No.212270

真・恋姫無双 恋姫恋慕~あの日の君に~ No.6

OTIKAさん

やっとこさ6話~~!
まあ、これだけしても思春は出てこないんですけどねorz
とりあえず、どうぞ~~

2011-04-18 05:52:06 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:4494   閲覧ユーザー数:3763

さてさて・・・

 

華佗の活躍によって窮地・・・だったのか?んー、微妙なところだけど・・・まあいっか。とりあ

えず窮地を逃れた俺、もしくは俺たち。

 

だが、新しい敵は静かに、急激に近づいていたのだった。

 

そう、とうとう袁術からの、黄巾党本隊を撃破せよ、という命令を携えた使者が俺たちを訪ねてき

たのだ。

 

雪連達は頭を抱えて、どうすればいいんだ・・・、なーんて言って葛藤してたけどダイジョーブダ

イジョーブ!

 

ほら!やっとみんなと合流できるチャンスがやって来たんだから、もっと明るくいこうよ?ね?

 

みんな?それは誰のことだって?おいおい何を言ってるんだい君たち。

 

もしかして ンハッ 頭がハッピーな奴らだったのかい?HAHAHA!

 

合流だよ?そろっちゃうんだよ?大陸一の宝とかが来ちゃうんだよ?お尻的な意味でね!

 

そうだよ―――――――――蓮華たちと合流できるんだよ!!

 

ヒャッホーーーーーイ!!

 

蓮華!思春!明命!思春ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!

 

あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!蓮華明命思春ぅううぁわぁあああ

あ!!!

 

あぁクンカクンカ!クン[ピ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくお待ちください~

 

 

 

 

 

 

 

 

ハァハァ・・・ふぅ

 

というわけで待ちに待った全員集合!の機会がやってきたのだが・・・

 

あぁあああ・・・ああ・・・あっあっー!あぁああああ(ry

 

 

 

 

「えぇーー!俺だけ留守番だってー!?」

 

キーン、と耳鳴りをうむ程の大声を挙げ、俺はマス○さんばりの驚きを雪連たちに表した。

 

耳を抑えながら、迷惑そうに顔を歪める雪連たちは、落ち着きなさい、とマスオさんポーズ固まっ

たままの俺に声をかけてから話を続ける。

 

「別に来ないでって言ってるわけじゃないわ。ただ、一刀の病がちゃんと治ったのか、それかまた

ぶり返さないかを見るために三日程様子を見て欲しいのよ」

 

その後で大丈夫そうだったら隊列に参加してもいいんだからね、と人差し指立てプラス片目ウイン

クの雪連が言う。

 

「えぇー、そりゃないよ雪連・・・」

 

「いや、これには従ってもらわないと困るのだ」

 

と、雪連の横に立っていた冥琳が前に出て、説明しだした。

 

・・・それにしても雪連も冥琳も、どこか痩けた感じがするんだけど、何かあったのだろうか?

 

「お前の意識が戻らない時に呼んだ医者のことは覚えているだろう?彼に無理な運動や行動は慎む

ように言われているのだ」

 

「ああ・・・確か華佗って言ったっけ?それとちょうs―――」

 

「馬鹿者ッ!!」

 

「ひっ!」

 

「例のアノ人の名前は呼ぶなぁ・・・呼ぶんじゃない・・・うぅ」

 

ああ冥琳!と悲痛な声を上げ雪連が、グシュグシュと顔を歪ませ、泣きそうになっている冥琳を抱

きしめてなだめる。

 

いや、例のあの人って・・・ヴ○ルデモーt―――

 

「馬鹿ッ!一刀、貴方ってそんなに酷い人だったの!?この鬼畜!!」

 

「えっ・・・いや・・・えっ?」

 

と、今度俺に怒号を響かせ、まるで親の敵に向けるような目線で、こちらを射抜いてくるのは雪連

だった。

 

その腕の中では冥琳がえぐえぐと嗚咽混じりで顔を伏せている。

 

「もうこの話題は無し!私は冥琳を落ち着かせてくるから、一刀は横になって休んでなさい!」

 

「でも―――」

 

「いいわね!!」

 

「はいぃぃ!」

 

それじゃあね、と扉を乱暴に閉め、雪連は冥琳を連れ、この部屋から出て行ってしまった。

 

・・・・・・ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??

 

なして?どして?わけわかめ!?

 

なんで貂蝉の名前を口に出しただけでこんなことになっちまったんだ?

 

っていうかアイツ、何かしたのかなぁ・・・?

 

まぁ、アイツは俺にしか興味がないみたいだから、雪連たちには何もしてないだろうけど・・・

 

うぅ・・・自分で言ってて気持ち悪くなっちまったぜ・・・

 

休むように言われたのでベットの上にゴロンと横になる。

 

それにしても――――――――

 

「あーあ・・・退屈だなぁー」

 

布団とは言えないが暖かさは十分な布を体に巻きつけながらゴロゴロと転がる俺。

 

鏡があれば自分がモスラになっていく様を観察できただろう。

 

俺自身、別に好き好んで戦いになんて行きたいわけじゃないんだけどね。

 

それにしても、また意識を失ってしまうなんて・・・まあ前回のとは違って倦怠感や疲労感は無い

から大丈夫だろうけど。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

・・・あれ?待てよ?ここって重要なポイントじゃないの?

 

お尻とか?お猫様とか?ザンデレ?的な意味で

 

ほら、例えば1ページ目を読み返してみれば・・・って!

 

おーーーいおい!ここって蓮華達との合流ポイントじゃないか!?

 

くそっ!あの国宝級の美尻をゲットするためにはこの第一接触がカギなのに!

 

っじゃなくて、本妻である思春に会いに行かなくては!!

 

ええぃ!こうしてはおれんぞ!一刻も早く雪連達を追わなくては!!

 

ばっ、と掛けられていた布を勢い良くはね上げ、俺は戦いの地へと赴くための準備をし始めた。

 

壁に掛けられていた服を着込み、水瓶から少し手を濡らす程度に水を掬い髪をセットする。

 

臭い、OK! 髪、OK! 服、OK! 体調、・・・OK!!

 

仕掛けは隆々、準備は万全!いざ尋常に―――

 

 

 

 

 

「―――そこまでです、北郷さま」

 

 

 

 

 

!!まさか・・・この声は!!

 

「・・・侍女さん・・・どうしてここに?」

 

ばばーん、と扉を開け放って仁王立ちで俺を見つめているのは、あの侍女さんだった。

 

「雪連様からの御達しで、北郷さまを見ておくように言われましたので」

 

「くっ・・・」

 

さすが雪連だ、今日もその勘は冴えているようだな。

 

だが、しかーしっ!!

 

「単純な腕力差を考えてみてよ。侍女さんじゃ、俺には敵わないよ」

 

カツカツと音をたてながら、扉の侍女さんへと近づく。

 

俺の顔には厭やらしい笑みが浮かんでいるだろう。

 

「・・・ふふふっ」

 

・・・なんだ?何故侍女さんは笑っているんだ?

 

「何がおかしいんだい?」

 

カツと最後の音を立てて俺は立ち止まった、侍女さんの前に。

 

以前として仁王立ちの侍女さんは低く笑いながら言う。

 

「昔、「鬼」と呼ばれるまでに強かったある方が言った言葉ですがね―――」

 

「・・・・・・」

 

・・・なんだ?

 

この悪寒は・・・?

 

タンッ―――

 

「―――『女子供が強者と戦う為』の技、らしいですよ」

 

「ッッッ!!」

 

 

 

 

 

「ええ。あのときは本当に驚きましたよ」

 

と、本作品の主人公である北郷一刀(17)はあのときを振り返って語る。

 

「見えてはいたんですよ・・・えぇ、見えてはね。ですが次の瞬間のことですよ、はい、私が床に

叩きつけられ意識を奪われたのは」

 

「この世界の住民からすればおままごとのようにしか見えないでしょうが、一応私自身も武道、ま

あ剣道なんですけど、を学んではいたんですよ?」

 

「ですが認識を改めましたね。えぇ、私がこれまでにやってきたことは赤子のハイハイ程度のもの

であったと」

 

「まさに一瞬・・・ええ、「瞬殺」でした」

 

「まだ思春・・・失礼しました、これは真名なんでカットお願いします。そうですね、まだ鈴の甘

寧とかにやられたんだったらわかりますが、相手は単なる侍女さん・・・言わばメイドさんな訳で

すよ?」

 

「戦うメイドさん・・・まぁ、アリっちゃアリですけどね(笑)」

 

「それでですね、もっと驚いたことがですね―――」

 

 

「・・・痛ててて・・・・・・」

 

全身を包む痛みに思わず眉をしかめる。

 

突然目の前が暗くなって、それから・・・・・・あれ?

 

何で俺、目の前が暗くなったんだ?

 

それにちょっと待てよ。

 

俺、何してた?

 

・・・なんだ?・・・・・・もしかしてこれ、記憶喪失ってやつか・・・?

 

「痛ってーな・・・おい・・・・・・」

 

幸い、声は出るようだった。

 

体のはまだ痛みがあるが、指、足指の先の感覚を確かめてみると、無事に動くようだ。

 

体の方は安全らしい。

 

とりあえず混乱してるときは情報整理からだな・・・。

 

「俺の名前は、北郷一刀・・・聖フランチェスカ学園の二年生で、所属は剣道部・・・・・・」

 

生年月日に出身地、学園に入るまでの生い立ちなどを一通り口に出してみて、記憶の中身も大体大

丈夫なことを確認する。

 

今日はベットの上で何かを言われて、ゴロゴロしていたのを、大切なことを思い出して飛び起き

て、それから・・・それから?

 

「それから・・・か」

 

どうやら足りないのはここに至るまでの記憶だけらしい。

 

これで俺が記憶喪失じゃないことが解った。

 

・・・まぁ、よかったかな。

 

もし記憶喪失になったとしても心配してくれるようなヒロインだっていないわけだし。

 

っていうかそれなんてエロゲーっていう話だよな・・・。

 

と、そんなことを考えながら俺はゆっくり目を開いて・・・。

 

「なっなんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁああああ!?」

 

目の前の光景に、思わずそう叫んでしまった。

 

果てまで抜ける青い空、浮かぶ雲はずっと閉じていた目には痛いくらいに真っ白だ。

 

針のごとくそびえる岩の山と、地平の果てまで広がっている赤茶に焦げた荒野。

 

そして無人。

 

俺のつっこみどころ満載なギャグに反応してくれる人なんかいないわけで・・・。

 

「ふっ、不幸だぁ~~!!」

 

・・・・・・シーン・・・

 

・・・頬でもつねってみるか

 

ギュイ!

 

「痛ててて!・・・はぁ、夢じゃないのか、これ」

 

そうだ、使えそうなものがないか探してみよう!

 

と、意気込んで出てきたものが、小銭にボールペンにハンカチに携帯ぐらい・・・って!?

 

「よし!これでなんとかなるだろう!!」

 

この頃流行りのスマートフォン(因みにiPhone4)の電源を入れてみるとそこには・・・

 

「・・・・・・・圏外・・・か。しかも充電20%って・・・」

 

思わずガクッっと膝から倒れてしまいそうになる。

 

「せめてエリア内にいればなぁ・・・」

 

そうすれば少しでも現状を把握できるのに。

 

iPhoneなら世界でも使えるだろうに、たぶん。

 

ぴぴっ

 

携帯から耳によく入りそうな高い音が聴こえてきた。

 

    バッテリー残量が10%を切りました  充電してください

 

「おおっとう!」

 

すぐさま電源を切り、出てきたポケットに戻す。

 

携帯なんて充電がなければただの箱だからな

 

「いや、物が入らない分、箱以下か・・・」

 

とりあえずどこかで充電ができるまで、携帯は役に立たなくなった。

 

「・・・どっちに行けばいいのかな?」

 

太陽は真上、つまりはお昼頃。

 

今の俺にわかるのは、これがすべてだ。

 

そうだな・・・とりあえず南に行こうかな・・・

 

 

 

 

「おう兄ちゃん。珍しいものを持ってるじゃねえか」

 

などと考えていたその時だった、声をかけられたのは。

 

「・・・・・・・・・・コスプレ?」

 

声をかけてきたのは三人組の男だった。

 

一応東洋系の顔つきをしていて、なんだろうか、そう、まるで鎧のようなものを体に巻いていて、

この格好を通りで見かけることはない。

 

左からあだ名を付けるとしたら・・・チビ、アニキ、デブといった具合だろう。

 

「ああ?お前何言ってんだ?おい、分かるか?」

 

「いや、あっしに聞かれても・・・」

 

「おい、お前は?」

 

「・・・わがんね」

 

と、三人で何かを話し始めてしまった。

 

だがここで幸運を逃す手はない。

 

「あの、すいません・・・」

 

「何だよ」

 

「ここ、どこですか?」

 

「「「・・・はぁ?」」」

 

「それにその格好・・・ドラマや映画の撮影ですか?ずいぶん凝ってますけど・・・。あの、もし

よかったら、どこかに連絡か、携帯の充電をさせてもらえませんか?充電、切れそうなん

で・・・」

 

「「「・・・・・・?」」」

 

と、ここまで一息に喋りかけて、向こうの様子をうかがうと、全員が首をかしげて不可解な物に出

会った人の顔をしていた。

 

「あの・・・」

 

「アニキ、こいつ、頭がおかしいんじゃないすか?」

 

「ああ、ちょうど俺もそう思ってたところだ」

 

・・・あれ?

 

「言葉、通じてますよねぇ・・・?」

 

「そりゃあこっちが聞きたいぜ兄ちゃん。逆に、俺たちの言葉は分かってんだろうな?」

 

「はい、わかります・・・・・・ああ、ちゃんと通じてるみたいです。良かった」

 

ニヤリ・・・

 

安堵して大きく息を吐いた俺に向かって、身長のせいだろう、ひょこひょこといった効果音付き

で、チビがいやらしい笑みを浮かべながら近づいてきた。

 

「そうかそうか、そいつは良かった・・・・・・なら、そのついでに金、出してもらおうか」

 

その言葉と共に俺の頬に触れたのは、冷たい鉄の感触だった。

 

「・・・・・・・・・・・・は?」

 

ぴたぴたと俺の頬を叩くそれは、薄く、鋭利に研がれた刃を携えた・・・包丁よりも大振りな、ナ

イフ。

 

そう、つまりは 剣 だった。

 

「え、えっと・・・?」

 

銃刀法・・・違反?

 

でも、ここが外国なら、日本の法律なんて関係なっ――――――――――

 

「なにぼさっとつっ立ってんだよ、このボケがぁ!」

 

ドグゥ!

 

一瞬、何が起こったのか分からなかった。

 

お腹を突きあげられた衝撃で、中に入っていた空気を押し出され。

 

俺はその場から吹っ飛んで、砂利の上を、二転、三転。

 

蹴られたと気づいたのは、その後だった。

 

「おいおいバカ野郎、蹴るんだったら腹じゃなくて顔にしときな。・・・あとでその服は売っちま

うんだからよぉ」

 

「こりゃしっけい。すいませんでした、アニキ」

 

口のなかに広がるのは、ぬるりとした鉄の味。

 

それを確かめるのと同時、耳元に届くのは・・・バキッという鈍い音だ。

 

ああ・・・・・・っ!買え変えたばかりで、今流行りの俺のiPhoneが・・・!

 

「いいカモに出会ったと思ったら、こんな頭のイカれてる奴だとわな・・・。こいつじゃあ奴隷に

も売れねえだろうな」

 

「ち、ちょっと待て・・・奴隷って・・・!?」

 

俺の知っている常識とはかけ離れた単語をサラリと言う目の前の男たちの態度に、冷たい汗となっ

た危険信号が背中を描け落ちる。

 

「ふ、ふざけんなよっ!なんだよ奴隷って!」

 

震える声を何とか絞り出して、自分のなかにある恐怖えお打払おうと藻掻く。

 

「ああもううるせえっ!おい、さっさとやっちまうぞ!!」

 

俺の態度が気に入らなかったのか、リーダーのポジションであるらしいのっぽの男、アニキが声を

荒らげて命令する。

 

抜き身の刀を構える男たちの姿に、恐怖とも諦めともつかない感情が、俺の身体の自由を奪う。

 

「だ、だれか・・・っ!」

 

「こんな所に誰もこないっつの!おい、コイツの口、とっとと塞いじまいな!」

 

「んだ」

 

くそっ・・・!こんな訳の分らない所で、訳の分らないまま殺されてたまるかよ・・・!

 

こうなったら・・・一か八か・・・!

 

俺が覚悟を決め、飛びかかってやろうとした、その時・・・

 

「待てぃ!」

 

「「「「っ!」」」」

 

横から、凛とした、女性の声が聴こえてきたのだ・・・。

 

 

 

 

「だ、誰だ!」

 

日の下の陽炎のように揺れる彼女の姿を確認できはしない。

 

「たった一人の庶民相手に、三人がかりで襲いかかるなどと・・・その所行、言語道断!」

 

そんな中、彼女は手に持っている細長い何か、恐らく槍であろう、の端を地面に叩きつけ叫んだ。

 

「そんな外道の貴様らなどの、名乗る名前など、ない!!」

 

 

彼女は言い終えたその瞬間、軽く十歩分はあるであろう距離を一瞬にして詰め、そして・・・

 

ヒュン!

 

「ぐふっ!」

 

声が響いた次の瞬間。

 

既に三人組の内最も太い男、デブが膝を降り、その場に崩れ落ちていた。

 

ヒュッ!

 

「なっ・・・!なんだコイツッ!お、ぐはぁっ!」

 

潰れたような無様な叫びを上げて小柄な男、チビが吹っ飛んだ。

 

それが、女の子が振り抜いた槍によるものだと気付いたのは・・・槍の構えが変わっているのに気

付いてから。

 

おいおい。

 

槍の動きなんか、これっぽっちも見えなかったんですけどっ!?

 

「なんだなんだ。所詮は弱者をいたぶることしか出来ん三下か?」

 

ふわふわと揺れるのは彼女の着ている服の袖。

 

まるで蝶の羽のような刺繍が入ったその袖は、まるで彼女が本物の蝶で、彼女の羽のように見え

る。

 

「くっ・・・おい、お前ら!逃げるぞっ!」

 

「へ、へぇ・・・」

 

「だ、だな・・・」

 

夢中になって逃げていく三人の男たち。

 

「逃がすものか!」

 

そう宣言した蝶、その女の子は、俺の方をチラリと見て、ふっと不敵に口を歪ませて飛んでいっ

た。

 

「あ、あの・・・」

 

・・・・・・・・・行っちゃった。

 

助かったみたい・・・だけど。

 

何だったんだ、今の。

 

 

 

「大丈夫ですかー?」

 

今度は、ぽわぽわとした感じの女の子の声に喋りかけられた。

 

謎の人形と目があった。

 

「・・・・・・え?」

 

「傷は・・・・・・大したことは無いな。立てるか?」

 

次はぽわぽわの彼女よりもしっかりした感じの子が、俺の背中を支えてくれた。

 

「あ、ああ、大丈夫だ、問題無い」

 

「風、包帯は?」

 

「もうないですよー。こないだ、稟ちゃんが全部使っちゃったじゃないですかー」

 

「・・・そうだったっけ?」

 

・・・ぽわぽわしてる子も、意外としっかりしているようだ。

 

「いや、そんな・・・包帯で手当てするほどの傷じゃ・・・」

 

ヌル   ポチャ

 

頬に流れるのは生暖かい粘液質の赤い水・・・・・・血だ。

 

「ね?まあ、お兄さんがいらないと言うんでしたら、別にいいんですけどー」

 

それにしても、この子たちもまた、随分と個性的な格好をしているよな・・・。

 

中華風というか、何と言うか。少なくとも、日本じゃ普通は見ない格好だ。

 

何かのアニメやゲームのコスプレとかでも・・・ないと思うんだけど。

 

その時、後ろからザクッという砂利を踏む音が聞こえてきた。

 

さっきの蝶の女の子が帰ってきたのだろう。

 

「やれやれ。すまん、逃げられた」

 

そういった彼女の顔は、無念さで歪められていた。

 

「おかえりなさい。・・・盗賊さんたち、馬でも使ってたんですか~?」

 

そう聞いたのは、頭の上に謎の人形を乗せた女の子。

 

「うむ。同じ二本足なら負ける気はせんが、倍の数で挑まれてはな」

 

「まあ、追い払えただけでも十分ですよー」

 

・・・あの人形が気になって仕方がない

 

「それにしても災難でしたね。このあたりは比較的盗賊が少ない地域なんですが・・・」

 

・・・おい。今あの人形動いたぞ?

 

「あのー、お兄さん?」

 

・・・なんかこうムラムラ来るって言うか・・・なんていうか・・・

 

「あのー・・・」

 

・・・ほむほむ・・・じゃなかった、もぎゅもぎゅしたくなるんだよなぁ

 

「んんっ!あいやそこの旅人、助けてもらったのに挨拶の一つも無いとは、どういう了見か!」

 

!!しまった、ついうっかりお礼を言うのを忘れてた!?

 

「ご、ごめん!えーと、危ないところで命を助けていただきありがとうございました!!えー

と・・・?」

 

腰から曲げて90度の完璧なオジギスタイル、ここまではよかったのだが、ある重要なことに気づ

いた

 

(彼女たちの名前がわからない・・・)

 

ちら、と顔をあげてみると、蝶の羽のような服を着ている女の子はうんうんと頷いており、眼鏡の

女の子は呆れた感じでため息を付いている。

 

ぽけーとした感じの女の子はというと

 

「じーーー」

 

俺をガン見していた。

 

見つめあう、視線のレーザービーm・・・俺と人形on女の子

 

しゅばばば!

 

おい!あの人形、仮面ラ○ダーのポーズとりやがったぞ!!??

 

・・・ん?そういや確かこの子、さっき眼鏡の子に名前呼ばれていたような?

 

えーと、確か・・・

 

「ふ「私のことは程立と呼んでくださいー」・・・う?」

 

・・・あれ?

 

「でもさっきはふ「程立と、呼んでくださいね」・・・う??」

 

・・・・・・あれれー?おかしいぞー?

 

・・・もしかして「風」って呼んじゃダメなのか?

 

「私も名乗っておきましょう。今は戯志才と名乗っております」

 

Oh・・・これぞ偽名だ、て言う感じの名乗り方をされちまったぜ。

 

「程立に、戯志才ね・・・・って?」

 

確かこんな名前の人、しかもかなり昔に居たような気がするんだけど・・・気のせいか?

 

「最後になってしまったが私も名乗っておこうか。私の名前は――――――――――――――――――――――――趙雲、字を子龍という」

 

ほう、子龍さんね・・・子龍・・・ん?・・・・・・・・・・・・・!!??

 

「えぇーーー!君があの有名な趙雲だって言うのかい!?」

 

キーーーーン・・・・・

 

目の前の女の子達は耳を抑えて顔を歪ませた。

 

「っ!いかにもそうだが、何か!!」

 

怒鳴られた。

 

「えっ・・・冗談・・・だろ?」

 

俺が知ってる雲長といえば、こう・・・誠実さに溢れてて、槍の名手で・・・

 

「冗談なものか。私はこの名で●〇年間生きてきたのだ」

 

「・・・そっか、いや、疑ってごめん」

 

「ふん、分かればいいのだ、分かれば」

 

槍をどん、と地面に突きつけ、腕を組んだ雲長さんはそっぽを向いてしまった

 

「おっ、あれに見えるは・・・」

 

とそっぽを向いた方に何かを見つけたのか、趙雲さんが呟く。

 

「・・・ふむ。後のことは・・・陳留の刺史殿に任せるとしようか」

 

「そうですねー」

 

聞き慣れない単語が出てきたんだが・・・

 

「しし・・・?」

 

「ほら。あれに曹の旗が」

 

「・・・・・・」

 

戯志才と名乗った少女の指差した方向を見れば、地平線の向こうからもうもうと砂煙が立ちのぼっ

ているのが確認できた。

 

「さて、私たちは早くここを離れようとするかな」

 

「はい、そうですねー」

 

「え?みんな行っちゃうの?」

 

「はい、私たちも旅の途中でして、時間のかかりそうなことに首を突っ込むのは・・・」

 

「それでは!また縁があれば逢うこともあるだろう」

 

「さようならー、お兄さん」

 

「多分、死にはしないでしょう。「曹」は噂によると、かなりの善政を敷いているようですから」

 

「・・・は?」

 

死にはしない・・・?

 

たたた、と駆け足で離れて行く三人と、その彼女たちに手を伸ばした状態で固まる俺。

 

しばらくすると、騎馬武者の群れと、その上にひるがえる大きな旗が見えてきて・・・・・・。

 

・・・なに、あの巨匠が撮影する歴史的スペクタル。

 

総制作費何百億とかの大作映画の撮影か何かか?

 

離れて行った三人娘達の代わりにやってきたのは・・・。

 

 

 

 

ガチャガチャ!!ガチャガチャ!!

 

「え、ええ・・・っと」

 

屈強な男たちだった。

 

なにこれ。アッーーーーーーー展開のフラグ?

 

周囲を取り囲むのは、騎馬の群れ。

 

俺、こんなにたくさんの騎馬武者を生で見たの、生まれて初めてだよ・・・。

 

そして、俺は――――――――――――出会ったのだ

 

「華琳さま!こやつは・・・」

 

      「運命」と・・・

 

「・・・どうやら違うようね。連中はもっと年かさの中年男だと聞いたわ」

 

 

 

 

なんと例えたらいいのだろうか・・・「激動」?「戦乱」?

 

そんなありふれた陳腐な言葉じゃ表せない時を味わった・・・。

 

まあ、最初は三国志の登場人物が全員女の子になってるなんて、これなんてエロゲー!って叫んで

しまったものだが。

 

今では忘れられない思い出だ。

 

華琳の打ち立てた三国分立。

 

この「世界」に平和が、「終わり」がやって来たのだった。

 

 

 

 

 

 

思い返せば、みんなの声が頭の中に響く。

 

 

「おにーさん!」「おう、一刀!」「一刀殿!」

 

風に稟に宝彗

 

 

「一刀ーっ!」「この変態!!何勝手に私を想像してる訳!?○ね!今すぐ死○!」

 

霞に桂花

 

 

「かーずとっ!」「一刀!」「一刀さん」

 

天和に地和に人和

 

 

「隊長!」「隊長ー!」「隊長ぉー!」

 

凪に沙和に真桜

 

 

「にーちゃん!」「兄様!」

 

季衣に流琉

 

 

「北郷っ!」「・・・北郷」

 

春蘭に秋蘭

 

 

 

 

・・・・・・そして

 

「一刀・・・・・・」

 

・・・君に会えてよかった

 

「一刀・・・!」

 

・・・ごめん

 

「逝かないで!一刀!」

 

 

 

 

 

・・・愛してたよ―――華琳

 

「ずっといるって・・・言ったじゃない・・・・・・・ばかぁ・・・!」

 

 

 

 

 

俺、「世界」の物語は閉じられた・・・

 

 

 

「んあ・・・・・・・・・・・・あ?」

 

あれ・・・?今まで何をしてたんだっけかな・・・?

 

目が覚めると、そこは布団の中だった。

 

「・・・・・・知ってる天井だ」

 

なんてバカなことをやっていないで、とりあえず記憶の整理でもしようか・・・。

 

今日は朝にベットの上で雪連と冥琳に安静にするように言われて、それからゴロゴロしていて、次

の戦いでとうとう思春達と会えることを思い出して飛び起きて・・・って!

 

そうだよ、思春達のことを忘れてた!

 

急いで追いつかないとな!!

 

壁に掛けられていた服を着込み、水瓶から少し手を濡らす程度に水を掬い髪をセットする。

 

臭い、OK! 髪、OK! 服、OK! 体調、OK!!

 

仕掛けは隆々、準備は万全!いざ尋常に―――Let's GO!!

 

「あっ、北郷さま!」

 

扉を勢い良く開けたその横には、花瓶を持って立っている侍女さんが居た。

 

「おはよう!安静にしとけって雪連達に言われてたけど、ちょっと守れそうにない!それじゃあ、

行ってきまーす!!」

 

「あの、北郷さまっ!?」

 

呼び止められても、今の俺を何人たりとも止めることは出来ない!

 

「今行くぞー!ししゅ~~~ん!!!」

 

だだだだだだだだだだだだだだだっ・・・・・・

 

「行ってしまわれました・・・」

 

ぽつん、と取り残されたのは北郷付きの侍女さん一名。

 

「あれから三日も経っていますのに・・・大丈夫でしょうか?」

 

その言葉は今の一刀には聞こえない。

 

 

お久しぶりぶりブロッコリー!

 

・・・・・・・ハイどーも皆さんお久しぶりOTIKAです

 

久し振りの投稿ですね~、ほんっとに

 

いやぁ、恋姫いいですね~

 

久しぶりに無印やっちまったよww

 

ふぅ、思春派だった俺がアレほど惑わされるとは・・・おそるべし!蜀グループ+α

 

昔の思春もかわええのぉかわええのぉ!

 

・・・まぁ、萌将伝のメイド思春一強なんですけどね!!

 

次のページはネットの海からサルベージしたオーパーツの一部です

 

反響の善し悪しによって次回から掲載するかしないかを判断します(多分著作権とか)

 

ちなみに(あっ、TINAMIとかけてないからねwww)心臓が弱い人などの閲覧を激しく禁じます

 

あと怖いもの系がダメな人全般は見ないで下さい

 

心臓が止まりますのでwww

 

それでは、引き返すかそのまま逝くかはあなた次第・・・

 

それではまた次回作でお会いしましょう

 

さようならー

 

 

著作権は 「BASESON」様と「SUNRISE」様に在ります。

 

著作権は 「BASESON」様と「SUNRISE」様に在ります。


 
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