No.208286

真・恋姫無双 ifストーリー 現代演義 第9話

オトナシさん

なんだか、父親が若干(?)空気になってしまった・・・。

しかし今後もこれがデフォになると思われます・・・・。

2011-03-27 00:10:40 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:5683   閲覧ユーザー数:4705

ここは某県にある恋姫市(れんきし)

 

この市の名前には、ある昔話がある。

 

このあたりには、とある小国があった。その国には一騎当千の猛者が多くいた。その猛者たちがいれば、天下統一も夢ではないと言われるほどに・・・。しかし、城主は天下統一に興味がなかったので、中立を貫き続けた。

 

この国の外から訪れる人物のほとんどは、この国の猛者たちに挑戦しようとする武人たちだった。しかし、その猛者たちはみな女性であったために拍子抜けする者がほとんどだった。

 

だが、その数秒後武人たちは宙を舞い、吹っ飛ばされた。

 

ある日その国に一人の青年が訪れた。

 

その青年は何かが秀でているというわけではなかったが、何故か・・・重要なのでもう一回言うが、“何故か!”国の少女たちを魅了した。

 

いつしか少女たちは、その青年を巡っての争いが始まった。いわゆる一つの内戦である。

 

しかし、そんな醜い争いであるにもかかわらず、人々には少女たちの姿はとても美しく、可憐に映った。

 

そして、いつしかこの土地では、そんな恋する乙女たちを「恋姫」と呼ぶようになった。

 

 

ちなみに、この内戦を止めたのは、正々堂々な武道大会にて決着がついた。

 

現在では、この話にあやかって年に一回、女性限定(既婚者不可)の武道大会が開催され、優勝者には「恋姫」の称号が与えられる。この称号はじしつ世界最強を意味する。そのため、世界中から腕自慢が修行などで結構やってきたりする。

現在私、北郷一刀めは正座をし、板挟みにあっております・・・・。

 

良ければ、誰か助けてください。

 

はい。そんな人はこの場にはおりません。いや、可能性がある人物が一人だけいた。

 

俺の目の前には三人の人が正座して座っている。その内の俺から見て右側に座っている、人のよさそうな俺によく似た人。正確に言うと俺のほうが似ている。

 

その人物とは俺の父親である、北郷武(ほんごうたける)。父さんは見た目の通り人がいい。このちょっと殺伐とした空気の中でもニコニコしている。

 

ちなみに、ここは俺の実家の爺ちゃんの道場。門下生も結構人数がいるので、我らが三国志の英傑たちもちゃんと全員入った。

 

母「つまり・・・その子達は、三国志の武将や軍師で、あんたがその世界に飛ばされて、帰ってきたときに一緒に帰ってきちゃった、と・・・・・」

 

一刀「まぁ・・・・要約いたしますとそうです。はい・・・・」

 

俺から見て左側にいるのは、もうみなさんお分かりだと思うのですが、俺の母親、北郷火憐(ほんごうかれん)。腰よりもすこし長いくらいの黒髪を今はポニーテールにして纏めている。道着を来ている時はいつもこの髪型だが、基本的にはストレートだ。この人をわかりやすく例えると、刀が擬人化したらこんな感じなんだろうと思うような人だ。ちなみに、旧姓は斑鳩(いかるが)。

 

みんなのことについては説明はもう、あるがまま、いやあったがままを伝えた。

 

火憐「・・・お義父さんはどう思います?」

 

爺ちゃん「ふむ・・・頭の良さは分からんが、何人かはめっちゃ強いのがおるのう」

 

俺の正面に座っているのが、俺の爺ちゃんの北郷源蔵(ほんごうげんぞう)。現在ここにいる道場の総代である。恋姫市出身でも男性でここまで強い人はかなり珍しい。

 

分かりやすく言うと、あっちの世界の一般兵の戦闘力を5くらいとすると、葵が10~20くらい、恋姫市の女性7~30(武術の本格的な鍛錬をしている人)爺ちゃんが40、母さんが70、武将たちの平均35。(作者はよくいわれる武力とか知力の数値を知りませんのであしからず)

 

母さんは結婚するまで、一度たりとも恋姫の座を譲っておらず、最強の名を欲しいままにし、いまだにその強さが続いている。そのため、優勝者には挑戦権が与えられるという特殊なシステムができた。ちなみに、現在の恋姫は葵だ。

 

源蔵「それに、べっぴんさんばっかりだしのう。へ、へ、へ」

 

一応、言っておくが爺ちゃんはかなりのスケベだ。最近では自分の血がこの人のものなんだなぁなんて思うことがしばしば。

 

それは、俺の後ろにいるみんなも思っているようで、「外見が父親で、中身が祖父か・・・」みたいな視線が当たる。

 

火憐「お義父さん・・・?お義母さんに言いつけ・・・」

 

源蔵「すまん。それだけはご勘弁を!」

 

言い切る前に頭を下げて謝罪をする爺ちゃん。この世で爺ちゃんが勝つことができないのは、母さんと婆ちゃん。しかし、婆ちゃんは旅行好きのためしょっちゅう家を空けており、現在もいない。ちなみに、婆ちゃんの強さは35だ。

 

武「まぁまぁ、火憐。落ち着いて」

 

火憐「う、うん。武がそういうなら」

 

見た感じは恥じらう乙女。母さんは紫苑や桔梗のように見た目は結構若い。だが、実の母のそんな姿を見せられる子供はたまったものではない。まぁ、もう慣れっこだけど。それに自分の年r・・・「ギロッ」・・・何でもありません。

 

はぁ、そんなんだからご近所から「万年新婚夫婦」なんて言われるんだよ。

 

しかし、三国志勢の視線に気づくと本気で恥ずかしくなったらしく、顔を赤めた。

 

火憐「オ、オホン。それで?あんたはどうしたいの?」

 

一刀「え?信じてくれるの?」

 

火憐「あのねぇ。誰があんたのことをそこまで育てたと思っているの?自分の子供が嘘をついているかどうかくらいわかるわよ」

 

一刀「ありがとう!母さん!」

 

思わず感動して、頭を下げた。

 

火憐「はいはい。それで、本当にどうするの?」

 

一刀「できれば、みんなをここに置きたいんだけど・・・・」

 

火憐「まぁ、もう来ちゃってるしねぇ。う~ん、でもこの人数はなぁ・・・・」

 

腕を組んで悩む母さん。しかし、その隣に座っている爺ちゃんには名案が浮かんだらしい。

 

源蔵「お~、なかなかいいアイディアが浮かんだぞい!」

 

火憐「本当ですか・・・?」

 

源蔵「少しは信じてくれてもいいじゃん・・・・」

 

信じてくれなかった母さんに爺ちゃんは傷ついたようだ。いつの間にか道場の隅っこに移動し年甲斐もなく体育座りをして、いじけている。

 

火憐「あー、すいませんすいません。それで、何を思いついたんですか?」

 

源蔵「え?聞きたい?」

 

火憐「言う気はないなら別に・・・」

 

源蔵「是非とも聞いてください。お嫁さん」

 

火憐「仕方ないですね。お舅さん」

 

そう言うと、また一瞬で元の位置に戻ってきた。力の無駄遣いってこういうことを言うんだなぁ。しかし、さっきもそうだったが、みんなは爺ちゃんの速さに驚いたようだ。

 

火憐「それで、何ですか?いいアイディアって」

 

源蔵「ふむ。武、お前もちょっと耳貸せ」

 

武「え?うん」

 

そう言うと大人たちは円陣を組んで密談を始めた。こそこそ話しているのであまりよく聞こえない。

 

源蔵「あの子たちをな・・・・・・」

 

武「ふむふむ」

 

源蔵「でな、・・・・・・するんじゃ。どうじゃ」

 

火憐「ふふふ。お義父さん、よくそんなことを思いつきましたね?」

 

源蔵「じゃが、本当にええアイディアだったじゃろう?」

 

火憐「ええ、それはもう」

 

密談が終わると、母さんと爺ちゃんはニヤニヤと笑っていた。なんだか今にも、越後屋とかお代官様とか言いだしそうな空気を醸し出しながら・・・・・。

 

 


 
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