No.212029

乙女な気持ち

tanakaさん

ちょいと積極的なセシリアを書いてみたのさ。

2011-04-17 00:07:40 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2828   閲覧ユーザー数:2698

 キョロキョロ。ソワソワ。

 何度も自分を落ち着かせようとするが落ち着くどころか、逆に緊張してくる。

 一夏さんの部屋で二人っきり。そう考えるだけで心臓が……

「どうしたんだセシリア」

「ひゃっ!? な、なな、何でもありませんわ」

「そ、そうか」

「ええ、別に一夏さんの部屋で二人っきりである事に緊張なんか全然してませんわ!」

「え? 緊張……?」

「は――っ!?」

 わ、わたくしったら何を言って――あぁ! は、恥ずかしいですわ。い、一夏さんを

前にしてなんという醜態……穴があったら入りたいくらいですわ。

 恥ずかしさから一人頭を抱えていると。

「はは。そんなに緊張することはないだろ。別に見ず知らずの間柄ってわけでもないんだし」

 相変わらずの朴念仁の言葉。

 ほんとに、一夏さんは何も分かってませんのね。わたくしがどうしてここまで緊張している

のか――これも全て貴方が原因なのに……

 好きな人と同じ空間で二人っきり。この状態で緊張しない女の子なんていませんわよ。

 もしかしたら、何か素敵なイベントが起きるのではないか? そんな事ばかり考えてしまう。

 恋する乙女というものは、そういう生き物なんですよ。

 それなのに肝心の貴方は――

「あ、そうだセシリア。お茶でも飲むか?」

「…………お願いしますわ」

 平然としている。普段と変わらぬ態度。

 一夏さんがキングオブ・朴念仁というのは理解してますけど、でも少しくらいは――

 わたくしを意識してくれてもいいのに……

「せ、セシリア? どうして不機嫌そうな顔をしているんだ?」

「……何でもありませんわ」

 どうせ一夏さんに言っても仕方ありませんわね。

 一夏さんの朴念仁が治るのなら、とっくの昔に治っているはずですしね。

 

「……はぁ」

「う、やっぱり俺が何かしたのか?」

「ええ、そうですわね」

 ですが、少しくらいは反省してもらわないといけませんね。

 たくさんの女の子を惚れさせておいて、自分からは手を出そうとしないのですから。

 一夏さんには恋する女の子というものを理解してもらわないといけませんわ。

「……一夏さん」

「お、おう。何だ?」

「失礼しますわ」

 

 ぎゅっ……

 

「せ、セシリア……? こ、これは……?」

「少し静かにしてもらえますか」

 これは一夏さんに対するお仕置きですわ。恋する女の子を知ってもらうための。

「あの、セシリアさん……? む、胸が当たっているんですけど」

「あ、当てていますの」

 これで少しはわたくしの気持ちを理解していただけましたか?

 わたくしが貴方にどういう感情を持っているのか。

「う、あ、あぁ……」

 うふふ。照れてますね。どうですか一夏さん、少しはわたくしの事を意識していただけましたか?

 もし意識していただけたのなら、今日は満足ですわ。

 こういう行為を何度も繰り返し、最後は――

 

 一夏さんの方からしていただけるようにしますわ。

 


 
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