No.208705 ツン!恋姫夢想 とある外史のツンツン演義 ~第一話~狭乃 狼さん 2011-03-29 11:25:52 投稿 / 全9ページ 総閲覧数:25450 閲覧ユーザー数:19058 |
外史の誕生―――。
それは、想いが起こす奇跡。
とある少女のささやかな、それでいて、一途に想った強い願い。
それが、新たな外史の突端を開いた。
奇跡とは、神のいたずら。
奇跡とは、あらゆる現象、規則を無視する。
そう。
奇跡、それは―――――――――。
-大いなる、ご都合主義のことである(笑)-
-さあ、新たな外史を開きましょうー
「ツン!恋姫夢想 とある外史のツンツン演義」
「第一話 出会いと書いて一目惚れと読むのこと」
男なんて大嫌い。
馬鹿だし下品だしスケベだしブサイクだし。暴力を振るうしか脳がない、救いようのない野蛮な生き物。
物心ついてから今日に至るまで、私はそんな考えで生きてきた。私の根底をなすその考え方は、決して揺らぐことのないものだと。そう信じて疑っていなかった。
そう。”彼”に、出会うまでは。
「ちょっと止めてよ!汚い手で私に触るんじゃないわよ!!」
「へっ。ずいぶん威勢のいい姉ちゃんだな」
「アニキィ~。こんなガキみたいな女、オイラ趣味じゃないですぜ~?」
「お、オデはす、好きなんだな。アニキ、コイツオデにくれよう」
岩を背に座り込む私を取り囲み、そんな勝手なことをいっている三人組。その後ろには、無残な姿をさらしている隊商の馬車と、散乱した荷物。・・・一緒にいた護衛の連中はとっとと逃げちゃうし!やっぱ男なんて頼りにならない!・・・ただ一人取り残されて、あたし、このままどうななっちゃうの?・・・こいつらに、よってたかって慰み者にされる?
・・・いや!そんなの絶対にいや!!
「デクは我慢しろ。てめえのデカイので犯ろうものなら、この姉ちゃんが壊れちまうだろうが」
「じゃ、どうすんだよ?・・・もしかして、アニキもこんなのが趣味なんですかい?・・・”ちびの真っ平ら”が」
・・・・・・・・・・カチン。
「ちょっとそこのちび男!!あたしと大して変わんない背丈で、人のことちびっていうんじゃないわよ!大体誰が洗濯板よ!?ちょっとぐらいはあるわよ!(・・・かろうじてだけど)」
小男の台詞にカチンと来た私は、思わず叫んでました。・・・自分の立場をすっかり忘れて。
「あ~?姉ちゃんよお?自分の立場わかってんのか?なんだったらこの場ですぐに・・・?」
「どうした、チビ?」
台詞の途中で怪訝そうな顔をしたその小男。・・・私の視線が、あらぬ方を見ていて、口をパクパクさせていたからだ。
「何だお前?いったいどこ見て・・・」
その私の視線の向くほうへと、男たちもその視線を移す。そこには、こっちに向かって、ぐんぐんと、ものすごい勢いで飛んでくる、一筋の流れ星が。
「・・・おい。”あれ”、こっちに落ちてきていないか?」
「き、来てるんだな」
「あ、アニキ!は、早く逃げねーと!!」
慌てふためく三人組。けど、もう時すでに遅し。
『うわああああっっっっ!?』
「きゃああああっっっっ!?」
一面の白い光。
あまりの眩しさに、思わず目を閉じ身構えた。
―――暫くして、自分の膝に重みを感じ、そっと目を開いて、視線を下へと向けた。
―そこに、”彼”が、居た。
「な、な、な、な、な、な、な・・・・・??」
頭に飛び交う??の文字。
(だ、誰よこれ!?お、男?!何で私の膝で寝てんの?!ていうか、いったいどこから現れたのよ!?)
状況が理解できず、大混乱に陥る私の頭。
「う、うう・・・」
「!!」
うめき声を上げ、彼が寝返りをうつ。すると、さっきまではよく見えなかったその顔が、はっきりと見て取れるようになった。
まっすぐに整ったその眉。閉じられたその瞳。わずかに開かれ、静かに呼吸をするその唇。端正な、二枚目と言っていいその顔を見たその瞬間。
(・・・・・・かっこいい・・・・・)
生まれてはじめて、男を見てそう思いました。
「・・・う、うう・・・」
「あ」
目を覚まし、ゆっくりと体を起こす彼。はた、と。私と目が合った。
「・・・・・・・・・・・えと。・・・君、誰・・・?」
「え?///あ、わ、私は」
「てか、ここ、どこ?」
名前を名乗ろうとした私より先に、周囲をきょろきょろと見回す彼。そこに、
「・・・オイ、こら」
「いつまでも俺たちを無視してんじゃねー!」
あ。・・・すっかり忘れてた。ていうか、まだ居たんだ、この三人組。
完全に蚊帳の外になっていた三人組みが、私と彼をすごい形相でにらみつけてくる。
「泣く子も黙る黄巾党の俺たちを、ここまで完全に無視しやがるとはな。オイガキ!今の流星はてめえの仕業か?いったいどんな妖術を使いやがった?!」
「こ、黄巾党?!よ、妖術って・・・!?何なんだよこれ!?何かの撮影か何か?・・・その格好って、コスプレとかだったりするの?」
・・・どうやら彼も、状況を飲み込めていないようで。何やらよくわからない言葉をまくし立て、今度は何かを探すかのように、再び周りをきょろきょろと見渡す。
で。それが完全に、三人組の怒りを買ったらしく。
「てんめえ!何分けのわかんねえことを言ってやがる!よく見りゃいい服着てやがるし、身包み剥いで、そのままぶっ殺してやる!!」
小男が彼に、その手に握った剣を振り下ろす。
けど。
「ぶげらっっっっ!!」
次の瞬間、小男は宙を舞い、はるか後方に吹き飛んでいた。
「ち、チビ!?てめえ!チビに何しやがる!!」
「そりゃこっちの台詞だっての!いくらオモチャだからって、いきなりこんなもの振り下ろされたら(ずしっ)重たっ?!・・・って、これ、本物ぉ?!」
・・・なんか、すっごく驚いてる。オモチャだと思っていたわけ?あれ。・・・ていうか、この人、・・・強い。
「の野郎、ふざけやがって!!おいデク!やっちまえ!!」
「わ、わかったんだな」
デカ男が彼につかみかかる。その体格差は、大人と子供。・・・いくらなんでもあれじゃあ。と、そう思ったんだけど。
「・・・・・・あんたら、ウドの大木って、知ってる?」
『へ?』
私も含めて、そろった三人の間抜けな声。その一瞬後。
ぶおんっ!!
「おわあっ!ばか!こっちにくんn」
ぷちっ。
・・・大男が派手に吹っ飛んで、アニキと呼ばれていた細男を、見事に下敷きにしました。・・・あれは重いわ、うん。・・・安らかに眠って頂戴。あんたたちのことは、すぐに忘れるから(笑)。
「ふ~う。・・・あ、そだ。・・・君、大丈夫?どっか怪我とかしていないかい?」
まるで何事もなかったかのように、彼は優しく微笑みながら、私にその手を伸ばしてきた。けど、そんな彼に対して私の口から出た言葉は、心のうちの感情とはまったく正反対の言葉だった。
「・・・べ、別になんてことはないわよ。やつらを追っ払ってくれたのには、その、か、感謝はしてるけど、あんたみたいな得体の知れない奴、まだ信用したわけじゃないんだからね?」
「・・・あ、そう・・・」
あ。落ち込んだ。・・・まあ、気持ちはよくわかるけど、私も私で、何でそんな心にもないことを言っちゃったのやら、この時は全然わからなかった。
服のほこりを落としつつ立ち上がり、彼に背を向け、視線だけを彼に向ける私。・・・年は私と同じか、一つ二つ上ぐらいだろうか。今までに見たこともない、白く光る衣装に身を包み、ぽりぽりと頭を書いている彼。
・・・うん。やっぱり、かっこいい///
正直言って、その顔を正面から見れませんでした。だって、多分、そのときの私の顔は、真っ赤になっていたはずだから。
「・・・ま、それはともかくとして、だ。・・・な、ここってどこだい?こんな景色、日本じゃ見たことないんだけど?」
周囲を見渡しつつ、そんなことをぼやく彼。・・・”にほん”って、何?素直に彼にそれを問うと、目をまん丸にして驚いた。
「・・・まさかと思うけど。ここってさ、中国とかだったり・・・する?北京とか、西安とか、上海のある」
「・・・全部聞いたことのない地名だけど?・・・”せいあん”じゃなくて、”長安”ならあるけど?」
「え。・・・いや、そんな。・・・じゃ、まさか」
さらに青ざめていく彼の顔。それは、考えたくもなかった考えに行き着いた。そんな感じの表情だった。
「じゃさ、今って、西・・・あ、いや。・・・何年、かな?」
「・・・黄平元年」
「・・・もしかして、今って、漢の時代なんてこと・・・」
「そうよ。ちなみに、今の皇帝陛下は十二代の劉宏さま。で、ここは荊州の宛県よ。・・・他に聞きたいことは?」
「・・・ありませんです。・・・まいったな、こりゃ・・・」
質問の先を読み、皇帝陛下の名前と、現在地の名前を教えた私の言葉に、がっくりとうなだれてその場にへたり込む彼。・・・なにやら、相当重大な事実に気づいたらしい。・・・けど、まあ。それはともかく、こんなところにじっとしててもしょうがないわけで。
「ちょっと。あんた何に気づいたのか知らないけど、ずっとそこに座り込んでいるわけじゃないでしょうね?・・・あいつらが気絶している間に、とっとと近くの邑まで行くわよ。・・・い、行く当てが他にないんなら、と、特別に護衛としてなら連れてってあげるけど?」
そんな彼に背を向けたまま、あくまでも冷静さを装いつつ、早めの移動を促す私。
「・・・そう、だな。これからのことは、それから考えるとするか。・・・な、せめて名前、聞かせてくれないか?いつまでも”君”って呼ぶのもなんだし」
あ。
言われてみれば、まだ名乗ってなかったっけ。・・・とはいえ。男に対しては徹底的に素直じゃない私。それへの答えはこんな風だった。
「・・・はあ?何で男なんかに自己紹介なんかしなきゃいけないわけ?・・・まあ、どうしてもって言うんなら、まずはそっちから名乗ったらどうなわけ?・・・それだったら、答えてあげなくもないけど」
「・・・(きっつい娘だなぁ・・・)「・・・なんか言った?」・・・いえ何でも。・・・俺は、北郷一刀」
「北が姓で、名が郷?一刀が字かしら?・・・変な名前」
「いや。姓が北郷で、名が一刀だよ。字ってのはないよ」
字が無い?・・・まあ、別に珍しいわけじゃないけど。・・・まあ、ああ言った手前、こっちも名乗っておきますか。
「・・・私は、姓は荀、名は彧、字は文若、よ」
以上が、この私、荀文若と。後に、天の御遣いとして知られるようになる、北郷一刀との。その出会いの顛末。
そして。
私の、初めて経験した、”異性”への初恋の、その瞬間でありました。
~続く~
という感じでお送りした、ツンツンルートの第一話でした。
いかがだったでしょうかね?
桂花がなんで一人で荊州にいるんだという突っ込みは、無しの方向でお願いしますw
ここは外史、なんですからね?(あー便利な言葉w)
ちなみに、一刀には一応、チート補正を少しかけてあります。数値にするとこんな感じ。
統:78 武:68 知:88 政:81 魅:∞
魅力の値は当然ですねw
武に関しては、沙和と対等ってレベルですね。知力は天の知識補正です。
さて、桂花と一刀は、これからとある邑に向かいます。
そこで、次のツン娘と出会います。
誰になるかは、次回をお楽しみに。
あ、一応、北朝伝と交互に投稿していく予定です。
それではまた次回、第二話にてお会いいたしましょう。
再見~www
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はいはい皆さんこんにちわ。
デレ日記を妄想中に思いついた新ルート。
その名もツン√でございますw
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