始めに、主人公を始めとした登場人物の性格にズレがあるかもしれません。
そういうものだと納得できる方のみ、ご観覧ください。
第0話 「昨日の敵は今日の友」 by 北郷一刀
『日常、それは何物にも代えがたき宝物である』
とかいう格言を何処かの著名人が残してそうじゃね?
日々続く常識のある時、まさしく日常。
「はぁ、今日も平和だな~」
朝日照る中、俺は何時ものように聖フランチェスカ学園への道を歩いていた。
何時もと変わらぬ光景、小鳥鳴く爽快な青空、俺はこれに幸せを感じずにはいられない。
「北郷先輩、お、お早うございます」
「今日はいい天気ですね」
「あ、うん。お早う。ほんと、いい天気だよね」
登校中によく声を駆けられる剣道部と馬術部の後輩に今日もまた、声を駆けられる。
これも日常。彼女達はきゃーなどと黄色い歓声を上げながら走り去ってしまったが、まあ、これも日常。
「声をかけてくれる分だけ嫌われてはいないと思うけど」
そんなことを呟きながら、俺は日常を謳歌しながら道を歩いていると。
「おい、さっさと金を出せよ。ゴミは生きてるだけで有害物質だろ?迷惑料払えってんだよ」
「「「ひっ、ひぃ」」」
真昼間から往来の真っただ中でカツアゲしているまったくもって見たことも聞いたこともない赤の他人がいた。
「まあ、これも日常のささやかな一場面だよな~」
「む、おい、まて北郷。何故先に行く、教室も同じだろうが、どうせなら一緒に行こう」
「いやいやいや、知らない人について行っちゃいけませんってお母さんに言われてるし。僕」
「僕?気持ちの悪い奴だ。まあいい、北郷、臨時収入が張ったんだ。帰りにコロッケでも奢ってやろう」
「だからお前誰だよ?俺には不良をカツアゲする不良の友達なんていねーんだよ」
「誰ってお前、お前の幼馴染。獅堂左慈様だろーが」
そうだった。
悲しいことにこの目つきの悪い栗毛の不良は幼馴染なのだ。
「たっく、左慈!男の幼馴染なんて何の意味があるんだよ。朝起こしてもらうイベントも、お弁当イベントもお前とやれってか!?ふざけんな!何の呪いだよ!?一部の人達が大喜びするぞ!?」
「北郷、お前、つい気にでも狂ったか?」
突然叫び出した俺を見て左慈は一歩後ずさる。
相変わらず失礼な奴だ。まあ、俺も俺以外がこんなことを往来で叫んでいたら退くけど。
「大体、何が左慈様だよ。自分の名前に様付けとか、本当に痛い奴だよな。お前何様だよ」
「何様って、全国最強の不良様に決まっているだろう?俺が括り抜けた死地での武勇伝、聞きたいか?」
「まだ、小鳥のさえずり聞いてた方が有益だろ。さっさと行こうぜ、俺はお前と違って優等生なんだ、遅刻はまずい」
「ああ、わかった。俺もこれ以上単位は落とせん」
隣に最強の不良を名乗る痛い幼馴染がいる光景、これもまた、俺の日常。
人生に刺激が欲しい、それを俺は否定しない。日常は大切だ、だが非日常も無ければ人生は面白くはないだろう。
しかし、常軌を逸しては駄目、日常に帰れなくなる。
つまるところ、青春時代に必要な刺激というのは学校内で起きる些細な事くらいが一番いいのだ。
「北郷、此処はまずい!生徒指導のゴリ山が嗅ぎつけやがった!」
「ちぃ、糞。なんで俺が学園で追いかけっこなんてしなきゃなんねえんだよ!?」
「はっはっはっ、仕方ないではありませんか、一刀君。しかし、よりにも寄って生徒指導の古里山先生に計画が露見するとは、、、これで私の生徒会長の座も終わった。、、死にたい、、」
「死ぬのは逃げ切ってからにしろ、于吉!」
「そうだ、とっとと逃げるぞ!きやがった!」
「はぁぁ、、、鬱になりそうです」
こうして俺達三人は廊下を走り回る非日常を謳歌する。
謳歌し切った後、裏庭に集合していた。
「たっく、ちょっとした茶目っけだってのにマジになりやがって。なあ、北郷?」
「、、、くそ、今まで優等生で通してたのに、、これじゃ俺の評判もガタ落ちだ。どうするか、、いっそ罪を全部左慈に被せるか?うん、脅されたっていえば済むような気がする。こいつ不良だし」
「そうですね、私も一刀君の案に乗りましょう。生徒会長の私と、剣道部兼馬術部所属な文武両道の貴方が証言すれば疑われることない筈です。左慈は信用ないですからね、」
「良い策だ、于吉。流石全国模試一位は伊達じゃないな」
「はっはっは、あまりほめると惚れますよ?」
「俺にその毛はない。変わりに左慈をやろう」
「ありがたき幸せ」
「、、、、お前ら、、それが友達に対する態度かよぉ!!!」
左慈はそう叫びながら泣きそうになっていた。結構マジな表情だ。
こいつは不良で他人からはどう思われてもいいと思っているが、一度気を許した相手には優しくされたいタイプなのだ。
結構、可愛い性格をしている。
「冗談だよ、なあ、于吉」
「ええ、私の左慈を他人に売ったりするものですか」
「、、ごほんっ、なら、いいが」
一度咳をして、左慈は平静を取り戻す。
「しかしまあ、ばれたのは痛かったな。しかも、獲物がそれだけとは情けない。北郷盗賊団の名が泣くぞ?」
俺は左慈の持った銅鏡を指さしながらわざとらしく嘆く。
「仕方ないだろう。作業の最中にゴリ山に見つかったんだ。この左慈様だから、この銅鏡を盗めたんだ。感謝しろ」
キメ顔でそういう左慈。さっきまで涙目だった奴が何言ってんだ。
「うざいぞ、左慈。それにしても、学校付属の歴史館から盗って来たその鏡だけど、売れるのか?」
「知らん」
「はぁ、だから俺はお前が生徒会の経費を裏帳簿でちょろまかす方がいいっていたんだよ。于吉」
「仕方がないでしょう。帳簿を付けるのは会計係で私ではないのです。貴方じゃないんですから籠絡も出来ませんし。手っ取り早く、お金を稼ぐならこの策が一番だったのですよ。しかし、まあ、ばれてしまった今となっては後悔しか残りません。はぁ」
本当に落胆した様子で深いため息をつく于吉に俺は左慈と顔を合わせたあと、尋ねる。
「なあ、于吉。もしかして、今、俺たちが思っている以上にやばい状況なのか?」
「やばいも何も、普通に犯罪ですよ?窃盗罪、刑法235条、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です」
やばい、と心の底から思う。
確実にやり過ぎた、しかもバレた。
バレてさえいなければ、後悔のこの字も無かったけど。
くそっ、少しまえ偉そうに自分自身を戒めていた筈なのに!
「そ、そんなに不味かったか。俺はクラスで隣の奴の筆箱から消しゴムを盗むぐらいの気持ちでやったんだが。ど、どうする、北郷」
「馬鹿、不良がこの程度で動揺するなよ。むしろ嬉々として盗めよ、盗んだバイクで走りだしてろよ!しかし、まあ、世間体を考えて、日常生活への帰還を考えて、非常に不本意だが、、、、頭を下げよう」
「そうですね、私もそれがいいと思います。今の社会は若者のストレスには優しいですから、イライラしてやったと胡麻化して校長先生に誤りましょう」
「そうだな、、、、そうしよう」
俺達3人は頷き合いながら、肩を落とし、職員室への道のりを歩く。
「くそっ、最強の不良が先公に頭を下げるなんて、なんて醜態だ!」
「お前はまだいいだろ、どうせダブり決定だったんだから。俺なんて、優等生の座から滑り落ちる。もう、明日から後輩に朝の挨拶もしてもらえない。俺の日常は消えてしまった、、、」
「一刀君は化けの皮が剥がれたと納得しなさい。私など、生徒会長から前科持ちですよ?それに、ダブりがどうこう言う前に卒業の心配をしなさい。下手すると、退学もあり得るのですから」
于吉の言葉で余計に肩が落ちる。なんて理不尽な世界だ、自業自得だけど。
于吉の言葉の所為か、左慈が手に持った銅鏡を廊下に落とす。
「おいおい、気を付けろよ、左慈。壊したらマジで退学確定だぞ」
「わっ悪い、手が滑った」
落ちた鏡を拾おうと、手に取ると、突如白い光が視界を蔽った。
「なっ?」
「へっ?」
「はっ?」
望んでもいる筈がないのに、俺たちは常軌を逸しすぎた非日常へと引き込まれていった。
後書き
どうだったでしょうか?恋姫無双でありながらまさかの男性率100%の始まり方!
左慈と于吉が一刀の友達と言うこの状況!そして及川くんには出番なし!!
まあ、やり過ぎた感がありましたけど気にしません。
それより重大な問題があります。題名が決まってません!
、、、、、で、どなたかに付けてもらえるとうれしいなーとか考えてます。
何卒よろしくお願い致します<(_ _)>下に書いてくれると嬉しいです⇩
なお、前作の外伝の続きですが、、、、正直にいうと筆が進んでいません。
でも、投げるつもりは無いです。気長に待ってあげてください。(作者の為に)
あっ、言っておきますと一応魏ルートのつもりです。
覇王様や猫耳頭巾に翻弄されない一刀を書きたくて始めました。
そしてなんと、題名が決まってません。
何卒よろしくお願い致します<(_ _)>下に書いてくれると嬉しいです⇩
二回言ってみたり、、、、スイマセン、うざいですね。
では、これにて、、、また次回。
ドロン
消えないけど。
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真恋姫無双、新しい話を始めてみようと思う。
題名はまだ考えていない。誰か良い題名を考えてくれないだろうか?