はじめに
思いつきのままのコラボ!
内輪ネタでサーセンwww
まるでそれは雪のように
「綺麗ですわ」
見れば彼の隣に立つ彼女は両の手の上で踊る花弁に息を吹きかけてはクルクルと回るそれを愛おしそうに愛でていた
彼女の体温に触れても溶けることの無いそれはチラチラと輝きやがて彼女の掌からすべるように舞い上がっていく
見上げれば
「本当に…綺麗ですわ」
それ以上の言葉が無い
一面に咲き乱れる桜の花弁が風に乗りシャラシャラと舞う
あたり一面が桜色に染まり幻想的な光景に溜息だけが突いて出る
彼女の頬を染め惚ける様に思わず頬が緩む
「何ですの?」
「…いえ」
首を傾げその長い睫をパチクリとはためかせるそこには普段の彼女…袁家当主という肩書きは無く
彼の知る、彼だけが知る一人の女性の姿である彼女
罪悪感すら覚えるほどに
生まれながらに名家に、そして王に祭り上げんと
エゴであろう
本当は…彼女から今の、これからを全て取り上げたいなどと
(馬鹿め…我欲ですら彼女を泣かせるのか)
そんな自身の本心を隠したいがために
「…比呂?」
彼女の顎に手を添えるとその潤んだ瞳が閉じられた
そして二人の顔がゆっくりと近づいていき…と
「こっちですよ~♪」
青筋を浮かべた二人が見やればブンブカと手を振る高覧の姿…そして
「真昼間から…な~に勝手に二人の世界に入ってるんですか」
「なんでもいいから!は~や~く~う!もうあたい喉カラっカラだよう!」
「文ちゃん…花見より団子より…お酒?」
そうなのだ
先ほどまでの幻想的な光景にガヤガヤと人の喧騒が辺りに響き渡る
満開の桜の木の下、所狭しと人々は各々が準備した絨毯の上に腰を据え料理に酒にと謡っていた
「…庶人というのは優雅に花も愛でられませんの?」
(あ…元に戻った)
自慢のカールをクルクルと指に絡めフンと鼻を鳴らす麗羽
「…花見がしたいって言ったの姫じゃんよ」
「そうですよう…せっかく朝早くから場所を取ってたんですから」
「はいちゃっちゃと座ってください」
促されるままに腰を下ろす二人…と
「あのう…月さん?」
比呂の隣にドスンと座り無表情、無言のままに重箱をテキパキと広げる月
全身からドス黒いオーラを放ち此方とは目線も合わせずに皿と杯を配る
「始まる前から修羅場ですな」
あっはっはと後頭部を掻いて笑う悠に麗羽の肘鉄が入った
「…ぐふっ!?」
悶絶する悠を他所に二人の合間にバチバチと火花が散る
「あーらどこかで見たかと思えば董卓さんじゃありませんこと?…ここは『袁家』の席でしてよ?」
「あら?どこかで見たかと思えば袁紹さんじゃないですか…斯様な場所で奇遇ですねえ」
「「おーほっほっほ」」と二人の声がハモる異様な空気で始まった袁家の花見
彼らはまだ気づかないも
彼らの隣に席を築いた一団
彼らもまた負けず劣らずに異様な空気を纏っていた
この時はまだこの花見の結末を知るものは誰もいなかった
Tweet |
|
|
18
|
5
|
追加するフォルダを選択
思いつくままに合作w