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真・恋姫†無双~赤龍伝~第56話「落日への足音」

さん

この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。

2011-05-04 01:32:38 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3814   閲覧ユーザー数:3304

真・恋姫†無双~赤龍伝~第56話「落日への足音」

 

 

 

その日の軍議の際、呉郡太守の許貢が、曹操に内応する動きを見せているとの報告が入った。

 

赤斗(許貢!…………ついに来たか)

 

雪蓮「許貢……」

 

雪蓮の身体が怒りで震えている。

 

赤斗「雪蓮?」

 

雪蓮「許貢を討つわよ!」

 

一同「御意!」

 

雪蓮「私たちを裏切った事、後悔させてあげるわ」

 

赤斗「…………」

 

 

赤斗「冥琳」

 

軍議が終わり、廊下に出た冥琳に赤斗が声をかける。

 

冥琳「どうしたのだ?」

 

赤斗「……冥琳。大切な話があるんだ」

 

冥琳「…………なら、私の部屋に行こう」

 

赤斗の真剣な顔を見た冥琳は、何が重大な事を伝えようとしていると察してくれた。

 

赤斗「ありがとう。あと、藍里も呼んでおいてくれないか」

 

冥琳「分かった」

 

 

赤斗と冥琳と藍里の三人は、冥琳の部屋に集まった。

 

冥琳「この忙しい時に、わざわざ我らを呼びだすのだから、よほど重要な話なのだろうな?」

 

赤斗「……まあね」

 

藍里「いったい、どうされたのですか?」

 

冥琳「まさかとは思うが、許貢討伐を中止しろとは言わないだろうな」

 

赤斗「…………雪蓮の命が危ない」

 

藍里「っ!」

 

冥琳「どういう事だ?」

 

赤斗「天の知識だ。……近々、孫策は暗殺される。きっかけは……許貢討伐」

 

冥琳「それで軍議中、上の空だったのか」

 

赤斗「どうすれば、雪蓮暗殺を阻止できるか考えていた。火蓮さんの件もあるしね」

 

藍里「それは、いつ起こるのですか? 分かっていれば防げるのでは?」

 

赤斗「分からない。許貢討伐後に暗殺が起こる事になっているけど、天の知識とは多少の誤差があるから、もしかして、許貢討伐中に起きる可能性だってある」

 

冥琳「なるほど」

 

藍里「なら、これから雪蓮様には、お一人や少人数での行動は謹んで頂きましょう。あと、雪蓮様の護衛を増やしましょう」

 

冥琳「うむ。風見、お前も護衛に回ってくれるか」

 

赤斗「了解。……きっと守ってみせる」

 

雪蓮暗殺を阻止すると、赤斗は強く心に誓った。

 

 

その後、雪蓮は許貢がいる呉郡へと兵を率いて攻め込んだ。

 

赤斗は、呉郡を攻め込んでいる間、ずっと赤斗は雪蓮の傍を離れなかった。

 

雪蓮「赤斗。ずっと私の傍にいるけど、どうしたの?」

 

赤斗「別にどうもしないけど」

 

雪蓮「そう。……なんだか護衛の数も、いつもより多いようだけど。何か知ってる?」

 

赤斗「雪蓮は王様なんだから、護衛の数が多いのは当たり前だよ」

 

雪蓮「……赤斗。何か隠してるでしょ?」

 

赤斗「何も隠してないよ。僕が雪蓮の傍にいるのは、雪蓮が心配なだけさ」

 

雪蓮「ふふ……ありがとう。けど、そんな心配は無用よ」

 

赤斗「そうは言うけど……心配は心配だよ。それに……また、鴉のような奴が現れるとも限らないだろ」

 

雪蓮「大丈夫よ。その時は返討ちにしてあげるわ」

 

赤斗「…………」

 

数日後、雪蓮たちは許貢を討ち居城へと戻った。

 

 

冥琳「許貢討伐は何事なく終わったな」

 

赤斗「そうだね。……とりあえずは良かった。でも、本番はこれからだよ」

 

居城へと戻った赤斗たちは、再び冥琳の部屋に集まっていた。

 

藍里「引き続き雪蓮様には、お一人や少人数での行動を謹んで頂く必要がありますね」

 

赤斗「それなんだけど、雪蓮が勘付き始めている。護衛の数が多くなっている事も気にしている」

 

冥琳「勘の良い子だからね」

 

藍里「いっその事、雪蓮様に事情を説明しますか?」

 

冥琳「それは駄目だな。そんな事をしたら雪蓮の事だから、返討ちにするなんて言いかねないからな。それは危険すぎる」

 

赤斗「確かに……言うな」

 

冥琳「今は現状維持だな」

 

藍里「はい」

 

赤斗「分かった。僕も雪蓮の護衛を続けるよ」

 

冥琳「うむ。頼んだぞ」

 

 

同時刻。

 

――呉郡――

 

許貢の残党①「これから、どうするんだよ」

 

許貢の残党②「決まっている! 許貢様の仇を討つ」

 

許貢の残党③「だが、どうやって孫策を?」

 

許貢の残党②「うーーーん」

 

生き残った許貢の残党たち数人が、孫策に討たれた許貢の恨みを晴らそうとしていた。

 

玄武「お困りのようですね」

 

許貢の残党④「誰だ!」

 

玄武「ご安心ください。あなたたちの敵ではありません。それよりも、許貢殿の仇を討ちたいのならば、曹操様のもとにおいで下さい」

 

残党たちのもとに玄武が現れた。

 

許貢の残党①「曹操のもとにだと?」

 

玄武「はい。きっと曹操様なら、お力を貸して下さるでしょう」

 

許貢の残党②「本当か!」

 

玄武「はい」

 

許貢の残党②「なら行くぞ! なあ?」

 

許貢の残党③「応さ!」

 

許貢の残党①「必ず許貢様の仇を討つぞ!!」

 

許貢の残党全員「おおーー!」

 

玄武「ふふふ……」

 

何の疑いもなく提案に乗った残党たちを見て、玄武は黒い笑みを浮かべていた。

 

 

 

つづく


 
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