No.210151

真・恋姫†無双~二人の王佐~一章第八話 「袁家襲来!」

syoukiさん

皆様大変お待たせしてすみませんでした!更新が遅くなったこと深くお詫びします

今回のお話は私塾編です。

故郷斎南国から凛花に連れられ洛陽に来た一刀と桂花。すると目の前に〝あの”二人が現れて・・・・

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2011-04-05 20:03:22 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:13880   閲覧ユーザー数:10334

注意!作者は三国志に詳しくありません。主な知識は恋姫からです。

 

 

ちなみにこの作品にはオリキャラを何人か出そうと思っています。

 

 

そしてキャラの仕官時期が違ったり所属が違ったりするかもしれません。(そのあたりはまだ未定です。)

 

 

あと一刀にオリジナル設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

 

 

それと一刀には前世の記憶がありません。

 

 

ですが一度読んでみてください!それで「おもしろい」と思ってさらに読み続けていただけたらうれしいです。

王佐の才>

 

『帝王を補佐するにふさわしい才能、又はそれを持つ者のこと言う。(辞書引用)』

 

 

 

 

 

これは、平和な世を作ろうと乱世を駆け抜けた双子の男女の物語である。。

~洛陽~

 

 

ここはつい先日完成したばかりの鄭弦の私塾に通う子供達が洛陽にいる間滞在する寮の入り口。ここに大きさの違う縦ロールを下げた金髪の二人がある人物を待っていた。

 

「華琳さん!一体何時になったらその荀鳳さんとか言う殿方が来るのですか!!」

 

「あのねぇ麗羽!さっきも言ったと思うけど、彼らは私達より遠い所から来るんだから時間が掛かるのよ。それに私塾は明日からなのだから絶対に今日中には来るはずよ。だからそれまで大人しく待ってなさい!」

 

「そんな事関係ありませんわ!名門袁家の次期当主になるこのわたくし、袁本初が待っているのですから早く来るべきなのですわ!おーっほっほっほ!!」

 

この偉そうに一刀を待っている女の子は姓は袁、名を紹、字を本初と言うさっき自分で言った通り袁家の次期当主様である。

 

「はぁ~麗羽、私達が待っている事を一刀達は知らないのだからそんな事無理に決まっているでしょう?」

 

「まったく、華琳さん一押しの殿方も期待はずれですわね!」

 

「そんなこと言うなら麗羽は中に入っていなさい!それに元々私は貴女を誘った覚えは無いのだけれど?」

 

「そ、それは・・・・・・そうですわ!華琳さんが一人で寂しいだろうと思ってついてきたのですわ!」

 

「それなら大人しく待っていなさいよ。わ・た・し・の為にいてくれるのならできるでしょう?」

 

「きぃぃぃー!わかりましたわよ!!ちゃんと待っていればいいのでしょう!!待っていれば!!」

 

そう言う麗羽だったがこの私塾に来て初めて仲良くなった華琳から男性の名前が出たので興味が沸いたのでついてきたのが本音であった。

 

「(やっぱりあの時一刀のことを話したのは失敗だったわね。まさか麗羽が興味を持つとは思わなかったわ。てっきり麗羽“も”女の子しか興味がないと思っていたのに・・・・・まぁそれは私も同じで相変わらず一刀以外の男なんて全く興味が沸かないのだけどね)」

 

そんな事を思いながら華琳は麗羽と共に待ち続けた。

~洛陽城門前~

 

そんな華琳と麗羽が待っているとは露知らず母の凛花に連れられ、一刀と桂花はやっとの思いで洛陽に辿りついていた。

 

「はぁ~、やっと着いた!!」

 

「疲れました!」

 

「それじゃあ二人は寮に荷物を降ろしてらっしゃい。私は鄭玄様の所に挨拶に行ってくるから♪」

 

「「わかりました、かあさま」」

 

「徐悠、あとはよろしくね♪」

 

「かしこまりました荀緄様」

 

そうして母と別れた一刀達は鏡佳と他の侍女と数人の兵を連れて寮に向かったが寮が見えた時知り合いの声が聞こえてきたのでその声のする方を見ると似たような髪形の二人がこちらにやってきた。

 

「やっと来たのね一刀!」

 

「貴方達遅いですわよ!!」

 

「げっ!?なんであんたがここにいるのよ!!ていうか隣のあんた誰?」

 

「華琳じゃないか!?君も学びにきたんだね。ところでそっちの子は?」

 

「彼女は私がここに来て知り合った子よ」

 

桂花の嫌味を軽く流して華琳は麗羽のことを紹介した。

 

「そっか、僕は荀鳳、字は天若って言います。それと待たせてすみません。本当はもう少し早く着く予定だったのですが色々あって着くのが前日になってしまったんです。待っていてくれたのにこんなに遅くなってすみませんでした!」

 

「私は荀彧、字は文若って言います(また変なのが出てきた)遅れてすみませんでした」

 

桂花は勝手に待っていたのに文句を言われたので不機嫌だったが兄がしたのでしぶしぶ自己紹介をした。

 

「わ、解ってくれればいいですわ!次からは気をつけなさい!それとわたくしは袁紹、字を本初といいますの、よろしくお願いしますわ荀鳳さん、荀彧さん!!」

 

「袁紹ってもしかして代々三公を輩出してきたあの名門袁家の?」

 

「おーっほっほっほ!そうですわ!!それにしても貴方わたくし達のことを良く知っておりますのね!」

 

「うん、歴史の勉強をしていた時に色々と習ったからその時にね!」

 

「そうなのですか!!でしたら荀鳳さんは男性ですが優秀なのでこれからは特別に麗羽とお呼びしてもよろしいですわ!もちろん荀彧さんも構いませんわよ」

 

「それなら僕も一刀と呼んでください麗羽さん」

 

「……私は桂花です」

 

「わたくしのことは麗羽で結構ですわ一刀さん」

 

「そっかそれじゃあ麗羽、なら僕も」

 

「いえ、わたくしのはそういう教えなので気にしないでください」

 

「そうなんだ、わかったよ麗羽。よろしくね!」

 

「ええ、こちらこそよろしくお願いしますわ一刀さん」

 

「それにしても華琳もここいるなんてね、驚いたよ!」

 

「ええ、お母様が『良い機会だから鄭玄様の所で色々学んできなさい』って言って私をここに連れてきたのよ」

 

「それじゃあ琳奈さんもここに?」

 

「いえ、お母様はもう陳留に帰ったわ。あんなんでも陳留の太守ですからね。色々忙しいのよ」

 

「そうなんだ」

 

「あんたも帰ればよかったのに」

 

桂花のぼそりと呟いた一言に反応した華琳も桂花の耳元で囁いた。

 

「そうはいかないわよ桂花!私は鄭玄様から学ぶために来たのだから帰れないわよ。あと私は必ずを一刀手に入れるつもりよ」

 

「「!?」」

 

「それと一緒に貴女も手に入れてあげるわ桂花」

 

「私はお兄様専属の軍師だからあんたの物になんかならないわよ!」

 

「そう、残念ね。ところで貴女の頭に被っているのはどうしたのかしら?確か以前会った時は身につけてなかったわよね?」

 

華琳が桂花の頭の頭巾に気が付いたので尋ねると桂花は得意顔で答えた。

 

「あ~ら、やっと気づいたのね♪♪これは誕生日にお兄様が手・作・りで贈ってくださったものよ!!」

 

「そ、そう。よかったわね(一刀の手作り。べ、別に羨ましくなんてないんだからね!)」

 

「うん、桂花に似合うと思ってさ!可愛いだろ!」

 

「(きゃ~~~~~~!!お兄様が可愛いって言ってくれた!!お兄様が可愛いって言ってくれた!!お兄様が可愛いって言ってくれた!!)」

 

「え、えぇ、よく似合っているわね(でもやっぱり羨ましいわね。今度頼んだら一刀何か作ってくれるかしら?)」

 

「あの~、一刀様?」

 

「ん?なんですか鏡佳さん」

 

「そろそろ荷物を入れた方がいいのではないでしょうか?」

 

侍女の鏡佳さんが少し困ったように尋ねた。

 

「あっ!?そうだったね!!ごめんね華琳、麗羽。僕達これから荷物を部屋に入れないといけないんだった!だから話はまたあとでいいかな?」

 

「ええ、構わないわ。それに謝るのはこちらの方よ一刀。貴方達は今来たばかりなのだから荷物をいれたり色々やることがあるのにそれを私達が引き止めていたのですから」

 

「そんなことないよ華琳。僕は華琳と久しぶりに話せて嬉しかったよ」

 

「一刀!」

 

「うーーーーーー!!」

 

華琳と会えた事が嬉しい一刀だったが、桂花は頬を膨らませて唸っていた。桂花としては大好きな兄と二人きりになれると思っていたのだが華琳もいた為独り占めできなくなったので残念な気持ちでいっぱいだった。そんな桂花の気持ちに気付かない一刀は華琳と話を続けていた。

 

「そうだ華琳、入寮するのにどうすればいいかな?」

 

「そうね、一刀達は自分達がどの部屋かわからないわよね?「うん」だからまずは寮母さんに挨拶して自分達の部屋がどこか聞きにいきましょう。寮母さんのいる所へは私が案内するわ」

 

「そ、それでしたらわたくしもお供しますわ!」

 

「そっか二人共ありがとう」

 

「べ、別に当然のことよ///」

 

「そ、そうですわ!」

 

そして華琳達に案内してもらい寮母さんの所にいった一刀達だが、挨拶が済み、部屋割りを聞いた時華琳が声をあげた。

 

「そんなの納得できません!!」

 

華琳が叫んだ理由は、この寮の部屋は基本二人部屋で男女別々なのだが、今回一刀と桂花の部屋は二人共同じ部屋に入ることになっていたからだった。

 

「なぜ一刀と桂花が同じ部屋なんですか!?」

 

「二人は兄妹なのだから別に問題ないでしょう?それに部屋もあと一部屋しかないからしょうがないのよ」

 

「そ、そんな!?」

 

実は華琳は桂花の隙をみて一刀の部屋に遊びにいったり自分の部屋に呼んだり等して気を引こうと考えていた。しかし結果は隙をみるどころか桂花が常に部屋にいる状況になってしまった。

 

「(やった!!)」

 

華琳はがっくりと肩を落とし、桂花は一緒にいられ、なおかつ他の女の子を牽制できるので内心とても喜んでいた。

結局部屋の変更はできないということで一刀と桂花は同室ということで決まってしまった。

その後兵士の人達に部屋に荷物を入れてもらい、一刀達は帰る母達を見送り、そして夕餉まで部屋で華琳達と話をしていた。<

~私塾初日~

 

ここは洛陽にある私塾生の為の寮にある一刀と桂花の部屋。他の生徒達が準備を始めている中、二人はまだ眠っていた。実は一刀と桂花にとって今回の斉南国から洛陽という距離は初めての事だった為、旅の疲れが出ておりとても深い眠りについていたのだった。すると人の気配が二人の部屋に近づいてきた。そしてその気配が部屋の前に来たと思ったら一刀達の部屋に入ってきた。

 

「一刀!桂花!いつまで寝ているの!!今日から私塾が始まるのだから・・・・・・・えっ!?」

 

中に入ってきたのは華琳だった。今日から私塾が始まるのでその準備ができているかの確認と一緒に朝餉を取ろうと思ってきたのだが部屋の中に入って寝ている二人を見て固まってしまった。なぜなら二人は仲良く一つの寝床で寄り添って寝ている姿を目撃したからだった。しかも桂花は一刀の腕に抱きついて幸せそうな顔で眠っていた。それを見た華琳は顔を赤くして大きな声で叫んだ。

 

「あ、あ、貴方達!!な、なぁぁぁにぃぃぃやっっているのよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

「んん?」

 

「う~ん、なんなのよ~折角いい所だったのに~」

 

「あなた達いい年してなんで一緒に寝ているのよ!!」

 

「ふあぁ~、なによあんただったの!別に普通のことじゃない!私達はいつも一緒に寝ているわよ文句あるの?」

 

「いつも!?と、当然じゃない!!この歳で一緒に寝るなんておかしいわよ!?」

 

華琳は興奮気味に叫んでいた。なぜなら気になる男の子が例え妹といえど自分以外の子と寝ていたからだ。しかも妹の桂花は兄の一刀の事が大好きで華琳にとって最大級の敵であることは明らかだったからである。

 

「一刀!!」

 

「な、何かな?」

 

「貴方ほどの頭の良さならわかっているのでしょう?私達くらいの年齢の子はもう一人で寝ていることくらい」

 

「ま、まぁね」

 

「ならどうして一緒に寝ているのかしら?」

 

「それは……」

 

「アーソロソロキガエテイカナイトマニアワナイワ」

 

「あら、大丈夫よ!私少し余裕を持たせて呼びに来たのだからね!」

 

「ちっ!」

 

桂花がそうカタコトでいうのを華琳は覇気を出しながら引き止めた。桂花は舌打ちをしたものの華琳の覇気に当てられ動けなかった。

 

「一刀続けて」

 

「う、うん。実は桂花と一緒に寝ているのは前に桂花が夜怖いから一緒に寝て欲しいって言ってきたからなんだ」

 

「そう、桂花が言ったの?」

 

「うん、だから一緒に寝てあげてるんだ」

 

「そう…そういうことだったの。おかしいと思ったのよ、教養のある一刀がこの歳になっても妹と寝ているのか。これで謎は解けたわね」

 

一刀が話すと華琳の顔は長年挑戦してきた難問がやっと解けたかのように晴れやかになった。一方桂花は悪戯が見つかった子供のように悔しそうにしていた。

 

「桂花?」

 

「何よ華琳。夜一人で寝るのが怖いことがそんなにいけないことかしら?」

 

桂花の強気な態度に華琳は溜め息をついて答えた。

 

「はぁ、別にそうは言ってないわよ。ただここは貴女の家では無いのだから一緒の床に入るのはマズイのではないかしら?と言いたいのよ」

 

「どういういう意味よ!」

 

「そのままの意味よ。いくら兄妹でもそんなことしているのが寮母さんに知れると部屋を換えられるか最悪退塾させられて貴女の『大好きな』お兄様に迷惑が掛かるわよ?貴女はそれでもいいのかしら桂花?」

 

「うっ、そんなの嫌に決まってるじゃない!!」

 

「ならもうここでは一緒の床に入るのはやめなさい、それが貴女達のためよ」

 

「わ、わかったわよ!」

 

本当ならこれからずっと一緒に寝ることをやめさせたかった華琳だったが桂花の言っていることが嘘だという証拠が何も無かった為、しかたなくここにいる間だけ別々に寝ることになった。もっとも、華琳は絶対に嘘だと思っていたが……

 

「本当に平気かい桂花?」

 

「大丈夫ですお兄様」

 

「それならいいけど無理をしちゃ駄目だよ?」

 

「わかりました(残念だけどここにいる間は止めたほうがいいわね)」

 

やはり華琳の思っていた通り、実は桂花は別に夜が怖くて一刀と一緒に寝ているのではなかった。ただ、兄と一緒に寝たいが為に嘘までついて一緒に寝てもらっていたのであった。

 

「わかった。それじゃあ話も済んだみたいだから着替えて朝餉を取りにいこうか。もちろん華琳も行くだろう?」

 

「えぇ、もちろんそのつもりよ」

 

その後三人で食堂で朝餉を食べ、準備をして寮を出た。

 

「そういえば一刀、聞きたいことがあるのだけど?」

 

「んっ?なんだ華琳?」

 

「昨日から気になっていたのだけどその腰に差しているのは一体何なの?」

 

「これか?木刀だけどどうかしたか?」

 

「あんた目までおかしくなったの?」

 

「そんなの見ればわかるわよ!でもなんで黒いのよ?」

 

華琳は桂花の言葉を軽く流して尋ねた。

 

「ちょ、ちょっと!?私を無視するんじゃないわよ!!」

 

「それはこちらの台詞よ桂花!私は今一刀と話しているの、だから邪魔しないでもらえる?」

 

「「ぐるるるるるる」」

 

「はぁ~、二人共喧嘩しないの!!折角会えたんだから仲良くしようよ」

 

「「ふんっ!!」」

 

「しょうがないな~。ところで話を戻すけどこの木刀は『黒牙刀』って言うんだ。なんでも樹齢千年を超える大木で作られた木刀らしくて強度は剣と打ち合えるくらい堅く、重さも普通より重い木刀なんだ」

 

「そうなの。でもなぜいつも腰に差しているの?」

 

「それは慣れるためかな」

 

「慣れるため?」

 

「うん!『百聞は一見にしかず』持ってみれば理由はわかるよ」

 

そう言って一刀は腰に差していた黒牙刀を華琳に渡した。

 

「木刀なんてどれも・・お、重い!?一刀貴方こんな重いの腰に差していたの!!」

 

一刀から受け取った黒牙刀を持った華琳は驚いてしまった。なぜならこの『黒牙刀』は想像していたよりも重かったからだった。普通の木刀なら母から武を教えてもらっていた時に何度も振っていたので難なく振れる華琳だったが正直この黒牙刀を振り回す自信はなかった。それほどまでにこの『黒牙刀』は重かったのだった。

 

「とうさまが言うには確か、大体木刀二~三本くらいの重さだったかな?」

 

「そんなの貴方振れるの?」

 

「まぁ~初めは無理だったけど今は」

 

そう言うと華琳から黒牙刀を受け取った一刀は縦に振り下ろした。華琳が振ることが出来なかったものを一刀は振り回して見せたのだった。

 

「(一刀、貴方いつの間にこんなに強くなったのよ!!)」

 

華琳は正直驚いていた。以前会った時の一刀は智は同等だったが武に関しては全く華琳の足元にも及ばなかったが今は自分に扱えなかった木刀を自在に扱っている事に。

 

「(確かに一刀の体を良く見てみると程よく引き締まっていて以前はなかった逞しさがあるわね。しかも・・・・・)」

 

前に会った時よりも凛々しくなっていることにたった今気づいた華琳は一刀の顔に見惚れてしまっていた。以前彼から聞いた『家族や大切な人を守れるようになりたい!』その想い一筋で勉強だけでなく修練もこなしてきた今の一刀は誰が見ても魅力的な男の子になってきていた。

 

「あんた一体いつまでお兄様を見て固まっているのよ!!」

 

「はっ!?べっ、別に何でもないわよ!ただちょっと他のことを考えていただけよ!!」

 

「それじゃあなんで顔が赤いのよ!おかしいじゃないの!!」

 

「うっ!?それは・・・・ちょっと暑いだけよ!!」

 

「(嘘ばっかり。何よ、お兄様に見惚れていたのバレバレじゃない!それにしてもあの普段あまり取り乱さない華琳でさえこの様子だと私塾の女達はもっと大変なことになりそうね)」

 

この桂花の懸念が現実になるのはもう少し先のことである。

 

「それよりも少しゆっくりしすぎたから急ぐわよ!!」

 

「う、うん!?」

 

華琳が早足で行ってしまったので一刀も追いかけた。その後ろで桂花はこれからのことを考えていた。

 

「(ごまかしたわね…まぁいいわ、今のお兄様は自分を鍛えることに専念しているから問題ないはず)」

 

「桂花~!早く来いよー!!」

 

「待ってくださいお兄様~!!」

 

考えを中断し桂花も兄を追いかける為に走り出した。

「おはよー」

 

一刀達が教室に入ると教室の中にいた女の子達が一斉に一刀を見た。

 

「え!?な、何?」

 

一刀が困惑していると席に座っていた子がこちらにやってきた。長い髪を後ろで一つに束ね帽子を被り、袖の長い服に肩掛けを羽織って、下はロングスカートを穿いていた。

 

「荀鳳さんですよね?」

 

「そうだけど君は?」

 

「申し送れました。私は姓は諸葛、名を誕、字を公休と言います」

 

「諸葛誕さんですね。よろしく!ところでなんでみんな僕を凝視しているのかな?」

 

「うふふ、それはですね……荀鳳さんはこの私塾で唯一の男性だからですよ♪」

 

「えっ!?」

 

「「「ええええぇぇぇぇーーーーー!?」」」

 

諸葛誕さんの言った衝撃発言に一刀だけでなく桂花と華琳も声をあげた。

 

「ちょっと、どういうことよ!?お兄様以外男がいないなんて!!」

 

「そうよ!!ちゃんと説明しなさいよ!!」

 

桂花と華琳が訳を聞こうと詰めよると、

 

「ちょ、ちょっと待ってください!?なんですか貴女達は!荀鳳さんとはどういったご関係ですか?」

 

「妹よ文句ある!!!!」

 

「主(仮)よ!!!!」

 

「妹はわかるのですが主(仮)とは?」

 

「簡単よ。彼は将来私の配下になる予定なのよ」

 

「そ、そうなんですか…」

 

「違うわ!あの子が一人で言っているだけだから気にしないで!」

 

「え~と……」

 

「彼女は一応僕の主候補だよ」

 

「一刀!!」

 

「お兄様!」

 

「前も言ったろ?自分が納得できるくらい強くなったら返事をするって。だから今はこれで我慢してくれないかな?」

 

「全くもう!わかったわよ。つまりそういうことよ」

 

「関係はわかりましたがまだ私自己紹介をしてもらっていないのですが?」

 

「そうだったわね。ごめんなさい。少し取り乱してしまって自己紹介を忘れていたわね。私は姓は曹、名は操、字は孟徳よ」

 

「荀鳳お兄様の双子の妹で姓は荀、名は彧、字は文若よ。ところでさっきの話詳しく教えなさいよ!男がお兄様しかいないってどういうことよ!!」

 

「そうでしたね。ではまず、この鄭玄先生の私塾は将来の刺史または太守や三公を育てる事を目的とし、各州の有力者の子供達などを対象に教える所というのはご存知ですか?」

 

「まぁ、大体は」

 

実はこの塾、一応鄭玄の私塾という形をとってはいるが実際は国が優秀な人材の発掘と育成を目的として設立されたのだった。

 

「そうですか、それならば話は早いですね。どうやらその中でもある一定の学がある子だけしかこの私塾に通えないようのです。そしてここからが本題なのですがどうやらこの一定の学が身に着いていたのは私達女性と荀鳳さんだけだったようなのです」

 

「なんですって!?」

 

「ところでその一定の学とはどれ位の学力を指しているのか貴女わかるかしら?」

 

「おそらくですが……読み書きができ、儒学書などが理解できるくらいの学だと思いますが…」

 

「そう、上に立つ者としてその程度のこと常識の範囲内なのに太守や役人の息子達にはそれができないなんてこの国も落ちたものね」

 

「それは同感です。ですから荀鳳殿がこの私塾に来てくださって私達は本当に嬉しいのですよ」

 

「ちょっと待って!?どうしてそうなるのよ!!」

 

「それは「今まで自分達の考えを理解してくれる男の子が周りにいなかったから。でしょ?」はいその通りです曹操さん」

 

「なによそれ!!」

 

「こればかりは諦めなさい桂花。私もだけど彼女達の周りには自分達と同じ思考を持っている同年代の男の子いなかったのよ。探せばいるのかもしれないけど太守や三公など役人の子供の中には私達と同じ思考を持っているの男の子は一刀しかいなかった。そうなると必然的に興味が湧くというものよ」

 

「そうですね。私も荀鳳殿に興味があります」

 

「ちょっとあんた!!何敵を増やしているのよ!!!」

 

「でもそれだけ一刀が魅力的ということよ。貴女はそんな兄をもっと誇りに思うべきね」

 

「ふんっ!私は始めからお兄様が魅力的なの知っているしそんなお兄様を誇りに思っているし尊敬もしているから問題ないわよ!!」

 

そんな風に言い合っていると一刀が止めに入った。

 

「なぁ二人共、僕を褒めてくれるのは嬉しいんだけどそろそろ席に着かないか?ほら、みんなも見ているし」

 

一刀に言われて気がついた桂花と華琳が周りを見渡すと教室中の視線を集めていた。

 

「「~~~~~!?///」」

 

顔を赤くした二人はいそいそと席に着き下を向き黙っていた。

 

「ふふっ、とても愛されていますね荀鳳さん♪」

 

「うん、二人共僕には勿体無くらいだよ」

 

「荀鳳さんはとても魅力的ですよ」

 

「ありがとう、そう言ってくれてうれしいよ。でも諸葛誕さんだって十分可愛いですよ」

 

「ふみゅ~~!?……あ、ありがとうございます///」

 

諸葛誕は突然の褒め言葉に顔を真っ赤にしていると後ろから声が掛かった。

 

「あなた達そろそろ入ってくれると先生助かるのですが」

 

「「す、すみません!!」」

 

後ろを振り返るとそこには大人な雰囲気の女性が立っていた。

 

「誰?」

 

一刀は小声で尋ねた。

 

「あの方が鄭玄先生ですよ」

 

「元気なのは良いことですか時間は守ってくださいね」

 

「「は、はい!!」」

 

「良い返事です。それでは中に入って席に着いてください。始めますから」

 

横一列に華琳、一刀、桂花、そして一刀の前の席に諸葛誕、華琳の前に麗羽の順に座った。

 

「それではまず自己紹介をしますね。知っている人もいるかもしれませんが私は鄭玄、字は康成といいます。みなさんよろしくお願いしますね」

 

『はい!よろしくお願いします!!』

 

「それでは、みなさんにも自己紹介をしてもらいます!」

 

そして右端の娘から自己紹介をしていき、

 

「姓は荀、名は彧、字は文若よ。よろしく」

 

桂花はぶっきらぼうに答え、

 

「姓は諸葛、名は誕、字は公休です。よろしくお願いします」

 

諸葛誕は丁寧に自己紹介をし、

 

「僕は姓は荀、名は鳳、字は天若と言います。みなさんよろしくお願いします!」

 

『きゃーーー』

 

一刀が自己紹介をすると女達が黄色い声をあげた。もちろん桂花と華琳はむすっとしていた。

 

「おーっほっほっほ!!わたくしは名門袁家の次期当主になる姓は袁、名は紹、字は本初ですわ!!わたくしと学べることを光栄に思いなさい。おーっほっほっほ!!」

 

麗羽は高笑いをしながら自己紹介をしていた。みんな麗羽の自己紹介に若干引いていたが…

 

「私は姓は曹、名は操、字は孟徳よ。みんなよろしく」

 

華琳は普通に挨拶をしていた。

 

全員が自己紹介を終えたあとはこれからのことについての話をしただけで終わりとなった。

 

「それでは今日はこれで終わりとなります。授業は明日から始めますので忘れ物をしないようして下さいね。それではみなさんさようなら!」

 

帰りの挨拶が終わり鄭玄先生が部屋を出ると女の子達が一斉に一刀の周りに集まって来て色々質問をしてきた。

 

「荀鳳君って孫子読める?」

 

「うん、読めるよ」

 

『キャ~!!』

 

「それじゃあ荀子は!」

 

「もちろん読めるよ!」

 

「やっと話しの分かる男の子に出会えたわ!!」

 

「今からとても楽しみですわ!!」

 

「(当然じゃない!お兄様と私はかあさまから色々学んでいたんだからそこら辺の子と一緒にしないでよね!)」

 

「(当たり前よ。一刀はこの私が配下にしたいと思うほど優秀なのだから当然よ)」

 

一刀に質問している娘達の横では桂花と華琳が聞き耳を立てていた。

 

「その腰に差しているのって木刀ですか?」

 

「うん」

 

「それじゃあもしかして、武術もおやりになっているのですか!?」

 

「うん、強くなって家族や大事な人達を守れるようになりたいんだ」

 

『カッコイイ~!!』

 

「あの~、荀鳳君って彼女いるの?」

 

「「(何聞いてんのよ!?)」」

 

「うん?いないけど?」

 

「そっか~」

 

「それじゃあ、私立候補します!!」

 

「「(ッ!?)」」

 

「ズル~い、それじゃあ私もーー!!」

 

「私もーー!!」

 

すると次々と女の子達が立候補し始めた。

 

「ちょっ、ちょっとみんな落ち着いて!!」

 

「貴女達、いい加減静かにしなさい!!」

 

一刀がこの騒動をどう収めようと考えていると華琳が声をあげた。すると華琳の覇気に当てられたのかみんな大人しくなった。

 

「まったく!気持ちはわかるけどもう少しお淑やかにしなさいよね!!それにそんなに騒がしくして一刀に嫌われても知らないわよ?」

 

華琳に叱られシュンとなっていた娘達が華琳が荀鳳の真名を言ったので目の色を変えた。

 

「そ、曹操さん!?たしか貴女は陳留から来たのですよね?それなのになぜ荀鳳さんの真名を知っていて言っているのですか?」

 

「そんなの簡単なことよ。一刀と私の親が仲が良いからここに来る前から面識があっただけよ」

 

『ええぇぇーーー!!』

 

「いいな~!」

 

「とりあえず真名に関しては自分で何とかしなさい。今は一刀のことでしょう?」

 

「そのことなんだけど、いきなり彼女とか言われても僕困るよ。みんなとは今日会ったばかりだし・・・」

 

「でも!!」

 

それでも引き下がらない娘がいたので桂花がその娘の耳元で何かを囁いた。

 

「……の………で………になって……わよ?」

 

「ごめんなさい!!」

 

桂花から何かを言われた女の子はすぐに謝って帰ってしまった。

 

「お兄様、みんな冗談を言っているだけですから気にしなくて下さい」

 

「そうなのか?」

 

「違います!ほん「冗談ですよね?」……はい、冗談です」

 

女の子の一人が桂花の言ったことを否定しようとしたが桂花の有無を言わさぬ視線を受け冗談だったと認めてしまった。それを見た華琳は、

 

「(なるほど、そうやって今まで一刀に女の子が近づくのを防いでいたのね)」

 

「(でも私はそうは行かないわよ桂花!必ず一刀を手にいれてみせるんだから!!)」

 

と感心しつつ決意を新たにした。しかしそれを感じ取った桂花も、

 

「(華琳、どうやらアンタはまだ諦める気はないようね。いいわ!それなら徹底的に邪魔をしてあげる!アンタなんかに絶対にお兄様は渡さないわ!!)」

 

桂花と華琳がバチバチと見えない火花を散らせているとは露知らず一刀は女の子達から冗談だったと言われ安堵していた。

 

「そっか、ちょっと驚いたよ。行き成りみんなが彼女にしたいなんていうから。でも彼女云々は置いておいて僕はみんなと仲良くしたいからよろしくね!」

 

『はい!!』

 

一刀の言葉に女の子達は嬉しそうに返事をしていた。

「おーっほっほっほ!!そろそろわたくしの番ですわね!!さぁ、みなさん質問しなさい!どんな事でも答えてあげますわ。おーっほっほっほ!!」

 

どこにいたのかいきなり麗羽がやってきてそんなことを言い出した。

 

「麗羽、貴女いたの?」

 

「いたのとは失礼ですわよ華琳さん!真打とは遅れてくるものですわ!!」

 

「あらそう、話も済んだし私は帰るわ。一刀、貴方達はどうするの?」

 

「そうだね、僕はこれから街に行こうかなと思う。僕達は昨日ここに着いたばかりだからまだ街を見てないし、それと本屋に行ってみようと思ってる」

 

「お兄様!桂花も行きます!!」

 

「そう、それなら私も付き合おうかしら」

 

「ちょっ!?華琳さん達はもう帰るのですか?」

 

麗羽が驚いた後に少し寂しそうに言った。

 

「えぇ、もうすることもないから帰るわ。貴方はまだいるのでしょう?それじゃあまた明日会いましょう麗羽。行きましょう一刀、桂花」

 

「ふん!私に命令しないで!私に命令できるのはお兄様だけよ!!」

 

「そんな言い方は駄目だよ桂花「は~い」それじゃあ麗羽、みんなまた明日!」

 

「お、お待ちなさい!!」

 

残っている娘達に挨拶をして一刀達が部屋を出ようすると麗羽が慌てて華琳達を引き止めた。

 

「あら、何かしら麗羽?」

 

「えっ!?え~と、その・・・・」

 

「???」

 

「(なるほど、そういうことね)」

 

「………」

 

麗羽が何を言いたいのか一刀はわからず、華琳は察しが着いたようで軽く微笑み、桂花はわかったがあえて何も言わなかった。

 

「麗羽、言いたい事があるのよね~?さあ、言ってみなさい?早く言わないと私達行ってしまうわよ?」

 

華琳が全てを見透かしたように微笑みながら尋ねた。

 

「!?…か、華琳さん!!貴女わたくしの言いたい事わかって言っているでしょう!!」

 

「さあ~何のことかしら?全くわからないわね?」

 

「嘘ですわ!!」

 

「それよりほら、麗羽?何を言いたいのかしら?」

 

華琳は黒い笑みを浮かべて麗羽に迫った。

 

「きぃぃぃぃぃぃ!!華琳さん。貴女生意気ですわよ!!!」

 

「あら?そんなこと言っていいのかしら?」

 

「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」

 

華琳のドSッぷりに麗羽が顔の血管が切れそうなほど赤くなって怒り、それを見て楽しそうに笑っている華琳だったがそこにふと一刀が入ってきた。

 

「麗羽」

 

「な、なんでしょうか一刀さん」

 

興奮していた麗羽だったが一刀の出現に少し冷静さを取り戻して答えた。

 

「もしかして一緒に来たいの?」

 

「そそそそそそそんなことありえませんわ!!わわ、わたくしは将来袁家を背負って立つためにやることが沢山あって忙しいんですのよ!!だだ、だから華琳さんや貴方達みたいにのうのうと遊んでいるわけには参りませんのよ!!」

 

麗羽は先ほどとは違った感じで赤くなり答えた。

 

「(全く、素直じゃないわね麗羽も)」

 

実は麗羽は友達になった華琳や桂花、男性として初めて友達になった一刀と一緒に遊びに行きたかったのだが名門袁家のプライドのため言い出せなかったのであった。

 

「そっか、それじゃあさ、もしよかったら一緒に来ない?本屋だけじゃなくて色々見るつもりだからここに何度も来ている麗羽も案内してくれると助かるんだけどどうかな?」

 

そんな一刀の誘いに始めはぽかんとしていた麗羽だったがふと我に返り一刀の言った事を理解すると見る見る元気を取り戻し、

 

「おーっほっほっほ!!そこまでおっしゃるのに断っては名門袁家次期当主の名折れですわ!!いいでしょうこのわたくしが直々に案内してさしあげますわ!!おーっほっほっほ!!」

 

「ありがとう麗羽!!」

 

「え、袁家次期当主として当然のことですわ///」

 

一刀の微笑みに顔を真っ赤にして照れていた麗羽、そしてその様子を見ていた桂花と華琳は三者三様の反応をしていた。

 

「(う~~まさかあの麗羽がお兄様相手に顔を赤くするなんて全くの予想外だったわね。これからは麗羽にも気をつけきゃ!!)」

 

「(全く一刀ったら、せっかく麗羽を弄って楽しんでいたのに邪魔をするんだから!それにしても麗羽ったら素直じゃないわね。本当は誘ってくれて凄く嬉しいくせにあんなこと言っちゃって………それにしても“あの”麗羽が一刀相手に顔を赤らめるなんて以外だったわね。こうなったらこれ以上一刀に惚れる娘が増える前にあの計画を早めた方がよさそうね!」

 

「(一刀さんったらいきなり微笑むのでびっくりしたではありませんかもう!!それにしても……)」

 

「ぼ~っとしてどうしたの麗羽?」

 

「い、いえ、何でもありませんわ!そんなことより早く行きますわよ!」

 

麗羽はそう言うと一人で部屋の外に出て行った。

 

「待ってよ麗羽!」

 

「あ~ん、お兄様待って下さい!」

 

「ふふっ、一刀を渡す気はないけど麗羽をからかう口実ができたわね♪」

 

一刀は慌てて追いかけ、桂花は麗羽に対して文句を言いながら、華琳は笑いながら追いかけた。当の麗羽は、

 

「(それにしてもこのわたくしが男性相手に顔を赤くするなんて初めてですわね)」

 

と男性相手に顔を赤らめるという初めての事に戸惑っていた。

 

しかしそんな一刀達のやりとりを見ていた二つの視線があったことを当の一刀達は知らなかった。

麗羽に追い付き四人で街に来た一刀達はまずは本屋に来ていた。

 

「へ~こんな本まであるんださすが洛陽だな!」

 

「…」

 

「お兄様見て下さい!あの本の続編が出ていますよ!」

 

「あっ、本当だ!これ凄く読みたかったんだよ!探してきてくれてありがとな桂花!!」

 

「えへへへ///」

 

一刀に頭を撫でられ桂花は嬉しそうに目を細めた。

 

「……」

 

「一刀この本なんて今の貴方に丁度良いと思うのだけどどうかしら?」

 

「どれ?………へぇ~こんな本があるんだ!これも買おっと。教えてくれてありがとう華琳!」

 

「当然よ///」

 

「………」

 

「あっ!?指南書がある! どうしようかな」

 

「こ、この本があればお兄様と……///」

 

「ちょっと桂花!?その本私にも見せなさい!?」

 

「…………」

 

「おっ!これもいいなこれも買「きぃぃぃーーもーー我慢の限界ですわ!!」びっくりした!いきなりどうしたんだ麗羽?」

 

 

「どうしたではありませんわ!!一体何時までここにいるつもりですの!?わたくしはこんな所早く出て次のお店に行きたいですわ!」

 

実は麗羽は始めからずっと一刀達の傍にいたのだが本屋では特に欲しい物がなかった為、大人しく待っていたのだが一刀達が本探しに夢中になってしまい誰も相手にしてくれず、退屈になってしまっていたのだった。

 

「そうだよね、麗羽は本屋には用がないんだったよね。それなのに待たせてごめん麗羽!」

 

「そんな!お兄様が謝る必要はないですよ!そもそも私達が今日街に来た最初の目的は本を買う為であって、他のお店へは時間が余ったら廻る予定だったはずです!それを!後から来る事になったあんたなんかに文句を言われる筋合いはないわよ!!」

 

桂花がビシッと麗羽を指差して反論すると隣にいた華琳も口を開いた。

 

「そうよ一刀!桂花の言う通りよ!麗羽もそれを承知で来ているはずよ!!それなのに駄々を捏ねている麗羽なんて放っておけばいいのよ!それよりも私達は欲しい本を探しましょう」

 

「なぁぁぁぁぁんですってぇぇぇぇぇ!それは聞き捨てなりませんわよ華琳さん!!大体一体いつわたくしが駄々なんて捏ねたというのです!ただわたくしは遅いと言っただけですわよ!」

 

「なら帰れば?」

 

すると華琳は意地の悪い笑みを浮かべ帰宅を勧めた。

 

「なっ!?」

 

「貴女がいなくても私が二人を案内するから帰っても別に構わないのだけど?」

 

「冗談じゃありませんわ!誰が帰るものですか!それに一刀さん達を案内するのはこのわたくし袁本初の役目なのですからいくら華琳さんといえど譲る気はありませんことよ!」

 

「(別に貴女だけに頼んだわけではないのだけど)そう、それならば一刀達が満足するまで待てるわよねぇ?」

 

「うっ!?それは……」

 

「待てるわよねぇ?」

 

華琳は意地の悪い笑みをして訊ねた。

 

「キィィィーー!わかりましたわよ!待てばよろしいのでしょう、待てば!」

 

「そうよ、最初から素直にそう言えば良いのよ麗羽」

 

「ですが他のお店も見るのでしたらそろそろ移動しないと帰るのが遅くなってしまいますわよ?」

 

「そっか!!そうだよね!となると、う~ん………………よし、決めた!!今持ってる本を買ったら次のお店に移動しよう!」

 

「一刀!?」

 

「お兄様良いのですか?」

 

「うん。欲しかった本は大体買ったから残りは今度にするよ。それに麗羽も言っていたけど他のお店にも行ってみたいから今日はここまでにするよ」

 

「お兄様がそうおっしゃるのなら構いませんが…」

 

「一刀ったら甘いんだから!」

 

「おーっほっほっほ!!一刀さんは物分かりが良いですわね!どこかの誰かさんとは大違いですわ、おーっほっほっほ!!」

 

「あら、それはどこの誰の事を言っているのかしら麗羽?」

 

「あ~ら別に華琳さんの事だなんて一言もおっしゃっていませんのに反応するなんて少々自意識過剰じゃありませんの?」

 

「麗羽、貴女ねぇ」

 

「まぁまぁ二人共落ち着いて」

 

「「一刀(さん)!」」

 

「僕はこの本を買ってくるから三人共ちょっと待っててもらえる?」

 

そう言うと一刀は本を持って奥に入っていった。

 

「それじゃあ私達は外に出て次に向かうお店を決めましょうか」

 

その後は一刀が戻ってくるまでどこの服屋に行くのか話し合いが行われ、その結果華琳と麗羽が順番にお店を紹介してくれることになった。

一軒目“服屋(麗羽案内)”

 

「おーっほっほっほ!!どうです一刀さん!このわたくしにこそふさわしい華麗で優雅で美しい服でしょう!」

 

「う、うん。良いんじゃないかな?」

 

「おーっほっほっほ!!当然ですわよ!この袁本初に似合わない服などありませんわ!」

 

「はぁ~~~、麗羽おすすめのお店だからと来てみれば………」

 

麗羽の選んだお店は生地に良い物を使っている服や装飾などが沢山付いている服、値段の高そうな貴金属など庶民には手の届かないものばかりを取り扱っているお店だった。

 

「何よこの店!?高い服や貴金属しか置いて無いじゃない!こんなんじゃ私達ここでは何も買えないじゃないの!」

 

「そうね。麗羽!私達は貴女ほどお金を持ってないし持たされていないの。だからここは軽く見て次に行くわよ」

 

「そ、そんな!?」

 

「あきらめなさい麗羽。一刀達の買い物なのだから貴女の買い物はまた今度にしなさい」

 

「くっ、華琳さんのその言い方が気に入りませんが今日の目的が一刀さん達を案内する事なので我慢してあげますわ!」

 

「はい、はい。わかったからさっさと次行くわよ」

二軒目“服屋(華琳案内)”

 

 

華琳が案内したのは麗羽が案内したお店のような派手な物は余りないがその分種類が豊富に揃っていて値段も一刀達にも買えるお店だった。

 

「一刀、この色とこの色どっちがいいかしら?」

 

「う~ん、華琳にはこっちの色の方が似合うと思うよ!」

 

「そ、そう?ならこっちにしようかしら」

 

「お兄様!この服とこの服ではお兄様はどっちが良いと思いますか?」

 

「そうだね……僕はこっちの方が良いと思うよ桂花」

 

「わかりました!ではこれにします!」

 

華琳と桂花は先程とはうって変わって楽しそうに服を選んでいた。しかし今後は逆に麗羽が退屈そうに眺めていた。

 

「さっきのお店みたいなものは置いてないけど気に入ったものが見つかるかもしれないからさ!麗羽も見て回ってみたらどう?」

 

「一刀さん。お気持ちは嬉しいのですが残念ながらあのお店以外ではわたくしが着れる服はないんですよ」

 

「ないってそんな事ないと思うけど?ほら、これとか麗羽に似合うと思うけど……どうかな?」

 

「いえ、そう言う事ではないんですのですよ」

 

「どういう事?」

 

「そうですわね、言葉で説明するより実際に見ていただいたほうがよろしいですわね。一刀さん、その服よろしいかしら?」

 

「わかった」

 

一刀は麗羽の言っている意味がわからなかったがとりあえず服を渡した。

 

「それでは失礼して……」

 

そうして麗羽が上着に袖を通して前をとめようとするが…

 

「ほらこの通りですわ一刀さん」

 

麗羽は前をとめることはできなかった。なぜなら同年代の娘達より遥かに発達した体の“ある一部”が邪魔をして届かなかったのだ。

 

「どうしてかわたくし胸が他の娘達と比べて発育がよろしいのでお店に置いてある服では胸が入らなくて着れないですのよ。ですのでこの街にいる間はあのお店でわたくし専用の服を作ってもらっているのですよ」

 

「そ、そうだったんだ///」

 

そう言って胸を張る麗羽にドキッとしてしまった一刀であった。実際麗羽の胸は同年代の中では飛び抜けて大きく回りの人達から注目を浴びるほどだった。しかも今は着ていた上着を脱いでいるので薄着の為より巨乳が強調されていた。

 

「えぇ、それにまぁ~この店の服は子供っぽいのでわたくしにはふさわしくないありませんから別に欲しいと思わないのですけどね、おーっほっほっほ!!」

 

「あら?子供っぽいってどういう意味かしら麗羽?」

 

すると後ろから麗羽の発言を聞きつけた華琳がやってきた。

 

「事実を言ったまでですわ何か文句でも?」

 

「当然よ。私の趣味嗜好にケチをつけるなんて良い度胸してるじゃないの麗羽?」

 

「先程も言いましたがこのお店の服はわたくしには小さいのですからしょうがないではありませんか!」

 

「ち、小さいって!」

 

「華琳さんのようなお胸の小さい方がたにはお似合いなのでしょうが、ばいんばいんで豊かな胸を持っている大人なわたくしには不釣り合いなのですわ!おーっほっほっほ!!」

 

「あんたねぇ!さっきから聞いていれば胸が大きいからって偉そうに言ってるけどあんな脂肪の塊のどこが偉いのよ!」

 

「あ~ら、そういえば桂花さんも華琳さんと同じくらいの胸の大きさでしたわね。いくらわたくしの胸が大きいからってひがみはみっともないですわよ?」

 

「なぁっ!?べ、別にひがみじゃないわよ!!それに女の価値は胸で決まるもんじゃないわよ!そうですよねお兄様!!」

 

「えっ!?」

 

「一刀は大きさなんて気にしないわよね?」

 

「あー、え~と……」

 

「一刀さんだって当然大きい方がいいですわよね?」

 

「えっ!?い、いや、ど~だろう?大きいのも小さいのもどちらも違った魅力があって良いと思うけどな?」

 

「お兄様!!」

 

「一刀!!」

 

「嘘は駄目ですわよ一刀さん。ほら!!」

 

そう言って麗羽は大胆にも一刀の腕に自らの腕を絡め胸を押し付けた。

 

「「「えっ!!!!!」」」

 

「ああああ、あんた!!!何してんのよ!!!すぐにお兄様から離れなさいよ!!!」

 

「そ、そうよ麗羽!!む、胸を押し付けるなんてえ、袁家の者としてどど、どうなのかしら!?」

 

桂花も華琳も麗羽の行動に激しく動揺しつつも一刀から麗羽を引き剥がそうとしたが麗羽はがっちりと腕を絡ませ離れようとしなかった。

 

「誰にでもするわけではありませんわよ華琳さん。それよりどうです?つるぺたの方には出せない感触でしょう?」

 

むにむにと胸を押し付け感想を求める麗羽に一刀は顔を真っ赤にしていた。そして今まで騒いでいた二人が急に大人しくなり小刻みに震えだした。しかし麗羽はそれに気付かず一刀にさらに胸を押し付けた。

 

「れれ、麗羽!?あ、あの、その、は、離れてく、くれるかな?///」

 

「答えるまで離しませんわ!」

 

そしてついに二人の怒りが爆発した。

 

「レイハ」

 

「アンタ」

 

「ですから答えるまで……」

 

麗羽はその先を言うことはできなかった。なぜなら

 

 

「イ・イ・カ・ゲ・ン・二・シ・ナ・サ・イ・ヨ・ネ」

 

「レイハ、ドウヤラアナタチョウシ二ノリスギタヨウネ」

 

 

麗羽の振り向いた先には静かに、しかし怒気を含んだ微笑みをした般若と死神が立っていたからだった。

 

「え、え~と桂花さん?華琳さん?ど、どうしたのですかそんなこ、怖い顔をして…」

 

「「アラ、ワカラナイノ(カシラ)?」」

 

「い、いえ!!そ、そうですわね!!わたくし少し調子に乗っていましたわね!!」

 

「「スコシ?」」

 

「まっままま間違えましたわ!わたくしとても調子に乗っていましたね!」

 

二人の威圧を受け、身の危険を感じた麗羽は即座に一刀から離れた。それを確認した二人は“とりあえず”笑顔になり

 

「「ソウ、ワカレバイイノヨ。ワカレバ」」

 

「……それじゃあ桂花、

 

そう言った後、元に戻った二人は麗羽はから離れ再度服を見に行った。

 

「か、一刀さん」

 

「んっ、何?」

 

「お、お二人共いつもあの様な姿になるのですの?」

 

「あの様な姿???」

 

「えっ!?み、見えませんでしたのあの般若と死神が!!」

 

「般若と死神?桂花も華琳も別に普通だったけど?」

 

「そ、そんな事ありませんわよ!わたくしが一刀さんに抱きついた時、お二人の姿が「レイハ」はい!!「ナニヲイオウトシテイルノカシラ?」な、な、な、何でもありませんわ!一刀さんど、どうやらわたくしの見間違いだったようですわ。おほほほ!!」

 

「そう?」

 

「そうですわ!!」

 

「それならいいけど……」

 

「そ、それよりお二人の所へ行ってあげてくださいな。わたくしは適当に見ていますので…」

 

「でも」

 

「お気持ちは大変嬉しいのですがこのお店では買うものはないので桂花さんと華琳さんについてあげてくださいな」

 

「そっか。うん、わかったよ」

 

一刀はそう言うと麗羽から離れて桂花と華琳の元へ向かった。麗羽は誰も周りにいなくなったのを確認したあとゆっくりと緊張を解き先ほどの事について考えた。

 

「(は~~~~~~先ほどのお二人はとても怖かったですわ!……………それにしても、桂花さんも華琳さんも一刀さんの事になると性格が変わるのには驚かされましたわね。それとそんなお二人の変化に気付かないなんて一刀さんってばとても鈍いのでしょうか?……とにかく!これからは一刀さんに過度な接触は控え、お二人を怒らせないほうがよろしいですわね)」

 

麗羽は一刀が鈍いと思っているようだが実際はそう言うわけではなく、桂花も華琳も一刀に近づく娘に対してのみあの姿を見せているので一刀には桂花と華琳の般若と死神を見えていないのだった。

?軒目“菓子屋”

 

あのあと麗羽は一刀に過度な接触はせず大人しくしていたのでなんの問題もなく進んだ。途中下着のお店で麗羽の胸の大きさを聞いて桂花と華琳が現実に打ちのめされてはいたがそれ以外は何事もなく買い物を終えることができた。そして今は休憩の為茶店に来ていた。

 

「ふぅ~、これで大体欲しいものは買ったかな桂花?」

 

「そうですね。本、服、文具・・・・・必要な物は全部揃っていますお兄様!」

 

「そっか、華琳も麗羽も案内してくれてありがとう!おかげで助かったよ!!」

 

「そう、それはよかったわ」

 

「おーっほっほっほ!!お役に立って何よりですわ!!」

 

「それにしてもやっぱり洛陽は広いなぁ!確か今日回ったのって全体のほんの一部なんだよね?」

 

「えぇそうよ。子供の私達が洛陽の全部のお店を回ろうとすれば大体二日くらいは掛かるんじゃないかしら?」

 

「うわぁ~、そんなに掛かるんだ!!」

 

「洛陽の市で揃わないものは無いとまで言われているのぐらいですもの。でもね一刀、その中には食事をするお店だったり私達にはまだ無縁な料理に使う食材を扱っている店も含まれているからそれらを除けば私達が見るお店は大体半分くらいになるんじゃないかしら」

 

「そっか~それでも半分はあるのか、それじゃあ今日回れなかったお店は今度回ろうかな!」

 

「ふふっ、それじゃあその時は私も誘いなさいよ一刀?もちろん二人きりでね♪」

 

「あんた何勝手に約束しているのよ!しかも二人っきりでなんて!!それなら私もお兄様と二人っきりでお店を回りたいです!!いいですかお兄様?」

 

「んっ?別にみんなで回ればいいんじゃないの?」

 

「「二人っきりがいいです!!(のよ!)」

 

「えっ!?う、うん、わかったよ。その時がきたら二人で回ろうか」

 

「はい!!楽しみ待っています!!」

 

「一刀、楽しみしているわよ!」

 

「そうだ!それなら麗羽も呼ばないと!」

 

「えぇっ!?わ、わたくしもよろしいんですの?」

 

ここで自分の名前が呼ばれるとは思っていなかったので麗羽はすっとんきょな声をあげた。

 

「何言ってるんだよ。麗羽にも感謝しているんだから当然だよ。それとも二人っきりだと嫌かな?」

 

「い、いえそんなことは…!!」

 

「よかった!なら今度一緒にお店回ろうか!もちろん今度は麗羽の服も見にね!」

 

「わ、わかりましたわ!それでは楽しみにしておりますわ!」

 

そのあとは夕餉の時間まで他愛も無い話をしながら店員が持ってきたお菓子とお茶を楽しんだ。

~とある娘達の部屋~

 

ここは寮にある一室。この部屋の中には諸葛誕ともう一人の娘が二人並んで座っていた。

 

「風里ちゃん!今日荀鳳さんと話してみてどうだった?」

 

「うん、優しい人だったよ。みんなを守りたいって想いも強いしそれに・・・・」

 

「可愛いって言ってくれた?」

 

「ふみゅ~~~!?/////」

 

「あはははは!風里ちゃんは可愛いなぁもう~!」

 

「もう!美雷ちゃんったら!」

 

「でも、気になるのはほんとうでしょ?」

 

「(こくん)」

 

「じゃあさ、荀鳳さんにするの?」

 

「(ふるふる)……もう少し様子を見たいな///」

 

「そっか、まぁ時間はまだあるものね!!」

 

「うん、もっと荀鳳さんの事を知ってから決めたい///」

 

「あ~もう風里ちゃん可愛いすぎだよ~~~~~!!!」

 

諸葛誕の真名であろう風里に美雷と呼ばれる女の子が抱きついた。ちなみに美雷の麗羽に負けず劣らずの巨乳に風里の顔は埋もれていた。

 

「あぷっ。もう、苦しいよーー美雷ちゃん///」

 

「あっ!?ごめん!」

 

巨乳に埋もれもがいていた風里に気づいた美雷は慌てて離れた。

 

「ふぅーー!美雷ちゃんてば興奮するとすぐ抱きつくんだから!」

 

「あははは!!ごめんごめん、つい我を忘れちゃって!」

 

「全くもう!」

 

「そういえばさ、妹の荀彧ちゃんと曹操さんって今日ずっと荀鳳さんのこと見ていたよね!!」

 

「うん、荀彧さんは荀鳳さんの兄として慕っているみたいだけど…」

 

「多分曹操さんは荀鳳さんのこと好きなんだと思うな」

 

「!?ど、どうだろう?曹操さんは将来荀鳳さんを配下にしたいみたいだから他の娘に取られないようにしたのかもしれないよ?」

 

「いや、私の勘だと絶対曹操さんは荀鳳さんが好きなんだと思うな!」

 

「そ、そうなんだ…」

 

「気になる?」

 

「ちょ、ちょっとだけ///……」

 

美雷に指摘された風里は赤くなって座っている寝床に指でのの字を書いた。

 

「うんうん、それは良いことだよ!!」

 

「そう言う美雷ちゃんはどうなの?」

 

「えっ!?私?う~ん?どうだろう??私まだそういうのよくわからないんだよね!」

 

「そうなんだ。あのね美雷ちゃん、実は私もこの気持ちが本当に好きって気持ちなのかよくわからないんだ」

 

「そっか、風里ちゃんもよくわからないんだ」

 

「うん」

 

「ならこれから知っていこうよ!風里ちゃんは荀鳳さんへの気持ちが本当に恋なのかどうか。私は…………まぁ見つかるといい…かな?」

 

「そうだね!二人で見つけていこうね♪」

 

「うん!!」

 

この夜、桂花と華琳の知らないところで一刀を意識し始めた娘がいたのを二人は知る由もなかった。

~あとがき~

 

 

まずはじめにこの度起きました東北沖地震で亡くなった方々のご冥福を祈ると共に被災された方々が再び安心して暮らせるよう心から願っております。

自分でも募金や節電をして少しでも役にたてればと思っていますのでこの小説を読んで下さっている方々でまだの方も一緒にご協力していただけたらと思います。

 

 

 

 

 

と難しい話はここまでにして今回の話について話したいと思います。

今回新キャラを三人出しましたがいかがだったでしょうか?ここで少しだけプロフィールの紹介です。

 

鄭玄は普段は清楚で大人な女性なのですがお酒が入ると性格が変わってとても甘えん坊になってしまいます。

 

諸葛誕は朱里の従姉妹で朱里達と同様知略に優れています。口癖は「ふみゅ~~」

 

約一名まだ名前が出てきませんが次回出すのでそれまで誰か想像してみてください。この娘は諸葛誕の親友で部屋も一緒です。そしてまだ恋をしたことがない為恋をしてみたいと思っています。

 

 

※このプロフィールはネタバレを含む所は省いて掲載しています。

 

 

最後に次回の予告です。洛陽での生活にもようやく慣れた一刀と桂花。そんなある日一刀の元へ一つの相談が転がり込んできた……次回[真・恋姫†無双~二人の王佐~]一章第九話 「花嫁は一刀!?」

 

『覇王、名家、王佐が手を組む時不可能を可能にする!!』なんてね!

 

 

 

それではまた次回!!

 

P.S 誤字脱字、キャラの口調とかおかしい所があったらご連絡ください!!


 
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