~現代の一刀の部屋~
現代に戻ってきた一刀であるが、只今、筋肉達磨の貂蝉と面会中である・・
貂蝉の説明で、1度現代から離れてわずか3日しか経過していないこと、何者かによって現在に戻
され、そんな一刀を救うべく、愛紗・星・翠・蒲公英が助けに来ていることを話してくれた。
そこで貂蝉が
「ご主人様、もしあの子らが、ご主人様を助けに来た時、またあの世界に戻る覚悟はあるの?」
と聞いた時は、一刀はある決意を固めていた。
「ああ、その時はもう向こうの人間になる覚悟はできているよ。俺を生んでくれた両親や友人と別れるのは辛いけど、しかしこんな俺の命を受けて、助けに来ている星らの思いを無駄にしたくないし、大好きな皆と別れることの方がもっと辛いということが判ったんだよ。
だから、皆が助けに来た時は喜んで向こうに行くよ。」
と説明した。
貂蝉が
「さすがご主人様ね~」
と言っていると、貂蝉は履いていたパンツから水晶玉を取り出し一刀の目の前に差し出したが、一
刀は思わずどこから出してきたんだと突っ込みを入れようと思ったが、貂蝉が気にせずに話を始め
「これは向こうの様子が分かる玉なのよ~」
不気味な笑顔で言うと、玉からは薄らと救援に向かっている星らの様子が見えた。
一刀が
「星・・」
と呟きながら、目に涙を浮かべていた。
そんな一刀に貂蝉が
「そんなご主人様に私から1つプレゼントを渡すわ、内容はこんなのだけど・・・受け取ってくれるわね」
と言うと一刀は
「ああ喜んで使うさ、ただ1度きりしか使えないから慎重に使わないといけないな」
貂蝉が
「そうよ、使うタイミングによって状況が大きく変わるかもしれないから慎重にね」
と言って、お互い水晶玉を注視していた。
~剣閣~
劉潰の元に冷苞が現れ、冷苞が
「関羽らを監視に行かせていた2名が、未だにこちらに帰ってこない、恐らく捕らわれたか殺されたのかどちらかだな」
と言うと劉潰は
「それはまずいぞ、取り敢えずこちらから兵を出して迎撃態勢を取るか?」
と言っていると、
「おやおや何事ですか」
と言って男が入ってきて、2人は
「「御遣い様」」
と挨拶をし、その御遣いは更に全身を白色フードを被らせた人物を4名を同行させていた。
冷苞が御遣い様と名乗る男にさっきの事を説明すると
「今日の夜中に待っていた物がようやく来ます。邪魔をされないよう付近の警戒を強化して下さい」
と言うと劉潰は
「ところで御遣い様、ここに連れて来ている人物は何者ですか」
と尋ねると、御遣いと名乗る男が1人にフードを取って顔を見せるよう指示し、その内の1人が顔
を見せると2人は腰に掛けていた刀に手をやると、その御遣いは
「ここにいるのは味方の方ですよ、詳しいことは省きますが、こちらの方は向こうと区別するために声は出ませんので間違わないように・・」
と冷静に言い放つと更に
「今から儀式の準備をしますので、2人とも準備の方をよろしくお願いしますね」
と言うと皆、一斉に準備に取り掛かった。
星らは町を出発して向こうに気づかれる前に馬で強行軍で剣閣付近まで駆け付け、すでに剣閣を偵
察し、現在冷苞らがいる陣から離れた場所で会議をしていた。
愛紗が土に図を書きながら説明し
「現在2つの山道の入り口は取り敢えず、100人くらいの兵で固められている、それに山道を流動警戒している兵も50名ずつおり、恐らくは本陣には200名程度の兵がいるという計算だ」
と言うと、星が
「他に人が通ることができる道はないのか」
と聞くと蒲公英が近くの村人から聞いた話では、
「山の西側が途中までは通れる道はあるけどが、途中で崖があり登ることが難しいと言っていた話をしてたよ」
と説明した。
そこで翠が
「さっきよ、偵察に行った時、何か陣の動きがどうも慌ただしい感じだったから、何か動きがあるかもしれないぞ」
と説明すると、星が考え込みがなら
「ひょっとしたら、推測だが今晩にも何か動きがあるかもしれんな・・」
と言うと愛紗も
「確かにそうだな、盗賊ならいざ知らず、こいつらは盗賊とはまったく違う目的を持っているから、ここに来て動きがあるということはその目的のために動きを見せているという可能性が高いな」
翠が
「そうなるとさすがに山道を強行突破する訳にはいかないし、今から一か八か蒲公英が言っていた
崖を登り、奇襲で本陣に突撃した方がいいのじゃあないか」
と言うと蒲公英が
「お姉様、いきなり奇襲は無理があるでしょう?、でも崖を上って、取り敢えず本陣の動きを見て動くのはどうかな?」
と蒲公英が補足すると、星が
「そうだな、今から登ったら夜までに十分間に合うし、夜まで休息したら体力も回復できるだろ、
皆それでいいか」
と皆に同意を求めると全員同意し、夕方までに崖を登り切り、本陣近くの林に隠れ休息したのである。
夜になると本陣に動きがあり、広場周辺に兵を固めていたが、中心部分には冷苞・劉潰に白色フー
ドを被った人物5名がおり、更に机の上には貂蝉が言っていた鏡に置かれていた。
そして警戒を掻い潜って、それを見ていたと愛紗が
「星、これをどう見る」
と尋ねると、星は
「これは今から何かあると判断すべきだろうな、取り敢えず動きがあるまでが静観だな」
と言って、1時間ほど経過してから、翠が小声で
「おい皆、上を見ろと」
と言うと1つの流れ星が勢いよく、こちらにやってくるのを確認できた。
その流れ星がやがて、先ほど冷苞らがいた広場に勢いよく落ちたが、不思議と爆発音はせずに、大
きな光を放ち、やがて光は消えた。
しかし、付近にはまったく変わった様子はなかったが、冷苞と劉潰がフードを被った男の前に進み
出て、
「これで儀式は終わりました、御遣い様」
と言うと、男はフードを外し、顔を見せると・・
様子を見ていた4人はその顔を見せると一斉に固まってしまった。
何とその顔は、皆が探している北郷一刀の顔であった・・
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第2話の閲覧数も何とか1000を超えたので、何とも嬉しいことです。
何とか、話を続けられるよう頑張ります
では第7話どうぞ。