刃と愛紗の修行編
side父
「刃!愛紗!今から修行を始めるぞ!!」
「「はい、父さん(父上)」」
今日は、昨日息子たちに言った基礎の訓練だ。
いつもの頼りない私の真の姿を見せてやる!!
「まず、村を一周してもらう」
「「はい!!」」
村を一周したらだいたい二里ぐらいある。
二人を姿が見えなくなったので、その間に次の修行の準備をしておくか……
「さてと……」
「父さんただいま戻りました」
おぉ、息子よなぜこんなにも速く……
「速かったな……」
「たいした距離じゃなかったです」
私は、もっと時間がかかるのだが……
「愛紗がまだ戻ってきてn「兄上~」………」
「愛紗少し遅かったねお帰り」
「ただいまです、兄う…………兄上」
「ん?どうした愛紗」
「父上は、なぜ地面に文字を書いているのですか?」
「さぁ、わかんない」
私の足が遅いんじゃないんだぞ。
刃と愛紗の足が速いだけなんだからな。
私は落ち込んで地面に字を書いていた。
「まだ、次の修行があ~~る!」
そう、足が遅いだけだ。
他ならば私にも可能性が……
私は、気分を紛らわせるために大きく声をあげた。
「父さん……大丈夫?」
「父上、体を休めた方が……」
二人に白い目で見られた。
「と、とにかく修行をさ、再開だ」
声が裏返ってしまった。
その後もいろいろ修行をした…………が
「はぁ、はぁ………まだ、次が…あ…るぞ」
「父さん、すこし休んだら?」
「父上、あまり無理をして体を壊さない方が…」
二人に修行をしていたハズが、私の体がボロボロになっていた。
「い…や……大丈夫……だ」
正直、体が限界だが
「「………父さん(父上)」」
二人して何でそんな尊敬するような目で見ているんだい?
「父さん……俺、がんばるよ!」
「何を!?」
「父上……私は、感動しました!」
「だから、何を!?」
二人して私を見て何がわかったんだ?
「二人とも修行は、終わったのかしら?」
「「母さん(母上)」」
「お母さん、どうかしたのか?」
「お父さん?村長が呼んでいたのにまだ来ないと怒っていたのだけど?」
「………………あ!」
すっかり忘れていた。
「お父さん?」
「すぐ行って参ります!!」
私は、ものすごい速さで走った。
side母
まったくあの人、いつも大切なことを忘れて。
「二人とも今日の修行は、どうだった?」
「はい、とても大切なことがわかりました」
「私も同じです」
あの人は、いったい何を教えたのだろうか……気になるわ。
「いったい何を教えたの?」
「「それは
けっして諦めない精神です」」
「…………………え」
「父さんは、自分の身がボロボロになりながらも修行を共に続けようとした」
違うのよ刃。
それは、お父さんが断ることができない結果なのよ。
「父上は、私たちが修行をやると父上が全力で私たちと同じ修行をしました」
違うのよ愛紗。
それは、自分がやった修行をあっさりと抜かれて。
全力で抜いてやろうとする大人の意地なのよ。
「そ、それは、よかったわね」
「「はい!!」」
最近あなたの気持ちがわかった気がします。
愛紗の旅編
side愛紗
兄上が村を発ってから一月が過ぎた。
賊の数も減っていき、ようやく私は、旅に出ることができる。
「愛紗本当に旅に出るの?」
「はい」
私は決めたのだ。
兄が認めるほど武を身につけようと……
「では、行ってきます」
「行ってらっしゃい愛紗」
「愛紗、土産をy「フンッ!!」ぶべら!?」
父上の傷がまた増えたな……
さて、私はどこへ向かうか………
……
…
「おぉ、村が見えたな」
私は、山の中で村を見つけた。
あまり大きいと言えないがなかなかの村だ。
最近は、よく賊に出会っている。
そのせいか今では、「黒髪の山賊狩り」、「美髪公」などと呼ばれている。
悪い気は、しないな。
そんなことを考えている内に村に着いた。
「なかなか賑わっているな」
村は、まるで街のように賑わっていた。
「さて今日はどうs「あいつらが出たぞ~!!」!!」
賊が来たのか
「どけどけ~」
声がどんどん大きくなる。
「ふん、賊ごときこの関雲長が……」
私は、声を失った。
「どくのだ~」
「「「「どけどけ」」」」
蛇矛を持った子供と子供たちがいた。
賊たち?は、食料などを奪うと……
「みんな撤退なのだ」
「「「「おおーーー」」」」
子供たちは、山の方へと向かって走り出した。
「……………はっ!」
あまりの出来事に我を忘れていた。
しまった。
とにかく賊を追いかけなければ。
「すみませんが賊たちは、何処に向かったかわかりませんか?」
「あいつらかい、いつも向こうの山にいるよ。
もしかして、退治してくれるのかい?だったら頼みがあるんだが……」
「頼み、ですか?」
「ああ、子供たちに家に帰るように言ってやってほしい」
「家の子供が帰ってこないです」
「お願いします。
家の子供もいるんです」
「わかりました。
我が偃月刀に賭けて必ずやって見せましょう」
「蛇矛を持った子が隊長なのであの子を説得できればなんとかなるかと……」
「わかりました」
そう言って私は村を出た。
………
……
…
「此処がやつらの根城か」
目の前には一軒の家があった。
なんでも、誰も住まなくなった家に暮らしていると……
「そこまでなのだ!!」
屋根の上に蛇矛をもった子がいた。
「鈴々そんな奴倒しちゃえ~」
「鈴々負けるな~」
「負けるな~」
「鈴々勝ってよ~」
子供たちが家の前で鈴々と呼ばれる子に応援している。
「鈴々は、こんな奴に負けないのだ」
「私も貴様には、負けんさ」
お互い武器を構える。
「我が名は、関羽」
「鈴々は、張飛なのだ」
「いざ……」
「尋常に……」
「「勝負(なのだ)!!」」
私は、青龍偃月刀を張飛に思いっ切り振るった。
「ハアァァァァッ!!」
ガキンッ!!
張飛は、蛇矛で私の偃月刀を受け止めた。
「なんだと!?」
まさか、私の一撃を防ぐとは………久々に本気を出せそうだ。
「今度はこっちの番なのだ」
張飛は蛇矛で連続で突いてきた。
「にゃぁぁっ!にゃぁぁっ!にゃぁぁぁぁぁっ!!」
「くっ!」
一撃、一撃が重い。
あの体で蛇矛を振り回すなど、なんて力だ。
「まだ、まだ行くのだ!!」
「負けるものかぁぁぁっ!!」
お互いに得物を振るったが決着がつかない。
「張飛、お前は、それほどの武がありながらなぜ山賊などしている」
「山賊?なんのことなのだ?」
「……………えっ」
どいうことだ。
「鈴々は、ただ遊んでいただけなのだ」
「うん、僕たち遊んでいただけだよ」
「いつも親の言うことがうるさくて……」
「鈴々に隊長になってもらって……」
「此処にみんなで住んで居るんだ」
ということは……
「じゃあ山賊では、ないのか?」
「当たり前なのだ。
鈴々は、山賊なんてしないのだ」
私の勘違いなのか……
「すまなかった」
「別にいいのだ」
「お姉ちゃんきにしなくていいよ」
「僕たちがやったことだし」
「鈴々を危ない目に遭わせたし」
「こちらこそ、ごめんなさい」
「いや、別にかまわない。
お前たち親が心配していたぞ、速く家に帰るんだ」
「でも家に帰ると……」
「ととさまやかかさまに……」
「怒られる……」
「鈴々が一人になっちゃう……」
「張飛は、此処の住民じゃないのか?」
「違うのだ。
此処には最近来たばかりでそこの家に住んでいるのだ」
「そうか」
クイ、クイ
女の子が私の袖を引っ張っていた。
「どうした?」
「お姉ちゃん、鈴々の家に泊まってあげて」
「だが……」
「村の方は僕たちが言っておくから」
「お願いします」
「鈴々は、寂しがり屋だから」
「鈴々は、寂しがり屋じゃないのだ!!」
「うむ、わかった。
すまぬが張飛よ泊めてはくれぬか?」
「ん?別にいいのだ」
「感謝する」
「じゃあ帰るね」
「鈴々またね~」
「お姉ちゃんもまたね~」
「バイバイ」
「またなのだ~」
「怪我をするんじゃないぞ」
二人で子供たちを見送った。
食事をとり二人とも眠りにつこうとした。
「張飛は旅をしているのか?」
「しているのだ」
「なぜ旅をしているんだ?」
「賊をたくさん倒すために旅に出たのだ」
「そうか」
「関羽は、なんで旅をしているのだ?」
「お前と同じで賊を倒すためと武を磨くためだ」
「鈴々と一緒なのだ。
鈴々ももっと強くなりたかったのだ」
「そうなのか」
「そうなのだ」
二人でこれからどうするか話し合った。
「張飛よお前は、これからどうするつもりだ」
「関羽に付いていこうと思うのだ」
「私にか!?」
「関羽は、強いのだ。
一緒にいても飽きないし楽しいのだ」
「そうか。
私は、かまわない」
「だったら、よろしくなのだ」
「私の方こそよろしく頼む」
「関羽には、真名を教えるのだ。
鈴々の真名は、鈴々なのだ」
「私の真名は、愛紗だ。
改めて、よろしく頼むぞ鈴々」
「よろしくなのだ、愛紗」
二人は翌日旅に出た。
「(兄上……今頃どうしているのだろうか……)」
あとがき
どうも、久しぶりです。
旅編がうまく書けたかな……
外伝は、またいつか投稿します。
それでは、また次回
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外伝:1、13作品目!!
今回は番外編です。
話は、刃と愛紗の修行編と愛紗の旅編です。
それでは、どうぞ!!