第一話(序章)
辺りに生臭い血の匂いが充満する中に返り血を浴びた少女がぐったりとした様子の主を抱えて走っていた。
「___様!!__様!!もう少しでここを抜けることができますから、頑張ってください!]
主の名前を呼びながら、少女は必死に戦場を駆け抜けていく。だが、少女の願いも虚しく主はその命の花弁を散らそうとしていた。
「__。もう、いいのよ。私はここで死ぬの。貴女は・・・生き、なさ・・・い。」
これは、最期の力だったのだろうか。弱弱しくも力強く、少女に語りかけ、
「___様?__様!?・・・・・・・・う、うあぁあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
抱えていた主は最期の一葉を散らした。少女は喉がつぶれそうになるのも構わず咆哮した。そして、先ほどから感じていた後ろの
気配に向けて一閃。草叢から血飛沫をあげ、肉塊が崩れ落ちた。
「赦さない・・・。__様をこのような御姿に変えた貴様達を!私は!絶対に赦しはしない!」
主の復讐を誓った刹那、少女の瞳は澄んだ深い藍色から、紅く、燃えるような緋色へと変わり、少女の持つ刀の刀身は赤黒く光を
帯びた。その変貌に周りの者は恐怖を感じた。戦場の空気に酔い、忘れていたはずの死への恐怖を。一人が後退を始める。この
行為が仲間への悪い空気の拡大を早めた。後退していく兵士の一人を一瞥し、少女は一言、
「せめてもの情けだ。一息に殺してやる・・・。」
と言い、兵士の虐殺を開始した。抵抗を試みる兵士はその銃剣ごと体を切裂かれ、また降伏する兵士も構わず切り伏せた。その
少女の様子を絶命する前に伝令兵はこう司令部に告げた。
"修羅と化した二刀流の悪鬼羅刹が煉獄より来る"・・・と。
燃え盛る業火の中、"狩り"を終えた少女は無言で動かぬ主の前に呆然と立っていた。憎しみに動かされた果てに自身を襲う喪失感と虚脱感。
そして、主は生き返らないという現実。絶望に苛まれた少女に、ふと優しかった主の言葉が蘇った。
「貴女の刀は憎悪で汚してはなりません。私は貴女の透き通った流麗な刃が好きなのですよ。」
思い出した主の言葉は、少女の胸に深く突き刺さった。自分の犯してしまった罪の深さに気付いてしまった少女に重圧がのしかかってくる。
目の前が暗くなったかと思った時に少女は胃の中のものを吐き出していた。突き刺さった見えない鋭槍に抉られた心には闇が巣食い始めていた。
「私は何をしたかったのだろう・・・、大切な人は自分の不祥事で死んでしまい、誓いを立てたにもかかわらず守れなかった。私は一体これから何
を糧に生きていけばいいのだろう・・・。」
少女の体を赤黒い霧が包んでいく、それは死んでいったものの亡霊であった。
少女の体が完全に包まれたかに思えたその時、
「っ!?なんだ!この霧は!私は、私は!まだ修羅の道に堕ちてはいない!亡霊たちよ!しかと見よ!我が魂魄の散り様を!」
最期に正気を取り戻した少女はそう言って、その華奢な体に剣を突きたて、絶命した・・・。
主と従者、二人の体が折り重なった瞬間、辺りは暖かな光に包まれた・・・。
第一話を御送り致しました。どうも、こんにちは、ニルヴァーシュです。
今回、半年ぶりくらいになる投稿です。
まぁ、これはおいといて、
どうだったでしょうか?タイトルからは想像もできない展開から始まりましたが、
次回からはちゃんと学園ものになりますので、御安心を。
では、
また観て下さい
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新作です。どうぞよろしくお願いします。
拙劣な文ですが見ていってください
支援してもらえると泣いて喜びます