No.210227

恋姫 4月1日(金)

ゲームです( ゚∀゚)o彡°

2011-04-06 02:55:20 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:7916   閲覧ユーザー数:6433

 

ぴぴぴ

 

一刀

「ん~」

 

ぴぴぴぴぴ

 

一刀

「あ~ん?」

 

ぴぴぴぴぴぴぴ

 

頭に響いてくるこの音は目覚まし時計だ。

 

でも目覚ましなんかセットしてたっけかな?

 

一刀

「あー、うるさい!」

 

スヌーズもセットしていたのでそれごと解除する。

 

一刀

「……そういえばもうすぐ学校だっけ。

 だから生活リズムを整えるために早起きするんだった」

 

時計は八時半を表示している。

 

まだ眠いけどせっかく早起きしたんだから朝飯でも食べるか。

 

◆ ◆

 

紫苑

「おはよう一刀。

 今日は早いのね」

 

リビングではちょうど朝食の準備をしている母さんがいた。

 

一刀

「おはよう!

 いつまでもねぼすけの俺じゃないぜ!」

 

紫苑

「あらあら。ふふふ」

 

ニコニコと優しい笑みを浮かべる母さん。

 

相変わらず美人だぜ。

 

一刀

「姉ちゃんはどうしたんだ?」

 

紫苑

「冥琳なら学校に行ったわよ」

 

一刀

「春休みなのに?」

 

紫苑

「教師に春休みはないのよ。

 入学の準備とかで忙しいみたいよ」

 

そういえば今日から俺も二年生か。

 

色々と頑張らなきゃな。

 

勉強とか恋とか。

 

恋か……。

 

可能性があるといえば、桃香、月、恋くらいかな。

 

あとは初恋の女の子……。

 

可能性があるといっても他の女の子より少し仲が良いだけだし。

 

今のところは進展する予定はない。

 

紫苑

「ふふふ」

 

一刀

「どうしたんだ?」

 

紫苑

「真剣な顔している一刀が格好良いって思ったのよ」

 

一刀

「て、照れるぜ母さん」

 

いつも堂々とこういうことを言ってくるから困るぜ。

 

紫苑

「本当にそう思ったのよ」

 

一刀

「母さんもすっげえ綺麗だぜ」

 

紫苑

「……あらあら」

 

なんだこの空気は。

 

 

紫苑

「今日は何か用事あるの?」

 

一刀

「んー、特にはないけど。

 なんかあるの?」

 

紫苑

「冥琳にお弁当届けて欲しいの。

 あの子ったら忘れて行っちゃって」

 

一刀

「そうなんだ。

 それじゃあ行ってくるよ」

 

紫苑

「ありがとう。

 気をつけてね」

 

一刀

「おう」

 

母さんの頼みは断れないぜ。

 

◆ ◆

 

一刀

「もう春だなー」

 

学校までの桜並木を見るとそう思う。

 

満開の桜がとても綺麗である。

 

夜なんかはライトアップされて幻想的な雰囲気となる。

 

学校に着くと運動部が部活に勤しんでいた。

 

一刀

「張り切ってるなー」

 

泥だらけになってボールを追いかけるサッカー部。

 

とても真似できそうにない。

 

サッカー部員

「おーい。ボールとってくれー!」

 

一刀

「オッケー!」

 

転がってきたボールを思い切りけり返す。

 

カスッ

 

コロコロ

 

一刀

「…………」

 

サッカー部員

「…………」

 

大人しく手で投げ返した。

 

サッカー部員

「ありがとう!」

 

そして練習に戻って行った。

 

一刀

「運動しなきゃなー……」

 

 

一刀

「失礼しまーす」

 

冥琳

「ん? なんだ一刀か」

 

一刀

「なんだとはなんだ。

 せっかくお弁当を持って来てやったのに」

 

冥琳

「弁当?

 ああ、母さんが一刀に届けさせると言ってたな」

 

一刀

「そうなの!?」

 

まさか母さんに欺かれるとは。

 

まあいいんだけど。

 

冥琳

「まあご苦労さん。

 母さんにも礼を言っておいてくれ」

 

一刀

「へいへーい」

 

姉ちゃんは仕事の続きに取り掛かる。

 

一刀

「なんか手伝うことはない?」

 

冥琳

「そうだな……。

 それじゃあ教科書を配って来てもらおうかな」

 

一刀

「おう。

 っていうか他の先生は?」

 

冥琳

「昼食に出掛けた」

 

一刀

「んで姉ちゃんは仕事かよ。

 新米教師は大変だな」

 

冥琳

「まあ好きでやってることだし、苦ではない」

 

一刀

「そっか。

 それで教科書はどこにあるんだ?」

 

冥琳

「生徒会室だ」

 

一刀

「生徒会室か……。

 行ったことないな」

 

どこにあるのかわからないぞ。

 

冥琳

「終わったらチェックしに行くから頼んだぞ」

 

一刀

「おう」

 

まあ時間はあるしのんびり探すとするか。

 

◆ ◆

 

一刀

「……やっと着いた」

 

校舎内を探し回ってもなかなか見つからなかった生徒会室。

 

地図を見つけて確認したところなんと職員室の隣だった。

 

一刀

「こほん」

 

こんこん

 

「どうぞ」

 

部屋の中から凛とした声が聞こえてくる。

 

そういえばうちの生徒会長は……。

 

「悪戯かしら?」

 

俺が返事をしなかったので中にいる人物は訝しんでいるようだ。

 

ここで入らないという選択肢はないので俺は中に入った。

 

一刀

「失礼します」

 

中に入ると予想通りの人物がいた。

 

「……か、一刀なの?」

 

一刀

「お、おう」

 

この学校じゃ知らない人はいない。

 

昔はずっと一緒にいた幼馴染。

 

でもこうして話すのは何年振りだろうか。

 

「……久しぶりね」

 

一刀

「そうだな……華琳」

 

あの頃より、ずっとずっと綺麗になった。

 

一刀

「生徒会の仕事か?」

 

華琳

「ええ。

 一刀は何の用かしら?」

 

一刀

「姉ちゃんの手伝いで教科書を配りに来たんだけど」

 

華琳

「ああ、冥琳先生ね。

 それならそこに置いてあるのがそうよ」

 

そこには山積みのダンボールが。

 

一刀

「まじかい……」

 

姉ちゃんは一人でこれをやる気だったのか?

 

もしそうだとしたら手伝えてよかった。

 

女一人でこれは大変だぞ。

 

一刀

「これを各教室に運べばいいんだな?」

 

華琳

「ええ」

 

まあ文句を言っても始まらないしやりますか。

 

一刀

「じゃあ行ってくるわ」

 

華琳

「私も手伝うわ」

 

一刀

「えっ、でも生徒会の仕事は?」

 

華琳

「さっき終わったところよ」

 

一刀

「でも結構重いぞ?」

 

華琳

「大丈夫よ」

 

俺としては女の子に重い物を持たせるのはあまり気が進まない。

 

でも目の前の女の子はきっと退かないだろう。

 

一刀

「じゃあ手伝ってくれ」

 

華琳

「ええ!」

 

◆ ◆

 

一刀

「ふぃ~。

 やっと終わったー!」

 

腕がパンパンになった。

 

やっぱり体力の衰えは隠せないものである。

 

華琳

「だらしないわね」

 

一刀

「すみません」

 

むしろなんで華琳は疲れていないんだろう。

 

ダンボールも簡単に持っていたように見えるし。

 

一刀

「まあ終わったってことだし姉ちゃんに報告に行ってくるわ」

 

華琳

「わかったわ」

 

一刀

「おう。

 手伝ってくれてありがとうな」

 

華琳

「別にいいわよ」

 

一刀

「そっか。

 それじゃあな」

 

華琳

「一刀っ!」

 

俺を呼びとめる声に振り返る。

 

華琳

「また……またこうして話せるかしら?」

 

今さら……なんだろうけど華琳と今日話せて嬉しかったのは事実。

 

なら俺の答えは決まっている。

 

一刀

「今日こうして話せたんだ。

 なら次もきっと話せるさ」

 

華琳

「そ、そうね」

 

どことなく嬉しそうな顔をしているように見えるのは俺の自惚れかな。

 

◆ ◆

 

一刀

「全部終わったぞ姉ちゃん」

 

冥琳

「本当か!?

 あれは数日かけてやるつもりだったのだが……」

 

一刀

「うおい!」

 

冥琳

「エイプリルフールだから一応嘘を吐いてみたんだが」

 

一刀

「姉ちゃん……」

 

本気にしてしまったじゃねえかよ。

 

冥琳

「まっ、いいか」

 

姉ちゃん……。

 

 

 

真・恋姫†無双 ~俺は君に恋をする~

 

 

 


 
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