鎚と斧、斬馬と長刀が苛烈に打ち合い、終局を迎えようとした時、飛将軍は・・・
時は遡り。
連合軍本陣である袁紹軍に龍が鮮血と共に舞っていた。
本陣には八万の兵が、精鋭がいた・・・にも拘らず、彼らは次々と散って逝った。
「っく、ええい!誰か、誰かあれを止められませんこと!!」
と、袁紹は怒鳴るも。
「・・・いく」
と鬼神の前では無意味であった。
更に、本陣近くではねねの采配により呂布騎馬隊は袁紹軍を翻弄し、其の先頭を走る聖羽の剛斧で兵達は蹴散らされていた。
彼女の前では矢も槍も意味を成さず、新兵器の巨躯弩ですら簡単に避けられていた。
流石に袁紹も懲り・・・覚悟を決めた。
「私は連合の・・・いえ、袁家筆頭!袁本初!参りますわ!!」
「・・・こい。」
と宣言し剣を抜刀し、其のまま恋に突っ込んでいった。
恋も追撃に出ようとした時。
「「まてぃ!我が姫君を討つ前に我らを「・・・煩い」う・・・っが。」と恋の意識を此方に向けようとして、突っ込んだ眭元進・韓莒子の二将を引き裂いたが、
「姫を討たせるなーーーー!!」と参謀・審配の号令と共に勇気ある五千の兵が恋に殺到した。
それでも、瞬く間に蹂躙し改めて袁紹の方へ向き直し、戟を振り落とそうとして・・・「斬!」と、戟を持った手が宙に舞った。
「え?」
と恋が後ろ向くと、
「我が、名、は臧洪。亡、き盟友、張超、の敵、取ら、せて貰った・・・ぐふ。」
と、肩から斜めに切られ細かく息をしていた臧洪と名乗った将が、崩れ落ちて逝った。
同時に前を向くと・・・眉間に剣先が深く刺さるのが、ゆっくりと見えていた・・・
連合軍から壮大な雄叫びが戦場に響いた。同時に袁紹の口から、
「飛将軍、呂布奉先。袁本初が討ち取りましたわ!!」
と董卓軍に絶望を突き付けたのだった。
「あ、有りえ無い・・・有り得ないのです!!恋殿は・・・恋殿は無敵なのですぞ!!それが・・・それが!!!」
しかし、ねねの眼前には・・・恋の首級が袁紹軍の軍旗に縫い付けられていた。
ねねは必死に精神を保たせ、軍を引き返そうと後ろを向いた刹那、
ドスッ
と共に落馬してしまったのだった。
ねねは急いで立ち上がろうとしたものの、落馬した性で全身が痛み、更には背中に矢を受け立ち上がれなかったのだ。其処に、
「はっはっは!死ねぇい。」
と、袁紹騎馬隊の先兵・蒋奇に声を上げる間もなく止めを刺されたのだった。
「はっはっは!これで呂布軍は虫けらも同然。一気に「でりゃーーーーー!!」・・・がぼ!」
と、蒋奇もまた、聖羽に一刀のもと討たれたのだった。
「恋さん・・・ねね殿・・・っく!!・・・全軍一時本陣まで撤退、二人の死を無駄にするなーーー!!」
と、聖羽の号令で撤退する呂布軍の背中は・・・悲しみに覆われていた。
今言える事は・・・最強を名乗った鬼神は、ここに幕を下ろしたのだった。
Tweet |
|
|
8
|
0
|
追加するフォルダを選択
生還!!
tinamiよ!私は・・・これからも頑張る!!
感想、待ってます!!