No.209039

ゼロの使い魔~冒険家の弟子が行く! 2話

RYOさん

僕は夢を見た。とってもリアルな夢を。その夢が現実になるかもしれない、そう思って僕は……

俺は夢に見たここに来た。

2011-03-31 05:33:25 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:3444   閲覧ユーザー数:3207

saito side

 

俺がルイズさんに召喚されたその日の夜。

使い魔はメイジと共にいるべきみたいなことで俺はルイズさんと一緒の部屋に居た。

ルイズさんは俺と一緒にいる。居るんだけど……

 

「……ルイズさん?」

 

「う~~~」

 

さっきから拗ねているのかそれとも何か悩んでいるのか。

ルイズさんはうなり声を上げている。

 

しかも、妙な敵意を俺に向けてくるせいで俺もどうしていいか分からない。

 

「う~~~~。……はぁ。」

 

一通り唸った後ルイズさんはため息をつき、俺をキッと睨み付けてきた。

 

「胃が痛くなるほど悩んだけど。あきらめてあなたを使い魔にすることにしたわ。光栄に思い

なさい」

 

さっきから唸ってたのは俺を使い魔として認めるか否かを考えてたのかよ。

高科天地魔闘流の免許皆伝の俺を使い魔にするなんてこの世界でも超が付くほど良い条件なん

だけどな~?

 

ルイズさんはため息をつきながらクローゼットの前に行くとそこで脱ぎ始めた……ってなんで

すと!?

 

「ルルルルイズさん!? ああああんた何をして!?」

 

俺はルイズさんの柔肌を見ないように目を瞑る。

俺は今目を瞑っているので何も見えないが……

 

――ぱしっ!

 

飛んできた物に体が反応し何か布のような物をキャッチしていた。

 

「それ、洗濯しておいて」

 

ん? 洗濯?

 

俺はキャッチした物を見る。

Yシャツ、スカート、以上。

 

「て!? ななな何を!?」

 

「だから洗濯よ。せ・ん・た・く! 二度言わないと分からないの? これだから平民は……」

 

平民をバカにすんな。僻地に住んでる首領部族だって俺と頭の出来は変わらないってテレビで

言ってたんだもん!

 

「て、ててて言うか、これって使い魔の仕事じゃねーだろ!」

 

俺はかーちゃんの奴隷じゃないっつーの!

 

「うるさい! あんたは平民で! 他の使い魔と比べて使い魔の仕事が出来ないんだからこの位

しなさい!」

 

くっ! 確かに俺の世界と違う世界なんだからもしかしたら俺以外の使い魔はすごい事が出来る

のかも知れないけど……けど……

 

「高科天地魔闘流の俺と畜生ごときの出来の良さを比べるとはナンセンスだなああ!」

 

「そうね。どう考えたって畜生のほうが利益を生み出すから比べるまでも無いわ」

 

ちくしょう。ネタすらもスルーしてきやがる。違う世界だから仕方ないにしろさもうちょっと

リアクションが欲しかったぜ。

 

「まあ、いいわ。とりあえず出来ないだろうけどあんたに使い魔の仕事を教えておいてあげる

。感謝しなさい」

 

「はいはい。使い魔の真似事するなら使い魔の仕事は聞いておかないとな。で?使い魔って何

をするんだ? 愛玩動物にでもするのか? なら俺も全力を出さないといけないな!」

 

「違うわよ! いい? 使い魔っていうのは第一条件として、主人の命令には絶対服従」

 

「ふ~ん。それに関しては、ご主人が俺を犯罪やムカついた奴をぶっ飛ばすことに使わないな

ら特に問題は無いな」

 

「別に平民のあんたをそんな事に使わないわよ」

 

そりゃあよかった。

 

「あとは使い魔の仕事だけど、主人の目となり耳となる能力が与えられるわ。つまり、使い魔

が見たものを私も見ることが出来るんだけど……あんたは使い魔じゃないからこれは無理ね

 

目となり耳となる。つまり諜報活動? ……念話とか使えば出来るかもしんねーな。

 

「後は主人の望む物を探してくること。例えば秘薬の材料になる薬草とかね」

 

「うん。それ無理」

 

解んねーよ。どこに生えてるかも知らないし。

 

「まあ、これも期待してないわ。で、一番大事なのは主人を守ることよ。まあ、平民には逆立

ちしても無理だから期待してないわよ」

 

「……なあルイズさん」

 

「何よ」

 

ルイズさんはぶっきらぼうに返事をした。

 

「主人を守るのって他の魔法使いや、魔物からだよな?」

 

「当然でしょ」

 

何を当たり前な事を、とでも言いそうな口調で返された。

 

「魔物って魔法使い5人より強い?」

 

「魔物にもよるわね。でも大概の魔物は魔法使い5人でなら余裕で倒せるみたいよ?」

 

「な~んだ。じゃあ楽勝じゃん。3つ目の仕事はこなせるよ、俺」

 

戦ってみなくちゃ分からないけど、こっちの世界の魔法使いも俺の魔法の威力と変わらなけれ

ばたぶん大体の生物には勝てるはず。……たぶん。

 

俺がそう言うとルイズさんは頭を抱えため息をついた。

 

「バカ言ってんじゃないわよ。平民にそんなこと出来る訳無いでしょ」

 

……まあ、信じれるわけ無いよね。たぶんこの世界の平民は魔法が使えないんだ。もしくは教

えて貰えない?

 

「もういいわ。眠くなってきちゃった」

 

「そうですかそうですか。いいもん。あ、つ~か俺の寝る場所は?」

 

「ん」

 

ルイズさんが指差したのは部屋の一角にあった藁だった。

 

「おい」

 

つい、タメ口になる。

 

「あによ」

 

「俺は畜生じゃないんだが。そんな俺に藁束で寝ろとはどういうことかそこんとこ詳しく」

 

「しょうがないじゃない。平民が来るなんて思わなかったんだし」

 

……どうやらこの藁は動物用に用意されたものらしい。

 

「まあ、しょうがないか」

 

今度、どこかでシーツ貰ってこよう。貰えればだけど。

 

「じゃあ、さっき渡した服。洗濯しておいてね?」

 

ルイズさんはベットに入りながらそう言う。

 

「はぁ、護衛に加えて雑用までか。言っとくが俺は服を洗濯した事なんて無いからな。出来が

悪くても文句言うなよ?」

 

「わかったわよ。あ、あと着替えも用意しておいてね」

 

言いたい事を言うとルイズさんは眠ってしまった。

 

「俺も寝るか」

 

俺は藁に寝そべり目を閉じる。

 

 

ここは俺の家の庭。

 

俺は師匠と二人一緒にいる。

この時は俺がクラスの奴に突っかかられてついうっかり技を使って泣かしちゃったんだったっ

け。

 

「ほほう。我が流派を喧嘩に使ったと? そういう事かな? 我が弟子よ」

 

「は、はい。すすすみません師匠。あいつが手を出してくるからつい……ガクガク」

 

「ははは、まあお前も男の子だからね。喧嘩することは想定の範囲内だよ。だから、お仕置き

は無しだ」

 

師匠はそうにこやかに答えた。

 

「そ、そうですか。よかった」

 

「じゃあ今日の修行は喧嘩記念日ということで、赤飯の代わりにいつもより厳しく行こうじゃ

ないか」

 

師匠は俺の肩に手を置き優しく、あくまで優しく語り掛けてくる。

 

「え゛!? お仕置きは無しなんじゃ!?」

 

「ははは、何を言ってる弟子よ。お仕置きじゃないよ? あくまでも修行と言うなのお仕置k…

…ごほんごほん。修行さ」

 

「あ! 今日は卵の特売だった! と、言うわけで師匠! また明日!」

 

「逃がすかああああ! 今日は影分身百人組み手だああああ!」

 

師匠の影分身×100が俺に向かってくる!

 

「ぎ、ぎゃあああああああ!?」

 

 

 

「はっ!」

 

俺は飛び起き、周りを見る。木製の壁と床。電球は無く蝋燭があるまるで中世の部屋みたいだ

。部屋の窓のそばには大きいベットがあり、そこに誰かが寝ている。

 

「ふう、夢か……こっちが夢のほうが良かったけどな」

 

異世界に召喚されて使い魔になれって言われるとかそれ、なんてオリ主?

 

窓の外を見ると朝日が出てきている。

 

「今日から使い魔。頑張るぞっと」

 

今の時間は……5時か。まだルイズさんを起こすのは早いから鍛錬ついでに洗濯でもしてくる

か。俺はルイズさんの部屋のドアをゆっくり開けて外に出て行く。

 

side out

 

 

Siesta side

 

早朝。私は貴族様の服を洗濯するために水辺へ向かっていた。

 

――カン!カン!

 

あら? 向こうの方で木で木を叩くような音が音が?

 

私は興味本位で音のするほうに向かってみた。

 

――ボフン!

 

今度は何かが破裂したような音が聞こえてきた。

もしかしたら、賊が入り込んでるかもしれない。そう思って私は隠れて音のした方向を覗き見

た。

 

「はぁ……はぁ……やっぱまだ無理か」

 

そこには男の子が木の棒を持って息を荒げていた。

容姿は黒い髪に長髪を首の辺りで束ねた髪型。童顔なんだけど目つきがちょっと鋭い。

 

見たこと無い人ですね。マントを着てないから貴族様じゃあ無いですよね?

 

「えっと……そこに居る人。バレバレだから出て来て」

 

男の子が私のほうを見てそう言った。

 

たぶん私のことだよね?

 

私は隠れていた所から姿を出した。

 

「メイドさん……だと?」

 

「は、はあ。そうですけど?」

 

「すまん。俺が居たところではメイドさんなんか見たこと無かったんで。ついビックリしちま

った」

 

そう言って男の子は笑う。

 

「俺は平賀才人。平賀が名字で、才人が名前だ。君は?」

 

ヒラガサイトさん。……もしかして?

 

「あの……もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔と言うのは……」

 

「ああ、俺だ」

 

男の子は自分を指差しそう言う。

 

「そうなんですか。あ、失礼しました。私、シエスタと申します」

 

「ああ、これはご丁寧にどうも」

 

私が頭を下げると彼も頭を下げた。

 

「えっと……サイトさんはここで何を?」

 

「ん? 俺? ちょっとトレーニングを少し」

 

「トレーニングですか?」

 

「うん」

 

才人さんの顔を見るとじんわりと汗をかいている。

 

「あ、そうだ。シエスタちゃんはさ洗濯する場所とか知ってる?」

 

私が考えているとサイトさんはそう言ってきた。

彼のそばを見ると洗濯籠がある。

 

「はい、知ってますよ」

 

「案内してくれかな? ルイズさんの服を洗わなきゃいけないんだ」

 

「良いですよ。こっちです」

 

「サンキュー」

 

私はサイトさんと一緒に洗濯物を洗いに行った。

でもサイトさん平民なのにどうして洗濯の仕方知らないんだろう?

 

side out

 

 

saito side

 

シエスタと洗濯物を洗ってルイズさんが居る部屋に帰ってきた。

布団の中を見るとルイズさんはまだ寝ているようだ。

携帯で時計を見るともう7時。とりあえず起こしておくか。

 

「おーい。ルイズさん。朝ですよ、朝!」

 

「う、う~ん。あ、あんた誰?」

 

ルイズさんは布団から上体を起こし寝ぼけ眼で質問してくる。

そう言えば某型月のヒロインの魔術使いも朝が弱かったな。

どうやらツンデレの魔法使いは朝が弱いようである。

 

「君が昨日召喚した使い魔(偽)の平賀才人だよ」

 

「使い魔……そうだったわね。はあ……」

 

ルイズさんは俺のことを思い出したようで心底嫌だとでもいう様にため息を付いた。

 

「ははは、ため息をつくと幸せが逃げるぞご主人」

 

「……もう遅いわよ」

 

ルイズさんはため息をつきながら言う。

 

「はいこれ着替え。洗濯物は午後には乾くってさ」

 

俺はルイズさんの布団の上にルイズさんの着替えを置く。

 

「着せて」

 

「はい?」

 

今、なんと?

 

「だから着せて」

 

「俺が? 君に服を?」

 

「そうよ」

 

ルイズさんは当然、と言うようにうなずく。

ルイズさんのクローゼットから下着も取り出した俺だけどさすがにそれは刺激が強すぎると言

うか何というか。

 

「えっと……服くらいは自分で……」

 

「下僕がいる場合貴族は自分で服なんか着ないの!」

 

俺……下僕じゃなくて使い魔なんだけどな……どっちも一緒か。

 

「いいよ。だが言っておきたい事がある」

 

「なによ?」

 

「私は我慢弱く、落ち着きの無い男だ」

 

グラハムさんマジガンデレ。だがそれが(ry

 

「はあ? それが?」

 

「だからもしかしたら着替えさせている時に私の理性の糸が切れたらその時は覚悟してもらお

うという事だ」

 

「な、ななな!? あんた貴族を襲うつもり!?」

 

「いや全く。だが俺も男だという事を覚えていて欲しい。さて、話が長くなったがご主人様の

頼みとあらば従わないという選択肢は無いからな。この平賀才人! ご主人様の着替えを完璧に

こなして見せよう! さあご主人。服を渡したまえ!さあさあさあ!」

 

「ひぅ!? で、出て行きなさーい!」

 

「はーい」

 

俺は素直に出て行く。

 

 

「ふう。高科天地魔闘流奥義『服を着替えさせられそうになった時にこれをやると拒否される

よ』決まった」

 

しかし、師匠はなぜこんな技を俺に教えたのか、てかなぜ作ったのかが理解不能だ。

 

俺がルイズさんの部屋でボケッとしながら待っていると正面の部屋から人が出てきた。

現れたのは赤毛の褐色の女の子だった。俺が召喚されたときにいたのはこの子だったはず。

 

「あら? あなたは確か昨日ルイズに召喚された平民さんじゃない」

 

「ええ、はじめまして。私の名は平賀才人と言います。ルイズ様の使い魔として昨日召喚され

ました。以後、よろしくお願いいたします」

 

相手は俺のことを平民と言ってきた。

つまりこの人は貴族だからとりあえず俺のにわか敬語で話す。

間違っていたらこの貴族様の心が大きいのを願うしかない。

 

「あら、平民なのに礼儀がなっているわね。ルイズの使い魔には勿体無いわね。私はキュルケ

・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーよ。キュルケでいいわ。ど

う? あなた家に来ない? ルイズの所よりは待遇いいわよ?」

 

ルイズさんもそうだけど貴族って名前なげー。

 

う~ん。ルイズさんの本当の使い魔じゃないにしろ俺ってルイズさんの使い魔って事になって

るからさすがに他の貴族に従うってのはまずいな。

 

「勿体無きお言葉。私のような礼儀がなっていない平民にまでそのようなお言葉を掛けて頂け

るとは……しかし、私はルイズ様の使い魔。申し訳ありませんがあなた様について行くことは

出来ません」

 

「そう、残念」

 

キュルケさんはまったく残念そうじゃないようにそう言った。

 

「私がルイズ様に首にされた時にまた誘ってください」

 

そう言って俺は頭を下げる。

 

「え? あなたもしかして知らないの?」

 

キュルケさんが俺の言葉に驚いた。

何かおかしなことを言っただろうか?

 

「何がでございましょうか?」

 

「使い魔を召喚でき「ちょっとキュルケ!」」

 

キュルケさんが何かを言おうとした時にルイズさんの部屋のドアが開いて中からルイズさんが出てきた。

なにやらキュルケさんに対して怒っているのだが何かあったんだろうか?

 

「私の使い魔に何のようなの!?」

 

「別に挨拶してただけよ。それくらい良いでしょう? 彼とも長い付き合いになりそうだし。ね?」

 

そう言ってキュルケは俺にウィンクしてくる。

普通に似合っている。やっぱり外国人は違うな。ここ、異世界だけどな。

 

「ええ。今後ともよろしくお願いします」

 

「ほら、彼もそう言ってるでしょう?」

 

「良くないわ! あんたもツェルプストーの女に尻尾振ってるんじゃないわよ!」

 

そう言ってルイズさんは俺に蹴りを入れようとしてくる。

 

「おっと!」

 

俺は迫り来る蹴りに手刀を入れて止める。

 

「っ~!?」

 

あまり鍛えてなかったのかルイズさんは足を抱えてその場でぴょんぴょん跳ねる。

まあ、俺も手が痛かったんで痛み分けという事で勘弁してもらおう。

 

「ははは、ご主人。淑女が足を上げるのは貴族的にどうなのだ?」

 

「うるさい!」

 

「あははっ! あなたって使い魔にもバカにされてるのね~」

 

俺とルイズさんが言い合って(ルイズさんが一方的に言ってきているのだが)いるとキュルケさんが大笑いしながらそう言ってきた。

 

「バカにしたりはしてませんよ」

 

つい調子に乗って揚げ足を取っているだけなので。

この調子に乗る癖、師匠にも言われたけど直せないんだよな~。

 

「ふふっ。そうなんだ。あ~笑ったわ。ルイズ。この使い魔あなたにピッタリだわ」

 

「……#」

 

おおっと! キュルケさんの言葉でルイズさんの額に青筋が浮かんだ~!

 

「ああそうだ。あなたの使い魔を見せてもらったんだからお返しにこっちも見せてあげないとね。おいでフレイム」

 

キュルケさんが呼ぶとキュルケさんの部屋からでかいトカゲが出てきた。尻尾の先には火がついている。……ヒト○ゲ?

 

トカゲって事は肉食だよな?

 

俺は一歩前に出てルイズさんを背中に隠す。

 

「あら? ……ふふ、大丈夫よ。使い魔は主人の命令が無い限り人を襲うことは無いわ」

 

そうなんだ、良かった。まあ確かに命令無く襲うようなのを貴族のそばに置いておくわけけないよな。

 

「しかもこの大きさ。火竜山脈に生息するサラマンダーよ。好事家に売ったらかなりの値がつくわ」

 

いや売るなよ。

 

それにしてもでかいトカゲだな。……そういえば俺も師匠に連れられて熊を狩りに行ったな~。なかなか美味かった。……こいつも美味いのかな?

 

――ビクッ!?

 

サラマンダーのフレイムが急にビクッとして、キュルケの陰に隠れる。

 

「あ、あれ? フレイム?」

 

キュルケさんは急にフレイムが隠れたことに驚いている。

 

「おかしいわね? 昨日皆に見せたときは堂々としてたから人見知りじゃないと思ったんだけど……」

 

「ふ、ふん! あんたの使い魔も大したこと無いわね! ほら! 行くわよサイト!」

 

明らかに負け惜しみのセリフを言ってルイズさんは歩いていってしまった。

俺もキュルケさんに頭を下げてルイズさんについて行った。

 

 

「……師匠。俺はやっぱりハリー・ポッターの世界に来てしまったんでしょうか? 机1個少ないですが」

 

ルイズさんについてきて入った場所は大きな広間だった。長い机に料理が並べてあり、生徒と思わしき人たちが座っている。

どうやら生徒は全員ここで食事を取るようだ。

 

ルイズさんが立ち止まる。ここがルイズさんの席なのだろう。

朝からステーキですか、体に悪そうだな。

 

「早く椅子を引きなさい。気が利かないわね」

 

「あ、悪い。なにぶん女性をエスコートしたことが無いからさ」

 

そう言って俺は椅子を引く。

さて、俺も席に……ん?

 

床を見るとポツンと置いてあるパンと皿。

 

「……ルイズさん? つかぬ事を聞きますがこのパンはもしかして私の……」

 

「あんたのよ」

 

「これだけ? 肉は? 野菜は!?」

 

「使い魔に贅沢させたら癖になるもの」

 

まずいまずいぞ。結構鍛えた体を持っている俺は新陳代謝が早い。これだけでは昼まで持たない。いや待て考えろ。ルイズさんは贅沢させたら癖になるといっている。いやいや待て。それが真実を隠した嘘だとしたら…… つまり……

 

「なるほど。理解した」

 

「そうじゃあ早く座って「つまり俺に狩りをさせて能力を見たいというわけだな!?」はあ!?」

 

「いや皆まで言うな。これだけの量で成人男性が昼まで持たないのは自明の理。つまりここで使い魔にお腹を空かさせて飢えた使い魔が狩りでどれだけの戦闘能力があるのかを検証したかった訳だな!? なるほど、ならば最初からそう言ってくれれば良かったのに。大丈夫ですよルイズ様。この学園の使い魔なら今日一日で狩りつくして見せます。それでは平賀才人。目標を駆逐する!」

 

俺は走り出す。この世界はまだまだ俺の知らない食べ物があるはず。俺のハンター生活はまだ始まったばかりだ!

 

                                   ――end

 

 

 

「ってんな分けないでしょ!? こら! やめなさ~~~い!」

 

「肉、肉、カニ、肉、えび、たまご~♪ お! フ○ギダネみたいなの発見! いただきまーす!」

 

「やめて~!?」

 

 

 

あとがき

 

おはこんばんにちは! 作者です!

 

前回に続いて今回もゼロの使い魔のほうを投稿させてもらいました。

 

あ、あと応援コメントのほうに「」の最後に。は付けないって言われたのでつけていません。

 

また次回も見てください。それではノシ


 
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