No.212915

真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝 第27話

黒山羊さん

へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。
ひさしぶりの超スピード桃香ww。
反董卓連合ジェネシス編最終回です。
文章量的に言えば、早かったけど。執筆時間は長い。
有名クリエイターの凄さが分かりました。

続きを表示

2011-04-22 18:56:16 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2836   閲覧ユーザー数:2311

この物語は真・恋姫†無双という外史に、

CRISIS CORE FINAL FANTASYⅦのジェネシス・ラプソードスが来たいう設定です。

作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、登場人物を原作通りにしたつもりです。

ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。

また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、

セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。

あらかじめご了承ください。

読者の皆様が楽しめたら幸いです

 

 

 

 

視点:ジェネシス

 

「平原から来る商人から聞いていてから武の御使いの格好は知っていたし、どんな連れが居るかも知っていた。

だから、君がこの娘に弱いということも知っている。

さて、どうする?

僕に従うのならば、この娘の命は助けてやっても良い。

従わないのなら、……分かるな。」

 

張譲と名乗った少年はまるで、チェックメイトしたかのような満面の笑みでこちらを見てくる。

俺は塀から降りて、屋敷内に侵入する。

 

「まずは、武器を捨てろ!」

 

俺は言われた通りに賊から貰った武器を足元に捨てる。

今ここで、張譲を倒すことはできる。しかし、董卓の居場所を聞き出していない。それ以上に雛里が危険だ。

俺は大人しく張譲の命令に従う。

 

「あは!ホントに捨てたよ。

武の御使いにとってこの娘が大事って情報は本当だったみたいだね。

普通に生かしておこうかな?

でも、人質が逃げられたら困るし、足の健でも斬っておくか。」

 

「!!」

 

雛里は怯え、顔が引きつっている。瞳孔は開き焦点が合っていない。

そして、張譲は俺のレイピアを拾うと数人の部下に雛里を押さえつけさせる。

 

「何処からが良い?右足?左足?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

張譲の言動が俺をキレさせた。

董卓は後で探せばいい。雛里を傷つけるコイツが俺は許せなかった。

 

 

俺は先ほど捨てた剣を右足で引っかけて、飛ばす。

 

「クッ、狙いが外れた。」

 

本当は張譲を狙ったつもりだったが、張譲と俺の間に居た男の頭に刺さった。その男は雛里を抑え込んでいた男の一人で、頭に剣が刺さったことによって雛里の方に倒れ込み、雛里を斬ろうとしていた張譲の攻撃を庇う。

それを見た他の数十人の男達は俺を襲ってくる。

張譲は男の下敷きになっている雛里を盾にしようと、男を退かそうとする。だが、男は巨体だった為、なかなか退かすことが出来ないでいる。

明らかに判断ミスだ。

逃げるべきだ。

まあ、コイツらは逃げようとしても、死ぬ運命にあるわけだがな……。

 

最初に俺に突っ込んできた男は俺の首を斬ろうとしているつもりなのか、剣を横に振る。俺はそれを掻かんでやり過ごすと、そいつの懐に入り込み鳩尾に右ひじを勢いよく入れる。

男の胸からは骨が折れる音が聞こえ、男は血を吐く。骨折したろっ骨が内臓に刺さったのだろう。俺はソイツから持っていた剣を左手で奪い、右手で襟首を持つ。

そして、俺は男を張譲の方に向かって投げる。軌道上に居た男達は倒れていく。もちろん、張譲も投げられた男に当たった内の一人。

これで少し時間が稼げる。今の内に雑魚どもを倒せば、雛里を救出できる。

 

それから、俺は暴れまくった。

 

 

 

 

 

「はああーーー!!」

 

最後の雑魚を屋敷の柱に向かって投げる。

雑魚の顔面は柱に直撃し、グチャという音を立てて、倒れた。

 

「はは、さすがだな!武の御遣い!」

 

俺は声のする方を見るとそこには雛里の後ろに立ち左腕で雛里を抱き寄せ、右手で持った小刀を雛里の首筋に当てている張譲が屋敷の中庭に居た。

雑魚に時間が掛かり過ぎたようだ。

 

「さすがに、こうなれば、手は出せまい!

ハーッハッハッハッハッハ!

無様だな。武の御遣い。幾ら強くても、護る者が人質になれば、動けまい!」

 

確かに動けない。手に持っている武器も無い。

落ちている剣をさっきみたいに蹴って飛ばしたくても、屋敷内に居る俺の近くに手ごろな剣が落ちていない。

さらに、あれの命中率は低い。雛里に当たる可能性も十分にある。

チェックメイトされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、それはあくまで人間として動いた時の話。

魔法を使えば、翼を広げれば、雛里を助ける方法はあるはずだ。

 

 

だが、ここで魔法や翼を出して大丈夫か?

今視線は無い。まあ当然だろう。

ここは屋内だ。だが、あの張譲の立っている中庭に出た時はどうだ?

さっきまで戦っていた玄関からの感じだと宮殿の屋根の上からだとここが見えそうだ。

あそこに甘寧や周泰が居たら?十分にありえる。

もし、俺が翼をはやしている状態の姿を見られたなら、俺が妖だと理由でアイツらの主君が平原を攻める口実を与えることになってしまう。

考え過ぎか?

 

それも考えなければならないが、雛里を助け出す手段も考えなければならない。

 

ここから『漆黒の舞い』、要するに翼を広げて、羽を飛ばすか?

俺の羽には幻覚作用がある。張譲に当たれば、幻覚を見て雛里を離して逃げ出すかもしれない。それに、此処からなら誰にも見られないだろう。

しかし、錯乱した張譲が雛里を刺す恐れだってある。

それに、雛里は体が小さい。俺の羽に当たれば幻覚を見るだけでは済まないだろう。

よって、『漆黒の舞い』は却下。

 

魔法を使うか?

俺が使える魔法は4種類。

1つは攻撃範囲が広く、今放てばおそらくこの屋敷が壊滅するぐらいの範囲と威力がある、そして、攻撃対象だけを攻撃することのできない無差別攻撃なので却下。

2つは単体に攻撃することが出来るが、攻撃範囲が広い為、雛里を巻き込む恐れが十二分にある。

最後の1つは攻撃範囲が狭いが直線的な攻撃だ。張譲を貫通してしまうと雛里を巻き込む恐れがある。これも却下だ。

 

待てよ?

ああすれば、いけるはず。

だったら……。

 

俺は左手に魔力を込める。

魔力の込められた左手は光り出す。

 

「「!!」」

 

 

 

 

 

「シィィィィィィ……ハアアア!!!!!」

 

 

 

『フラッシュ』

俺の使える魔法の1つ。

腕を一振りするだけで8つの高熱の光の矢が扇状に跳んでいく魔法だ。

張譲はこの魔法を見て驚いたのか、雛里を突き飛ばし、身を屈める。

それを俺は雛里に当たらない様に中庭の地面に向かって4回放つ。32の光の矢は地面に衝突する。そして、中庭に立っていた張譲と雛里は砂埃で視界を奪われる。

 

「しまった!」

 

張譲は砂埃の中で叫ぶ。

視界ゼロの中庭の中に俺は突っ込む。人の気配を読みとれるおかげで俺は雛里を見つけることができた。そして、さっきまで俺が立っていた所に雛里を避難させる。

一方張譲は中庭の中を右往左往している。

しばらくすると、砂埃は晴れ、視界がクリアになる。

そして、俺と張譲は目が合った。

 

「ヒィ!」

 

張譲は明らかに怯えていた。

それもそうだろ。護る者も無いし盾にする者も無い。

俺は先ほど倒した雑魚の剣を取ると張譲に近づいて行く。

 

「く、来るな!」

 

張譲は後退していくが、石に躓き後ろに倒れる。

そして、こけた状態のまま後ろに下がって逃げようとするが、俺に追いつかれそうになったため、後ろに振り向きながら立ちあがり、必死に走って逃げる。

雑魚の死体に躓きながらも、必死に屋敷の門へと向かって行く。

だが、門に着く前に俺は張譲に追いつき、服を掴み屋敷の中に向かって投げる。

投げられた張譲は扉を突き破り、ある部屋に入った。

俺もその部屋に入る。

 

「ヒィ、助けてくれ!

何が欲しい?金か?土地か?権力か?女か?金か?

なんでもやる。だから、助けてくれ。」

 

「では、質問に答えろ。」

 

「分かった。だから助けてくれ。」

 

「まず、一つ目。董卓は何処だ?」

 

「あの小娘か?あの娘は右隣の部屋の寝台の下の床石を退かしたら、地下への階段がある。そこの地下牢に閉じ込めている。」

 

俺は雛里を呼び、雛里にその場所に行って貰った。

雛里が連れてきたのは痩せこけた少女だった。

 

「お前が董卓か?」

 

「…………は…い……。」

 

その少女は力なく答える。立つのにも雛里に支えてもらってやっとだ。

董卓は顔面蒼白で血の気が無く、息も荒い。雛里が言うには地下牢の環境の悪さから病気に掛かっているという。

俺は雛里に治療法を知っているか聞くと雛里は清潔な場所で十分な休息をとれば完治するのだという。

俺は雛里に董卓と共にこの部屋から離れて何処かに隠れているように言うと、雛里と董卓は去って行った。

俺は再び張譲の方を見る。

 

「二つ目、奇数か偶数か?」

 

「??」

 

「良いから答えろ。」

 

「ぐ、偶数…。」

 

「そうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザク

 

 

「ぎゃああああああああああ!!??

イタイイタイイタイイタイイタイイタイ。」

 

張譲は俺に刺された右足の親指の有った所を両手で押さえて、蹲る。

 

「止めてくれ!助けてくれ!」

 

 

「『君よ  因果なり

  夢も誇りも  すでに失い――

 

  女神ひく弓より  すでに矢は放たれて

 

 

  復讐にとりつかれたるわが魂

 

  苦悩の末に  たどりつきたる願望は

  わが救済と―――

 

 

 

 

 

 

 

  君の安らかなる眠り』」

 

 

ザク

 

今度は左足の小指を斬る。

張譲は叫び、左手で斬られた箇所を抑え、叫びながら転げまわる。

俺は転げまわる張譲の前に立ち、腹を蹴ると最後の質問をした。

 

「最後の質問だ。

お前は命乞いした民を救ったか?

重税を払えずに肩代わりに家族を取られた民の声を聞き入れたか?」

 

「そ…それは……。」

 

張譲は泣きながら答える。

それから、俺は何度も何度も張譲を至る所を刺して、至る所を斬り、至る所を蹴り、至る所に水をかけ、至る所に中庭の砂を顔にかけ、至る所を踏みつけ、傷口を抉り、熱湯をかける。

そして、張譲は言った。

 

 

「殺してくれ。」

 

 

 

「賭けはお前の勝ちだ。」

 

「はあ?」

 

「2つ目の質問で聞いたな。

奇数か偶数か?

お前が殺してくれと言うまでに何度命乞いをするかを聞いた。

そして、お前は偶数だと答え、68回命乞いをした。

よって、賭けはお前の勝ちだ。」

 

「助けてくれるのか?」

 

張譲は苦痛に顔を歪め、涙や鼻水を垂らしながら希望に満ちた顔をしている。

 

「いいや。お前にある事を教えてやるだけだ。」

 

「何だ?天の国の知識で俺を治す方法か?」

 

「そんなものじゃない。

俺が教えるのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶望だ。

 

 

 

 

俺は今からお前を動けなくして、宿に戻る。

そして、反乱を起こした民達に役人の屋敷を襲うように進言する。

するとどうなる?

怒り狂った民達が此処を襲うだろう。お前は今まで虐げていた者達に嬲られて踏みにじられるだろう。

そうすれば、お前は嫌でも絶望を学ぶことが出来るだろう。

急所は外しているから、放置していても1日はもつだろう。

良かったな。」

 

俺は張譲の手足を引っ張り、肩と股関節をはずす。

俺は部屋から出る。

 

「助けてくれ!殺してくれ!頼む!助けてくれ!嫌だ!死にたくない!助けてくれ!助けてくれ!頼むから殺してくれ!殺してくれ!死にたくない!殺してくれ!殺してくれ!殺してくれ!殺してくれ!殺してくれ!助けてくれ!殺してくれ!助けてくれ!助けてくれ!助けてくれ!助けてくれ!殺してくれ!助け殺してくれ!死なせてくれ!殺し助けてくれ!殺し殺してくれ!殺し助けてくれ!死にたくない!死にたくない!助け殺してくれ!助け助けてくれ!助け殺してくれ!死なせてくれ!殺し殺してくれ!殺し助けてくれ!助けてくれ!助けてくれ!殺し助けてくれ!」

 

張譲は命乞いと己の死の2つの矛盾する内容を懇願してくる。

俺は無視し、扉を閉め、歩き出した。

屋敷の門で待っていた雛里と董卓の2人と合流した。

衰弱し自分で立つことのできない董卓と俺の姿を見て恐怖から解放されて立つことのできない雛里を俺は抱え、服とレイピアの入った竹かごを担ぐと俺は張譲の屋敷を出て、俺は反乱した民衆に遭遇しない様に迂回して宿へと向かった。

 

張譲の屋敷からは何時までも屋敷の主の叫び声が聞こえてきた。

 

 

 

 

視点:賈駆

 

甘寧が張譲の屋敷から鳳統と武の御遣いらしき人物が誰かを抱えて出てきたと言った。

ボクはその方向を見る。武の御遣いに抱えられているのはまちがいなく、月だった。

その後、ボクは甘寧に抱えられて、宮殿の屋根から降り、武の御遣いと鳳統が向かっている宿へと向かった。

 

「月!」

 

「え…い……ちゃん、………ごめ…ん………ね。

わ……た…し、……えい……ちゃ……んに…め……いわ……く……かけちゃ……た。」

 

「ボクこそごめんね。月を護るって言ったのに…。」

 

「えい……ちゃ…ん」

 

僕は月を抱きしめる。

今のボクの顔は酷いだろう。涙と鼻水で見れたものじゃない。

でも、涙を禁じえないほどボクは嬉しかった。

だけど、武の御遣いがボクの肩に手を置いた。

 

「今はそれぐらいにしておけ。

衰弱している。雛里の話だと十分な食事と清潔な環境での休息が必要だ。

だが、雛里によるとここは駄目という話だ。

民衆のほとんどは反乱に参加している。此処に居ると巻き込まれるおそれがある。

それに万が一張譲の残党が居た時に厄介だからだ。

南の方に行くぞ。」

 

「ええ。」

 

僕たちは武の御遣いに連れられて洛陽の南の方に向かった。

あまり南に行きすぎると餓死寸前の貧民に襲われるかもしれないし、衛生面でそんなによくないからあまり南に行きすぎない様に言ったら、何処に行けばいいと聞かれたので、南の方の警羅の詰め所に行くように言った。

あそこなら、5人が滞在するには窮屈かもしれないがそれなりの広さがある。食べ物は多分ないだろうけど、寝具はあるはず。

1刻程歩き、詰め所に着くとボクと鳳統は布団を敷く。そして、武の御遣いは月を降ろし、寝かした。

 

「少し用事がある。」

 

武の御遣いはそう言うと何処かに行った。

何の用事だろう?

甘寧も武の御遣いについて行く。

甘寧と周泰は武の御遣いが何者なのか調べる為に来ているって言ってたわね。

 

ボクは月の看病を始める。鳳統も手伝ってくれるみたい。

濡れた布に水を含ませて額に置く。

飲み水は井戸の水を濾過してからじゃないと危ないから今は飲ますことが出来ない。

食べ物を食べさせたいけど、この詰め所には食べ物は無かった。

ボクはやることが無くなり、武の御遣いを待つことにし、床に座ると眠くなった。

 

 

……

 

………

 

目が覚めたら、時間は夕暮れだろう。外が赤い。

武の御遣いと甘寧が帰って来ていた。

鳳統は詰め所内にある厨房で何かを作っている。

 

「アンタ、何処に行ってたの?」

 

ボクは武の御遣いに聞いた。

 

「張譲の屋敷に反乱した民衆が行ったかどうか確認と他の役人の屋敷にも反乱した奴らが行ったかどうかを見ていた。

趙忠の屋敷も襲われていた。

それと、飯の確保だ。

雛里が言っていたのだが、大きな反乱は更に大きな力が作用しないと収まらないという。

そうなると食べ物の確保が難しい。

だから、俺らの反乱に参加し、色々な奴から食べ物と薬を取ってきた。」

 

武の御遣いは指さすとそこには米や麦、酒、薬が有った。

 

「雛里、これで足りるか?」

 

「董卓さんは栄養失調にも掛かっています。

もう少し、栄養のある物が欲しいです。

お肉とかお魚、お野菜が欲しいです……。」

 

「わかった。後で行ってくる。留守番を頼むぞ。」

 

「はい。」

 

鳳統は武の御使いに返事をする。

私は武の御遣いに聞きたいことがある。

 

「ちょっと、聞いて良い?」

 

「何だ?」

 

「洛陽はどうなっていた?」

 

「俺らが張譲の屋敷を襲撃するように進言する前にすでに反乱は暴走している。

暴走した民衆は富裕層の住宅の方に流れ込む。

無事な屋敷は一つも無かったな。

どの屋敷も民衆に襲撃され、殺され、奪われた。

時代の閉幕にふさわしい姿をしていたぞ。」

 

「張譲は?」

 

「絶望を体験しただろう。

これで、董卓の生存を知っているのは俺達だけになったはずだ。」

 

「そう……。」

 

良かった。これでやり直せる。

月との生活を……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「待って…下さ……い。」

 

「「「「!!!」」」」

 

後ろから弱々しい声が聞こえた。

振り向くと月が布団から体を起こしていた。

 

「私が…弱かったから……民を護ることが出来なかった……。

だから…死んで…いった人達…の…為にも……死んで償いたい……。」

 

「月…。」

 

「……。」

 

武の御遣いは月の方に歩いて行く。

そして、赤い剣を抜いた。

 

「待って!月を殺さないで!」

 

「……。」

 

武の御遣いは剣を上げる。

ボクは月に抱きつき、庇う。

 

「お願い止めて!」

 

ボクは目を瞑り、叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何時まで経っても痛みは来なかった。

ボクは目を開ける。

 

「へ?」

 

ボクは間抜けな声を出してしまった。

武の御使いの剣は月の頭の上で止まっていた。斬った物は月の冠だった。

 

「どういうつも…りです……か?」

 

月は武の御遣いに尋ねる。

 

「これで暴君董卓は死んだ。」

 

「ふざけないでください。」

 

「俺とお前は似ている。」

 

「「??」」

 

ボクと月は首を傾げた。

 

「時代の流れに翻弄され、利用され、そして、捨てられた。

だが、俺とお前は違う。

お前は己の死をもって償おうとした。

俺は世界を癒す英雄になることで償おうとしている。

お前も俺も自分に差し伸べる手が有るのにも関わらずだ。

お前はその手を払いのけ、俺はその手を握った。

死ぬのは遅くても良いだろう。少しばかり人生の寄り道をして己の死を先延ばしにしてみるものだぞ。」

 

そう言うと武の御遣いはまた何処かに行こうとする。

 

「鹿で良いか?雛里。」

 

「はい。あと、果物とか有ると嬉しいです。」

 

「分かった。」

 

「いってらっしゃい。ジェネシスさん。」

 

「ああ、この世界で俺に手を差し伸べてくれた雛里。」

 

そう言うと武の御遣いは出て行った。

また甘寧も付いて行く。

 

ボクは月の方を見る。

 

「月、ボクは差し伸べられた手を握りたい。

月も一緒に握ってくれる?

ボク一人で握るのは嫌。月が一緒じゃないとボクは嫌だよ。」

 

ボクは月の手を握り素直な気持ちをぶつける。

 

「詠…ちゃん、ちょっとだけ…寄り道してみ…よう……かな。」

 

ボクは月の言葉が嬉しかった。

 

その後、鳳統と話し合い、ボク達は劉備の所に引き取られることになった。

このまま洛陽で身を潜め、反董卓連合が洛陽に着いた時に劉備達と合流する。

 

話し合いが終わると武の御使いが鹿を背負って帰ってきた。甘寧は果物や山菜がたくさん入った竹籠を背負っていた。

鹿の肉と山菜は水たきにし、その出汁で粥を作った。

ボクは月に山菜が少し乗った粥を食べさせた。

果物は最後に少しだけ月に食べさせた。

そして、食べ終わった月は疲れたのか寝てしまった。ボクは月の布団に入り寝る。

久しぶりの月との一緒の夜だった。

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。

こんなに早く桃香したのは久しぶりです。

 

どうだったでしょうか?

反董卓連合ジェネシス編は?

え?ジェネシスが使った魔法がどんな分からないですか?

このURLにアクセスして下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=PiRKFFPGNGk&feature=related

この動画を見れば、すぐ分かる。

ジェネシスだけでなく、過去の作品中に出てきたCCFF7関連のキャラ達が勢ぞろいです。

見たら余計に分からない事が増えてしまうかも知れませんし、レイピアに関するネタバレ要素が少しあります。

それでも良い人は見て下さい。

 

ネタバレは嫌だけどジェネシスの魔法は見たい?

では先ほどのURLの3:03~3:19までを見て下さい。

 

次回は予告通り、一刀編です。

一刀編の内容を忘れたって?

もう一回読んでくださいww。

 

ではでは、次回にまたお会いしましょう。

 

 


 
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