No.216271

真説・恋姫演義 北朝伝 幕間の十

狭乃 狼さん

はい。北朝伝の幕間です。

今回は輝里のお話ですよん♪

まあ、一つだけぶっちゃけると、今回のこのお話は、某絵師さまが描かれた作品の、その原作(?)になった話に影響されて書きました。

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2011-05-11 21:24:23 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:21064   閲覧ユーザー数:15405

 

 ~ 一刀サイド ~

 

 ……まずははっきり言おう。正直、ただいま俺は地獄の責め苦を味わっている。一体何の事かというと。

 「一刀さ~ん、次のお料理ができましたよ~」

 「あ、ああ。もう、出来たの。……ちょっと、早過ぎないかな?」

 「そんなことないですよ?だって、これもこれも、あれもあれも、私がた~っぷりと、愛情をこめて作ったんですから♪さ、どうぞ召し上がれ」

 にこにこと。満面の笑みを俺に向けつつ、次なる料理の数々をテーブルに並べていく彼女。そのツインテールにした艶やかな黒髪を揺らしながら、料理をテーブルに並べ終えた彼女は、再び厨房に立つべくくるりとその体を回転させ、俺にその背中を向ける。

 (くっ……!!み、見ちゃだめだ。“あれ”を見たら、俺の理性は崩壊してしまう……!!)

 そうは思いながらも、自分の顔を“それ”からそらしつつも、俺の目はそれをしっかりと追ってしまう。

 「~~~♪」

 のんきに鼻歌を歌いながら、俺の視界の中で楽しそうに料理をしている彼女-徐庶、字は元直。そしてその真名を輝里ーの、そのツインテールの髪とともに、彼女の動きに併せて揺れる、白い布からのぞく-もとい、思いっきり見えてしまっている、その薄紅色に高潮した“桃”に、俺の視線はしっかりと吸い込まれていた。

 (一体何考えてんだ輝里の奴……?まだ明日も仕事が山とあるってのに、いきなり『二人っきりで食事しましょう!』なんて持ちかけてきて……しかも、しかもだよ?何であんな格好してんだ?ていうか、どこからそんなもの仕入れてきたんだよ!“割烹着”なんて!)

 

 そうなのだ。

 

 輝里の奴、一体誰から教えてもらったのか知らないが、割烹着なんてものを現在その身にまとって、それはもう嬉そ~うに、料理をしているのだ。……しかも、だ。なぜか、その割烹着の下には、な、何も身に着けていないんですよ!

 (誘ってるのか?!これは誘っているのか?!……う。み、見えそで見えないあの部分が、白い桃の谷間から覗いて、なんて、なんて……!!) 

 なんという誘引力か!!駄目だとわかっていても、ついつい目がそちらに向いてしまう~っっ!!

 「……くす♪」

 ハッ!いま、こっちを見て笑った?!い、いかん、これでは完全に彼女の思うが侭じゃあないか!

 (堪えろ~。堪えろ~、俺!ここで輝里の誘惑に負けてしまったら、明日の政務に思いっきり支障が出てしまうのは明白だ!……しかもその上、もしそうなったら、またみんなから“お仕置き”をされることになるのも目に見えてる!……ここは、なんとしてでも耐えなければ……ッ!!)

 

 

 

 ~ 輝里サイド ~

 

 くすくす。一刀さん、なかなか辛抱強いですね~。

 

 私が今何をしているのかというと、実は一刀さんをちょっぴり誘惑中なんです♪……え?何でこんなことをしているのかって?そりゃあもちろん、一刀さんをその気にさせて……ごにょごにょ……のためです///

 

 (……だって、ここの所何かと忙しくて、中々“そういう”機会が作れなかったんですもん)

 

 ……まあそのついでに、“あれ”のネタにも出来ないものかな~という、ちょっとした実験もかねているんですけどね♪

 ちなみに、今着ているこの割烹着とか言う着物は、王淩さんから教わったもの。なんでこんな着物を知っているのか不思議だったけど、

 「それは乙女のひ・み・つ♪」

 って言われちゃった。……うん、乙女の秘密なら仕方ない。

 まあ、それはともかく、最近全然二人きりになる機会が無かったし、夜のほうも結構ご無沙汰なもんだから、思い切って私のほうから誘ってみたりしてみました♪

 

 ……んだけど。 

 

 (……正直言って、すっっっごく、恥ずかしい///はしたない娘だって思われたかな?でも、ここ最近、私たちの陣営に加わってくる娘たちは、みんながみんな、一刀さんのことを慕っているのは一目瞭然なわけで。……その娘たちに加え、由と蒔ねえさん、そして、目下最大の恋敵である命さんを、大きく突き放すためには、思い切った手もたまには必要だと思ったわけ)

 

 で。この割烹着を真っ裸の上に着て、こうして厨房を借り切っての、一刀さん誘惑作戦の実行中だったりするのである。

 「か、一刀さん?ど、どうですか?私の料理、お口に合いましたか?」

 「あ、ああ、うん。もちろんどれもおいしいよ。うん、さすが輝里。料理の方の腕も抜群だね」

 「ほ、ほんとですか!?嬉しい!!」

 と。一刀さんの言葉に高揚した私は、ずい、と、一刀さんの顔の近くまで自分の体を正面から寄せました。

 「う///」

 あ。赤くなった。……うふふ、私の胸の谷間を見て赤くなるだなんて、一刀さんも意外と可愛いところがあるんだ。

 ま、とりあえず、それには気づかない振りをして、

 「一刀さん?どうかしたんですか?顔、真っ赤ですよ?……熱でもあるのかしら?」

 なんていいつつ、さらに胸元を一刀さんの顔の近くへと近づける私だったりして。

 

 「……あ、あのさ、輝里?しょ、食事はもうこれで全部、かな?」

 「え?あ、そうそう。まだ食後のお菓子が残ってました♪いま、用意しますね」

 

 がたがたと。一刀さんの前にある卓を、私はちょっとだけ前に動かす。

 「……?輝里、サン?あの、なにを……されているんでしょうか?」

 「もちろん、食後のお菓子の準備です。……よっこいしょ、と」

 「ちょ!?か、カガリサン!アナタハナニヲイタシマスカ?!」

 ひょい、と。卓をどかして出来た空間-一刀さんの膝の上に、私は彼の両脚をまたぐ形で座り、にっこり、笑顔でこう言いました。

 

 

  ~ 一刀サイド ~

 

 なるべく輝里の方へと視線をやらないようにしつつ、彼女の作ってくれた料理を次々と平らげていく。……正直、味なんか全然分かりません。だって、ちらとでも視線を彼女の方に送れば、その、は、裸に割烹着なんていう、そんな卑怯な姿をした輝里がいやでも目に飛び込んでくるわけで。

 「か、一刀さん?ど、どうですか?私の料理、お口に合いましたか?」

 「あ、ああ、うん。もちろんどれもおいしいよ。うん、さすが輝里。料理の方の腕も抜群だね」

 「ほ、ほんとですか!?嬉しい!!」

 ずい、と。俺の顔の方へと、その体を寄せてくる輝里。

 「う///」

 ……む、胸の谷間がすぐ近くに……!!いや、駄目だ!ここで彼女の思惑に乗るわけには……っ!!

 「一刀さん?どうかしたんですか?顔、真っ赤ですよ?……熱でもあるのかしら?」

 と言いつつ、さらに俺に接近してくる彼女。こ、ここは何か話題をそらさなくては……!!

 

 「……あ、あのさ、輝里?しょ、食事はもうこれで全部、かな?」

 「え?あ、そうそう。まだ食後のお菓子が残ってました♪いま、用意しますね」

 

 そう言ったかと思うと、彼女は何を思ったのか、俺の前にあるテーブルをずらし始めた。

 「……?輝里、サン?あの、なにを……されているんでしょうか?」

 「もちろん、食後のお菓子の準備です。……よっこいしょ、と」

 「ちょ!?か、カガリサン!アナタハナニヲイタシマスカ?!」

 ひょい、と。俺の両脚を跨ぐ形で、膝の上に乗っかってきた輝里。で、そのコバルトブルーの瞳に、妖艶な光を宿してこうのたまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 「……しょ、食後の“でざーと”、です。……遠慮なく、召し上がれ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………………………ぷっちん。

 

 

 

 

 

 

 

 ……ええ。

 

 その瞬間、俺の中で何かがはじけ飛びましたともw

 

 世間体?

 

 明日の仕事?

 

 みんなからのお仕置き?

 

 ……そんなの、この目の前にある、おいしそうな桃に手をつけないなんていう、もったいない行為に比べれば屁でもないさ!はっはっは!!

 

 

 

 「……かずとさん?今夜は寝かせちゃ、や、ですよ♪」

 「……精一杯、努力させていただきます」

 「……嬉しい!!」

 

 

 

 ……うん。

 

 

 屁でもない、さ、きっと、多分……。

 

 

 ……自信は、無いけどね。 

 

 

 は、ははは……はあ。

 

 

 えんど。 


 
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