No.217633

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part35 再興

見習いAさん

愛紗たちの運命

2011-05-19 23:24:51 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3301   閲覧ユーザー数:2860

~襄陽~

 

呉蜀連合軍に対し、最前線拠点として一時100万の兵を抱えていた荊州最大の都市

兵は役目を終えそれぞれの持ち場へ帰還したが、今も対蜀前線基地の役割を担っている

 

襄陽を守るのは于禁、沙和だった

 

華琳からの伝令が来たのはほんの少し前

勅令を受けると、沙和は嬉しそうに準備を始め、目的の実行に動いた

 

今、沙和は数人の部下を連れ、襄陽の最深部にある地下牢への階段を下りている

目的は、そこに捕らえられた蜀の将たち

 

松明の篝火を頼りにジメジメとした薄暗い階段を下りると、罪人を収容する堅固な牢獄が見えた

 

「・・・・・・沙和か」

 

沙和を見ると、愛紗は無念そうに口を開く

 

使われている牢は4つ

愛紗 翠 恋 音々音

それぞれ1人ずつが収監され、4人とも鎖に繋がれている

 

沙和は松明を手に取り、4人を眺めると、いつもと変わらない笑顔で声をかけた

 

「やっとこの時がきたのー。早く4人をここから出すの!」

 

沙和に命じられた部下が、ジャラジャラ音を鳴らせながら牢の鍵を開ける

4人の手足は厳重に鎖で固定されており、何も抵抗ができない

 

「・・・・・おなかすいた」

 

恋は一言つぶやいた

だが、それだけだ

 

4人は言われるがまま、地下牢を後にした                  

~成都~

 

防衛体制が整いつつあった蜀は、長安攻略成功の報を受けると国全体の士気を取り戻しつつあった

 

「桃香、元気だすにゃ~」「そうにゃそうにゃ~」「桃香様元気になるにゃ~」

 

「ありがとう、ミケちゃん、トラちゃん、シャムちゃん」

 

桃香を囲む南蛮兵3人

 

「美似が来たからには、晋も呉もぎゃふんと言わせてやるにゃん。だから安心するじょ」

 

朱里の要請を受けた美似達は象兵を含む最大の戦力を増援として出してくれた

その数凡そ5万

これほどの大軍を出せたのは、朱里と雛里が進めた南蛮開発と、両国のインフラ整備の賜物だ

 

これで戦力は整った

長安や涼州の統治がうまく動き始めれば、晋と呉を相手に戦うことができる

 

「翠さんか蒲公英ちゃんがいてくれれば、北方の統治も楽だったのですが・・・・」

 

朱里がつい、翠と蒲公英の名前を出してしまった

 

「・・・・・はわわ!桃香様すいましぇん・・・・」

 

未だ行方不明の5人

桃香はその安否が心配で仕方なかったのだが、王として、自分の役目を果たそうと必死だった

 

「ううん、大丈夫だよ朱里ちゃん。皆元気に帰ってくる。私はそう信じてる」

 

「はぅ~」

 

朱里も激務続きで疲れが出ているのかもしれない

しかし、ここが蜀、最大の踏ん張りどころであった         

「晋からの使者?」

 

突然の訪問者に桃香と朱里は急いで対応にあたった

朱里は玉座に桃香が着いたのを確認すると

 

「遠路ご苦労様でした。本日はどのようなご用件でしょうか」

 

晋の使者はその問いに答えず、後方に控えさせた従者に合図を送った

合図を受けた従者はさらに後方の使用人へ

すると、大勢の使用人が白い布に包まれた3つの長物と、1つの包みを差し出した

 

それを見るや、桃香と朱里の顔から血の気が引いた

使者が布をどけると、中から出てきたのは

 

青龍偃月刀 銀閃 方天画戟 そして、ねねの帽子

 

安否の分からない5人のうち4人の所有物だった              

~北郷一行~

 

あれから追っ手に遭遇することもなく、順調に都から離れている

これも、稟や風の下調べのおかげなんだろうな

 

「風、そろそろ教えてくれてもいいじゃないか、行き先」

 

「お兄さん、せっかちは嫌われるのですよー」

 

またこれだ

風の奴、なんだかんだ俺が消えたこと怒ってるみたいだ・・・・

何度聞いてもスルーされてしまうので、俺は抗議の意味で頬を膨らませた

 

「うむ、風、そろそろ意地悪はやめて教えてやろうではないか」

 

「風ちゃんってば、兄ちゃんいじめちゃかわいそうだよ」

 

「むむむ~、風としてはもう少しお兄さんを懲らしめてあげようかと~」

 

秋蘭め、笑いを堪えてるよ

季衣も楽しそうにしちゃってぇ~

くそぅ、ならこうだ

 

「・・・・明命の秘密の猫場を教えるからさ」

 

「おぉ!風を買収しようとは、おぬしも中々の悪ですねぇ」

 

明命は単独先行していてこの場にいない

 

「な、機嫌直して教えてくれよ」

 

「仕方ないのです。実はですねぇ~」

 

風は飴を口に入れるとじ~っとこちらを見つめてくる

お前はミリ〇ネアのみのも〇たか!

 

「・・・・・ジョウヨウダゼ」

 

答えたのは宝慧だった

 

「お前が言うのかよ!って襄陽?あそこは晋の勢力圏だったはずだが」

 

風は勝ち誇っていた

なんか悔しい

 

秋蘭がそろそろいいだろうと言った感じで

 

「北郷、襄陽を守る沙和は、既にこちら側だよ」                

俺達はその後も敵に遭遇することなく無事襄陽にたどり着くことが出来た

 

襄陽を守るのは明らかに晋の兵たち

本当に大丈夫なのか?

 

馬車が城門前にたどり着き、秋蘭が馬車を降りた

秋蘭の姿を確認するとすぐに多くの兵が馬車を囲んでしまった

 

「おい、秋蘭・・・・」

 

「皆聞け、我らが王のご帰還であるぞ!」

 

王の帰還?

 

「おい稟、風、王って誰のことだ?」

 

「一刀殿、あなたが王となり、魏を再興するのです」

 

「これからはお兄さんなんて気軽に呼べなくなっちゃいますねー」

 

そんな話まったく聞いてないぞ

 

「季衣、知ってたの?」

 

「ごめん兄ちゃん、でも、兄ちゃんなら絶対立派な王様になれるよ!」

 

そんなに目を輝かせながら言われてもだな・・・・

 

「北郷」

 

秋蘭が馬車の外から手を差し伸べてくれた

俺は手を取ると馬車から降りる

 

すると

 

「御遣い様だ!!我らが王が帰ってきた!!」「御遣い様が帰ってきた!本当に帰ってきた!!」「御遣い様ー!!!」

 

「「「「「「「「わあああああああああ!!!」」」」」」」

 

馬車の周囲を囲んでいたのは兵だけじゃなかった

農具を担いだ人、赤子を抱えた人、高齢者、子供達

いろんな人たち全てが、俺の帰還を祝福している

 

「北郷、お前の帰還を待っていたのは、私たちだけではないのだ。皆、お前を待っていたんだ」

 

あまりの熱気に、俺は圧倒されていた

 

「我らの王になってくれるか?」

 

迷いはなかった

俺は秋蘭に頷くと

 

「皆、平和な世を取り戻すため、もう一度立ち上がろう!!!」            

 

「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」」」」」

 

最大の歓声が沸きあがった                    

俺達は兵や民衆の波を抜け襄陽の城に入った

すると真っ先に目に入ったのは、関羽さんや馬超さんたちに土下座をしている沙和だった

 

「ごめんなさいなの!どうか命だけわぁ」

 

「貴様のせいで姉上がどれほど悲しんだことかあああああああ」

 

「仕方なかったのぉーーー」

 

沙和が関羽さんに命乞いをしていた

助け舟を出したのは稟だった

 

「魏と蜀はこれより同盟国。どうか沙和を許してあげてください。

 桃香様も、沙和をお許しになってくださるはずです」

 

稟の 同盟国 の言葉を聞くと、関羽さんは沙和に向けていた敵意を外した

 

沙和は初めから変わってしまった華琳に疑問を抱いていた

それでも華琳に従っていたのは魏への忠誠、そして凪と真桜との友情からだろう

それも、今では

 

「ふぅ、助かったの・・・・ッ!・・・・・・隊長ーーーーーーー!」

 

「沙和!!!」

 

俺は飛び込んできた沙和と抱き合った

 

「あはは、沙和元気だったか?」

 

「もう少しで元気じゃなくなるとこだったの」

 

沙和とも合流することができた

さらにうれしい報告が秋蘭から伝えられる

 

「合肥の霞と真桜も、我ら魏へ帰順するそうだ」

 

霞と真桜

 

魏が、再び一つになろうとしていた   

      

晋からの使者について

沙和が手配した使者で、武器等を届けて証拠とし、身の安全を保障したうえでの

魏と蜀の同盟を提案する使者でした

 

この設定をどこに書き足したら良いのか思いつかなくて

そのまま忘れていました・・・・・


 
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