No.213362

恋姫小説15~蒼天賛歌~決の玉『後』

後編です。
生暖かい目で見てください。

2011-04-25 03:33:55 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:6734   閲覧ユーザー数:5292

注意!!

 

二次創作です、原作のイメージをぶち壊されたくない方は回れ右

 

 

基本、妄想です

 

 

オリキャラでますよ、嫌な方は回れ左

 

 

強い一刀君が出ます、嫌な方は回れ右左

 

 

誤字脱字多いかも、多めにみてください

 

時間軸滅茶苦茶です、あと設定も滅茶苦茶ですそれでもいい?

 

 

以上がいいならどうぞ先にお進みください

 

 

紅蓮「うー・・・よく寝たぁ・・・曹操交代だ」

 

曹操「あら?もうそんな時間なのね。全軍後退!一時休憩とする!」

 

紅蓮「楽しそうだな」

 

曹操「えぇ、だって北郷の特異性を改めて確認できたんだもの」

 

紅蓮「一刀!?あいつまだ戦ってたのかよ!?何刻だぁ!?」

 

曹操「さぁ?引き継いだ時からだったかしら?」

 

紅蓮「・・・あいつ一回解剖したほうがいいぜ・・・絶対何処かしら重要な機関が抜けてる・・・」

 

曹操「ふふ、だめよ。そんな事したら希少な人材が減ってしまうわ」

 

紅蓮「・・・・そーですねー」

 

「曹操様、撤退完了しました」

 

曹操「ご苦労、下がって休め」

 

「御意」

 

紅蓮「うっしゃ、いっちょやるか。攻城戦用意!相手を休ませんなよ!!」

 

「「「おおおおおおおおお!!!」」」

 

・・・・・・

 

一刀「・・・・・・はぁ、無駄に元気だなぁ・・・」

 

「一刀様どうかお休みに。ずっと戦い詰めではありませんか」

 

一刀「いや、大丈夫だよ。!頭下げて」

 

カカカッ

 

「うお!」

 

一刀「とりあえず、矢が勿体無いから城下の火災で出来た瓦礫でも投げよう。少しはマシでしょ」

 

「御意!」

 

 

軍師陣の懸念通りになってしまった。

一度攻勢を失った洛陽軍はズルズルと篭城を続けるしかなく、立場は逆転してしまった。

援軍の見込めぬ篭城に兵たちは疲弊していった。

 

 

霞「ふわぁ~~~~っと・・・一刀おはようさん」

 

一刀「おはよう霞」

 

霞「今日も朝の鍛錬かい、ご精がでますね~」

 

一刀「ははっ、癖になってるみたいでね」

 

霞「・・・・ふと思ったんやけど一刀はいつ寝てるん?」

 

一刀「あぁ特殊な訓練受けてますから、少ない睡眠で最高の状態になれるようにね」

 

霞「・・・一刀は本当に人間なんか疑ってしまうわ・・・」

 

一刀「便利だよ?全力睡眠法」

 

 

全力睡眠法、徹夜をしたことがある人は知っているかもしれないが、

少しでも睡眠を取ることで次の日が徹夜明けと比べ物にならないくらい楽なのだ。

それを利用した睡眠法である、その少しの睡眠を全力で寝るというやや矛盾しているが、

要は超脱力とでも言えばいいか、全身の力をぬき極度のリラックス状態にすることで少しの睡眠で済むという事である。

 

 

霞「遠慮しときます」

 

一刀「えー・・・便利なのに」

 

霞「どうせあれやろ?取得すんのにえらい時間かかるとかそんなんやろ?」

 

一刀「まぁ否定はしないよ。しばらく幻覚が見えるとか色々」

 

霞「うへぇ・・・願い下げやそんなん」

 

一刀「そっかー・・・」

 

葵「ふぅ・・・おはよう」

 

霞「おはようさん、相手さんはどない?」

 

葵「変わらずだ、今は袁術軍だな」

 

霞「そろそろやばいかもなぁ」

 

葵「兵糧は何とかなりそうだが軍備のほうがきついな」

 

楓「おはよ~・・・ふわぁ・・・」

 

霞「眠そうやな」

 

楓「眠いっす・・・」

 

一刀「おはよう楓、髪が乱れてるよ」

 

楓「大丈夫、こんなの気にならない・・・」

 

一刀「駄目女の子何だから、髪は大事にしなきゃ」

 

 

楓の髪を手櫛で梳いてゆく

 

 

一刀「綺麗な赤髪なのに」

 

楓「御館!もういいよ!大丈夫だって!!」

 

一刀「んーもう少し・・・出来た」

 

霞「なんや一刀ってお母さんみたいやな」

 

葵「いや、そこはお父さんと言ってやれ」

 

雷轟「ふぅ・・・」

 

霞「おはようさん」

 

葵「ご苦労、交代の時間か」

 

雷轟「えぇ・・・恋殿と音々殿が・・・この二人を部屋に・・・」

 

 

雷轟の肩に担がれた美冬と水面、そして雷轟本人にもクマが出来ている

 

 

霞「ウチがやっとくし寝とき」

 

雷轟「忝い・・・」

 

一刀「お疲れ雷轟」

 

雷轟「はっ・・・これにて・・・」

 

楓「雷轟さん、フラフラでしたね」

 

一刀「そろそろ限界かな・・・兵数も減ってきたし」

 

楓「つーことはそろそろ」

 

一刀「そろそろじゃないかな?」

 

楓「決戦か」

 

 

キラリと楓の目が光る。

 

 

一刀「相手に合わせないとね、好機を逃さない為にも」

 

楓「じゃあ、袁術と袁紹の入れ替わりの時を狙えば」

 

一刀「そう簡単にはいかないよ、奇をてらうやり方が望ましいかな」

 

楓「たとえば?」

 

一刀「相手がびっくりするような・・・そう宣言するとかね」

 

楓「はぃ?」

 

一刀「開戦の宣言、今から攻撃しますよー覚悟してくださいよーってね」

 

楓「んな馬鹿な・・・」

 

一刀「案外効くかもよ?こっちには一騎当千の呂布が居るんだもの」

 

楓「それ御館にも当てはまるって知ってました?」

 

一刀「ははっ、俺はそんな表舞台に立つような男じゃないよ」

 

楓「んなことないです!御館はきっと立派な君主になれますよ!!」

 

一刀「ありがとう、そうだね・・・傭兵団の皆で国を作るのもいいかもね」

 

楓「賛成です!御館は誰かの下にいつまでもついてる男じゃないですもん」

 

一刀「まぁそれもこの戦が終わってからかな・・・さて恋の様子でも見てくるよ」

 

楓「じゃあアタイも」

 

一刀「んー楓には重要なお願いがあるんだけどなぁ」

 

楓「えっ?」

 

一刀「ここに取り出したるは、我等が軍師水面さんが書いた軍略書、これの通りに兵を調練してくれるかな?」

 

楓「はぁ・・・いいっすけど・・・餓魚?」

 

一刀「なかなか面白い事を考えるね、水面は」

 

楓「よく分からないけど・・・とりあえずこれ一通りやればいいんすね」

 

一刀「うん、よろしくね」

 

楓「了解!」

 

一刀「さてと・・・」

 

 

紅蓮「・・・焦れてきたな・・・」

 

蓮華「それは敵も同じなのでは?」

 

紅蓮「それは無いとおもうがね・・・ちっ袁術の奴もっと気合入れて攻めろよ」

 

冥琳「此方は一枚岩になっておらず、さらにそれぞれの思惑があります」

 

蓮華「冥琳」

 

冥琳「それに比べ、相手側は統一された確固たる意思がありそれを崩す事は容易ではありません」

 

雪蓮「だけど相手もずっと篭城って訳にもいかないのよねー」

 

蓮華「姉さま、怪我の程は」

 

雪蓮「大丈夫大丈夫、瓦礫の破片が刺さっただけだし。こっちも決戦を望んでるんだけどなー」

 

冥琳「日数からみてそろそろだと思うのだが・・・」

 

紅蓮「さーてね、篭城と連戦で相手の兵も錬度が上がってきてるしな」

 

雪蓮「勘?」

 

紅蓮「んにゃ、こっちの被害が増えてきてるんでな」

 

冥琳「しかし確実に疲弊しているはず」

 

紅蓮「それは確かだな、でも気持ち的にはこっちもどっこいどっこいだ。兵たちの不満も出始めてる」

 

雪蓮「仕かけてくるなら数日中かな?」

 

紅蓮「まっ、用意しておいて損は無いだろうさ」

 

 

数日後、連合が待ちに待った時が来る

洛陽軍からの決戦である

しかし、どんな策を用いてくるかと思いきや、始まりは代表軍師である賈駆の舌戦であった

ほとんどの諸侯はその舌戦に当てられ、我先に賈駆を罵り、舌戦に応じてしまった

その裏で着々とある計画が進められていた

 

詠「これより言葉は無意味!剣でもって決着をつけようぞ!!」

 

 

鬨の声が上がり各軍が激突する

 

 

詠「こんなもんかしらね・・・」

 

水面「はい、時間は稼げました」

 

詠「成功すれば逆転、出来なくても一矢報いれる」

 

水面「通用するか・・・血餓魚の陣」

 

 

・・・・・・

 

 

「おい!向こうに敵の大将が居るぞ!」

 

「あぁ?こっちに敵兵が居た気が・・・」

 

「馬鹿!そんなのほっとけ!!大将首だぞ!!」

 

「・・・わかった!いくぞ!」

 

 

不自然な光景だった

敵陣のど真ん中にたった一人董卓軍の兵士

しかし周りの兵は乱戦の為それを見落としている。

別の場所でも、また別の場所でも、一人二人

その兵は敵を切るのではなくある場所に向かっていく

まるで仲間の所に帰ろうとする『魚』の如く。

 

 

水面「南のある国に人を食べる魚が居ると、ご主人様から聞きました。実際はとても臆病な魚らしいですけど」

 

詠「・・・・・・」

 

水面「ぴらにあと言うそうです、その魚は群れで行動し自分より小さな動物を食べる。でもある物に異常な反応を示す」

 

詠「それは?」

 

水面「『血』です」

 

 

集まる『魚』

気がつけば一つの陣に腫瘍の様にバラけた黒

やがてそれは一つの合図と共に牙を剥く

 

 

水面「『餓魚の陣』」

 

 

水面が大きく羽扇子を振り上げる

それを合図に堰を切ったように暴れる『魚』

敵の肉を食い破り、臓物に食らいつく

波紋のように広がる恐怖は、まるで激しく波打つ水面の如く

 

 

「報告します!」

 

曹操「何事か」

 

「後方の陣が一つ壊滅した模様」

 

曹操「!」

 

桂花「そんなこんな短時間で!?伏兵は居なかったのよね!」

 

「はっ!念入りに斥候にて調べました」

 

桂花「どういうことなの・・!」

 

曹操「桂花、落ち着きなさい」

 

桂花「はい・・・」

 

曹操「今は考えても仕方ないでしょう、目の前の事に集中しなさい」

 

桂花「はっ」

 

曹操(・・・賈駆か陳宮かそれともほかに誰かが・・・)

 

 

 

水面「そろそろですか」

 

 

クンっと扇子を一振り

『魚』はまた散らばり次の得物に向かう、その場に残るのは無残に食い荒らされた陣。

いや陣という物ですらなかった、惨劇に呆然とする兵と積み上げられた死体の山。

 

後方からじわりじわりと迫る『餓魚』

前方からは最強の武

兵の数を物ともしない戦振りで食らいつく洛陽軍

しかし押されているのは間違いない。

三千の『魚』は二千にまで減り、前方の軍も押され始めている。

 

 

思春「董卓の兵を探せ!一兵だけと侮るな!確実に数を減らせ!!」

 

「甘寧将軍お下がりをっ・・・ぐはっ!」

 

思春「!?」

 

楓「よお、あんたがここの指揮官だね」

 

思春「お前は・・・」

 

楓「北郷傭兵団突撃隊長の凌統ってんだ、あんたを黙らせに来た」

 

思春「北郷の・・・奴は何処だ・・・」

 

楓「さぁ?もしかしたらあんたの大将のところかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

 

思春「ふざけるな・・・質問に・・・ぐっ!?」

 

楓「ふざけてるのはあんただろ?アタイはあんたを殺しに来たんだぜ?」

 

思春「こいつッ・・・グッ・・・!」

 

楓「悪いね、アタイの取柄はこの怪力だけなんでね。ぼさっとしてるとぶっ潰すぞ」

 

思春「・・・・!」

 

楓「行くぜオイィ!!!」

 

 

一刀「厳しくなってきたか・・・」

 

戦場から少し離れた、小高い丘。緩やかな斜面を登るとやや高めの段差のような崖が在る。

その林の中から戦場を見渡す。

初期の優勢は無くなり、劣勢に立たされている。

配備された五千の兵も、乱戦に次ぐ乱戦で数百にまで減っていた。

 

 

一刀「まぁ顔見知りばかりだし、何とかなるか」

 

 

残った数百は傭兵団の団員、力量的には千人以上の働きをしてくれそうだが、

この局面で出来ることは限られている。

そして、頼みの綱の『餓魚の陣』も攻略され後は押し込まれるのを待つばかり

傭兵団の面々も、足止めされて遊撃に出ることも出来ない。

 

 

「いたぞ!北郷一刀だ!」

 

 

士気の出所である一刀は、集中して狙われ

さらに、ある諸侯は一刀の首に莫大な報酬をかける者もいる

生け捕りならさらに倍らしい

 

 

一刀「はぁ・・・」

 

 

囲まれた、天登が不機嫌そうに嘶く

しかし囲むだけで何もしてこない、それはそうだ一刀の周りには、死体の山が出来ているのだから

 

 

一刀「何もしてこないなら好都合かな」

 

「しかし、一刀様このままでは・・・」

 

一刀「そうだねー・・・きついなぁ・・・」

 

「ほっほっほっ、本当におるわ」

 

 

兵士の後ろから聞こえる声、声色から推測するに中年くらいだろうか

ブクブクの体に、ギラギラした装飾の鎧を身にまとい、二重顎の頭にはこれまた悪趣味な兜をかぶっている。

 

 

一刀「だれ?あれ?」

 

「さぁ・・・察するに諸侯の一人かと」

 

一刀「ふーん・・・」

 

 

心底興味が無いように一刀が頷く

 

 

「さて、北郷一刀よ。この状況で私の要求がわかるかね?」

 

一刀「さぁ?食事の誘いでもなさそうだけどね」

 

「ほっほっ、口が減らんのう。まぁよい、要求は私の元に来てほしいのだが?」

 

一刀「なるほど」

 

「絶対に損はさせぬぞ?金も、女も、酒も、お主が望むものは何でも用意しよう」

 

一刀「それは魅力的だ。だが断る」

 

「ほう?」

 

一刀「あんたに興味がない、つーか興味がもてない。」

 

「ほんに口がへらぬのう」

 

 

男が手をスッと上げると槍の円陣が少し狭まる

 

 

「手に入らぬならもうよい、殺せ」

 

一刀「あっ、その前に質問いいですか?」

 

「・・・・なんだ?」

 

一刀「何で下がろうとしないのかなって」

 

「ほほっ、簡単なことよ。私は人が死ぬのを見るのが好・・・」

 

一刀「なるほどね・・・」

 

「?・・・」

 

 

微かな抜刀音の後、真っ赤な雨が降り注いだ。

 

 

一刀「下種の匂いがプンプンするはずだ・・・」

 

「・・・!?・・・!?」

 

一刀「各々好きに逃げろ!!集合場所で会おう!!」

 

 

司令塔を失い、戸惑う敵兵の隙を逃さず指示を出す。

天登から飛び降り、崖に向かって走り出す。

後方では天登が数人の敵兵を蹴り飛ばし、走り出していくのが見える。

本当に賢い相棒である。

 

 

一刀「では、おさらば!!」

 

 

後ろを振り返り、そのままトンッと跳ぶ。

少しの浮遊感の後に来る重力の重み、抗うことなく身を任せる。

1.2.3心音とリンクする秒読みの後。

 

 

一刀「ほいっと」

 

綺麗に着地。

心の中で十点と書かれた板を5枚上げる。

 

 

一刀「さて・・・洛陽に・・・・」

 

「「「・・・・・・」」」

 

一刀「あれ・・・」

 

 

振り向けばそこは敵陣ど真ん中だった・・・

 

「ねねね、真桜ちゃんあれって北郷一刀じゃないのかな?」

 

「マジかいな・・・どうする?」

 

「どうするって捕まえたほうがいいんじゃ・・・」

 

「ほな、沙和が逝きいな」

 

「ちょい、まって!なんか字が違う気がするの!!!だったら真桜ちゃんが」

 

「うちらの化け物将軍達を軽々いなす奴の相手なんか出来るかい!」

 

一刀(軽々じゃないんだけどなぁ)

 

「何をしているんだお前たちは・・・」

 

 

兵の海を掻き分けて一人の少女が現れる。

 

 

一刀(へぇ・・・昔の自分を見てるようだ)

 

 

衣服から覗く肌には傷。

鋭い眼光に銀の髪、ナックルタイプの手甲。

キャイキャイ騒ぐ二人に呆れながらも、此方を見ている。

 

 

「北郷一刀殿ですね」

 

一刀「いかにも、でも相手の名を聞く時はさ、まず自分から名乗るものじゃないかな?」

 

「失礼しました。魏の小隊長を務める、楽進と申します」

 

一刀「楽進さんね・・・(このピリピリした感じ、若いっていいね)」

 

「此方の用件はお分かりになりますでしょうか?」

 

一刀「そうだね。俺としてはこのまま洛陽に行きたいんだけどなぁ。何処かの名族(袁)が門を開けちゃったし。」

 

「まかり通るとでも?」

 

一刀「だよね」

 

 

ガランと二刀を地面に落とす。

 

 

「手加減ですか?」

 

一刀「いやいや、これでも武道家の端くれでね。拳でさ」

 

 

ゆらりと腕を流し、ギュ!っと音が響くほどに強く構える。

 

 

一刀「やってみたくてね」

 

「っ!なるほど」

 

 

楽進も構える。

ボクシングのデトロイトスタイルに酷似しているが要所要所が異なる。

 

対する一刀、一般的な空手の構えからクマが威嚇を行う様な構えに移行する

 

 

(なるほど、一見隙だらけだが・・・)

 

一刀「いくよ」

 

(っ!早っ!!)

 

 

咄嗟に放ったジャブ、見計らったように手首を捕まえ圧を掛ける。

 

 

「っあ!」

 

一刀「ほいっと」

 

「ふぁ!?」

 

 

ふわりとした浮遊感、そして来る。

 

 

一刀「ふっ!」

 

「がっ!!!!」

 

 

背骨に走る激痛。

圧を掛けられた体は勝手に硬直する、そこにすかさず足払いを決めそのまま手首を上に

空いた手で脹脛を上に弾き、回転させた後に背中への掌底。

流れるように、迅速に、強く。これが男山大山の教えである。

 

 

「凪!」

 

「凪ちゃん!」

 

 

騒いでいた二人が此方に気づく。

 

 

一刀(二人で一斉にかな)

 

「二人とも!手を出すな!!!」

 

一刀(へぇ・・・すごいな。俺は一時間は立てなかったのに)

 

「行くぞ・・・」

 

一刀「うん、いい覇気だ」

 

「はぁあああああああああああああああああ!!!」

 

一刀(上段蹴り、早い)

 

 

パァンと炸裂音が響く。

 

 

一刀(まいったな・・・弾かれちゃった)

 

「ふっ!」

 

一刀(足刀突き!その歳でよくやるよ!)

 

 

バックステップ、少し掠る。

 

 

「はぁ!!」

 

一刀(軸足変更が早いねっ!邪魔できない!・・・回転、横薙ぎ、踵・・・横っ腹!!)

 

 

パァン!

 

 

「!?止められた!」

 

一刀「捕まえた!顔面コースだ!」

 

 

そのまま、背負い投げ。

 

 

「んぐ!」

 

一刀「両手で着地!やるねぇ!!」

 

「この・・・!」

 

 

迫る爪先、仰け反り回避。

髪が宙に舞う。

 

 

「はぁ・・はぁ・・」

 

一刀(んー・・・いい反応、まだまだ伸びるな。あっ、師匠たちの気持ちが分かった気がする)

 

「せい!」

 

一刀(うおっと!いいジャブだ)

 

「このっ!はっ!とっ!せやぁ!!」

 

一刀「んっ!ふふ、楽しいなぁ」

 

「なにを・・・」

 

一刀「でも・・・もう行かなきゃ」

 

「いっ!かせっ!るっ!かっ!」

 

一刀「ふっ!お腹に行くよ防いで」

 

「なっ!?」

 

一刀「ぜいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

「!」

 

 

ドン!!と車が衝突したような轟音。

楽進の体が吹き飛ばされる、一回、二回、三回跳ね、滑って止まった。

 

八極拳を基本動作『震脚』を用いた、掌での衝撃打。

やや掌底で打った為、威力は弱いものの衝撃をモロに相手に与える技

人間なら一撃でノックアウトだろう

 

 

「・・・うそやん・・・」

 

「スッごい跳んだの・・・」

 

一刀「衛生兵呼んだほうがいいよ、しばらく立てな・・・」

 

「ふー・・・ふー・・・」

 

一刀(嘘だぁ・・・三日寝込むコースだぞ・・・)

 

「凪・・・」

 

「次は・・・負けん!」

 

 

糸が切れた様に突っ伏してしまう

 

 

「凪ちゃん!!」

 

一刀「・・・・・・」

 

「行くならはよしてんか」

 

一刀「いいの?」

 

「うちらの中で一番強い奴があのざまや、うちらじゃ勝てん」

 

一刀「そう・・・」

 

 

刀を腰に差し、外套を羽織り直す。

 

 

一刀「じゃ、またね」

 

「ん、もう二度と会いとうないけどな」

 

一刀「ふふっ」

 

 

兵の海に歩を進める。

モーゼの奇跡の如く、海が割れる。

 

 

一刀(急ぐか)

 

 

呟いた時には一刀の姿は無かった。

桃香「すごいねー・・・」

 

 

洛陽内部は大混乱だった。

おのおの董卓の首級を挙げんと躍起になっていた。

略奪はまだ行われていないが、それは時間の問題に見えた。

 

 

愛紗「皆、手柄を取るために躍起なのでしょう。町人を落ち着かせるのが先決だろうに・・・」

 

 

奥歯で苦虫が弾ける。

 

 

星「我等だけでも始めるか?諸侯もそれに応じると思うが」

 

愛紗「そうだな・・・」

 

鈴々「愛紗ーー!」

 

愛紗「鈴々!」

 

 

蛇矛をブンブンと振り、此方に駆け寄ってくる。

その後ろに、侍女が三人、その後ろにフワフワした服を着た少女、かっちりした軍師風の服を着た少女

先頭の侍女は、顔の半分以上が包帯で占められている。

 

 

星「彼女らは?」

 

鈴々「なんかお姉ちゃんに話があるって言うから連れて来た」

 

桃香「私に?」

 

「そのお姿・・・あぁ・・・劉備様、ようやく会えました」

 

 

ハスキーな声で感謝を述べる侍女。

一歩進み出ると、深々と頭を下げる。

 

 

「どうか私たちの主様を保護して頂きたいのです」

 

桃香「はぁ、後ろのお二方の名前は?」

 

「どうか内密にしていただけますか?」

 

桃香「は・・はい」

 

「お顔を此方に・・・」

 

 

チョイチョイと手招き、袖で口元を隠し、ゴニョゴニョ・・・

 

 

桃香「うぇぇぇぇぇ!!!???」

 

「しっ!どうか御内密に・・・」

 

桃香「はい!はい!」

 

 

何度も顔を上下に振る。

 

 

「それでは、どうかお願いします。」

 

 

ペコリと侍女三人は頭を下げ、スススッと走り去ってしまった。

何がおきたか分からない武将たちは、ポカーンとスルしかなかった。

 

 

愛紗「桃香様この者達は一体・・・」

 

桃香「えっと・・・ゴニョゴニョ」

 

「「「「ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!???」」」」

 

 

 

洛陽から数理離れた荒野。

先ほどの侍女三人を発見した

 

 

「ふぃー・・・」

 

「お疲れ様です、美冬ちゃんも」

 

美冬「水面ちゃんもね・・・でも何でこんなに手馴れているんですか?ご主人様」

 

 

包帯を取ると、なんと北郷一刀が現れた!

 

 

一刀「いや・・・婆ちゃんの趣味が、俺に宝塚とか、歌舞伎の女形の格好をさせるのでさぁ・・・」

 

水&美「はぁ」

 

一刀「そうか、えぇー・・・簡単に説明すると」

 

 

カクカク、シカジカ

 

 

美冬「なるほど女装させるのが趣味と」

 

一刀「いや・・・元も子も無い言い方だけど、まちがっちゃあいないのが悲しい・・・」

 

雷轟「一刀さ・・うおっ!?」

 

一刀「やぁ雷轟、お疲れさま」

 

雷轟「・・・・・・はっ!首尾は上々です、残存する北郷隊の回収は終了しました」

 

一刀「そっか・・・何人生き残った?」

 

雷轟「・・・三千から二千弱ですね」

 

一刀「・・・そっか・・・楓は?」

 

雷轟「思ったより傷が深く・・・あぁ今来ました」

 

 

北郷隊の面々を引き連れ、楓が現れる。

 

 

楓「御館・・・ぬおぅ!?」

 

一刀「もういいよ・・・傷の方は大丈夫?」

 

楓「こんなもん掠り傷ですよ」

 

 

ハハッっと笑う

 

 

一刀「さて、これからどうしようか」

 

 

いつの間にか着替えている一刀が言う。

 

 

一刀「魏、呉、蜀・・・それとも他の・・・」

 

水面「ご主人様のお考えのままに」

 

美冬「まぁ何処に以降が、無茶するんでしょうが・・・」

 

楓「それが御館だ、だろ」

 

雷轟「貴方様が決めたことならば、それに従いましょう」

 

一刀「ん~・・・あ~・・・とりあえず歩きながら決めるよ」

 

雷轟「では行きましょうか」

 

一刀「うん、行こう」

 

 

大敗を喫してしまった、洛陽を後にする。

しかし、この戦いで成長したのが分かる。それほどに良い経験をした。

胸糞が悪くなることも逢ったが、それも経験。

一刀がどの道を選ぼうともきっと役に立ってくれる。

道は無限大に広がっている。

 

シェフ<無限トマト!?エターナったはずじゃ!?

残念だったなぁシェフ、トリックだよ>トマト

 

 

 

後編すぐ作るって言っておいてこれだよ!!!!

忙しいし、通院めんどいし、親知らず痛いし!

もういやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

ふぅ・・・寝るか・・・

 

 

追記

ここから魏、呉、蜀、独立のルートに分かれますが

どのルートがいいか、コメントまたはメッセージにてお答えくだしあorz

 

追記の追記

メッセージじゃなくてあしあと伝言板でしたorz

 

 

追伸

東北・太平洋沿岸地震の被災者の方々のご無事を心よりお祈りします

といっても自分に出来ることは限られているわけで・・・

少ないながらも義援金募金に募金しました、少しでも足しになるように・・・

 


 
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