No.211107

真・恋姫†無双 ~死んでも俺は叫び続ける~ EPISODE 06『馬超』

futureさん

第六話目。

そういえば、アニメ版の春蘭って原作と髪型が違いますね。
眼帯も無しで原作よりクール・・・・・・惚れてまうやろ。

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2011-04-10 21:57:41 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:3725   閲覧ユーザー数:3043

 

本日晴天なり。

 

愛紗「成る程。馬超殿とはその武闘会で出会ったのか(パクパク)」

 

鈴々「そうなのだ! あと他にも・・・え~っと。確か、てきせー・・・?(モグモグ)」

 

馬超「適正試験な。大会上位者に対する袁紹軍の適正試験が急に行われてさ(ゴクゴク)」

 

愛紗「適正試験? 袁紹軍は人手が足りていないのか? (ゴックン)」

 

星「違うだろう。大方、袁紹殿の暇つぶしと言った所だろう・・・・・・コレはまた美味な・・・・」

 

馬超「あー。何となく分かるな。・・・・・北郷ーおかわりー」

 

鈴々「あー! 鈴々もー!」

 

愛紗「まったく・・・・二人とも食べ過ぎではないか?(モグモグ)」

 

星「別にいいだろう。食う子は育つと言うぞ?(パクパク)」

 

鈴々「そうなのだー!」

 

馬超「いや、多分馬鹿にされてるからな?・・・・・・私もだけど」

 

四人「「「「あはははははは!!!」」」」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

女の子四人が和気藹々と朝食を摂っている。・・・・・・・うん。それは良いんだけどね。

 

一刀「・・・・・何で」

 

四人「「「「ん?」」」」

 

 

 

一刀「何で誰一人メシを作れないんだよーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

魂の叫び。聞いて頂けただろうか。

 

愛紗「だから私が手伝うと・・・・・・」

 

一刀「お前は駄目だ」

 

朝食を作るといって、いきなり偃月刀振り回す奴に誰が協力要請をしようか。

 

馬超「わ・・私は別に料理ができない訳じゃ・・・・」

 

一刀「あー。お前もいいや。なんか鈴々と同じニオイがする」

 

鈴々「えへへー」

 

そんな訳で3人却下。すると残るのは・・・・

 

星「私しかおらぬな」

 

一刀「いや・・・あのね。確かに君は料理出来るだろうけど・・・・・」

 

誰も・・・・朝っぱらからメンマ食べたいとか・・・・思わないよね。普通。

 

星「ほう・・・メンマを侮辱するというのか」

 

一刀「誰もしてないし。普通、朝にメンマは食べないんだよ(多分)」

 

という訳で星も却下。まぁ消去法で俺が料理する事になった訳だが。

 

鈴々「お兄ちゃーん!! おかわりなのだー!」

馬超「私も私もー!」

 

この二人が遠慮してくれない!! 愛紗と星は空気を読んで三十回ずつ噛んで食べているというのに!!

 

一刀「・・・まぁ。朝ご飯を食べる事は良い事だよ・・・・・ハハッ」

 

この二人の食べっぷりを見ていると、怒る気も失せてしまった。

 

一刀「どうにでもなれってんだ・・・・・ハハハ」

 

材料は――――まだ残ってるよな。多分。

 

 

 

 

星「ふむ。腹も膨れた所で、我々は行くとしよう」

 

一刀「次は何処に?」

 

愛紗「何処に・・ということも無いだろう。今までどおりの旅を続けるだけだ」

 

困っている人が居たら助けていくんですよね・・・・某パンmanじゃあるまいし。

 

鈴々「馬超はどうするのだー?」

 

馬超「私か? 私は一旦涼州に戻ることにするよ。しばらくの間、家族にも顔を見せてないしな」

 

愛紗「そうか。なら、此処でお別れという事か」

 

馬超「だな。短い間だったけど楽しかったよ。アンタらと一緒に行動すんの」

 

鈴々「なのだー♪」

 

いや・・・・一晩共に過ごしただけだからな。鈴々は別として。

 

一刀「今、一晩共に過ごしたという言葉に卑猥な妄想を抱いた人は帰っていいです」

 

星「誰に言っているのだ?」

 

細かい事を気にしたら禿げるぞ。趙 子龍よ。

馬鹿な事を考えていると、ふと視線が窓の外へと向かう。

 

一刀「んあ・・・? 何処の軍だ・・・?」

 

宿の外を軍が進行していく。旗印は・・・“曹”?

 

星「曹操か。街の外にでも軍を停めておったのだろう」

 

愛紗「曹操・・・・ううっ」

 

愛紗が身震いをする。・・・・・セクハラがトラウマとなったか。俺らも加害者ではあるのだが。

 

馬超「・・・曹操!!」

 

一刀「あ、おい。馬超?」

 

馬超「じゃあな。世話になった」

 

血相を変え、自身の十字槍を携えて宿から出て行ってしまう馬超。・・・・・何だ?

 

星「馬超殿は一体どうしたのだ?」

 

鈴々「ん~。分かんないのだ・・・」

 

愛紗「彼女は何を急いでいるのだ・・・? 一刀殿は何か知らぬか?」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・」

 

愛紗「・・・・一刀殿?」

 

一刀「え? あ、スマン。すぐ戻る」

 

愛紗「一刀殿!?」

 

馬超に続いて俺も外へと向かう。何だ・・? 嫌な予感がしてならないんだが・・・・。

 

 

 

 

馬超「曹操ッッッッッ!!!!!!」

 

残念な事に予感は的中した。無論、最悪の結果で、だ。

外に出て真っ先に目に入った人物は馬超。その彼女は、事もあろうに例の軍の総大将――――曹操へと切りかかろうとしていた。

 

だがそれよりも、先に動く人影が一つ。

 

夏候惇「貴様ァッ!! 何をするか!!」

 

馬超「―――――――ッ!? ぐうっ!!」

 

側近の女武将。恐らく夏候惇か夏候淵――――――大剣装備という事は、惇の方か?

ともあれ、夏候惇(仮)の妨害により馬超の斬撃は曹操へは届かなかった。

 

夏候惇「無礼な!! お主、何者だ!!」

 

馬超「ふっ!! 西涼の馬騰が一子、馬超推参!! 父の敵・・・獲らせて貰う!!」

 

夏候惇「なっ・・・!?」

 

父の敵!? 曹操が・・・!?

 

夏候淵「華琳様!! お怪我は御座いませぬか!?」

 

曹操「平気よ。それよりも、秋蘭」

 

夏候淵「はっ!! 兵たちよ!! その無礼者を捕らえよ!!」

 

曹軍兵士「「「はっ!!」」」

 

声と共に、兵士たちが馬超を取り囲む。―――――否、それは出来ないし、させない。

 

曹軍兵士「ぐあっ!!」

曹軍兵士「げはっ!!」

 

一刀「安心しろ。急所は外した」

 

馬超「北郷・・!? 何を・・・!?」

 

一刀「グズグズするな。逃げるぞ」

 

馬超「あ、あぁ!!」

 

馬超の手を取り、この場から脱出しようとする。俺の行動に戸惑う愛紗たちの顔がチラッと見えたが、気にしている暇は無い。

 

夏候惇「逃がすかッ!!」

 

――――――ッ!! 夏候惇ッ!!

 

一刀「目障りなんだ――――よ!!」

 

声と共に広がる白塵・・・・球状に固めた小麦粉を投げただけだ。

 

夏候惇「ぐっ、ゴホッ、ゴホッ!」

 

曹軍兵士「目が、目がー!!」

 

夏候惇「何をしている!! 奴らを追うぞ!!」

 

曹軍兵士「お、お言葉ですが将軍!! この霧の中では・・・・!!」

 

夏候惇「くそっ・・!! 奴らは仙人か何かか・・!?」

 

霧(小麦粉)が晴れる頃。

そこに俺と馬超の姿は既に無かった。

 

 

 

 

一刀「・・・・撒いたか」

 

あれから何時間経っただろうか。気がついたら俺たちは森の中に居た。

 

一刀「流石曹操ってところか・・・・兵士も優秀っぽいな・・・」

 

馬超「あ・・・あの・・・」

 

一刀「ん?」

 

馬超「ありがとう・・・助けてくれて・・・」

 

小さくうずくまった馬超がか細い声を出す。俺はそんな彼女の横に座る。

 

一刀「・・・・どうしてあんな事をしたんだ?」

 

無論、曹操に襲い掛かった事だ。

 

馬超「――――――――――――――ッ!!」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・」

 

無言で歯を食い縛る馬超。聞くのは不味かったか・・・・?

 

一刀「あ~。その、何だ。別に言いたくなかったら言わなくても「殺されたんだ」・・・・・へ?」

 

馬超「私の父上は・・・曹操に殺されたんだ!!」

 

 

 

 

【馬超回想】

 

私が小さい頃・・・父上に武術の稽古をつけて貰うのが日課だったな。

そんな、ある日の出来事だ。

 

馬超(幼)「・・・・・・・・・・・」

 

馬騰「・・・・・・・・・・・」

 

棒を構え、尊敬する父親と対峙する。いつもの事だ。だけどその日だけは違った。

 

馬騰「・・・・翠。お前何か隠し事してるな?」

 

・・・図星だった。心を見透かされた動揺が、構えの崩れへと繋がっていく。

 

馬超(幼)「な、何言ってんだよ!! 今朝は私、おねしょなんてしてな――――あっ!!」

 

思い出すだけでも恥ずかしい。・・・・怒られると思って、目を瞑ってしまう。けど、予想とは裏腹に、飛んできたのは笑い声だった。

 

馬騰「ハッハッハッ!! 隠し事はおねしょか!!」

 

馬超(幼)「う・・うぅ・・・。けど、何で私が隠し事してるって気づいたんだよ」

 

馬騰「・・・武術というのは正直なものだ。心にやましいところが有れば、それが気の濁りとなって現れる」

 

馬超(幼)「・・・・・それじゃあ」

 

馬騰「あぁ。お前の構えには心気の曇りが感じられた」

 

馬超(幼)「あ・・・・・・・・・・んん・・・・」

 

馬騰「どうした? おねしょの事なら気に病むことは無いぞ?」

 

馬超(幼)「・・・そうじゃない。父ちゃんは、アタシの構えを見て私の気持ちが分かったのに、アタシが父ちゃんの気持ちが分かんなかったのが・・・何か悔しくて」

 

馬騰「何だ。そんな事か。大丈夫。お前も修行を続けていけば、いずれ気持ちが読めるようになる」

 

馬超(幼)「―――――――!! ホントに!?」

 

馬騰「あぁ。勿論」

 

最後に父上が見せてくれた笑顔を・・私は一生忘れない。

大好きな父上。尊敬する父上。私の大事な―――大事な父ちゃん。

 

なのに・・・・!!

 

 

 

 

馬超「私の父ちゃんは曹操に殺されたんだ!!! それも、卑劣極まりない手で!!!」

 

 

 

 

【回想終了】

 

 

 

 

一刀「・・・・・・・・・・・・」

 

馬超「・・・・・・・・・・・・」

 

沈黙。どうでもいいが、最近沈黙多いな。

 

一刀「・・・・お前はどうしたいんだ?」

 

馬超「・・・・曹操を殺す。父上の敵をとるんだ」

 

一刀「どうやってだ? 曹操の傍には夏候惇みたいな猛将が揃っている(はず)。軍師も然り。その中をどう掻い潜って曹操を殺すつもりだ?」

 

馬超「・・・それは」

 

一刀「無策か。それとももう一度、先程のように不意打ちを狙うのか?」

 

馬超「・・・不意打ちって。さっきのは頭に血が上っただけで・・・まさかあんな所で会えるなんて思わなくて・・・・」

 

一刀「・・・はぁ」

 

立ち上がり、俺は一人外を目指す。

 

馬超「お、おい。何処に行くんだよ」

 

一刀「曹操の所だ」

 

馬超「はぁ!? ど、どうして・・・!!」

 

一刀「歴史どおりの曹操ならまだしも・・・・・“あの曹操”が暗殺なんかするか? 少なくとも、俺にはそうは見えなかった」

 

見る限り、俺の世界の曹操よりあの女曹操は覇道一直線ってオーラが出ていたしな。・・・・・・・・オーラって何だよ。

 

一刀「ともかくだ。あの覇道を突っ走る曹操が、卑劣極まりない手で馬騰を殺すなんて・・・・・・覇道の妨げになるだけじゃないか。汚名が付くだけだなんて」

 

馬超「ん・・・そりゃそうかもしれないけど・・・・・んじゃどうするんだよ」

 

一刀「曹操と直接会って真相を聞きだす。これしかない」

 

馬超「な!? 正気か!? さっき猛将や軍師が云々って言ってたのお前だぞ!?」

 

一刀「大丈b「此処にいたぞー!!」――――――チッ!! 逃げるぞ!!」

 

再び逃走開始。まだ追ってやがったか・・・!!

 

一刀「もうノンビリしている暇は無いみたいだな・・・・馬超!! お前はどうするんだ!!」

 

馬超「わ・・・私は・・・」

 

戸惑う馬超。だが、敵はその隙を見逃さなかった。

馬超の耳元を矢が通り抜けていく。矢が放たれた、その先には―――――――

 

夏候淵「曹操軍武将 夏候 妙才。二人とも、悪いがそこまでだ」

 

一刀「夏候淵――――ッ!! よりによってこんな時に――――!!」

 

万事休すか・・!?

 

馬超「決めた・・・」

 

一刀「ん?」

 

馬超「私も行く・・・行って、真実を確かめるんだ」

 

先程まで俯いていた馬超が顔を上げる。その瞳に、もう迷いは無かった。

俺はその顔に――――笑顔で応える。

 

一刀「なら・・尚更捕まる訳にはいかないな」

 

夏候淵「そうはさせん」

 

弓を構える夏候淵。同時に周りの兵たちも戦闘体勢をとる。

 

馬超「北郷・・どうするつもりだ?」

 

一刀「決まっている・・・早々に脱出――――――――だ!!」

 

先程の用に俺たちを霧が包む・・・・・・・・や、また小麦粉ですけど。

 

夏候淵「くっ、またか!! 逃がすな!! そう遠くへは行ってないはずだ!!」

 

曹軍兵士「「「はっ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

男女逃走中・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男女潜入中・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・よし。誰も居ないな」

 

俺たちは今、曹操軍の陣の心臓・・・・曹操の陣幕前に居る。

無論簡単には入れないので、夜を待って必要最低限の見張りだけを薙ぎ倒してきた。

 

一刀「きっとこの中に曹操が居る・・・・・覚悟はいいか?」

 

馬超「あぁ・・・・でもさ、何で北郷は私に協力してくれるんだ?」

 

一刀「ん?」

 

言われて初めて考える・・・・・そういや何でだろうな。

 

一刀「強いて言うなら・・・・友達だから―――かな?」

 

馬超「友達?」

 

一刀「あぁそうだ――――――って何でだろうな。スマン。やっぱりよく分からん」

 

馬超「何だよそりゃ・・・・・ったく」

 

思わず笑いそうになったが、なんとか笑いを抑える。そんな場合じゃなかったな。

 

馬超「・・・・・・・・・・友達・・・・・か」

 

一刀「ん? 何か言ったか?」

 

馬超「いや? なんでも。んじゃ、行こうぜ!!」

 

一刀「―――――――――あぁ!!」

 

俺たちは真実を確かめる為の第一歩を―――――――――踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           TO BE CONTINUED

 

 

 

あとがき

 

『ページ数無駄に多いな!!』などのツッコミはコメント欄でどうぞ。

 

どうも。futureです。

 

今回の話の元ネタは、作品説明欄を見てくだされば分かりますが――――――全部は使い切っていません。

 

一話を3分割したとしたら2/3しか使用していません。

 

そんな訳で、続きは次回で。

 

 

ではまた、次の作品で会いましょう。ノシ

 


 
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