知る者は、ただ一人・・・静かに呟いたのだった

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

“赤壁の地にて、魏が大敗す”

 

この一戦により、天下の行く末は決まった

呉と蜀・・・二国による統治

“天下二分”である

 

 

「これにて、この“外史”での私の役目はお終い・・・っと」

 

 

言いながら、管輅は自身の眼前に広がる光景

呉と蜀の者達が笑いあっている姿から目を逸らす

 

 

「そんじゃ、まぁ・・・“次”に行こうか」

 

 

そう言って、彼が見つめた先

そこには二人の青年がいた

一人は眼鏡をかけた男・・・もう一人は、金髪の青年だ

 

 

「ホラ、二人とも行くよ」

 

「ふん・・・貴様に指図を受けずとも、わかっている」

 

「相変わらず冷たいなぁ」

 

「いえいえ、お気になさらずに

左慈のこれは、所謂愛情表現と同じですから」

 

「ああ、そっか

なら安心だね」

 

「な、于吉貴様!?

なに勝手に・・・」

 

「はいはい、照れ隠し照れ隠し」

 

「ちっがーーーーーーーーーう!!」

 

 

男・・・左慈の叫びに、管輅はクスリと笑いを漏らす

だが、それも一瞬だった

管輅はスッと、視線をうつす

その先には、一人の少年の姿があった

沢山の少女に囲まれ、幸せそうに笑う少年の姿が

 

“北郷一刀”

 

“この外史では”、呉に降り立った天の御遣い

そんな彼の姿を見つめたまま、管輅はフッと口元を緩めた

 

 

「よかったな・・・」

 

 

呟き、管輅はゆっくりと歩き出す

その足取りは、何処か“軽く”見えた

 

 

「その幸せを、手離すなよ・・・北郷一刀」

 

 

ユラリと、管輅の体が僅かに揺らいだ

また、“終わり”が来たのだ

“終わることのない終わり”が・・・

 

 

「さぁ、行こう

“唯一つ”・・・“君”の為に」

 

 

そして、また始まるのだ

新しい物語が・・・

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「ん・・・」

 

 

目を覚ました時、管輅はその光景に眉を顰めた

管輅の目の前

そこには左慈と于吉、それに卑弥呼・・・さらには、ピンクのビキニパンツを穿いた筋肉達磨

“貂蝉”の姿もあった

 

 

「どうしたのさ?

皆して集まってるなんて、珍しいね」

 

 

言って、管輅は立ち上がり辺りを見回す

それから、“ああ、そっか”と苦笑を漏らした

 

 

「“この外史”か・・・」

 

「ええ、そうよん

ここは“あの外史”よん」

 

 

管輅の言葉

貂蝉は微笑みながら答えた

 

 

「なら、早く行かないとね

私の予言を広めないことには、何も始まらない・・・そうでしょ?」

 

「そうねん

貴方は、管輅なのだから」

 

 

“けれど・・・”

 

 

「貴方は、本当にそれでいいのん?」

 

「また、それか・・・」

 

 

呟き、“管輅”は頭を掻いた

それから見つめる先・・・城壁の上

はためく旗に、スッと目を細める

 

“曹”

 

そう書かれた、その旗を見つめながら・・・

 

 

 

「私が何故、この役割を淡々と続けられるのか・・・という問いの答えなら、簡単だよ

私はただ・・・“彼女”に会う

その為だけに、この役目に徹しているのだから」

 

 

見つめた先にはためく、曹の旗

管輅はそのまま、静かに歩きはじめる

 

 

「それじゃ、私はもう行くよ

早くしないと、物語が始まってしまうからね」

 

「管輅ちゃん・・・」

 

 

見上げた空

清々しい程の青に、管輅は苦笑した

 

 

「青いなぁ・・・」

 

 

この青く、果てしない空の向こうから

降り立つ白き光り

物語の始まり・・・その合図

それを、管輅は誰よりも知っている

 

 

 

「また、始まるんだ

“彼”の・・・そして、“彼女”の物語が」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

美しい月の下

一人の少女が泣いている

少女の名前は“曹操”

この大陸の覇者にして、大国“魏”の覇王

 

その様子を、ジッと窺う者がいた

“管輅”である

管輅はしばらくその姿を見つめた後、ため息と共に足を進めた

 

 

「泣いているのですか?」

 

「っ・・・!!?」

 

 

やがて、踏み出した一歩

“ガサリ”と音をたて、少女にその存在を気づかせる

 

 

「誰!?」

 

「私は管輅

しがない占い師です」

 

 

管輅

その名に、少女に表情が僅かに険しくなる

“警戒”

そのようなものが見て取れた

 

 

「その占い師が、私に一体何の用かしら?」

 

 

彼女の言葉

管輅はフッと笑みを浮かべると、水晶を見つめ小さく呟いた

 

 

「帰ってきます」

 

「え・・・?」

 

 

その呟きに、曹操は一瞬呆気にとられてしまう

そんな彼女の様子に苦笑しつつ、管輅は話を続けた

 

 

「天へと帰った御遣いは、再びこの地に帰ってくるでしょう

故に、心配はいりません

貴女は、待てばいいのです

彼が愛した、貴女のままで・・・」

 

 

そう言うと、管輅は背を向け歩き出した

まるで、もう伝えるべきことは伝えたと・・・そういうかのように

 

 

「待って・・・!」

 

 

そんな彼の背に向い、彼女は叫んだ

だがしかし、管輅は歩みを止めない

 

 

「貴方は・・・誰なの!?」

 

「私は管輅

そう伝えたはずですよ」

 

「違う!

そうじゃないの・・・!」

 

 

歩みは止まらない

彼女との距離は広がっていく

そんな中でも、彼女は叫び続けた

 

 

「私は・・・貴方を知っているわ!!」

 

「・・・」

 

「貴方は・・・」

 

 

 

少女の言葉

それが、管輅に聞こえることはなかった

 

美しい月の下

管輅は駆け出していたのだ

 

その場から・・・まるで逃げるように

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「よかったな・・・二人とも」

 

 

呟き、見つめた先

その光景に、彼は笑みを浮かべていた

 

笑顔を浮かべ、抱き合う二人の男女の姿を・・・

 

 

 

「しっかし、油断も隙もあったもんじゃないね」

 

 

“流石は覇王様”と、管輅は笑う

その覇王も、今は唯一人の少女だ

最愛の人との再会を喜ぶ、たった一人の少女だ

 

 

「ハッピーエンド、かな」

 

 

 

 

 

“御遣いは天へと帰った”

 

魏国に降り立った天の御遣いは、その役目を終え天へと帰った

それから、二年後のこと

彼は、帰ってきたのだ

この大陸に、そして・・・最愛の、彼女のもとに

 

 

「ま、これにて終焉・・・か」

 

 

呟きながら、伸ばした手が・・・また、透けていた

そのことに苦笑しつつ、うつした視線の先

御遣いと少女は、抱き合い笑顔で涙を流していた

 

 

「よかったな・・・」

 

 

小さく呟き、“バサリ”と被っていたフードを脱いだ

青々とした空の下

素顔のままで、“彼”は呟く

 

 

「よかったな・・・華琳」

 

抱き合う、二人の男女

そのうち一人・・・青年と、全く同じ顔をした彼は微笑んでいた

そして呟いたのだ

 

 

愛しい、少女の名前を・・・

 

 

 

いつからだろう?

“俺”が“私”になっていたのは

覚えているのは、あの真っ白な空間

一面に広がる、幾つもの世界

 

そして・・・目の前で涙を流し、謝る“少女”

 

 

『ごめんなさい』

 

 

何度も、何度も頭を下げ・・・少女は言った

 

 

『ごめんなさい

でも、私にはもう耐えられない』

 

 

“耐えられない”

そのことが、何を意味するのかわからなかった

理解できなかった

 

 

『今から、貴方にはとても酷いことをするでしょう

許されるとは思っていません

許されようとも思いません

だけど・・・私には、もう耐えられないのです』

 

 

目の前で、少女が泣いている

これ以外、何も理解できないままに・・・

 

 

 

『だから私は・・・貴方に、全てを押し付けるのです』

 

 

俺は・・・“私”になっていた

着ていたはずの制服は消え、代わりに見知らぬ水晶を片手に

“私”は、全てを理解したのだ

 

 

 

 

≪さよなら・・・寂しがり屋の女の子≫

 

 

“私”はもう一度、“彼女”に会えるのだと

そして・・・

 

 

≪さよなら・・・愛していたよ、華琳≫

 

 

もう二度と、“俺”として彼女に“会うことはないのだと”

 

 

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

何の意味もなく

何の意義もなく

何の価値もなく

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

その終端がどうなろうと

その結末がどうなろうと

その後の世界がどうなろうと

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

どんなに苦しくとも

どんなに切なくとも

どんなに悲しくとも

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

それが間違いだって知っていても

それが真実だって理解していても

それが答えなんかじゃないって・・・わかっていても

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

例え、その果てに・・・“俺”の望む“終わり”がなくとも

 

世界は変わらずに

いつまでも変わらずに

何一つ変わることなく

 

 

永遠に繰り返すんだ・・・

 

 

 

 

 

「さよなら・・・華琳」

 

 

消えていく、自身の体

彼は目を瞑り、彼女の名を呟いた

 

 

「さよなら・・・愛していたよ、華琳」

 

 

それは、彼にとっては終わり・・・そして、管輅にとっては始まりの言葉

 

また、世界は廻るのだ

また、世界は繰り返すのだ

 

 

「また会おう・・・この、廻っていく世界の中で」

 

 

何度も、何度も・・・終わることなく

 

 

 

 

 

 

 

≪ごめんなさい・・・≫

 

 

薄れていく意識

その中で、誰かの声が響いた

 

 

≪私は、貴方に酷いことをしました≫

 

 

誰かはわからない

いや、遠い昔に聞いたのかもしれない

そう思い、彼は一人苦笑していた

 

 

≪許してもらえるとは思いません

けれど、それでも・・・私は、貴方に償いたいのです≫

 

 

“だから・・・”と、声が響くのと同時に

彼の視界が、白く染まった

 

 

≪貴方に・・・すべてをお返ししましょう≫

 

 

その光りの先

見覚えのある姿があった

 

 

 

≪さぁ・・・外史への扉を開きましょう≫

 

 

 

白き衣服を身に纏う、あの日の“自分”の姿が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「ん・・・」

 

 

目を覚ます

いつも通りの始まり

“私”は、何の疑問ももたずにその場から立ち上がる

瞬間・・・

 

 

「あれ・・・?」

 

 

“違和感”

普段と変わらない

そう思った自分に感じる、奇妙な違和感

 

 

「ぁ・・・」

 

 

やがてその違和感の正体に気づいた時、“私”は思わず苦笑を浮かべていた

 

いつも通りの、ボロボロの外衣

いつも通りの、美しい水晶

 

そして・・・

 

 

「あぁ・・・久しぶりだな」

 

 

そのボロボロの外衣の下に見える・・・あの、懐かしい“白き衣”

“私”はそれを握り締め、“クッ”と笑った

 

 

「ああ、ちくしょう・・・」

 

 

呟き、見あげた空

“そういうことか”と、“私”は笑っていた

 

 

 

「もう一度・・・“俺”は目指していいのか?」

 

 

 

あの日

“俺”と一緒に捨てた、大切な想い

それを、もう一度夢見てもいいのか?

彼女の涙を、笑顔に変えるために・・・頑張ってもいいのか?

 

 

「もう一度・・・“俺”として、生きてもいいのか?」

 

 

“なぁ、華琳”と、俺は空を見上げたまま呟く

その空に、俺は大切な彼女の笑顔を見た気がした

 

それだけで、“俺”は歩いていける

 

 

 

「行こう・・・」

 

 

“バサリ”と外衣のフードを頭に被り、俺は歩みを進める

繰り返してきた・・・幾つも繰り返した世界で、初めて前に進んだ気がした

その一歩一歩が、とても愛しく感じた

 

 

 

 

「もう一度、歩いて行こう・・・」

 

 

 

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

何の意味もなく

何の意義もなく

何の価値もなく

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

その終端がどうなろうと

その結末がどうなろうと

その後の世界がどうなろうと

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

どんなに苦しくとも

どんなに切なくとも

どんなに悲しくとも

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

それが間違いだって知っていても

それが真実だって理解していても

それが答えなんかじゃないって・・・わかっていても

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

例え、その果てに・・・“俺”の望む“終わり”がなくとも

 

世界は変わらずに

いつまでも変わらずに

何一つ変わることなく

 

永遠に繰り返すんだ・・・

 

 

 

 

 

 

「まずは予言を広めて、それから・・・」

 

 

 

だけど・・・それでも、“俺”は歩き続ける

 

 

 

「それから、どうすっかな・・・」

 

 

この果てしない空の向こう

この険しい大地の果てに

 

“君”がいる

 

この残酷な世界でも、“君”が生きている

この繰り返す世界の中でも、“君”は変わらずに生き続けている

 

 

「まぁ、いっか」

 

 

苦笑し、伸ばした手も

見つめた、この青空も

 

全部、“君”に繋がっている

 

 

「時間はまだあるし・・・ね」

 

 

それでいい

“それだけでいいんだ”

それだけで、俺は歩いていけるから

 

 

「俺は、もう一度君に会いに行くよ」

 

 

 

 

繰り返す

繰り返す

繰り返す

 

世界は、何度も繰り返す

 

その果てに、俺は目指すから

その先に、俺は手を伸ばすから

 

“君”の笑顔を・・・もう一度、見る為に

“君”の傍で、もう一度・・・一緒に、笑えるように

 

 

 

「“さぁ・・・外史への扉を開きましょう”」

 

 

 

“世界は廻っていく”

それでも、俺はもう迷わない

 

 

「君の為に・・・俺の為に」

 

 

この繰り返す、物語の中で

俺は・・・ようやく歩き出したんだ

 

 

 

 

 

≪それでも、世界は廻っていく≫

 

 

 

 

★あとがき★

 

 

管輅=一刀

という設定の作品

 

救いもなく、終わりもない

それでも、止まることなく歩き続ける

そんな物語でした

 

もともと、某サイトにて連載していたものを短編版にしたもの

その為、何とも中途半端な終わりになってしまいましたww

 

連載版だと、この後彼はまずは荊州で“天の御遣い”の噂を広めます

その時に出会った少女・・・“思春”

彼女は未だ、孫権に仕えることなく諸国を旅していたのだ

そんな彼女に、彼は“君はいずれ、素晴らしい主君に出会うだろう”と予言

勿論、孫権のことである

だがそのあとすぐに色々あって、彼女は彼を自分の仕えるべき主君だと勘違い

御遣いの一行に加わることに・・・

 

 

と、ここで非公開になった作品です

・・・ぐすん(泣)

 

作中の一刀は原作よりも若干強いです

あと水晶による透視、簡単な妖術を使えますw

 

ぶっちゃけ、白き旅人のシリアスバージョンww

魏√afterですしね

 

 

因みに、今後は以下の活動を予定しております

 

≪遥か彼方、蒼天の向こうへ-真†魏伝-≫

≪暮れゆく空に、手を伸ばして-呉伝-≫

 

の二作品の連載を再開

まずはこの二つから進めていきます

 

あと、恋姫祭りの作品ですか

あれって、何作品までOKなんですかね?

とりあえず、シリアス二作品を書いてます

 

 

それでは、またお会いしましょう


 
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