この世界に降りた俺が橋玄さんに拾われてから、10年がたち学生だった俺も四捨五入すれば三十路になる年齢になった。
橋玄さんやその周りの人々もいい人ばかりだし、橋玄さんの家人として働く今に不満は無い。
だが・・。
どんなに楽しい時でも、どんなに遣り甲斐ある仕事を終わらせようとも。
俺には胸の奥にはぽっかり空洞が空いた感じがある。
俺はほんとにこのままで良いのだろうか、俺がこの世界に来たのはこの為だったんだろうか・・。
「・・今日はずいぶん話が長いな」
その日俺は付き添いで、橋玄さんの友人曹嵩さんの家に来ていた。
橋玄さんは数時間前から、曹嵩さんと二人っきりでなにか密談をしている。
「(・・また、変な話してるんだろうな~あの初老二人)」
主とその友人に対してなんだが・・あの二人は若干変である。
橋玄さんは一見温和そうだが、な~んか隠し事が多そうな人だし、曹嵩さんもいつも無口でなに考えてるか分かんない。
「北郷君」
「はい、馬鈞さん・・如何しました」
そんな事を考えている間に曹嵩さんの家人である馬鈞さんが俺に声をかけてきた。
「曹嵩様が呼んでるわ・・一緒に来て」
「曹嵩さんが?・・分かりました」
俺たちは並んで曹嵩さんの部屋に向かっていた。
「橋玄さんじゃなく曹嵩さんが俺を呼んでるんですよね・・なんのようなんですか?」
「重要な話だから、私より曹嵩様に直接聴きいたほうがいいわ」
そう話しながら俺たち二人は部屋の前に着いた。
「曹嵩様、連れて参りました」
「入りたまえ」
馬鈞さんがドアを開け中に入り、俺も続くように中に入った。
部屋の中には、曹嵩さんと橋玄さんがいた。
橋玄さんは腕を後ろで組みながら、机に座っている曹嵩さんの後ろに立っており。
「・・・・・」
机の上に肘を置き両指を絡ませた手の上に鼻を置いている、曹嵩さんは相変わらず無口で無言のまま俺を見つめている。
「・・・(怒)」
あ、あれ・・というか、なんか睨まれてない・・俺?
「曹嵩」
「・・(プィ)」
橋玄さんが嗜む様に名前を呼ぶと、曹嵩さんは目を明後日の方向に向ける。
「す、すまんな・・」
「い、いえ」
橋玄さんが変わりに謝る。
「えーと・・それで曹嵩さんなんの用でしょうか?」
「・・・」
・・曹嵩さん完全無視だ。
「お、お前に頼みたいことがあるのだ」
「頼みたい・・事ですか」
慌てて、橋玄さんがフォローに入ってくる。
「ああ・・入ってくれ」
そう頷きながら、橋玄さんは室外に向け声を出す。
「・・」
数秒後、一人の少女が無言で扉を開けて入ってくる。。
少女は年のころ10台半ばくらい。
高い階級の者しか着れない様な豪華な服装を纏い、俺のほうを凝視してくる。
俺のほうも彼女から目が離せなかった。
白磁のように白い肌。
蒲公英を連想させる、螺旋階段の様なロールの金髪。
そして透き通った水のような蒼の瞳。
俺の心の中は一瞬にして彼女のビジョンに埋め尽くされた・・。
「曹嵩殿の娘である曹操殿だ」
橋玄さんが少女の名を口にする。
その声で俺は我に返ったが・・。
「彼女を・・お前に任せたい」
次の瞬間、俺の胸の奥の空洞が何かで満たされていく予感を感じていた。
『華琳育成計画無双』
「ま、任せるって・・曹嵩さんのお、お嬢さんをお、俺の嫁に!!!!!!!!!!!!」
「そんなわけあるか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
曹嵩さんが有り得ない動き(机からマトリックス的な飛び)をしながら俺に迫ってきた・・。
「か、かわいい!!ひ、一人娘だぞ!!!!おんどりゃあ!!!!!!!」
「曹嵩様!!」
俺の襟を掴みながら、今にも殴りかからんとしていた曹嵩さんを馬鈞さんが一言で止める。
「・・ば、馬鈞~」
「ただの・・勘違いです、元漢の大尉である曹嵩様が慌てるほどのことではありません」
情けない声を出す曹嵩さんに対し、馬鈞さんは淡々と冷めた顔で諭す。
「勘違い?って・・どーいうことですか橋玄さん」
「曹操殿を男としてでは無く、教育係として任せるといっとるんだ」
「へっ?教育係?」
「そうだ!!ただの教育係だぞ!!絶対お前には娘はやらん!!」
復活したように、声を荒げた曹嵩さんだが・・馬鈞さんに一睨みされてまた黙りだした。
「そうだ・・わしの屋敷に離れがあるだろう」
「え、ええ・・」
そんな・・曹嵩さんを無視して橋玄さんが話を進める。
「あそこにお前さんと曹操殿に住んでもらって・・お前には曹操殿の教育をしてもらいたい」
「ど、同棲ですか!!!!」
「☆・。、@ぱ:p-あ:::!!!!!!!!!!!!」
激怒で、声にならぬ声をあげ口をパクパクしている曹嵩さんを馬鈞さんがみぞうちパンチで落とす。
同じネタの繰り返しでお客様を飽きさせないための馬鈞さんのナイス行動だ。
「よ、よく思い出せ!離れは隣り合って二棟あるだろう・・それぞれちがう部屋で生活するんだ
「あ、ああ・・なるほど」
・・ちょ~っと残念。
「えーと・・でも、なんで隣り合って?俺には最初から本邸のほうに部屋はありますし」
「まあ・・そのだな」
「・・監視よ」
「へっ・・」
なんだか口ごもる橋玄さんの変わりに、後ろ方から少女・・いや、曹操さんが答える。
「監視?」
「そう・・私が悪さをしないようにね・・そうでしょ橋玄様」
「ま、まあ・・そういうことだ」
「えーと、どういうこと?」
橋玄さんが微妙な感じで頷くが。
情報が少なすぎて俺は理解できなかった。
「あ、あとで説明する・・と、とにかく数日後曹操殿はわしの家に来てもらい、そしてお前はその曹操殿の世話役兼教育係になってもらう」
数日後・・橋玄邸離れ曹操の部屋
「えーと、曹操さんはなんてよべばいい」
「呼び捨てでいいわ」
俺は屋敷に着いた曹操さんと向かい合っていた。
あの後、橋玄さんからきいた話を要約すると。
『不良娘を監視ながら更正させよ・・』という事だ。
えーと、ちなみにさすがは漢というか昔!!
盗賊擦れ擦れの行為や、人妻を強奪したレベルで不良と指すらしい・・。
正直、家庭(曹家)でどうにかしてください!・・っといいたいが。
家長の曹嵩さんがアレなのでそれは難しい・・なので曹嵩さんの唯一の友人である橋玄さんに話が廻ったのは仕方がない。
・・そうあきらめて、俺は曹操さんに対面していた。
「呼び捨てはいきなりだから・・えーと、曹操ちゃんで!」
「殺すわよ」
・・曹操さんはかなり恥ずかし屋のようだ。
「えーと、曹操さんってなにが好きかな」
「あなたみたいな、馬鹿はきらいだわ」
・・好きなものをきいたんだけど、曹操さんはちょっと会話能力に難が、というより俺との会話が嫌いなのかな。
「えーと、今月の予定なんだけど」
「・・・・」
なので・・俺はヒヨって事務的な話を切り出した。
4月
さて・・来月のスケジュールを決めないと。
華琳ステータス。
基本知力050/200
基本体力050/200
基本語集000/999
社会適応050/200
道徳感覚050/200
感受能力050/200
ot度(謎パラメータ)000/200
北郷への好意-10/200
①勉強を教える
②体育を教える
③言葉を教える
④遊びに行く
⑤修行をする
⑥絵を書く
お知らせ・・。
させたいものの番号を選んで、コメントすると。
今日(27日)19時までに一番多い物を、明日0時(28日)の更新で実行(数行ですが・・ss化予定)。
加えてパラも変化=このssのオチに影響。
上みたいのをランダムタイミングで6回ぐらいやる予定です。
まあ、チャレンジ企画なので人気がなければ即終了です。
例
③華琳に言葉をおしえる(が寄せられたコメントで一番多い場合)。
「北郷・・あなたが私に言葉を?」
言葉を入力してください。
「メイド・・(を入力)」
「メイドって・・どういうものなの?」
「まあ・・職業かな」
「楽しいの?」
「まあ・・本人は楽しいんだろうね」
「北郷はすきなの」
「・・ま、まあ」
「そう・・北郷はすきなの」
「メイドは楽しい職業で、北郷が大好き・・」
数ヵ月後
「私・・将来メイドになりたいわ」
「なんで?」
「か、一刀が好きなんでしょ・・メイド」
④遊びに行く
「ひぇ~!・・そ、曹操様だ店を閉めろ!!」
「い、いそげ!!なにをされるかわからんぞ!!」
「びぇえええんーー!!!」
「お、おたすけをーおたすけをー!!」
なんだろ・・モゼーみたいに俺たちが進む方向進む方向阿鼻叫喚の嵐だ。。
「・・・」
いや・・まあ、本当は理由はわかってる。
「・・・」
俺の隣にいるずーと無言でガンを垂れてる人のせいだ。
そう・・曹家の不良娘である曹操さんの。
この町の人々の反応、この不良娘様どこまで悪いことやってるだろう・・。
「・・・」
「・・・」
俺と曹操さんは洛陽の市場に遊びに来ていた。
明らかに俺に対する、曹操さんの好感度が低すぎて教える云々所じゃないため。
曹操さんと距離を「遊ぶ」事で近づけようと一計を案じたのだが・・。
ここ数十分俺たちは一切言葉を交わしてない。
俺が話しかけても曹操さんに無視されるばかりの為だ。
ていうか・・目すら合わせてくれないのでそれ以前の状態である。
「・・・」
「(はぁ~こんなんで今後うまくやっていけるかな)」
※いきなりはデレません・・徐々にです。
5月
さて・・来月のスケジュールを決めないと。
華琳ステータス。
基本知力050/200
基本体力050/200
基本語集000/999
社会適応100/200
道徳感覚050/200
感受能力050/200
ot度(謎パラメータ)000/200
北郷への好意010/200
①勉強を教える
②体育を教える
③言葉を教える
④遊びに行く
⑤修行をする
⑥絵を書く
⑦怪しい本を買う
次の『ヤンデレ無双』投稿(来週の土日に予定?)までに一番多い物を、次の更新で実行(数行ですが・・ss化予定)。
③言葉を教える。
「あなたが私に言葉を・・」
言葉を入力してください。
「白百合(を入力)」
「白百合・・ど、どういうものなの?」
「ああ・・花の名前だよ」
「奇麗な花?」
「まあ、人それぞれだろうけど・・俺は好きだよ」
「そう・・」
「・・・・」
「どうしたの曹操さん?急に真剣な顔をして」
「白百合・・って言葉に私なぜか心躍るの」
数ヵ月後
「今日・・町ですごい娘に会ったわ」
「へえ~どんな娘?」
「私ぐらいの年齢の娘なんだけど・・一人で泥棒3人を退治したの」
「そ、それはすごいね」
「しかも、黒髪長髪の可愛い娘だったわ・・ほんとにほんと可愛いかったわ~」
「そ、曹操さん・・」
「なに?」
「よだれ出てるよ・・」
6月
華琳ステータス。
基本知力050/200
基本体力050/200
基本語集001/999
社会適応100/200
道徳感覚050/200
感受能力050/200
ot度(謎パラメータ)000/200
北郷への好意030/200
えーと、募集期間中寄せられたのが一件という事で・・今回で打ち切りです。
というわけで・・今のステータスでエンドに。
北郷就任後から・・1年。
「・・あらあら、ここの(外史)ご主人様は駄目駄目ね」
「ああ・・1年たっても曹操は北郷に心を許していない上に、素行以下総てが成長していない」
「そうね~」
「この外史の北郷はもう駄目だな」
「うふふふ・・仕方ない処理してくるわ」
「ああ・・頼む」
北郷(育成無双版)は外史から外され元に戻されました。
それから数千年後・・(曹操が転生した現代へ)
北郷「・・はぁ~せっかく町にきたのに暇だな」
曹操「・・・・」
北郷「(あっ・・ちょっと不良ぽい感じだけど奇麗な娘!こ、声かけようかな・・)」
曹操「・・・・」
北郷「(ああ・・通り過ぎちゃった、度胸を出して話しかければよかったな~)」
曹操「(あのブ男私を見てたけど、どこかであったかしら?・・なんだか私も知ってるような気がしないことも無いけど)」
謎の猫耳軍師の攻略講座
この全身生殖器!!あんたと華琳様が通りすがり程度の仲なのはざまーみろでいいけど・・
ここ(外史)の華琳様は不良だし頭も体力も人以下で散々じゃないいの!!ああ・・この馬鹿が教育係についたばかりに華琳様おいたわしい~。
だいたい!あんたが華琳様の教育係ってのが間違ってるのよ!製作者の設定そのものが間違ってるのよ!!
本来はシン○育成計画みたいに、私のようなお姉さんが華琳様を教育すべきなの!
そう・・私が華琳様に色んな事を手取り足取り教え、教えられ、愛し、愛され・・。
むふふふふふ・・・・(妄想世界旅行中)。
と、とにかく!!全身生殖器のあんたはもう不要なの!!
えっ・・!華琳様育成無双がうまくいけば、次は私をあんたが教育するはずだったですって!!
・・・・・・・・・・・・。
ば、馬鹿いうんじゃないわよ!!この○☆姦◇△男!!!!
そ、そんなの絶対いやに決まってるじゃない!!あ、あんたなんかに教えられるなんて!!
ぜ、絶対いやよ・・・・//。
キャラ設定
曹嵩 曹操の父親、素行の悪い娘に悩み、北郷に預ける。
橋玄 曹嵩の知人で、自分が拾った北郷に華琳の育成役に任じる。
馬鈞 曹嵩に使える発明家・・実はセクハラに悩まされてる・・がっ今は逆にセクハラの数々を曹嵩の妻(故人)の墓でばらすと脅し、多額の研究費をせしめてる。
あとがき①=終了後
・・やっぱり失敗でした。
意見を寄せてくださった皆さんすみません・・。
さっぱりとしたオチ(ステータスが低すぎる)しか書けませんでしたので、オマケで『猫耳軍師攻略講座』を付けました。
実は宇和ssで、猫耳軍師様は初登場!!ということで・・キャラが掴めてない感じですw
※終了したの全公開へ切り替え。
あとがき②=終了前
・・アヤナミ育成計画のパクリですw
ssでこんなんやって反応あるのか疑問ですが。
いつもコメント返さない変わりに、お客様と楽しめる事を考え実施しました。
まあ、上はあと付けをですw
事実はただ・・次作(今日深夜に投稿?)がくらすぎるのでその反動と育成計画のギャグ4コマみてて思いついただけです。
そんなんなので期待皆無で楽しんでくださればと・・。
ps
こんな感じのミニイベントを多々某ネットゲームでやってる割りに・・。
大方失敗の宇和よりw
※お気に入り限定なのは。
・有り得ないですが繁盛した場合を考えてのコメント制限。
・とんでもなくこけそうなssなので・・あまり多数にみせないためにです。
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華琳を育成(ミニゲーム付き)するssです。
あなたのコメントで華琳が幸せにも不幸せにも・・メイドやオタクにも。
第一回追加更新・・・終
第二回追加更新・・・終
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